2018年1月28日 更新

スコットランドでガーデンを楽しもう!~ハーモニー・ガーデン~

スコットランド・ボーダーズエリアにあるガーデンの中でも、街の中という滞在に便利な場所に位置し、ナチュラルで可憐な雰囲気がいっぱいのハーモニー・ガーデン。その名のとおり、花と植物、野菜や芝生、建築物が優しいハーモニーを描いている庭園です。今回はナショナルトラスト・スコットランドが管理をしている、ハーモニー・ガーデンをレポートします!

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歴史ある街、メルローズ

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今回滞在したハーモニー・ガーデンのあるメルローズは、スコットランドのエディンバラから南東へおよそ60キロ、スコットランドとイギリスの国境近くにある小さな街です。

その人口はおよそ2500人前後と言われており、こじんまりとしたサイズの中にも思わず足を止めてみたくなるお店も多く、可愛らしい魅力にあふれています。

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その歴史は古く、メルローズから南へ1マイル(約1.6キロ)の場所にあり、メルローズの街からもその姿を眺めることができる、高さ約420メートルほどの丘エイルドン・ヒルズでは、英国の青銅器時代に、ケルト人がこの場所を要塞として使っていたことが発掘調査で分かっています。

また、メルローズの東に約1.3マイル(約2キロ)離れた場所にあるニューステッドには、古代ローマ人の居留地が見つかっていることから、この街が非常に長い歴史を持っているのが分かります。

メルローズ修道院

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メルローズの街の名前は古ウェールズ語、またはブリトン諸語で『樹々のないがらんとした荒地』という意味を持ち、その名はイギリスのキリスト教聖職者、ベーダ・ヴェネラビリスが残した記録で見ることができます。

また、メルローズには有名な建築物であるメルローズ修道院があり、ハーモニー・ガーデンからすぐそばに位置しており、こちらもぜひ滞在をおすすめしたい場所。

メルローズ修道院は1136年、カトリック教会の聖人であり、教会や修道院の建設の改革をすすめた、スコットランド王ディヴィッド1世の依頼により、シトー会の修道士が建設したものとなります。
 
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メルローズの街はエディンバラから南へと向かう主要の道に位置していたため、修道院もイングランドとスコットランドの戦火に何度も呑み込まれる運命となりました。

1322年、イングランド王エドワード2世が送った軍隊の攻撃によりメルローズ修道院は破壊され、1385年にもイングランドのチャールズ2世の軍隊に攻撃を受けましたが、その度に復建されてきています。
しかし1544年に攻撃を受けた際の被害は大きく、再建には至りませんでした。

最後の攻撃はイングランド内戦の際、イングランド共和国時代の初代護国卿であったオリバー・クロムウェルによるもので、その砲撃の痕を修道院内部の壁に未だに残しています。
Free photo: Robert The Bruce King Of Scots - Free Image on Pixabay - 1256288 (9672)

以前ご紹介したアボッツフォード・ハウスの持ち主で、弁護士、裁判官でありまた作家として世界的に有名なウォルター・スコットは、このメルローズ修道院の遺跡を保護するために修復作業を監督しています。

なお、イングランドやスコットランドでは、かつては王や王妃が埋葬地が遠い場所で死去したり、埋葬教会以外の場所に分葬を望んだ際には、内臓を取り出して他の場所に埋葬する習慣があったと言われ、メルローズ修道院でもスコットランド王ロバート1世、ロバート・ザ・ブルースの心臓が埋葬されたと言われています。

ラグビー・セブン発祥の地

Free photo: Field, Rugby, Stadium, South Africa - Free Image on Pixabay - 1255320 (9681)

メルローズはその他にも7人制ラグビー、いわゆるラグビー・セブンの発祥地として知られています。始まりは1883年、資金集めの大会のためのメンバーが集まらなかったメルローズで、少人数制のラグビーをすることに決めたことと言われています。

その後ラグビー・セブンは世界的な人気となり、現在ではオリンピックスポーツとしても承認されているほど。

毎年行われる世界大会での優勝カップは発祥のこの街の名前から、『メルローズカップ』として贈られていることでも有名です。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi