2017年12月20日 更新

秋本番! 植物園に出かけよう!(神代植物公園編)

この時期、お勧めなのが、植物園です。都心やその近辺には、植物を観賞できる大規模な公園が数多くあります。手軽にお出かけできて、お金もかからない、いわばガーディナーにとっては「行楽の超穴場」です。今回は、その代表格のひとつ「神代植物公園」へ、ふらりと「お出かけ」してみました。

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ダリア ー テスブルックオードリー

ダリア ー テスブルックオードリー

一見ぱっと見だと一重の「マーガレット」のようですが、よくよく見ると、内側にもう一回り小さな花びらがあります。つまり「二段咲き」です。ダリアの世界では、この咲き方を「コラレット咲き」と言うそうです。
via オリジナル
元々、ダリアはキク科の植物で、南米、メキシコからグァテマラに自生しています。その特筆すべきは、花の大きさ、草丈、花の形、そして色など、変位の幅が大きいことで、最大の特徴です。そんなことに関連するのでしょうか、古代アステカ文明では、神聖な花とされ、庭で栽培されるなど、古くから長く愛されてきたという経緯もあります。
ヨーロッパでは、南米メキシコシティの植物園からスペインのマドリード植物園に種が送られてきたのがきっかけで栽培が始まりました。「ダリア」の名前は、当時のマドリード植物園の園長が植物学者「アンドレアス・ダール」の名にちなんで名づけられたそうです。
ダリア - 紅さんざ

ダリア - 紅さんざ

和名のついている花です。大輪で、花の咲き方は、平たい花弁がびっしり中心まで、しかも整然と並ぶタイプの「デコラティブ咲き」です。
「ダリア」は花を観賞する植物の中でも群を抜いて、『華やか』なものといえると思います。分類法は様々あるかもしれませんが、例をいくつか、ご紹介いたします。

1.大きさ(花の直径)による分類

まず、何といっても花の大きさや、株の背丈に大きな変位があります。花の大きさで分類すると、下記のようになります。

・極小(3cm以下)
・小(3-10cm位)
・中(10-20cm位)
・大 (20-26cm位)
・巨大(26-30cm位)
・超巨大(30cm以上)
2.花の形による分類

ダリアには花の大きさだけでなく、様々な、しかも変わった「花の形」があり、それがこの花の大きな特徴となっています。
・シングル咲き・・・一般の花と同様な一重の咲き方です。

・コラレット咲き・・・内側に小さな花弁が別にもう一重重なる二段咲き。上記写真の「テスブルックオードリー」がこれに当たります。

・ビオニー咲き・・・花弁が二~数段になって咲く咲き方。上記写真の「ダリアーマドレーヌムーン」がこれに当たります。

・デコラティブ咲き・・・平たい花弁が中心までびっしり、しかも整然と並ぶ咲き方です。上記写真の「紅さんざ」がこれに当たります。

・オーキッド咲き・・・花弁が内側にまるまって、半円となる咲き方。下記写真の「ミッドナイトスター」がこれに当たります。
ダリア - ミッドナイトスター

ダリア - ミッドナイトスター

ミステリアスで官能的な名前にぴったりな花です。こちらは、花弁が内側に巻き込まれ、半管状になるという、やはりダリア特有の咲き方です。「オーキッド咲き」という名前がついています。
via オリジナル

温室で見られたもの・・・スイレン

ここ、神代植物公園の大きな特徴のひとつは、大温室があることです。今回は、水連が見られました。
水連は、大きく分けて、熱帯のものと温帯のものに分類されます。温帯のものは、日本でもよく見られるもので、(たとえば、上野公園など有名ですね)熱帯のものは寒さに弱く、ここ、神代植物公園のように温室で育てられています。
熱帯水連「ブルーインデアンゴッデス」

熱帯水連「ブルーインデアンゴッデス」

温帯スイレンにはあまりない紫色の花。熱帯スイレンの特徴である葉の先のぎざぎざも見て取れます。
via オリジナル画像
※ 熱帯水連と温帯水連の違い
ここ、温室で育てられているスイレン(スイレン科スイレン属の植物)は日本などでよくみられる温帯のスイレンにはない、青や紫の花をつけるものがあるそうです。熱帯のスイレンの特徴は、水面から10cm程度立ち上がって花をつけるのに対し、温帯のスイレンは水面に浮くように花をつけます。

また、もう一つの大きな特徴は、葉に切れ込みがあるのが、熱帯スイレンで、切れ込みのない丸い葉が温帯スイレンということで見分けられます。
熱帯水連「ニンファニア・ギガンティア・アルバート・デ・...

熱帯水連「ニンファニア・ギガンティア・アルバート・デ・レクタンク」

via オリジナル画像
※蓮(ハス)と水連(スイレン)

最近、植物の世界で、明らかになってきたことの一つとして、「蓮(ハス)と水連(スイレン)」があります。ここまで、あまり意識していませんでしたが、最新の研究では、この二つ、実はかなり違いがあるようです。
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この記事を書いたひと

榊 春樹 榊 春樹