2017年10月1日 更新

イングリッシュ・ガーデンを巡る旅~ハンプトンコート・パレスを訪ねて~

ロンドン中心地からも行き来しやすい場所にあるハンプトンコート・パレス。ロンドンでの主要観光名所にもなっている場所ですが、こちらには一日かけて楽しめる広大なガーデンがあります。長い歴史を持ち、さまざまな異なるガーデンを眺める事の出来るハンプトンコート・パレスのレポートをお届けします!

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その後ジョージ2世が王妃キャロラインと共にハンプトンコート・パレスの改装を進めますが、このジョージ2世がハンプトンコート・パレスに住む最後の王となりました。

1760年以降、王室はロンドンの宮殿に移り、1838年にヴィクトリア女王はハンプトンコート・パレスを一般に公開しています。

ローズガーデン

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500年以上もの歴史を持つハンプトンコート・パレスは、宮殿そのものも見どころがたくさんあるのですが、幾つもの異なる表情を持つガーデンも魅力がいっぱいです。

チケットオフィスのすぐそばに配置されているローズガーデンは、近付いただけで香しいバラの香りを感じる事が出来る場所。

ハンプトンコート・パレスへの滞在は、バラのシーズンを強くおすすめします! 広い敷地に咲き誇るたくさんのバラを堪能する事が出来ます。
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ローズガーデンがある場所はかつて、ヘンリー8世が馬術試合を楽しむために作られた場所でした。
1690年、ウィリアム3世とメアリー2世によってここはウォールド・キッチンガーデンに改築しています。

今あるローズガーデンは増えつつあった来場者を楽しませるため、第一次世界大戦後の1924年に作られ、さまざまなオールドローズが植えられました。

1937年にガーデナーたちが現在のフォーマルなレイアウトを造り、多くのハイブリッドローズを植えたのだとか。
なお、キッチンガーデンはローズガーデンの場所を得るために縮小されたそうです。
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様々な色彩を誇るローズガーデンはガーデンの壁に沿い、あるいは中央に植えられています。
その中にバラの美しさを引き立てる銅像が配置されていますが、春と夏を表しているという大理石の銅像は、1869年、ロバート・ジャクソンによって作られたもの。

これらは1995年にプリヴィ・ガーデンで復元されたもので、1906年に作られたフランシス・ダーウェント・ウッドの『Abundance』と一緒にこの場所へ移動させられたそうです。

バラの中に静かに佇む銅像が、ローズガーデンのエレガンスさを一層際立たせているのが分かります。

プリヴィ・ガーデン

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ハンプトンコート・パレスにある数多くのガーデンの中でも、その壮大さと美しさに圧倒されるに違いないのが、プリヴィ・ガーデンではないでしょうか。

Privy Garden とはプライベート・ガーデンを意味し、最初はヘンリー8世によって1530年から1538年に建設されています。

オリジナルのデザインはふたつのエリアに分かれ、ひとつは真鍮の日時計と彫像が配置されたエリア、もうひとつはボーリング場や宴会場、ウォーター・ギャラリーのあるエリアで、大きさは61m×91mほどのサイズだったそうです。

エリザベス1世の時代、1599年から1659年の間に、庭園のレイアウトは、4つのエリア変更されています。
その後、ウィリアム3世とメアリー2世の時代には、ヘンリー8世のルネッサンス庭園から、より洗練されていると思われたバロック様式に再建し始めています。

ウォーター・ギャラリーは解体され、プリヴィ・ガーデンは3エーカー(12140㎡)の面積を超える現在のサイズにまで拡大されました。
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1700年までにウィリアム3世とメアリー2世のため、キングス&クイーンズのアパートメントの再建が完了しました。

ウィリアム3世のキングスアパートメントの南側に、このプリヴィ・ガーデンが配置されています。このプリヴィ・ガーデンは、彼のキングスアパートメントを完璧にするために造られたと言われています。

上の写真はキングスアパートメントから眺めたプリヴィ・ガーデンとなります。見事なまでに整えられたその堂々たる景観には圧倒されてしまうほど。

プリヴィ・ガーデン、つまりプライベート・ガーデンはその名の通り、王と彼のゲストだけしか使う事を許されませんでした。
王のプライベートな謁見室からの最も素晴らしい眺めは、王が定めた重要と思われる人々だけに与えられた特権でした。
時代を経た今だからこそ、この眺めを見る事が出来ますが、その景観が過去と同じものだと思うと何だか不思議な感じがしてしまいます。

非常に豪奢なプリヴィ・ガーデンですが、18世紀の半ばを過ぎると変更を余儀なくされます。その理由はウィリアム3世の時代にデザインされたバロック様式が、その後の時代の流行からは外れてしまったからだそう。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi