【ガーデニングダイアリー】6月の庭仕事

北海道以外の地域では梅雨に入る季節。高い湿度が苦手な植物は特に注意が必要です。この時期にやっておきたい植物の手入れなどをご紹介します。

この時期に咲く花は?

木々の緑が一段と濃くなり、植物があっという間に成長する季節。そろそろ梅雨に入り、カラッと晴れていた5月とは一転して雨が続く日も増えてきます。

そんな6月に咲く花には、バラやアジサイ、クチナシ(ガーデニア)、アガパンサス、マリーゴールド、アヤメ、ハーブ類などがあります。
緑が深くなってきた庭を彩る、雨に負けない花たちがある一方で、高い湿度や雨に弱い植物の中には枯れてしまうものも。6月は、ガーデンの中心が夏の花へと変わっていく季節でもありますね。

種まきと苗の植え付け

夏の植物の植え付け

春に咲いた草花はそろそろ片付けの時期になります。宿根草は切り戻して夏越しの準備を行い、一年草はジニアやサルビアなど、夏の植物の苗に切り替えましょう。

種まき

6月中旬頃まで、ジギタリス、カンパニュラなどの二年草の種まきを行えます。二年草とは、種をまいた翌年に開花する植物のこと。種をまいた後、季節が一巡してから(冬を越してから)花を咲かせる植物です。
オダマキやマーガレットなどの宿根草も6月に種まきをすれば、翌年の5月~6月に花を楽しめます。

草花のお手入れ

切り戻し

育ちすぎて形が乱れてきた草花は、切り戻しを行いましょう。繰り返し花が咲くタイプの植物は、花が終わった茎を切り落とし、脇芽を伸ばして次の蕾を育てます。
花後の宿根草は、混みあっている部分を間引くように切り戻し、すっきりとした姿で梅雨に備えましょう。風通しを良くしておけば夏の暑さや蒸れからも守れます。

宿根草の挿し芽

ゼラニウムなどは、切り戻した部分を使って挿し芽ができます。6月は気温もほどよく湿度もあるため、挿し穂が枯れにくく、挿し芽に適しているのです。コリウスやサルビアなども、切り戻しのついでに挿し芽を行って株を増やすことができます。
挿し芽は多年草の株の更新にもおすすめです。

お礼肥

春咲きの宿根草にお礼肥を与えましょう。お礼肥は、花を咲かせたり種をつけたりして消耗した体力を回復させるために行います。
植物としては、できるだけ早く失った栄養分を取り入れたいところ。そのため、お礼肥として与えるのは、液肥や即効性のある化成肥料が向いています。お礼肥を与えることで株が充実し、翌年も良い花を咲かせてくれます。

球根

春咲き球根の掘り上げ

6月頃になると、春に咲いたチューリップや水仙などの葉もそろそろ枯れてくるのではないでしょうか。植えっぱなしでもよい球根もありますが、毎年植え替えたいチューリップや、数年植えっぱなしのスイセンなどは掘り上げて保管します。

掘り上げるタイミングは、葉の上部が黄色くなってきた頃がベスト。葉が枯れ始める頃には、すでに球根は栄養分を蓄えています。このタイミングで掘り上げて保管すれば、翌年もまた花を楽しめます。

球根を掘り上げたら、まず陰干しして乾燥させましょう。殺菌用の薬剤につけてから乾かすと病気を予防できます。ついている葉や根は完全に乾燥すると簡単に取れるので、それまでそのままにしておいて構いませんが、掘り上げる時に切り取ってもよいでしょう。

完全に乾いたら、玉ねぎが入っているような網の袋やかごに入れて、涼しいところで陰干しのまま保存します。秋になって植え付け時期が来たら、花壇や鉢に植え付けましょう。

バラ

ブッシュローズの剪定とシュートピンチ

ブッシュローズは、その年に伸びた枝に花が咲きます。花を楽しんだ後は花がら切りを行い、新しい枝を伸ばすようにします。

5月に花の咲いたブッシュローズは、6月になると株元からシュートが伸びてきます。これはとても大切な枝。ある程度の長さに育ったら、適宜シュートピンチを行いましょう。
シュートピンチとは、新しく伸びた枝がまだ柔らかいうちに、枝先を摘み取ること。花をつけさせないで枝を充実させます。

つるバラのシュートの誘引

5月~66月にかけて花が咲きますが、花後には勢いよくシュートが伸びてきます。このシュートは軽く結びつけて折れないように誘引し、保護しましょう。

花がら切りは適宜行います。葉を1枚程度つけて咲き終わった花を切り取ります。

施肥

花後にはお礼肥を与えます。大きく育った一季咲のつるバラには与えなくても大丈夫です。

ハーブ

収穫と剪定

梅雨に入る前に、ハーブの収穫を行いましょう。収穫におすすめなのは、晴れた日が続いた午前中。ドライハーブにする場合、雨の後などに収穫すると、乾燥させている間にカビが生えやすいので気をつけます。

ハーブには乾燥した気候を好み、蒸れに弱いものが多いため、梅雨前にさっぱりと剪定すると夏越しも楽になります。タイムやオレガノ、ラベンダーなどは、ばっさりと株の半分程度まで切り戻しましょう。
鉢植えのハーブは、雨があたらない場所に移動させます。

観葉植物

植え替えをしましょう

観葉植物の植え替えに適した時期は、最もよく成長する5月~6月頃。
毎年植え替える必要はありませんが、2~3年植え替えていない観葉植物は、そろそろ根詰まりしている可能性も。土も古くなってきているので、新しい土に植え替えましょう。

植え替えの目安は、鉢底から根が出てきていたり、成長が悪くなってきたりしたとき。水やりをしても土に水がなかなか染み込まない時も、新しい土に植え替える時期です。
そのほか、鉢に比べて植物が大きすぎると感じた場合は、一回り大きな鉢に植え替えましょう。

植え替えの方法

植え替える際は、傷んでいる根や腐っている古い根を取り除いて整理します。土は多少崩してしまってかまいません。
排水性をよくするために、鉢底に軽石などを敷き、その上に観葉植物用の土を入れましょう。

植え付けで気をつけたいのは、根の隙間に土がきちんと入るようにすること。割りばしでつついたり、鉢をゆすったりして隙間に土が入るようにしましょう。最後にたっぷりと水を与えると、土が入っていない部分は少し沈み込みます。その場合は土を足しましょう。

芝生のお手入れ

5月から引き続き、刈り込みや施肥を行います。雑草取りも忙しい時期ですね。
目土を入れると芝生の発育が良くなりますが、目土入れを繰り返しているうちに地面がだんだん高くなってしまうこともあるので、その場合はやらなくてもかまいません。

庭木のお手入れ

常緑樹の植え替え・植え付け

6月は常緑樹の植え替えや植え付けに最も適した時期です。
真夏ほど気温が高いわけではなく、かといって寒いわけでもなく。また、湿度もある程度高いので植え替えた後の管理も楽。新しく常緑樹の苗木を植え付けたり、鉢植えの常緑樹を一回り大きな鉢に植え替えましょう。

常緑樹の剪定

ぐんぐん気温が上がるこの時期は、木々が1年で最も成長する時期です。常緑樹は込み入った枝や伸びすぎた枝の剪定を行って樹形を整え、大きくなりすぎないように管理しましょう。

生垣によく使われるツツジやサザンカ、ヒイラギモクセイなどの常緑樹は、強めに剪定しても大丈夫。1年で枝がかなり伸びるので、現在の大きさを保ちたい場合は、新しく伸びた枝葉を切ってしまっても構いません。刈り込みによって一時的に葉が少ない状態になってしまっても、すぐに新芽が伸びてくるので枯れ込むことは少ないです。
キンモクセイなども、花芽がつく前のこの時期に剪定しましょう。

ドウダンツツジやハナミズキなど落葉樹の剪定は、伸びすぎた枝葉を落とす程度にしておきます。

お礼肥

ハナミズキや桜など、春に花が咲いた花木にお礼肥をあげましょう。

春に花が咲いた花木は、この時期、枝葉を伸ばしながらすでに翌年に花をつけるための準備を始めています。枝葉を伸ばすには、やはり栄養分が必要。花を咲かせるために養分を使っているため、花後にはお礼肥として肥料を与え、成長を促します。

寒肥とは異なり、お礼肥では化成肥料を与えましょう。株の根元ではなく、根の先端がある樹冠の下あたりに施してください。

常緑樹の挿し木

6月はツバキなど常緑樹の挿し木に向いている時期。剪定ついでに挿し木を行えます。
木をやみくもに増やす必要はありませんが、例えば、知人宅で咲いている変わった品種のツバキを育てたい、というようなとはきに挿し木がおすすめです。一枝譲り受けて、挿し木してみましょう。

家庭菜園

植え付け

6月上旬まで、ゴーヤやシシトウ、サツマイモなどの苗の植え付けが可能です。水菜やコマツナ、モロヘイヤなどの葉物の苗は6月いっぱい植え付けできます。

お手入れ

家庭菜園では、野菜の苗が著しく成長する一方で、長雨などで病気が発生しやすくなるので注意が必要な時期です。
枝が混みあっているところは間引いたり、株間に余裕をもって植え付けたり、風通しを良くすることで病気や害虫の発生をかなり防ぐことができます。
雑草も増えてくるので、大きくなる前に抜きましょう。

キュウリやズッキーニなどはうどん粉病が発生しやすいので、見つけたら病気の葉を取り除いて処分します。広がってしまった場合は、市販のスプレー式殺菌・殺虫剤などで対処しましょう。

ナスやミニトマトなどは支柱を立てて、強い雨や風で折れないように対策しておきましょう。キュウリやゴーヤの支柱も倒れないようにしっかり立てます。

収穫

早く植えたミニトマトやインゲン、キュウリなど、そろそろ収穫できる野菜も出てきて忙しくなってきます。

病害虫対策

気温が上がり、害虫の活動も活発になります。また、雨が続くと病気の発生も増えてきます。
病害虫を未然に防ぐために大切なのは、まず、植物を健康な状態に保つこと。病害虫は弱っている植物に発生しやすくなるためです。

風通し良い環境に保ち、剪定した枝や咲き終わった花などはそのままにせず、すぐに片付けましょう。株元に花や葉が落ちているとカビや病原菌が発生する原因になります。いつもこざっぱりと片付けておくことが病気を防ぐポイントです。

それでも病害虫が発生してしまう時は、被害が広がる前に殺虫・殺菌剤などを散布し、周囲に広がるのを防ぎましょう。万能タイプのスプレー式殺虫・殺菌効果剤を1本用意しておくといいですね。

うどんこ病

葉や茎が白く粉を吹いたような状態になるのが特徴。

黒斑病(こくはんびょう)

かびによる病気で、葉や果実に黒い斑点ができ、やがて葉が枯れる。高温多湿で発生。

灰色かび病

花や葉、茎、果実などに水がしみたような褐色の斑ができ、やがて灰色のカビが生える。植物全体に広がると枯れてしまう。高温多湿で発生。