2019年1月17日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ポールスデン・レイシー Vol.2 ~

莫大な遺産を父から受け継ぎ、夫からは英国王室を含む上流階級の人々とのコネクションを得たマギー・グレヴィル。のちに億万長者の未亡人となった彼女が過ごしたポールスデン・レイシーはナショナル・トラストの中でも人気の高い施設のひとつです。今回はこの広大の敷地の中にある庭園の魅力についてご紹介します!

[PR]ご近所さんとはちょっと違う、個性的なお庭用品ならガーデンガーデン♪

ポールスデン・レイシーの庭園

 (13324)

ロンドンから列車で1時間弱という好立地にあるポールスデン・レイシーの敷地面積は、約1,400エーカー(約567万㎡、東京ドーム121個分)という、ちょっと想像することすら難しいほどの大きさです。

ショップ兼カフェがあるエントランスから邸宅までもかなりの距離があり、いったいどこまで歩くのだろうと考えているうちにようやくエドワード朝のお屋敷が見えてきます。

家の周囲はゆるやかな傾斜を描いていかにもイギリスらしいカントリーサイドの風景が取り囲んでおり、その景色に圧倒されながら西へ80メートルほど先に進んだ場所に庭園が配置されています。

広大な土地を持つポールスデン・レイシーの庭園はそれにふさわしく、約12ヘクタール(120万㎡、東京ドーム約2.6個分)という規模を誇ります。
 (13327)

イギリスの王室関係者を含む、各国の上流階級の人々をもてなす豪奢なパーティーの女主人になることを夢見ていたマギー・グレヴィル。

その野望を叶えた彼女の庭園は、このポールスデン・レイシーに滞在するゲストを喜ばせるため、そして感嘆させることが目的であったと言われており、造られたのはクラシカルな英国式庭園でした。

ロンドンからわずか40キロほどしか離れていないポールスデン・レイシーは抜群の立地であり、20世紀初頭には裕福な上流階級の人々の格好の遊び場であったのです。

その女主人であるマギー・グレヴィルは、彼女が夫とともにこの敷地を購入した1906年からエドワード朝の全盛期の時代を反映した優雅な庭園を造り始め、1914年には庭造りはほぼ完成していたと言われています。
 (13329)

ポールスデン・レイシーの土地は土壌が白亜質のために庭づくりは困難であったのですが、美しい庭園を作り上げるために、植物が成長しやすい肥沃な土に新たに入れ替え、また以前からあった庭の壁は植物を保護する格好の役目となったそう。

マギー・グレヴィルの死後、1942年よりナショナル・トラストの管理下に置かれたポールスデン・レイシーは、2008年から2009年にかけて新しい駐車場、カフェ、ショップなどが建設され、来場者のために多くの建物が改装されました。

2012年から2013年には約29万人の来場者が訪れており、ナショナル・トラストの最も訪問されたトップ10の施設に選ばれています。

ボーダーガーデン

 (13334)

約12ヘクタールの土地を存分に活用しているポールスデン・レイシーの庭園は、とてもシンプルなレイアウトをしています。

邸宅の西へ向かって位置する長方形のかたちをした広大な土地を幾つかに分け、そこは壁やヘッジでROOMと呼ばれる部屋に区切るという、古典的なデザインを用いています。

この長方形の庭園の南側に、ボーダーガーデンが位置しており、多くの来場者はこのエリアを最初のガーデンとして目にするのではないでしょうか。

そのボーダーガーデンを最初に見て驚いたのは、両サイドのボーダーの長さです。
それもそのはず、ポールスデン・レイシーのボーダーガーデンは英国の庭園の中でも最も長い距離を持つもののひとつとして知られており、およそ150メートルもの距離があるのです。
 (13335)

真ん中に砂利を使った歩道を作り、サイドに芝生、そしてボーダー用の花壇が配置されています。北側には壁を設け、どちらのサイドも奥行きをゆったりと取っています。

花壇には中低木やつる性の植物、そして場を引きしめる個性豊かなリーフを取り入れ、咲き誇る季節の花々を植栽していました。

リッチでスノッブ、というマギー・グレヴィルから想像するゴージャスな花々というよりも、野趣にあふれた素朴な植物が多かったのが印象に残っています。
 (13338)

南側のボーダーは、ナショナル・トラストの管理下となっていた第ニ次世界大戦中に、他の英国内の多くのガーデンがそうであったように、野菜を植えるための場所に変えられています。

その数年後からナショナル・トラストは人件費を削るためにこのエリアは芝を植えていましたが、2011年より修復が開始され、今では両サイドのボーダーを楽しめるようになっています。
58 件
[PR]ご近所さんとはちょっと違う、個性的なお庭用品ならガーデンガーデン♪

関連する記事 こんな記事も人気です♪

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ パラム・ハウス&ガーデンズ Vol.1 ~

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ パラム・ハウス&ガーデンズ Vol.1 ~

パラム・ハウス&ガーデンズは、ロンドンからも日帰りで行くことのできる場所、イギリス南東部のウェスト・サセックスにあります。広大な敷地に佇むエリザベス朝の大邸宅と美術館レベルのさまざまなコレクション、そして魅力にあふれたガーデン。今回はこの歴史あるパラム・ハウス&ガーデンズについてレポートをお届けします!
イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ポールスデン・レイシー Vol.1 ~

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ポールスデン・レイシー Vol.1 ~

ロンドンからわずか30マイル弱の場所、ドーキングを南西に向かったエリアにあるポールスデン・レイシー。エドワード朝の豪奢な邸宅と広大な敷地に広がる庭園は、ナショナル・トラストが管理している中でもとても人気の高い場所です。今回は、ポールスデン・レイシーのレポートをお届けします!
イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ベイトマンズ・ガーデン Vol.2 ~

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ベイトマンズ・ガーデン Vol.2 ~

イギリス人として初めて、そして最年少でノーベル文学賞を受賞し、数多くの作品を残した作家、詩人のラドヤード・キップリング。今回は彼の終の棲家となった、日本ではまだあまり知られていないイングリッシュガーデンのひとつでもある、ベイトマンズの庭園についてレポートします!
イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ベイトマンズ・ガーデン Vol.1 ~

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ベイトマンズ・ガーデン Vol.1 ~

英国を代表する作家、詩人であるラドヤード・キップリング。世界を旅し、住み歩いてきた彼が、1902年より亡くなるまでの34年間を過ごした終の棲家がベイトマンズです。 広大な敷地に佇む邸宅と、それを取り囲む庭園。今回は文豪キップリングが愛したベイトマンズとそのガーデンのレポートをお届けします。
イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ キフツゲート・コート・ガーデンズ Vol.2 ~

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ キフツゲート・コート・ガーデンズ Vol.2 ~

一族の女性3代に渡り引き継がれてきた、英国内でも著名な庭園であるキフツゲート・コート・ガーデンズ。美しく洗練された庭と優雅な邸宅は、訪れる人々を惹き付けて止みません。今回はこの魅力あふれるキフツゲート・コート・ガーデンズの庭園の魅力をご紹介します。

この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi