2017年7月24日 更新

イングリッシュ・ガーデンを巡る旅~シシングハースト・カースル・ガーデンを訪ねて~ Vol.1

世界中からガーデニングファンが訪れる、シシングハースト・カースル・ガーデン。ガーデニングに多大な影響を与え、またイギリスで最も愛されている庭とも言われています。ヴィタとハロルドが30年の年月をかけて造り上げたガーデンの歴史、その魅力をレポートします!

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最も愛されている庭、シシングハースト・カースル・ガーデン

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イングリッシュ・ガーデンが好きな方であれば、一度は聞いた事のあるガーデンであるはずの、シシングハースト・カースル・ガーデン。

1930年に詩人であり、作家、園芸家でもあるヴィタ・サックヴィル=ウエストと、作家であり外交官でもあった、その夫ハロルド・ニコルソンが購入し、30年間にも及ぶ庭造りを経た後、1967年からナショナル・トラストが管理しています。

訪れた日は好天に恵まれ、イギリスでは暑いくらいの一日でした。車を降りて、シシングハースト・カースル・ガーデンのメインハウスが見えてくると、胸がわくわくしてくるのが抑えられません。
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シシングハースト・カースル・ガーデンがあるケント州はホップが有名な場所として知られており、今もなお、あちこちにたくさんのホップ乾燥所を見る事が出来ます。

このシシングハースト・カースル・ガーデンの入り口にも、エリザべシアン・バーンと呼ばれる見事なホップ乾燥所があり、現在は資料館として使われ、またこの奥がチケットオフィスになっています。
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チケットオフィスのすぐ傍には、このようなボードが。
ガーデンでの盛りの花や見どころ、本日の催し物などが記載されています。
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メインハウスとライブラリーの間にあるアーチの途中には、ガーデナーからのお知らせのボードがあり、その横にはおしゃれに飾られた花々が。
古びた煉瓦の雰囲気としっくり溶け込んでおり、そのセンスの良さに感動でした。

シシングハースト・カースル・ガーデンとは

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ロンドンから南東に位置するケント州にあるシシングハースト・カースル・ガーデン。
今や世界中からガーデニング愛好家たちが訪れるガーデンとなっていますが、この庭を造ったヴィタ・サックヴィル=ウェストと、その夫ハロルド・ニコルソンがこの場所を購入した時は、そこは古びた廃墟と荒れた土地でした。

しかし、シシングハーストは長い歴史を持ち、以前は優美な地所であった時代もあるのです。
その昔はサクソンの養豚所として使われていたため、森林を意味するハーストを付け、サクソンハーストと呼ばれており、ベイカー卿が維持していた15世紀にはエリザベス1世もこの屋敷に滞在しています。

その後、美しいチューダー様式のこの建物は、1756-63年に行われた7年戦争の際、イギリス軍によって捕虜となった3000人ものフランス海軍のための牢獄として使われていた事もありました。
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その後も持ち主や用途が移り変わり、1928年にシシングハーストが売りに出された時は、誰も欲しがらない状態で、2年間は買い手が付きませんでした。

1930年、ヴィタとハロルドがシシングハーストを見に来た時は、建物は農場で働く人々の住居として使われ、庭は農民の手によって野菜が育てられていました。
家屋は荒れ果て、屋敷内には電気もなく、水も出ない有り様で、かろうじて暖炉が使えるだけの状態でした。
しかし、ヴィタはこの場所に訪れた瞬間に、恋に落ちたと書き残しています。
それはまさに一目惚れの状態だったそうで、この庭は眠り姫のガーデンである・・・そして助けを求めていると、記しているのです。

こうして、ヴィタとハロルドによる、シシングハースト・カースル・ガーデンの歴史がスタートしたのです。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi