2018年11月1日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ キフツゲート・コート・ガーデンズ Vol.1 ~

エレガントで優雅な邸宅、周りを取り囲むロマンティックな庭園、そしてドラマティックな地形を活かしたレイアウト。キフツゲート・コート・ガーデンズは、多くのガーデン・ファンが憧れる、英国の中でも最も著名なイングリッシュガーデンのひとつです。今回はキフツゲート・コート・ガーデンズの魅力についてレポートします!

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キフツゲート・コート・ガーデンズとは

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キフツゲート・コート・ガーデンズは英国の美しい田舎の景色が堪能できるエリアである、コッツウォルズ地方に位置しています。美しい邸宅と庭はイヴシャムの谷を北西に見下ろすことができる丘の上にあり、庭からイギリスらしいカントリーサイドを一望できる場所。

そして南東には、以前ご紹介したヒドコート・マナー・ガーデンがあり、歩いて5分ほどで到着することができます。イングリッシュガーデンを語るときに欠かせない、このふたつの庭園が隣同士に位置しているのはまるで奇跡のような偶然です。

来場者のほとんどの方が、同日にこのふたつのガーデンに滞在しており、ほんの少し移動しただけでふたつの異なる類まれなガーデンを鑑賞できるのは、ガーデンファンにとってはとても幸運なことと言えるでしょう。


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隣同士のガーデンとはいっても、キフツゲート・コート・ガーデンズは、ヒドコート・マナー・ガーデンとはまた違った魅力と歴史を持っています。

男性であるローレンス・ジョンストンが1代で造り上げ、現在はナショナル・トラストの管理下にあるヒドコート・マナー・ガーデンとは異なり、キフツゲート・コート・ガーデンズは女性が造った庭園を3世代に渡って、すべて女性のオーナーが継承している庭園です。

祖母から母へ渡されたガーデンは娘へと引き継がれ、このガーデンは今もなお伝統を守りつつ進化を続けています。

代々女性が携わってきただけあって、庭園はとてもロマンティックな雰囲気に満ちています。カラーリングも優しい印象に満ちており、レイアウトもとてもエレガントです。

キフツゲート・コート・ガーデンズはガーデナーの方でなくとも、エントランスに入った瞬間から恋に落ちてしまう場所なのではないでしょうか。
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キフツゲート・コート・ガーデンズに訪れる人々の目的は、もちろんガーデン鑑賞となるのですが、エントランスからまず視界に飛び込んでくる邸宅の素晴らしさにも目を奪われるに違いありません。

上の写真に見えるこの建物はキフツゲート・コートという名称で、その前は小さなナーサリーとなっており、キフツゲート・コート・ガーデンズで用いられている植物を購入することができます。

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この建物の前で入場料を支払い、内部に入る仕組みになっています。ここには小さなギフトショップ、そして庭の入り口にはカフェがあります。

前庭は広い駐車場となっており、滞在した日には次から次へと入場者が来訪し、大型バスも停車していて、この庭の人気の高さを垣間見るようでした。

キフツゲート・コート・ガーデンズの歴史

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この趣きのあるロマンティックな邸宅、キフツゲート・コート。この邸宅があるからこそ、美しい庭がさらに輝きを増しているのがお分かりいただけると思います。

この場所から北西に1キロすすんだ場所にあるミッケルトンという村に住んでいた、ウォルウィン・グレイヴス(1744-1813)が自身の邸宅であるミッケルトン・マナーの正面部分に高いポーティコを建てたことから、キフツゲート・コート、そして庭園の歴史が始まります。
ちなみにポーティコとは、上下の写真でみるようにポーチの上に円柱の柱があり、その上部に屋根がある構造のことを指します。

エレガントでありながら壮大な印象をもたらすポーティコは、正面の入り口の雨風を避ける役割も担っており、英国では17世紀から18世紀に流行となりました。この時代に建設された多くのカントリーハウスに、その姿を見ることができます。
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ウォルウィン・グレイヴスの子孫であるシドニー・グレイヴス・ハミルトンは1887年から91年にかけてこのミッケルトン・マナーを大きく改装します。

その際に、このポーティコを含む正面部分と図書館として使われていた建物を現在の場所に移し、キフツゲート・コートを建設します。この移動のために特別に鉄道を建設したというのですから、莫大な費用がかかっていたことがわかります。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi