2017年8月13日 更新

イングリッシュ・ガーデンを巡る旅~パシュリー・マナー・ガーデンを訪ねて~

ケント州とサセックス州のボーダーにある、パシュリー・マナー・ガーデン。まだあまり日本では有名ではないかもしれませんが、庭の他にも由緒ある邸宅や、敷地内に点在する彫刻など、見どころいっぱいの素敵なガーデンです。このマナーハウスの歴史、そしてガーデンのレポートをお届けします!

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イギリスでは後の1916年、首相となるロイド・ジョージが大蔵大臣であった時代の1910年に、所得税率と相続税の引き上げ、累進課税を強め、更には土地課税制度を含んだ人民予算案が成立しています。

そのため貴族の生活が楽ではなくなったからなのかは分かりませんが、その後パシュリー・マナーハウスには買い手がなく、邸宅が売りに出された1922年からは持ち主のいない状態が続きます。

残された記録としては第二次世界大戦中、空襲からの避難場所として地元の人々が使用していたとありますが、次のオーナーが現れる1945年までは誰にも使われる事のないまま、無人の屋敷となっていたのです。 

ガーデン・アワードをも受賞する、庭造りのスタート

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1945年に購入した持ち主は、パシュリー・マナーハウスはまるで幽霊屋敷のようだった、と記しています。

1981年、現在のオーナーであるセリック夫妻がパシュリー・マナーハウスを購入した際は、ガーデンは以前の持ち主による何らかの努力が払われていたにも関わらず、堀や池は沈泥でふさがれており、庭に茂る低木は育ち過ぎ、芝生は今のように整備はされていない状態だったそうです。

いま現在の姿からは想像し難い、かつては荒れ果てた庭であったパシュリー・マナー・ガーデン。

美しいガーデンと言うにはほど遠く、ほぼゼロに近い状態だったであろう1981年に、セリック夫妻の類まれなる情熱と、それを助けたガーデナーたちの努力と共に、庭造りの第一歩がスタートしたのです。
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1982年にウォールガーデンが計画され、1987年には南西の芝生が整備されています。マナーハウスから続く芝生のエリアは緩やかな傾斜となり、邸宅の裏側から池がバランス良く見えるように作り直されています。

今はティールームとなっている、エレガントで印象的なテラスは一定の高さにされ、花壇が家の両脇と芝生の周りに配置されました。

1990年にローズガーデンと洋ナシのツリーウォーク、キッチンガーデンがデザインされています。カラフルなハーブ・ボーダーが1998年の秋から着工が進み、翌年の1999年にはその美しい姿を見せています。

現在ジュビリー・コートヤードと呼ばれているオールド・ステイブル・コートヤードとティールームは、2001年に改装され、2009年1月、レセプションとギフトショップが増築されています。
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セリック夫妻とガーデナーたちが情熱を込めて育て上げたパシュリー・マナー・ガーデンは、ヒストリック・ハウス・アソシエーションと、オークションで有名なクリスティーズのガーデン・オブ・ジ・イヤーを受賞しており、またマナーハウスはイギリス指定建造物の第一級(Grade-Ⅰ)に指定されています。

広大な敷地、そして歴史ある地所とは言え、荒れ果てた庭という出発点からのスタートであり、そこから一般公開へ、さらにアワードを受賞するまでに至る庭造りには、夫妻とガーデナーたちの揺るぎない意志と、感嘆に価する努力があったからに違いありません。
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パシュリー・マナー・ガーデンの魅力としては、美しいガーデンもさることながら、歴史ある由緒ある建造物も見応えがあり、また庭のあちこちに芸術的な彫刻が飾ってあるのも特徴です。

この彫刻を眺めながらガーデンを散策するのがまた楽しい!こちらのガーデンに飾られている彫刻は販売品のものもあるようで、なかなかのお値段が付けられていました。
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とても美しいプールガーデンは圧巻です。そばに配置されている彫刻がとてもリアルで思わずどきっとしてしまいました。

こちらはかつて池であった場所だそうですが、水漏れが激しく、沈泥でいっぱいであったためにこれを排出し、作り直さなくてはならなかったそうで、池の跡地はその後、この美しいプールガーデンに変貌を遂げました。
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プールサイドにあるウォールガーデンもエレガントでロマンティックな雰囲気がいっぱい。こちらでドリンクを片手に夏の夕暮れを過ごす事が出来るなんて、羨ましい限りです。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi