【ガーデニングダイアリー】10月の庭仕事

春と秋は二大ガーデニングシーズン!気候が良く湿度も低くなってくる10月は、秋のガーデニングに最適です。この時期を逃さず、植物の植え替えや種まき、球根の植え付け、剪定などのお手入れをしましょう。寒さに弱い植物はそろそろ冬越し準備も始めます。

10月の庭仕事は大忙し!

近頃は9月になっても残暑が厳しいため、10月頃にやっと暑さが収まり秋らしくなる地域も多いのではないでしょうか。爽やかな気候を楽しめるこの時期、秋が深まる前にやっておきたい庭仕事がたくさんあって大忙し!秋の庭を彩る花やグリーンの手入れも欠かせません。春花壇の準備や寒さに弱い植物の冬越し準備もしておきましょう。一方で、まだ台風の危険もあるので注意が必要です。

春花壇の準備

夏が終わったばかりなのにもう春花壇?という気もしますが、そろそろ翌春のガーデン計画を立てましょう。もちろん、秋冬花壇もまだまだこれからが本格的な時期。並行して、球根を植えたり春に咲く花の種まきをしたり、翌春の準備を行います。

冬越しの準備

10月下旬になると最低気温もだいぶ下がってきます。東京の場合、10月初めの最低気温は17℃程度ですが、下旬になると10℃を下回る日も現れます。これから11月にかけて、あっという間に気温が下がっていくので、寒さに弱い植物は早めに室内に取り込む準備を始めましょう。

室内に取り込む前には、葉に水をかけて汚れを落とし、虫がついていないかチェック。土の上に置いていた鉢は、中にアリの巣ができていることもあるので要注意です。虫がついていれば殺虫剤などで駆除してから取り込みましょう。

庭木の手入れ

10月頃は気候も良く、梅雨時に次いで常緑樹の手入れに最適です。夏の間に茂りすぎた庭木は枝透かしなどをして形を整え、気持ちよく冬を迎えましょう。一方で、害虫の活動もまだまだ活発。病害虫予防も欠かせません。

種まきと球根の植え付け

秋まき一年草の種まき

温暖地では、耐寒性のある春~初夏咲きの花の種まきができる時期。種まきの時期が遅れると、寒くなるまでに十分に育たないので、時期を逃さずまきましょう。

寄せ植えに人気のスイートアリッサムも、この時期にまいておけば3月頃から花を楽しめます。発芽適温は20℃前後。10月上旬に種まきをしてしまいましょう。
デルフィニウムなど寒さに強い植物も秋まきで育てます。育てやすい品種を選ぶと失敗しません。
その他、ノースポールやイソトマ、アスター、リナリア、ネモフィラなども10月に種まきをします。冬の間はポットで育て、春に定植するとよいでしょう。種の袋に発芽最適気温が書いてあるので参考にしてください。
ルピナスやスイートピーは直根性なので、ポットに種をまいたあと、本葉が3枚ほど出たらすぐに定植するか、そのままポットで育てて春に根を傷めないように定植します。

いずれも、本格的な寒さが来る前に、ある程度しっかりした大きさまで育てるのがコツ。冬を乗り越えることでしっかりした株に育ちます。

秋植え球根の植え付け

10月中旬を過ぎると、チューリップやスイセン、ムスカリなどの秋植え球根を植えられます。パンジーやビオラとの寄せ植えの隙間に植え付けたり、庭に種類ごとにグルーピングして植え付けたり。春に咲く姿を思い浮かべて球根を仕込むのは楽しい作業です。

庭植えの場合は、球根の大きさ3個分の深さが良いとされています。チューリップなどはある程度間隔が狭くても大丈夫ですが、植えっぱなしで楽しめるスノーフレークなどは葉が広がるので少し間隔を広めに取りましょう。
長く育てるというよりも花が一斉に咲くのを楽しみたい鉢植えの場合は、多少過密気味に植えたほうが見た目がゴージャス。根をしっかり張れるように浅く植え付けます。

草花の手入れ

9月に種をまいた植物

9月に種をまいた植物は、発芽したらよく日に当て、間引きや移植をして株を大きく育てます。本葉が何枚か出てきたら、緩効性肥料や薄い液体肥料などを与えましょう。

育苗箱などに種をまいた場合、間引きしないと徒長してしまい、良い苗に育ちません。あとでやろう、と思っているとすぐにヒョロヒョロになってしまうことも。タイミングよく間引きを繰り返しましょう。
間引きする際は、徒長した芽や成長が悪い芽を取り除きます。無理に引っこ抜くと、残したい芽が抜けてしまうこともあります。抜くのが難しければ、間引きする芽だけをそっとハサミで切りましょう。

種まき用のセルトレイに種をまいた場合は、成長に応じて一回り大きなポットに移植して育てます。移植のタイミングが遅れると、混みあってやはり徒長してしまいます。

秋の育苗は、寒くなる前に葉を育てるというよりは、しっかりと根を張らせることが大切です。

非耐寒性の鉢植えを室内へ移動する準備

10月中旬を過ぎると最低気温もだいぶ下がってきます。昼間は暖かくて過ごしやすい陽気でも、夜間の気温がぐっと下がることも。耐寒性のない植物は、室内へ取り込む準備を始めましょう。
室内に入れる前に植え替えが必要な鉢があれば、できるだけ早めに植え替えておきます。鉢の裏にナメクジなどの害虫がついていないかもよくチェックしておくといいですね。

寒さに当てる必要のある植物

デンドロビウムやシンビジウムなどは、低温に当たることで花芽ができるという性質を持っています。そのため、あまり早い時期に室内に取り込んでしまうと花が咲かないということも。温暖地では、10月中は屋外で管理します。
ただ、室内でも夜は部屋の温度が下がる場所に置く場合は、それほど取り込む時期に神経質になる必要はありません。何もしなくても花芽形成に必要な低温の条件を満たすと考えられるためです。

宿根草

宿根草の株分け・植え替え

キキョウ、スズラン、ギボウシ、ミヤコワスレ、クリスマスローズなどの宿根草の株分けや植え替えを行えます。鉢植えは新しい土に、庭植えの場合は株分け後、腐葉土などをすき込んでから植え付けましょう。
庭植えの宿根草を掘り上げる際は、できるだけ多くの根をつけた状態で掘り上げます。根鉢を大きめに取って掘り上げ、必要に応じて株分けします。寒くなる前にしっかりと根を張ることができれば冬越しも問題ありません。 
ホトトギス、シュウメイギクなど秋に咲いた宿根草は花が終わってから11月中または春の芽が動き出す前に植え替えや株分けをします。夏の暑さで弱ってしまった宿根草は、株分けなどをせずに休ませます。

耐寒性の強い宿根草の植え付け

この時期、耐寒性の強い宿根草の苗が店頭に並びます。春からの花壇計画を立てながら、庭や鉢植えで取り入れたいものがあれば植え付けましょう。
花が咲くまで少し時間がかかり、スペースも手間も必要ですが、秋に植え付けることでしっかりした株に育ちます。

バラのお手入れ

10月中旬頃になると、秋に咲くバラのシーズンが始まります。
花がら摘みや、病害虫予防の薬剤散布などの作業を行いましょう。花が咲いていると肥料を与えたくなりますが、ブッシュローズ、つるバラともに、10月以降は肥料を与えません。

ハーブ

株分け・植え替え

春から初夏にかけて花が咲くハーブの植え替え時です。大きく育ったハーブの株分けも行いましょう。
鉢植えでは土の量も限られているため、鉢の中が根でいっぱいになってしまい生育が悪くなることもあります。鉢植えのハーブが根詰まりしているようだったら、一回り大きな鉢に植え替えます。

植え替えや株分けの際は、あらかじめ枯れあがった枝や古い枝を切り取り、株元の新しい芽を残して整理しておきます。鉢から抜いたら少し根をほぐし、回りすぎた根や古くて黒い根などをカット。細根が出ている太い根は残します。新しい培養土を入れた鉢に植え付け、たっぷりと水をあげ、1週間ほど日陰で管理しましょう。

挿し木

ローズマリーやラベンダーは、何年か毎に挿し木で株を更新しましょう。
挿し木は、寒さに弱いハーブの冬越しにも便利です。剪定のついでに挿し穂を作るのがおすすめです。
肥料分のない赤玉土など、挿し木用の用土を使用し、発根までは動かしません。新しい芽が動いてきたら発根の合図。鉢上げして肥料を与えます。

寒さに弱いハーブ

寒さに弱いレモングラスなどのハーブは、室内へ移動する準備をします。地植えの場合は掘り上げ、地上部は短く切り、コンパクトにまとめて深さのある鉢に移しましょう。株が大きく育ちすぎていたら、ついでに株分けを行います。

観葉植物

寒さに弱い観葉植物の管理

多くの観葉植物は夏が生育期。そのため、秋になって気温が下がってくると生育が鈍り、やがて冬の休眠期に入ります。
生育旺盛な時期に比べて蒸散も減るため、鉢土が乾きにくくなります。夏と同じように水やりをしていると過湿状態になってしまうため、徐々に水やりの回数を減らしていきましょう。
土の状態をよく見て水やりのタイミングを決めてください。

アロカシアやサンセベリア、モンステラ、スパティフィラムなど、特に寒さが苦手な観葉植物は、10月には室内に取り込みます。
屋外と室内では光量が違うので、徐々に日陰に移して弱い光に慣らしておきます。室内で植物を置いておける日当たりの良い場所がないという場合は、空気がゆるやかに動く明るい場所に置きましょう。

芝生のお手入れ

刈り込み

気温が下がってくると高麗芝は生育が鈍ります。10月頃に刈り込みをしたら、しばらく芝刈りの必要はありません。一方、冷涼な気候を好む西洋芝は生育期。伸びたら刈り込みを行います。

雑草取り

まだ雑草もよく伸びる時期。油断して芝生の間に種が飛んでしまうと、その後の草取りが大変なことになってしまいます。種をつける前にこまめに雑草を抜きましょう。

庭木のお手入れ

常緑樹の剪定(整枝)

常緑樹の伸びすぎた枝を軽く剪定しましょう。この作業は11月下旬頃まで行えます。

春に花の咲く木は花芽を切らないように、いらない枝や弱い枝、込み合った枝などを間引くように剪定し、樹木の形を整えて風通しを良くします。枝の先端を切り詰めてしまうと花芽を落としてしまいます。特に剪定の必要がなければ、そのままにしておきましょう。
伸びすぎた生け垣は冬になる前に剪定して形を整えます。強剪定は行いません。

常緑樹の植え付け

梅雨の頃が常緑樹の植え付けに適した時期ですが、10月頃も常緑樹の植え付けを行えます。
植え替えをする場合は、10月上旬頃までに終わらせましょう。
地植えの場合も、植えてから間もない木は移植を行えます。植えてから年数の経った木は春に根回しという作業を行い、半年~1年程経ってから移植します。この場合はプロに任せたほうが安心ですね。

家庭菜園

10月頃は気候が良く、害虫被害も減ってくるため、家庭菜園を楽しむのによい時期です。
ただ、11月に向かって気温がどんどん下がっていくため、作業を伸ばし伸ばしにして植え付けや種まきのタイミングが遅れると、その後の生育にも大きな差が。早めの植え付けが成功の秘訣です。

苗の植え付け

リーフレタスや白菜などの葉物のほか、イチゴの苗や玉ねぎ、分葱なども植えることができます。プランター栽培だったら、苗を買って2~3株育てるのがおすすめです。

冬野菜の種まき

ダイコン、カブ、ホウレンソウ、コマツナ、シュンギク、ベビーリーフなどの葉物、スナップエンドウなどの豆類の種をまけます。時期が遅くなると十分育つ前に寒くなってしまいます。豆類は翌春の収穫になるので、場所をよく考えてまきましょう。マルチングで地温を上げるとよく育ちます。