2017年7月26日 更新

チェルシー・フラワーショー2017を訪ねて Vol.1 ~英国で最も有名なガーデン&フラワーショー~

毎年5月、イギリスはロンドン・チェルシー地区にて行われ、世界でも名高いガーデン&フラワーショーとして知られるチェルシー・フラワーショー。チケットは先行販売のみで常に事前に売り切れ、イギリスはもとより、世界各国から16万人ものガーデニング愛好家の人々が訪れる、ガーデンの祭典をレポートします!

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『葉隠/Hidden Leaves』

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2014年にチェルシーフラワーショーにてシルバーギルド賞を受賞した、佐賀県出身のガーデンデザイナー・野田珠晃氏のデザインによる、本年度のシルバーギルド賞を受賞した『葉隠/Hidden Leaves』。

小学校2年生の時から剣道を学んでいるという野田氏が、出身の佐賀県の鍋島藩士の書である『葉隠』をテーマに造り上げた庭がこちら。

日常からの騒音やストレスから離れ、神聖で平和な場所であるこの庭では、家族や友人と過ごす事が出来、また訪れた人々は、繊細な白い花々が咲く、木陰の下の畳を敷いたベンチに腰掛ける事も出来るのだそう。
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この庭のインスピレーションとなった雰囲気と自然は氏の出身地であり、現在も活動をされている佐賀県のものだそうです。

タイトルに付けられている『葉隠』とは『葉と木陰』となり、それは生と死を表し、選んだ色彩は清廉さのシンボルであり、日本では純粋性を表す白がメインとなっています。

キリリと引き締まった鳥居をイメージさせる中に、繊細な白い花がバランス良く植えられ、引きの効果を存分に発揮しているのが印象的でした。
また、木々や葉が作り出した木漏れ日がとても美しく、花や植物の存在が一層際立つガーデンでした。
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今回展示されたガーデンの中では花の美しさにおいて群を抜いており、暑さも吹き飛ばしてくれるような清涼感がありました。
実際に植栽技術では、開花や色の使い方で審査点数は満点を得たそうです。

同じ時に見ていた周囲のイギリス人の方々も花の美しさに感嘆しており、そばにいらした日本人女性スタッフの方にあれこれと尋ねていました。
イギリスでは炎天下とも言える夏日でしたが、てきぱきと美しい英語で説明されている姿が印象的でした!

『御所の庭/No Wall, No War』

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2004年チェルシーフラワーショーにてシルバーギルドメダルを受賞、2006年~2008年に渡り3年連続ゴールドメダルを受賞。

2011年シルバーメダルを受賞、2012年から今年に渡りゴールドメダルを6年連続受賞、アーティザン部門でも6年連続金賞受賞。

また2016年にはチェルシーフラワーショーの出展作品の中でトップであるプレジデント賞も受賞という、素晴らしい快挙を成し遂げている石原和幸氏による、本年度アーティザン部門ゴールドメダルを受賞した『御所の庭/No Wall, No War』。
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この人込みをご覧ください!
とにかく石原氏の人気は凄まじく、今回展示されていた全ての部門のガーデンの中でも一番人気だったのではないでしょうか。

石原氏の才能もさることながら、こちらでのTV番組などに出演されている石原氏のキャラクターも大人気のようです。
近付く事すらままならず、5分程並んでようやくガーデンを拝見する事が出来ました。
今回のガーデンのタイトルである『御所の庭』。平安時代の京都御所には、敵に攻撃される、という意識がなく、垣根も低く造られ、開放的な庭であったと言います。
その概念を表したこのガーデンは決して攻撃される事もなく、それ故に守るための堀も壁もないものとなっており、平和への想いを込めて作られたガーデンだそうです。

木々の葉が持つ色合いのコンビネーションと、庭を流れる川の清涼さ、岩の持つ静けさなど、落ち着いてクラシカルな雰囲気に圧倒されつつも、平穏で静かな気持ちにさせるガーデンでした。
石原氏の特徴とも言える苔の使い方も素晴らしく、日本独特の細やかで美しい、工芸品を眺めているような気分にさせてくれる庭でした。

他の誰にも真似できない、オリジナリティあふれる異空間を造り上げ、何年もファンをあっと驚かせ続けてくれる石原氏のガーデン。また是非来年も見てみたいと思います!
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi