2019年2月14日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ パラム・ハウス&ガーデンズ Vol.2 ~

14世紀からの長い歴史を持ち、3つのファミリーによって引き継がれてきたパラム・ハウス。エリザベス朝時代のエレガントさを保ち続ける邸宅や内部の壮大なコレクションを始め、ガーデンにも見どころがいっぱいです。今回はクラシカルとモダンが美しく融合した、パラム・ハウスの庭園のレポートをお届けします。

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姿を変え続けた、パラム・ハウスのガーデン

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ピアソン夫妻がパラム・ハウスを手に入れた1920年代はようやく第一次世界大戦が終わった後でしたが、その後の1939年から第二次世界大戦が始まります。

当時、戦時中の多くの英国のカントリーハウスの庭園がそうであったように、パラム・ハウスの庭園もまた、庭園は野菜を育てる場所へと変わりました。

このガーデンに植栽されたのは花や植物たちから野菜へと変わり、時には何も植えられることはなく、あるいは芝生を張り巡らしたりと、歴史ある庭園に長い物語があるように、パラム・ハウスのガーデンもまた、何度もその姿を変えることとなったのです。
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1980年代の初頭には、ガーデンデザイナーのピーター・コーツが植栽を請け負い、彼は独自の印象的なカラーリングをパラム・ハウスのガーデンにもたらしました。

彼は庭園内に数多く点在するボーダーに、中低木とハーブ、そして花々が織りなすコントラストを取り入れています。そして彼のデザインしたボーダーはそのスタイルを保ちながら発展を続けていきました。

ピアソン夫妻の時代には20人近くのガーデナーが働いていたそうですが、今は現在のオーナーであるレディ・エマ・バーナードとともに、ヘッド・ガーデナーのトム・ブラウンを筆頭に6人のガーデナー、そしてボランティアの人々によって運営されています。

現在のパラム・ハウスの庭園は、これまでに取り入れられたエッセンスを残しつつも、以前はウィズリー・ガーデンで働いていたというトム・ブラウンの才能が遺憾なく発揮された、素晴らしい植栽を堪能できる場所となっています。

エントランス・ボーダー

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パラム・ハウスの庭園の入り口は、イストリア半島のライオンの像があるライオン・ゲートから始まります。その前方に広がるのはエントランス・ボーダーと呼ばれている場所です。

中央に道を作り、左右に奥行きをたっぷりとったエリアに、中低木とリーフ、そして花々を組み合わせた自然の風合いに満ちあふれたボーダーです。
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ここはグリーンを中心に、野趣あふれる雰囲気でとてもナチュラルなイメージ。広大な敷地を誇るパラム・ハウスにふさわしく、自然味あふれるのびのびとした印象でした。

途中にショップへ通じる扉があるのですが、ここの植栽は特に素晴らしく、陰影がとてもロマンティックで記憶に残るゲートとなっていました。
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ホワイト・ボーダー

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パラム・ハウスのガーデンのレイアウトは非常にシンプルで、長い壁に囲まれたウォールドガーデン内に大きく分類して4つのエリアに分かれています。
その内部にいくつものボーダーがあるのですが、中でも最も印象に残ったのがホワイト・ボーダーです。この場所の植栽は、ガーデンデザイナーのラニング・ローパーへのオマージュとしてデザインされたそう。
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Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi