2019年1月17日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ポールスデン・レイシー Vol.2 ~

莫大な遺産を父から受け継ぎ、夫からは英国王室を含む上流階級の人々とのコネクションを得たマギー・グレヴィル。のちに億万長者の未亡人となった彼女が過ごしたポールスデン・レイシーはナショナル・トラストの中でも人気の高い施設のひとつです。今回はこの広大の敷地の中にある庭園の魅力についてご紹介します!

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壁のある北側のボーダーは、ナショナル・トラストのチーフ・ガーデン・アドバイザーであり、著名な作家、そして20世紀後半の最も影響力のあるガーデナーと言われていた、グラハム・スチュアート・トーマスが1973年に再設計しています。
このエリアにハッと人目を引くリーフが数多く植栽されているのは、彼のアイデアだったとか。なお、グラハム・スチュアート・トーマスはこのボーダー・ガーデンだけでなく、ポールスデン・レイシーの多くのエリアの修復に携わっています。

スプリング・ボーダー

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ボーダーガーデンを通り過ぎ、右へと曲がるとスプリング・ボーダーへとたどり着きます。ここはポールスデン・レイシーで真っ先に春の訪れを感じられるように植栽されている場所。

残念ながら滞在した日は既に花の季節は終わってしまっていましたが、長い冬を超えた後に見える、花が咲きこぼれる風景はさぞかし素晴らしいものだろうと想像します。
このスプリング・ボーダーの先に、まるで絵本の中から抜け出てきたような、とても可愛らしい家が見えてきます。この家はもともとはヘッド・ガーデナーのための住まいだったそう。

摂政時代のスタイルを持つこの建物は20世紀初頭に修復され、今はホリデー・コテッジとして借りることができるようになっています。一番最後にサイトをご紹介しますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

キッチンガーデン

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スプリング・ボーダーの先にある、もとはヘッド・ガーデナーの住まいだったという家のすぐ前に、キッチンガーデンが配置されています。

ゲストも多く大勢のスタッフを抱えていた大邸宅にふさわしく、ポールスデン・レイシーではキッチンガーデンにはかなりの大きさを割いています。
現在もここではたくさんの野菜が育てられており、それらは敷地内にあるカフェで提供されているそう。

また、同じエリアにカット・フラワーガーデンもあり、そこにはカラフルで野趣あふれるたくさんの花々が植えられています。
これらの花々は今もポールスデン・レイシーの邸宅内に飾られ、今もなお来場者の人々を喜ばせています。
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実を言えば、マギー・グレヴィルのゴージャス至上主義とでもいうような、上流社会の人々や風習を好む性格を聞くと、どんなにきらびやかで華美な庭園なのだろう?という想いがありました。

しかし庭園を散策するうちに、ボーダーガーデンも、そしてこのキッチンガーデンもとてもナチュラルな優しい雰囲気に満ちているのに驚かされました。

周囲を森林に囲まれた自然の風合いにあふれたガーデンを見ると、犬を愛するマギー・グレヴィルの優しい気持ちがここにも反映されているように思われます。

コールドフレーム・ヤード

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キッチンガーデンのすぐ隣のエリアにあるのが、大きなコールドフレームの置かれたエリアです。天候があまり良いとは言えず、また冬の寒さが厳しい英国では、翌年の苗を育てたり、果実や野菜を育てるのに欠かせないコールドフレーム。

キッチンガーデンの大きさと比例するように、ポールスデン・レイシーではなかなかの大きさのコールドフレームを活用していました。マギー・グレヴィルはここに滞在したゲストを喜ばせるために、苺を育てていたそう。

また、家の中で使う香りとしてスミレを育てており、ポールスデン・レイシー、そして彼女のロンドンにあるメイフェアの自宅の両方で、このコールドフレームで育てた花や食材を使っていたそうです。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi