2017年6月16日 更新

「水で膨らむ土」で大根作りに挑戦!

最近、「ココヤシ」を原料にした「水で膨らむ土」というのがひそかな流行となっているようです。軽量で衛生的、かつ『もえるゴミ』としても出せる等、ベランダガーディナーとしては、注目の「土」に変わる新素材です。今回は、種の状態から、これを使って『水耕栽培』では扱いにくい「根もの」である大根に挑戦してみました。

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「水で膨らむ土」とは?

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実は、いくつかの大型園芸店を巡って調べたところ、数社の園芸メーカや、そこの園芸店オリジナル(ケーヨーデイツーなど)としてなど、出ているようです。いずれも「ココヤシ」を原料にした吸水性の高いもので、言い換えれば、日本に古来からあるミズゴケのようなものでしょうか。単純に考えると、土の代わりを果たす新素材(?)です。自分が入手できた3製品を試しましたが、目のこまかさには製品ごとにかなり差異はあるのですが、結果的には、どれも、大体同様に使えるようです。基本的には、水を吸収して6倍の容積になるというのがその特徴です。

水耕栽培と水で膨らむ土の比較

私は、ここ数年間、沢山の植物を「ベランダ・ガーデニング」として育ててきました。そのほとんどは、いわゆる「水耕栽培」と呼ばれるスタイルのものです。結論から言うと、通常の土とプランタによる栽培より、利点が多いからです。

では、今回この「水耕栽培」と取り上げることになった「水で膨らむ土」と2者について、比較整理してみましょう。水耕栽培と比べて、そのすべてではありませんが、この「水で膨らむ土」もかつての普通の「土」による栽培と比べると、非常に優れた点も多いことが分かりました。

まずは、今まで、定石として利用してきた、利点の多い水耕栽培です。まず、広い面積と、大量の土を使う・・・ということが難しい、ベランダ・ガーデニングを考えた場合、「水耕栽培」だと、多くの利点もありますが、欠点も、いくつかあります。何年かトライしてみた経験から、以下のようなことがわかりました。

まず、水耕栽培の欠点の一つ目は、「アオコ(藻のたぐい)」の発生です。当然、植物は日当たりのいい場所で、育てます。また根腐れ防止のため、与えるのは、水ではなく、栄養豊富な、ハイポネックス溶液なので、すぐに「アオコ」が発生します。通常の「土」での栽培であれば、これは考えられません。

さらに、2つ目は、すでに"水分"が豊富であることによって、「アオコ」だけでなく、蚊の幼虫である「ボウフラ」を始めとする、その類の虫が発生しやすくなります。もう、こうなると、見た目的にも「オシャレ」でなくなるどころか、とても「衛生的」とはいえない状況になってしまいます。

そんな「アオコ」対策としては、毎日、鉢(と根?)を綺麗に水洗いして、水(ハイポネックス溶液)を交換するという手があります。「ボウフラ」類の発生もこの方法で対処することは可能です。しかし鉢数(私の場合、最盛期は40鉢位ありました)が増えると、手間としてもかなりのものになり、結局、全てを管理できず、失敗しました。
<12/12 大根の葉>

<12/12 大根の葉>

下記調理のフェーズで、でてきます。案外綺麗でしょ? つまり、やがて、出てきて、本体?以上に、大活躍します。

「水で膨らむ土」の特徴

1.水耕でも冶具がいらない

そんな、私が「ベランダガ-デニング」として標準的に実施してきた従来の「水耕栽培」を踏まえて、この「膨らむ土」を使った場合について考えてみました。まず「土に出来て、水耕ではなかなか難しいこと」として、一番に考えてきたことは、植物全体を支えることです。特に、今回の大根の様な「根もの」だと、まさに、水面下をどうしたらいいのかは、一番の悩みの元です。Webでチェックした、水耕で(大根を)やっている方は、それを支えるいわゆる「冶具(押える装置)」を考案している方もいるようです。

でも、これは、非常に手間暇がかかります。私が参照させていただいた方は、大根の太さに併せ、冶具が動くよう(太くなった時に圧迫しない・・・など)、複雑なメカを作っていました。正直、ちょっと引いてしまいましたが・・・。

さらにいうなら、それらを思惑どおりにいかせるのも、至難の業でしょう。私の場合は、そんな理由から、大根、ニンジン、ゴボウ、カブなどの根菜類の「水耕栽培」は今まで、避けてきました。それが、今回出会った、この「水で膨らむ土」だと普通の土と同様に扱えることが分かり、その心配がなくなることに気づきました。
<枠止めした様子(えだまめ)>

<枠止めした様子(えだまめ)>

大きな鉢に移植した際、茎をささえきれないので、針金で枠を中心に鉢の中心に浮かぶような形で支えを作ってみました。
2.使用後は可燃ごみでOK

ベランダガ-ディナーとして、今まで、普通の土での栽培を嫌がる理由の一つに、「ベランダに大量の土を運び」込まなくてはいけないというのがあります。そして、さらに、そういった土のリサイクルは難しく、使用後処分しなければなりません。

水耕栽培だと器だけあれば、水は植物が吸い上げてくれますので、最終的に処分するのは、収穫が終わって枯れた植物だけです。これは、結構「ベランダガ-デナー」としては、大きな利点です。

でも、この「水で膨らむ土」は使用後、収穫後、枯れた植物と乾燥させれば、そのまま一緒に「燃えるゴミ」で処分できます。水耕の時と同様に器もそのままリサイクルできるのです。別の言い方をすると、毎回捨ててしまうので、輪作障害も気にすることなく、ざっくり回避してくれます。
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大根の基礎知識

まずは、ざっくり「大根」について調べてみましょう
<大根の品種>

大きく分けると、葉の付け根辺りが日に当たり青くなっている「青首大根(あおくびだいこん)」や、(全然、日に当たっていない?)白首大根などがあります。その中で、真ん中が太くなっている三浦大根、形が丸く、丸大根と言われる、まるでカブを連想させるような聖護院大根をルーツに持つものなどが大根の代表的な品種です。いずれも園芸店で簡単に入手可能です。

今回はベランダ、室内どちらでも対応できるようにということを考慮して、秋蒔き、早春蒔きの二期蒔きに対応したいわゆる「時なし大根」と言われるタイプのものを選んだ結果、品種としては白首大根を選びました。

<発芽までの日数、地温の発芽適温>
発芽までは3-5日とありますが、いきなり野外で育てたこともあり、発芽まで一週間掛かりました。地温の発芽適温は25度とありますので、冬場に育てる場合は室内で発芽させるにしても何らかの暖房がいりそうです。

<生育適温>
25-28度。あまり寒いと育ちにくく、寒い時期にも育てたいという室内派は、部屋の暖房等に頼るのもいいかと思います。また、夏場なら、野外のベランダガーデニング派にとっても栽培しやすい温度だと思います。
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この記事を書いたひと

榊 春樹 榊 春樹