空気をきれいにしてリラックス!部屋に置きたいエコプラント10選

室内に植物があると空間が生き生きとしてきますよね。室内に観葉植物を置くなら空気をきれいにしてくれるエコプラントを選んでみては?癒し効果だけでなく空気清浄効果もある、ありがたい植物をご紹介します。

観葉植物のさまざまな効果って?

人工的な空間に植物があると、なんだか穏やかな気分になりませんか?
観葉植物に限らず植物全般に言えることですが、植物には見たり触れたりすることによる癒し効果やリラックス効果などがあります。さらに、植物を見ることで視覚疲労などを回復する効果も認められています。
それだけでなく、植物には空気をきれいにする効果もあるのです。

さまざまな有毒ガスで覆われた太古の地球で、最初に発生したのがアミノ酸などからできた有機物。やがて光合成をする藍藻類が発生し、二酸化炭素と水から酸素や有機物を作り出すようになります。
気が遠くなるような長い時間をかけて藻類が現在の地球に近い環境を作り出し、やがてシダ植物などが生まれます。
このように考えてみると、もともと植物は空気をきれいにする能力を持っていたわけですね。

NASAが調査!観葉植物の空気清浄効果

NASAの研究

さまざまな効果を持つ植物の中でも、特に室内の空気をきれいにする効果が高く、室内の弱い光でも育つものが「エコプラント」と呼ばれる観葉植物。どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

エコプラントの発見のもとになったのが、密閉された宇宙空間で暮らすためにNASAが行った研究。生命維持のために必要な空気の汚染を植物が解消するのではないかというものです。その研究で、多くの植物が有毒ガスを吸収し、さらに空気を浄化する働きを持つことがわかりました。

大きく見ると、地球も宇宙の中に密閉された空間と言えるかもしれません。そこに多くの動植物が暮らしていますが、多くの有害物質があるにもかかわらず、地球の空気は生物が暮らしていくことができるように浄化・維持されています。

NASAの研究によって、どのような植物がどんな有害物質を吸収して空気を浄化するのかが明らかになりました。そのうち約50種類の植物が、特に優秀なエコプラントとして紹介されています。

エコプラントの働き

植物による空気浄化は、植物の呼吸や蒸散という働きによって行われます。葉の裏にある気孔や根から有毒な物質を吸収してきれいにしてから再び空気中に放出するのです。

エコプラントは、室内で特に問題になるホルムアルデヒドやキシレン、トルエン、ベンゼン、アンモニア、トリクロロエチレンといった、シックハウス症候群の原因にもなる物質を除去し空気を浄化してくれます。

せっかく室内に観葉植物を置くのなら、ぜひエコプラントを取り入れてみたいですね。
■ホルムアルデヒド
塗料や接着剤に含まれていることが多く、2014年以前に建てられた住宅の建築資材にも使われています。揮発性の物質なので、よく換気することが大切。密閉された空間や風通しの悪い部屋などでは健康に影響を与える場合もあります。

■キシレン、トルエン
キシレンやトルエンのうち、トルエンはシンナーの主成分。塗料の有機溶媒として使用されます。キシレンも有機溶媒として使われる物質。どちらも揮発性で、油性塗料や接着剤などに含まれます。室内では、内装や家具に含まれることも。

■ベンゼン
ベンゼンは、石油化学製品に含まれる物質で発がん性があるとされています。たばこの煙や排気ガスにも含まれます。

■アンモニア
アンモニアは人の体内でも生成される物質で、嫌な臭いのもとになり、毒性もあります。

■トリクロロエチレン
トリクロロエチレンは、揮発性の有機化合物で、地下水の汚染などが問題になっています。過去にはドライクリーニングなどで用いられてましたが、現在は規制されています。

おすすめのエコプラント10選

スパティフィラム

エコプラントの中でも、特に空気浄化作用が強いと考えられるのがスパティフィラム。
ホルムアルデヒドやキシレン・トルエン、アンモニア、トリクロロエチレン、ベンゼンなどを除去する効果や蒸散作用も高く、しかも育てやすいのでおすすめです。

水芭蕉に似た白い花(実際には苞)が涼し気なサトイモ科の植物で、原産地は熱帯アメリカ。屋内の弱い光でも育ち、濃い緑色の美しい葉が優雅に広がります。

生育期にあたる5月~9月頃は、屋外の日陰に出しておくとよく成長しますが、エコプラントとして室内に置いておきたい場合は、室内の明るい場所で育てましょう。部屋の奥など暗い場所に置きっぱなしにすると花が咲かなくなるので注意。

サンスベリア(サンセベリア)

風水でも人気のサンスベリア。悪い気を取り除き癒し効果もある植物とされているようですが、エコプラントとしてもとても優秀。
ホルムアルデヒドやキシレン・トルエン、トリクロロエチレン、ベンゼンなどを除去する効果が強いので、取り入れない手はありません。

サンスベリアは、熱帯アフリカ原産のリュウゼツラン科の植物です。高温多湿の環境を好み、寒さは苦手。室内では明るい場所に置いて育てましょう。冬を越すには、水やりを控えて10℃以上をキープします。

サンスベリアの特徴は、鋭く立ち上がるそのフォルム。個性的なので、部屋に取り入れる時は小さめのものを選ぶとインテリアに馴染みやすいようです。スタイリッシュな印象で部屋のポイントにもなります。

アレカヤシ

丈夫で育てやすく、羽のように広がる葉が南国気分を味わわせてくれるアレカヤシ。
ホルムアルデヒドやキシレン・トルエンなどを除去する効果が高いことがわかっています。

ヤシ科の植物は、本来は日当たりの良い場所を好みますが、耐陰性もあり明るい室内でもよく育ちます。
アレカヤシは株立ちして葉が大きく広がります。リビングの床に置けばリゾートにいるような雰囲気が楽しめるので、リラックスしたいときにもぴったりです。

ポトス

どんな園芸初心者さんでも枯らさずに育てられると言われるポトス。切った茎を水に挿しておけばすぐに根が出てくるほど丈夫な植物です。

サトイモ科のポトスも実はエコプラント。ホルムアルデヒドを除去してくれます。
育てやすいだけでなく、ポトスは明るい葉色が魅力。一鉢あれば部屋がぱっと明るくなるのでおすすめです。

耐陰性が強く、つる状に垂れ下がって育つので、部屋の棚の上など高いところに置いて育てるといいですね。垂れ下がる自然な姿を楽しむほかに、ヘゴ仕立てで鑑賞することもあります。暖かい室内であれば、冬越しも簡単です。

ドラセナ(幸福の木)

ドラセナにはさまざまな品種がありますが、中でも「幸福の木」という名で知られ、インテリア・グリーンとして人気のあるのがドラセナ・マッサンゲアナです。リュウゼツラン科の植物で、尖った葉が特徴。
ホルムアルデヒドやキシレン・トルエン、ベンゼンなどを除去する能力が高いとされています。

机の上におけるような小さなものから、床に置いて楽しむような3本仕立ての大型のものまでサイズもさまざま。置き場所に応じて楽しみましょう。

半日陰を好み耐陰性もありますが、室内の暗い場所では生育が悪くなるので、明るい光の当たる場所で育てましょう。葉焼けのもとになるので直射日光は控えます。冬は水やりを控えめにして7~8℃以上をキープしてください。

アンスリウム

赤いハート形の花(苞)がスタイリッシュな印象のアンスリウム。熱帯アメリカ原産のサトイモ科の植物です。
ホルムアルデヒドやキシレン・トルエン、アンモニア除去能力に優れています。

現生地では高温多湿の明るい半日陰のような場所で育っています。そのため、観葉植物として楽しむときも、霧吹きなどで湿度を高めてあげましょう。特に、発芽部を乾かさないことが大切です。夏の成長期は、水やりの際に頭からジョウロで水をかけてあげましょう。葉についたホコリなどの汚れも流すことができます。
15℃以上あれば鑑賞状態を保てます。冬でも暖かいマンションなどであれば育てやすいのではないでしょうか。

ヘデラ(西洋キヅタ/アイビー)

アイビーという名前の方が一般的かもしれませんが、ヘデラもエコプラントのひとつ。ウコギ科の植物で、種類も豊富。誰にでも育てやすく園芸初心者さんにもおすすめです。ポトスと同じように、切ったつるを水に挿しておくとすぐに根が出るので、簡単に株を増やせるのもうれしいところ。

ヘデラには、ホルムアルデヒドやキシレン・トルエン、ベンゼンなどを除去する能力があるのだとか。寄せ植えなどで育てている方も多いと思いますが、室内で観葉植物として楽しむのも良いですね。

熱帯原産の観葉植物が多い中、ヘデラは冬の気温もさほど気にしなくても大丈夫。耐陰性もありつるを伸ばして垂れ下がるので、室内で吊り鉢としてもチェストなどの上に置いても楽しめます。

ベンジャミン

ベンジャミンはインド原産のクワ科の植物。美しい木肌に小さめの葉がよく茂り、2本の細い幹をねじってトピアリーのように仕立てたり、自然樹形で楽しんだりしているのを見かけます。高さを出せるので、部屋の雰囲気を変えるのに便利な観葉植物です。
ベンジャミンは、ホルムアルデヒドやキシレン・トルエン、アンモニアなどを除去してくれます。

涼し気な印象の木ですが、高温多湿を好み、生育に適した気温は20~30℃。空気が乾燥していると夏でも葉が落ちることもあります。霧吹きなどで湿度を高めたり、葉水を与えて落葉を防ぎましょう。
光がよく当たる明るい場所を好みますが、耐陰性もあります。最低気温は10℃以上。部屋の中でも温かい場所に置けば冬越しは可能です。

カンノンチク(観音竹)

中国南部の熱帯雨林原産のカンノンチクはヤシ科の植物ですが、南国というよりも東洋の香り。和の空間や焼き物の鉢などにもよく合います。
形がよく似ているものにシュロチクがありますが、1枚の葉の分かれ方に違いがあり、カンノンチクの方が幅広なので区別がつきます。

カンノンチクは、ホルムアルデヒドやキシレン・トルエンなどの除去効果が高いそうです。さらに蒸散も盛ん。育てやすいので、室内に置くグリーンとして人気があります。

中国南部は湿度・気温ともに高い気候なので、カンノンチクも寒さは苦手。
明るい日陰を好み、耐陰性もありますが、できれば室内の明るい場所で育てましょう。生育期は半日程度日の当たる場所が最適です。空気が乾燥しているようだったら、霧吹きなどで湿度も保ちましょう。
成長はゆっくりですが、そのうち根詰まりしてくると葉先が枯れてきます。その際は一回り大きな鉢に植え替えてください。

フィロデンドロン・セロウム

長い茎の先に大きな切れ込みのある葉が個性的な雰囲気を持つ、フィロデンドロン・セロウム。別名がヒトデカズラ。部屋に置くと空間が一気におしゃれになる、南アメリカ原産のサトイモ科の観葉植物です。

フィロデンドロン・セロウムは、接着剤や塗料などに含まれるホルムアルデヒドを除去する効果が高いエコプラント。シックハウス症候群対策としても役立ちます。

白で統一した空間にも、ダークブラウン系のアジアンスタイルにもよく映えます。葉が大きく広がるので広い場所に置いて楽しみましょう。すっきり片付いたリビングのソファー脇や低い台の上などに置くのがおすすめです。
他にも多くのエコプラントがあります。ぜひお気に入りを探して育ててみてください。