2018年12月13日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ベイトマンズ・ガーデン Vol.2 ~

イギリス人として初めて、そして最年少でノーベル文学賞を受賞し、数多くの作品を残した作家、詩人のラドヤード・キップリング。今回は彼の終の棲家となった、日本ではまだあまり知られていないイングリッシュガーデンのひとつでもある、ベイトマンズの庭園についてレポートします!

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マルベリー・ガーデンのレイアウトはとてもシンプルなものですが、それがこの場所の素晴らしい植栽を活かしているのが分かります。

色彩はフェミニンな印象のやわらかいものをメインとし、ところどころにハッとするようなリーフや、メリハリの利いたカラーをポイントに使い、素朴でありながらも非常に洗練されたイメージでした。
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実際のところ、ベイトマンズの庭園は敷地こそ広大であるものの、花が植えられている個所だけを見ると、他のイングリッシュガーデンに比べ、そこまで大きいサイズではありません。

しかしクラシカルなレイアウトに現代的なセンスを存分に取り入れた植栽は陶然となるほど魅力的で、カラーリングや高低のバランスなど、たくさん勉強になる点がありました。
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ベイトマンズで特に感動した点は、植物の手入れが本当に素晴らしかったことです。

シーズン中は休みなくオープンしているイングリッシュガーデンも多々あり、忙しいせいなのか、あるいは人材不足のせいなのか、枯れた花がそのままになっていたりと、手入れが追いついていない庭園を見かけることも。

そんな中、ベイトマンズのガーデンは細かいところまで手を抜かない、しっかりとしたケアがなされているのが印象的でした。滞在した季節には、ここ数年イギリスのガーデンでは大人気であるダリアがとても美しく咲き誇っていました。

リリー・ポンド

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ラドヤード・キップリングは1907年に、イギリス人としては初めて、そして最年少でノーベル文学賞を受賞しています。

その時に賞金であった7,700ポンドを使い、ベイトマンズの邸宅の前方に『ユリの池』と呼ばれるリリー・ポンドとローズ・ガーデンを設計しています。

キップリングがこのベイトマンズの家屋と敷地を購入した際に支払った金額が9,300ポンドだったのですから、彼がガーデンに費やしたものは膨大な金額であったと言えるでしょう。
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この池は彼の子どもたちが幼い頃は泳ぐこともできたそうで、またキップリングが息子のジョンとこの池でボートを漕いでいる写真も残されています。

売れっ子作家として常に他人の目に晒されていたキップリングが、静寂と平安を求め、この場所で子どもたちと庭で遊ぶことが楽しみであったのが分かります。

ローズ・ガーデン

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リリー・ポンドのすぐそばに配置されているのがローズ・ガーデンです。キップリングの時代に植えられていたオリジナルのバラたちは徐々に弱り、2007年に植え替えられたそう。

周囲を垣根で囲まれ、中央に噴水を設けられたローズ・ガーデンでは、フロリバンダ種の薄いピンク色が可憐なベティ・プライヤーとバレンタイン・ハート、そしてあざやかな赤い色彩のフレンシャムが美しく咲き誇っていました。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi