2019年2月28日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ サラ・レイヴンの庭 パーチ・ヒル Vol.1 ~

イギリスのセレブリティ・ガーデナーの一人であり、作家、料理家、TVプレゼンテーターなどさまざまな顔を持つサラ・レイヴン。今回はそんな才能あふれる彼女と夫のアダム・ニコルソンが住む農場にあるガーデン、パーチ・ヒルのレポートをお届けします!

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サラ・レイヴンとパーチ・ヒル

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ガーデニングを愛する国である英国では、TVではたくさんのガーデニング番組が放映され、数多くのガーデニング雑誌や書籍が販売されています。そして多くのセレブリティ・ガーデナーがおり、TVに出演したり本を出版したりと、それぞれが多くのファンを得ています。

今回ご紹介するパーチ・ヒルのオーナーである、サラ・レイヴンもそのひとり。彼女の名前を店名とした「sarah raven」オンライン・ガーデンショップのオーナーであり、ガーデナーの他にも料理家、作家、TVプレゼンターとして活躍している女性です。
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私も彼女の大ファンであり、毎年彼女のショップで花の苗や種を購入しています。
他のオンラインショップに比べるとちょっと高いイメージがあるサラ・レイヴンのお店ですが、品種は豊富で、鮮度の良いものが多く、そして素晴らしくセンスが良いのが特徴です。
(ちなみに苗が入れられた梱包もとても可愛いのです!)

そんな彼女が家族とともに暮らし、そして庭づくりをしつつ、スクールを開いている場所が、イギリス南東部、イースト・サセックスにあるパーチ・ヒルです。

彼女の庭、パーチ・ヒルは限られた日数ではありますが一般公開されており、今回このガーデンに滞在できるのを楽しみにしていました。

その期待を裏切られることはなく、本当に素晴らしかったパーチ・ヒルのガーデン。サラ・レイヴンのガーデニングの才能と愛情を存分に感じられる庭園でした!

医学の道からガーデナーへ

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セレブリティ・ガーデナーとしてサラ・レイヴンの経歴はちょっと異色であると言えるかもしれません。ザ・タイムズの記事によればケンブリッジ出身のサラはエディンバラ大学で歴史学の学位を得て、一度友人とフローリストの店を始めます。

その頃、夫となるアダム・ニコルソンと出会った彼女は進む道を変更し、ロンドン大学で医学を勉強し始めました。しかしガーデニングに対する情熱は冷めることはなく、西ロンドンで暮らしていた時代も、小さな庭でたくさんの植物を育てていたそう。

彼女は自分が植物に惹かれたのは、古典学者であり、植物学を研究していた父、ジョン・アール・レイヴンの影響が大きかったと述べています。
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彼女と結婚したアダム・ニコルソンが、彼の姉妹の友人であったサラと出会ったのは、最初の結婚が終わりを告げ、従弟と立ち上げた出版ビジネスも暗礁に乗り上げていたころだったそうです。

二人が一緒に暮らし始めたのち、ある日路上で強盗にあった彼はロンドンでの生活に嫌気がさし、田舎で暮らしたいと思い始めたと、彼は自身の著書「Perch Hill」で述べています。

サラの夫となったアダム・ニコルソンは多くの雑誌や新聞に寄稿するジャーナリスト、コラムニストであり、多くの著作を持つ作家ですが、彼の祖父母はシシングハースト・カースル・ガーデンの創造主であった、ハロルド・ニコルソンとヴィタ・サックヴィル=ウェストになります。
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その後、現代の著名なガーデナーとなったサラが、英国で最も有名な庭園のひとつを造り上げた孫と恋に落ちて結婚に至るとは、驚くような偶然です。

シシングハースト・カースル・ガーデンはその当時、既にナショナルトラストの管理下にありましたが、彼の父親であるナイジェル・ニコルソンはまだシシングハーストに住んでいたため、サラとアダムはその近くに家を探し出します。

そして1994年、イースト・サセックスにあるバーウォッシュのほど近くに、二人はパーチ・ヒルと呼ばれる90エーカー(約36,000㎡、東京ドーム7.8個分)の敷地と古い農場を見つけ、そこへ生まれたばかりの娘を連れてロンドンから移り住んだのでした。

ガーデンの魅力がたっぷり味わえるパーチ・ヒル

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サラ・レイヴンとアダム・ニコルソンが移り住んだ当初、かつては酪農場として使われていたパーチ・ヒルは、家も庭もぼろぼろの状態だったそうです。

たくさんのコンクリート、そして波型のトタンにあふれていたというパーチ・ヒルを、今のように素晴らしいガーデンにするには並々ならぬ努力があったに違いありません。

パーチ・ヒルは農場、納屋、ホップの乾燥所、家畜小屋の他に、サラがスクール、ショップとして利用している場所と温室といった6つの建造物があり、そして広大な庭は全部で12のセクションに分かれています。

そのひとつひとつに見どころがたくさんつまっており、どれもガーデナーであればため息もののエリアばかり。どの場所もサラの植栽やカラーリングの才能を存分に味わえるに違いありません。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi