2018年12月13日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ ベイトマンズ・ガーデン Vol.2 ~

イギリス人として初めて、そして最年少でノーベル文学賞を受賞し、数多くの作品を残した作家、詩人のラドヤード・キップリング。今回は彼の終の棲家となった、日本ではまだあまり知られていないイングリッシュガーデンのひとつでもある、ベイトマンズの庭園についてレポートします!

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ベイトマンズ・ガーデンへ

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ベイトマンズは広い駐車場の一番奥にチケットオフィスがあり、その左手には高いレンガの塀が見えます。

この塀の向こう側にガーデンと邸宅、そして広大な敷地があるレイアウトとなっており、駐車場に降り立った時点ではその全貌を伺い知ることはできません。

けれど敷地内部に足を踏み入れた瞬間、目の前にはあっと驚くような雄大な景色が広がります。ベイトマンズの土地は緩やかな傾斜を描いており、上部にあたる入り口からその風景を眺めることができるのです。

エントランスからなだらかな坂を下って降りて行くと、右手にはハーブボーダー、そして左手には果樹園とベジタブル・ガーデンが目に入ります。
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ハーブボーダーは1980年代に植えられましたが、当時のものはあまり残っておらず、現在では今の時代に合わせて植栽し直されているそうです。

果樹園にはりんごや洋梨、マルメロなどたくさんの果樹が植えられ、多くは第二次世界大戦の初めに植えられたものだそう。

またここには小さなグリーンハウスとコールドフレームがあり、このエリアで採れる花は邸宅で飾られ、そして野菜や果実はカフェで提供されています。

洋梨の小道

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果樹園の一番奥に当たる場所、そしてグリーンハウスの隣には洋梨の小道があります。エレガントな曲線を描いたアイアンフレームでできたアーチは、キップリングによってデザインされたものだそう。

しっかりと絡み合ったアイアンと洋梨の樹木は2007年に一度解体され、フレームを修復した後で再度洋梨を植栽しています。

アイアンフレームの足元では夏はゼラニウムが、秋にはクロッカスが咲くそうで、洋梨が実る季節には、このエリアを美しく彩っているのでしょう。

マルベリー・ガーデン

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ガーデンファンの方であればきっと心を奪われるに違いないエリアであるのが、マルベリー・ガーデンです。もともとは牛を飼育するために囲っていたこのエリアを、キップリング自身が設計し直したものが、マルベリー・ガーデンとなります。

ここは高いレンガの塀で囲まれた中央に芝生が、そしてその周囲に小道があり、そして塀の前には奥行きのある花壇が配置されている、非常にシンプルなレイアウトとなっています。
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ベイトマンズがナショナル・トラストの管理下となった後、1970年代にこのレイアウトと植栽は大きな変化を遂げました。

当時ナショナル・トラストのガーデンアドバイザーであり、著名な作家でもあるグラハム・スチュアート・トーマスは、この場所を草花と樹木を混ぜ合わせたデザインにしています。

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現在ではキップリングのオリジナルデザインへ近づくように再度変更されているそうで、直線を活かしたとてもスッキリとした印象です。

マルベリー・ガーデンの片側はカフェとなっており、休憩をしながらこの優雅で美しい庭園を堪能することができるようになっています。
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Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi