2017年7月26日 更新

チェルシー・フラワーショー2017を訪ねて Vol.2 ~英国で最も有名なガーデン&フラワーショー~

毎年5月、イギリスはロンドン・チェルシー地区にて行われ、世界でも名高いガーデン&フラワーショーとして知られるチェルシー・フラワーショー。その年のガーデンの流行が分かる、デザイナーによるガーデン・ショーや、庭造りのヒントがいっぱいの花や草木、エクステリアの展示などをレポートします!

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ガーデニング愛好家であれば一日中いてもきっと楽しめる、英国を代表するフラワー&ガーデンショーである、チェルシー・フラワーショー。

前回のレポートに引き続き、今年のチェルシー・フラワーショーで印象的だったガーデン、そして会場内に展示されたショップや植物たちをご紹介します。

Breaking Ground

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こちらはショーガーデン部門でゴールドメダルを受賞した『Breaking Ground』 。アンドリュー・ウィルソンとギャビン・マックウィリアムによるデザインです。

このガーデンのハイライトとも言えるコンセプトは、バークシャーに位置するウェリントン・カレッジの方針と言える、『教育の前に立ちはだかる壁を壊し、発展と進化のテーマ』を探求したものだそう。

またガーデンのデザインは、ウェリントン・カレッジの周囲にある土地からインスピレーションを得たもので、ガーデンの中に置かれた、高く、彫刻のようなフォルムをした透明な壁は、たくさんの要素と素材を結び付けているのだとか。

ガーデンに作られた形状と図案の接続がこのガーデンのキーポイントだそうで、ニューロンとシナプスの結びつき、教育と学びの関連からインスパイアされているそうです。

咲き誇る植物は、シナプスからインスピレーションを得ており、色鮮やかで質感のある植物たちが、いたるところをなだらかに、流れるように植えられている姿は、思考の連続性を表しているのだそう。

ナチュラルさがいっぱいの植物に、芸術的なシェイプを施された彫刻とのコンビネーションは一瞬ミスマッチなような気がするのですが、コンセプトをじっくりと読むと「なるほど」と理解出来るガーデン。
見る場所によってガーデンの雰囲気が異なるのも面白かったです。

Silk Road Garden, Chengdu, China

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ショーガーデン部門でゴールドメダルを受賞した、ローリー・チェットとウッドパトリック・コリンズのデザインによる、豊かな歴史と文化を持ち、中国は四川省の首都であり『天府の国』と呼ばれて来た成都市からインスパイアされた『The Silk Road Garden』。

こちらのガーデンは、成都市と四川省の風景の特色である、建築物と概念を描写しているのだそうです。
植えられた色鮮やかな沢山の植物は、中国の多くのガーデンで展示している、中国を起源とした植物なんだとか。

ガーデンの中央に設えたシアター型の広場には、3000年の太陽のシンボルと、成都市の伝説的な人物像が置かれています。
ガーデンの端から端まで通っている『Silk Road 』を象った道は、世界的・歴史的なも有名なシルクロードの貿易の道と、成都市では有名なシルクの刺繍、そして商業、文化、歴史をモチーフとしているデザインだそう。

スケールの大きさが際立っていた、華やかで、長い歴史を物語っていたこちらのガーデン。
今年のチェルシー・フラワーショーではナチュラルさを強調したり、あるいはアーティスティックな庭が多く感じられましたが、こちらのガーデンはシンプルながらも艶やかであり、突出してたくさんの花を使っていたのが印象的でした。

The RHS Greening Grey Britain Garden

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チェルシー・フラワーショーを主催しているRHS(英国王立園芸協会)が展示したのが、こちらの『The RHS Greening Grey Britain Garden』です。
ガーデンの背後に設置されたビルの風景や、マンションの周囲にたくさんの植物が植えられているのが印象的でした。

このガーデンは現代の風景、バルコニーやビルディングの周囲や建物そのものに植物をふんだんに取り入れ、都会での生活に必要なグリーンを、実践的、かつ想像的に取り入れる解決策に焦点を当てています。

デザイナーのナイジェル・ダネットは、ガーデンや植物はもはや現代の生活において欠かせない存在であると言い、都市での汚染のレベルは危険なほど高まっており、植物が今日の環境における脅威を鎮静してくれるという事実を理解し、暮らしに取り入れなくてはならない、と語っています。

緑の多いイギリスですが、それでも都市中心部ではなかなかガーデニングは出来ない場合もあり、植物に触れ合う機会が少ない人々が多いのも事実です。

その解決策として提案された、今の時代に似合ったこのガーデン。大都市での暮らしでも、こんな風に誰もが植物の存在を身近に感じられるようになれば良いな、と思わせるデザインでした。

The Chris Evans Taste Garden

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今年初めて行われた、BBC Radio 2 の50周年を記念して、同局の人気パーソナリティ、またそのガーデンの提案者とデザイナーがタッグを組んで造り上げたガーデンを幾つかご紹介します。

イギリスのTVプレゼンター、ラジオのパーソナリティ、プロデューサーで実業家でもあるクリス・エヴァンスのガーデン『The Chris Evans Taste Garden』。

このガーデンは、彼の名物ラジオ番組『Breakfast Show』から、フードライターで作家でもあるメアリー・ベリーが提案したものを、デザイナー、ジョン・ウィートリーがデザインしています。

ここには50種類もの野菜が植えられ、ガーデンの奥に植えられたオレンジ色のダリアはクリス・エヴァンスの髪の毛への賛辞なのだとか。
イギリスではアロットメントと呼ばれている市民菜園やたくさんの地域社会の栽培者に向けて、イギリスのガーデンで美味しい植物を祝う意味で造られたそうです。

植物は味覚力と充実した生活習慣を作りだし、生活を活気づけてくれる、というガーデンが与えてくれる幸福をテーマにしているのだそう。

野菜たちが瑞々しく、また周囲に植えられた花との相性も抜群で、こんなガーデンで造られた野菜を使った料理はさぞかし美味しいに違いない、と思わせてくれるガーデン。
もっと多くの野菜作りに挑戦したい、と感じさせる素敵な庭でした。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi