寄せ植えの基本~知っておきたい植物や鉢の組み合わせ方(秋冬編)

寄せ植えの植物、どう組み合わせたらおしゃれに見えるのか迷うことはありませんか。初心者さんでも楽しめる、寄せ植えの植物や鉢選び、色合わせの基本などをまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

センスの良い寄せ植えが飾ってある家って素敵ですよね。自分でも作ってみたいと思っても、いざ売り場に行ってみるとどの植物を選んでいいのかよくわからないということがありませんか?
初心者さんでも楽しめる、寄せ植えの植物や鉢選びの基本をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

寄せ植えの植物の選び方

まずは3種類の植物を選ぶ

初心者さんが寄せ植えを作る際は、まずは3種類の植物を選ぶとよいでしょう。メインの花に背の低いものと背の高いものを組み合わせたり、1種類の花で色を変えたりすると失敗がありません。

秋から冬の寄せ植えで定番の組み合わせは、ガーデンシクラメンとアリッサムとコニファー、ストックとパンジーとアイビー、色とりどりのパンジーの取り合わせなど。
まずは、ビオラやパンジー、アリッサムなどお店で手に入りやすい植物を手に取って、店頭で組み合わせてみるとイメージがわくと思います。

慣れてきたら組み合わせる植物を増やそう

少し慣れてきたら、5種類程度の植物を合わせて、大きめの寄せ植えを作ってみましょう。葉の色や花の大きさ、背の高さなどに変化をつけて植物を選びます。
似たイメージの植物で統一するという方法もあります。選ぶ際は、ナチュラル、エレガント、和風などイメージを作っておくとよいでしょう。

生育条件が似た植物を選ぶ

寄せ植えを作る際は、生育条件が似た植物を選びます。生育条件が違う植物を組み合わせてしまうと、一時的には良いかもしれませんが、育てながら長く楽しむことができないためです。
日当たりの良い場所に置く寄せ植えは日光を好む植物でまとめ、玄関前など日が当たりにくい場所に置く寄せ植えは半日陰でも育つ植物で統一するとよいでしょう。
また、乾燥気味を好む植物と湿り気を好む植物を組み合わせないなど、生育条件を考えて植物を組み合わせることが大切です。

鉢の形に合わせて選ぶ

寄せ植えを作る際は、最初に置き場所を考えて鉢を選びたいもの。台の上に置くのであれば背の低いものを、地面や床面に直に置く場合は少し高さがあるものを選ぶと安定感があり、見栄えがします。

鉢の形は植える植物にも関係します。口径が大きく背の低い鉢にはこんもりと茂って広がるような植物を、口径に比べて背の高い鉢には高さのある植物や下に垂れ下がる植物、ボリュームのある植物が似合います。

丸い形の鉢は優しい雰囲気に、スクエアの形の鉢はスタイリッシュにしたい時におすすめです。

木製素材やプラスチック製などに多い長方形のコンテナで寄せ植えをする際はちょっとコツが必要です。平坦な印象にならないように、高さのある植物を組み合わせ、一番高い部分を中央よりも左右どちらかに寄せるか、シンメトリーにするとおさまりが良いようです。

和風の植物に、白系や青系、黒色の陶器の鉢などを使ってもいいですね。個性的な鉢は、植物の持つ雰囲気に合わせて選びましょう。

鉢の素材にも、粘土素材の素焼きやテラコッタ、木製、プラスチック、ブリキなどどさまざまなものがあります。同じテラコッタでも、明るいオレンジ色のカジュアルな雰囲気のものから、白っぽいエレガントな雰囲気、アンティーク調などいろいろな鉢があるので、作りたい寄せ植えのイメージに合わせてトータルコーディネートすると素敵です。

高低差をつける

高さに変化をつけるとメリハリが生まれて印象深い寄せ植えになります。だれでも簡単にできるのは、縦に伸びる植物と横に広がる植物、下に垂れるように成長する植物の組み合わせ。これで、高さと広がり、上下の流れを生み出します。

例えば、ストックとパンジー、アリッサムの組み合わせでは、ストックが高さ、パンジーが横への拡がり、アリッサムが下垂する植物にあたります。

四方見の大型鉢だったら、中心に高さのある植物、周りを広がる植物、その外側に下垂する植物を植えるとゴージャスな寄せ植えになります。

パンジーやビオラ一種類の寄せ植えの中に、チューリップの球根を仕込んでおくというのもいいですね。春になると、パンジーやビオラの間からすっと伸びるチューリップが顔を出し、高さのある寄せ植えになります。

ここで大切なのは、植物が成長したときの大きさを把握しておくこと。最初はちょうどいいと思っても、成長したら大きさが逆転してしまったり、茂りすぎた葉に埋もれて花が見えなくなってしまったりということも。
この植物はどのような姿に成長するのか、わからなければ売り場で聞いてみるとよいでしょう。

フォルム、質感の違う植物を組み合わせる

植物は種類によってさまざまな姿形をしています。
グラス類など細い葉が放射状に伸びる線を持つ植物や、アイビーなど流れるように垂れ下がる植物、アスパラガスのようにふわふわとした羽のような葉を持つ植物、ハゴロモジャスミンのようにつるが伸びる植物、ゼラニウムのようにこんもりと茂る植物など、植物によってフォルムが違いますよね。

このように、フォルムの異なる植物を組み合わせると、寄せ植えにも変化が生まれます。
例えば、同系色でまとめたけれどなんとなく単調だと感じる時に線を持つ植物を混ぜてみるなど、フォルムの違いを意識してみるとよいでしょう。

また、繊細な葉や硬そうな葉、つやのある葉など、植物によって葉や花の質感も異なります。
繊細な花を使う時は同じような雰囲気の植物を取り合わせたほうが、最初のうちはうまくいくようです。慣れてきたら意外な取り合わせなども楽しんでみましょう。

イメージを作って植物を組み合わせる

統一感のある寄せ植えを作るには、最初にイメージを作るとよいでしょう。イングリッシュガーデン風や、ナチュラルな野原のような、など具体的に言葉で表すとイメージが固まります。

植物によって、和の雰囲気のあるものや洋風のものなどがありますよね。それらの中には、組み合わせ次第で和にも洋にも合うものもあります。あまり決めつけずに組み合わせてみてください。

色合わせのコツ

赤系

グリーンの中でもぱっと目に付く赤色の花や実。緑の補色になっているので、少量使いでもよく映えます。赤い実がつく植物なども取り入れてみましょう。

同じ赤系でも赤銅色でまとめると、秋らしいおしゃれな雰囲気になります。ヒューケラなどのカラーリーフを利用してみましょう。ポイントは、全部を同じ色合いでまとめずに、色に少し幅を持たせること。斑入りの植物などもおすすめです。グラス類を使うと、秋らしい大人っぽい雰囲気になり、動きも出ます。

カレックスのように存在感・ボリュームのあるグラスをメインにして、ハツユキカズラやヒューケラなどを低い位置に植えた葉物多めの寄せ植えは長い期間楽しめます。

高さのある寄せ植えの場合は、鉢も少し高さのあるものを選ぶとバランスがよくなります。足付きのテラコッタ鉢や細長い形の鉢に植えると統一感が出るのではないでしょうか。

ピンク系

ピンク~紫のグラデーションでまとめ、シロタエギクなどのシルバーリーフを組み合わせると、ふわっと柔らかいロマンティックな雰囲気の寄せ植えが出来上がります。かわいらしい雰囲気にしたいときに。

パープル系

エレガントで大人っぽい雰囲気の寄せ植えになります。
シルバーリーフやブロンズリーフと合わせるとおしゃれな雰囲気になります。葉牡丹やストック、パンジー、アリッサムなどパープル系の花は多いので、組み合わせしやすいでしょう。

黄色系

黄色やオレンジでまとめると元気の良い雰囲気に、赤銅色や茶色などの植物を添えるとシックな秋の雰囲気になります。
リンドウやキキョウにオミナエシなど、黄色と紫色の組み合わせは秋の生け花でもよく使う色合わせ。和の雰囲気で華やかにしたい時にもおすすめです。

白系

白い花を中心にした寄せ植えは、爽やかで軽やかな雰囲気になります。主張しない分、どこにでもすんなり馴染むのが魅力。ホワイトガーデンにもおすすめです。
白やクリーム色の花は葉の緑色との取り合わせがポイント。斑入りの植物なども効果的に使いましょう。

ぎっしり植えるか、成長を考えて植えるか?

植物を植える時には、株間を〇cmあけましょう、などと書かれていることが多いですが、すぐに楽しみたい寄せ植えの場合は、ある程度ぎっしり植えてしまって構いません。
逆に、株間を考えてスカスカに植えてしまうと、例えば秋に植えたパンジーが鉢いっぱい溢れるように育つには春まで待たなければなりません。

植物は徐々に大きくなっていきますが、最初からある程度育った苗を使うことで、ぎゅうぎゅうになって育ちが悪くなるということも避けられます。

寄せ植えの作り方

寄せ植えを作る際は、鉢の中に市販の培養土を入れ、植える苗を並べてバランスを見てから植えましょう。ウォータースペースを取るのを忘れずに。苗の土の表面の高さが揃うように下の土を盛り上げるなどして調整してください。

苗と苗の隙間に土がきちんと入っていないと、根が空気にさらされた状態になって水を吸えなくなることがあります。割りばしなどで苗の間をつついて、土がしっかり下まで入るようにしましょう。

寄せ植えをできるだけ長く楽しむには?

最初はきれいだった寄せ植えも、植物が育ってくると形が乱れてきたり、花が終わって枯れてきたりするものです。

宿根草と一年草を組み合わせると、宿根草の中に時期が終わって枯れてしまう花が混ざってしまいます。いつまでも美しい寄せ植えにするには、長い期間きれいな状態が続く葉物に、開花期が長い花を組み合わせましょう。
グリーンと花の組み合わせは、時期が終わった花を次の季節の花に衣替えするのも簡単です。花がらを摘んだり、枯れてきた部分を取り除いたりという手入れをすれば、長く花を楽しめます。

また、切り戻しができる植物を選ぶと、形が乱れてきたときにも植え替えをせずに形を整えることができます。切り戻しをするたびに脇芽が増えてボリュームアップするのも魅力です。

花だけでまとめたいという時は、一年草を選びましょう。季節ごとに潔く全部植え替えてしまうほうが、メンテナンスの手間がかかりません。
植物をいくつか組み合わせて作る寄せ植えは、小さな庭を作ることにも似ています。好きな植物で新しい景色が生まれる喜びは大きいものです。いつまでも眺めていたくなるような素敵な寄せ植えを作りましょう。