2017年10月30日 更新

彼岸花(曼殊沙華)はなぜ忌み嫌われるの?

彼岸花(曼殊沙華)は、不吉な花だとか怖いなどのイメージを持つ人が多いようです。秋になると一斉に咲き乱れる真っ赤で神秘的な彼岸花、実は毒を持っている花だとも知られています。今回は、妖艶に咲く彼岸花が不吉と思われている意味や、咲く時期や名所などを紹介します。

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彼岸花(曼殊沙華)ってどんな花?

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秋に咲く真っ赤な花、彼岸花。毎年ちょうどお彼岸くらいになると群生して咲きはじめます。別名は曼殊沙華や狐花とも呼ばれ、原産地は日本以外にも中国でよく見られる花です。

あまりにも赤く毒々しく見えると感じる人もいるようですが、子供たちが首飾りとして楽しんでいた事も知られています。また、近代化が進むにつれてあまり見かけることも少なくなってきましたが、田んぼなど自然豊かな土地では、今でも驚くほど美しく咲き乱れているようです。

なぜ田んぼのような場所に咲いているのか

お年寄りから伺うと、昔はよく自然災害などの被害があると食べ物に困るような飢饉が多かった事から、彼岸花の球根を食べる風習があったと言われています。球根なので、一度植えると毎年花が咲くため、いざという時の備え食にしたのでしょうね。来年のために球根を大きくしておく必要があり、茎は残して花だけを積むようにしておいたようです。

彼岸花には様々な特徴がある

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飢饉の為に備えて植えたと言われている彼岸花には、強い毒があり、さすがにそのまま食べられる球根ではなかったようです。食べるまでには何度も毒を抜き、手間をかけて食べていたと言われています。

毒がある球根だったということもあり、畑や田んぼなどを食い荒らすモグラ除けに植えたとも言われていることから、多くの球根を植えたようです。水仙の球根にも毒があるようで、彼岸花と同じように田んぼや畑の周りに群生して咲いている場所がありますよね。昔の人の知恵は計り知れません。

また、彼岸花はスラっとした茎に凛と花を咲かせ咲いている時には葉がありません。逆に、葉がある時には花が咲かないという特徴があります。だから彼岸花の別名には「葉見ず花見ず」と呼ぶ人もいます。それぞれの人や土地柄で様々な人の思いから別名を持つ、とても不思議な花ですね。ちなみに、葉の形は1種類だけはありません。

不吉、怖いと思われている意味

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彼岸花は、死人花、幽霊花、地獄花とも呼ばれている事もあり、「不吉で怖い」などと思われる人もいるようです。でも、実はそこには意味がありました。現在は主に亡くなった人は火葬し、お骨をお墓に入れて弔いますが、昔は土葬(現在も土地柄によって土葬している所もあります)していました。

彼岸花の球根には毒があるので、土葬されたお墓をモグラなどに荒らされないように多く植えられたようです。

死人花、幽霊花、地獄花といった別名を持つ彼岸花は、あまりにも赤く毒々しく見えることからも、血が噴き出しているように見えるためか、「不吉、怖い」といったイメージもあるのでしょう。

しかし、現在でもお彼岸の時期に土葬された墓地に行くと、多くの彼岸花が咲き乱れるなかご先祖様のお墓参りしている人たちもいます。

なぜ曼殊沙華と呼ばれているのか

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曼殊沙華という名前も彼岸花の別名ですが、実は仏典に関わっている事でも知られています。法華経などを仏教行事に詳しい人なら、ご法師様の説法などで一度は聞いたことがあるかもしれません。

ご年配の方や信心深い人たちにとっては、あまり不吉な花だとは捉えていないようです。むしろ、ありがたい仏様の花だと感じているかもしれません。

そもそも彼岸は、秋分の日を挟んだ前後3日間のことを言い、極楽浄土のあの世にいるご先祖様を偲びご供養する日とした、日本独自のものだと考えられています。そのため、お彼岸の前後に咲く頃の花として彼岸花と呼ばれています。

ちなみに曼珠沙華は、サンスクリット語のマンジュシャカという言葉を日本語としてそのまま漢字にして使ったと言われているようです。

彼岸花(曼殊沙華)の名所は?

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