撮って楽しむガーデニング!美しい花の写真を撮る方法とは?

庭やベランダで育てた花、せっかくだからきれいな写真に撮っておきたいと思いませんか?知っておくと役立つ写真の基礎や、プロのように撮る秘訣などをご紹介します。

きれいに咲いた花をデジカメやスマホで撮ってみるといまいちだった…ということはありませんか?
花の写真は、写真の基礎を知っていると見違えるような出来栄えになるんです。ちょっとしたポイントを押さえて、プロが撮ったような写真に挑戦してみましょう。
撮った写真をポストカードにしたりブログにアップしたり。いろいろ楽しんでくださいね。

一眼レフにコンパクトデジカメ、スマホ。あなたが使うのはどれ?

カメラの種類

デジタルカメラには一眼レフタイプとコンパクトタイプがあります。デジタルカメラを使わずに、普段はスマホで写真を撮るという人も多いでしょう。

どのタイプのカメラを使っても、基本は一緒。使える機能に少し違いがあるだけです。それでも、それぞれに適した撮り方があるので、あらかじめ自分が何で撮影するのか、使用するカメラにどのような機能があるのか知っておきましょう。

おすすめは一眼レフタイプ

花を撮影するのに一番向いているのは、一眼レフタイプのカメラです。一眼レフのデジカメで撮った写真の出来栄えには、きっと初心者さんでもほれぼれとしてしまうはず。

素敵な写真が撮れる理由は、大きなレンズによる描写力の高さ。背景を簡単にぼかしたりできるのも魅力です。
少し本格的な写真を撮りたい!という人は、入門用の機種でも機能は同じなので揃えてみるとよいかもしれません。

スマホでもきれいに撮れる!

最近はスマホのカメラでも、デジカメに負けないくらいきれいに撮ることができます。ただ、そのまま撮ってしまうと面白みのない写真になりやすいので、一眼レフ風に撮れるポイントだけ押さえておきましょう。コツさえつかめばスマホでも素敵な写真が撮れますよ。

縦?それとも横?構図について知っておこう

横構図で撮ったクレマチス。落ち着きのある印象です。
via Kaoru Sakamoto

同じクレマチスを縦構図で。横構図の場合とだいぶ雰囲気が変わるのがわかりますか?
via Kaoru Sakamoto

おしゃれに見える構図って?

写真を撮るときに、無意識に撮りたいものを画面の中央に配置していませんか?
長方形の写真の場合、この構図は「日の丸構図」とも呼ばれ、写真になんとなく面白みがない、おしゃれに見えないなどの原因になってしまいます。
画面を縦に3分割、横に3分割した交点上にメインの被写体を置くと、簡単にバランスよくおしゃれに撮れるので、試してみましょう。
インスタグラムなどで見られる正方形の写真の場合は、撮りたいものを中心に持ってきてもバランスを取りやすいので大丈夫。おしゃれな雰囲気になるのが魅力です。

撮りたいものは画面の中にすべて入れたくなりますが、例えば花瓶に生けた花や丸いお皿に乗ったデザートなどを撮影するときには、被写体の一部をあえて画面からはみ出すようにしてみるとおしゃれ感が際立ちます。ぜひやってみてくださいね。

縦構図?それとも横構図?

縦構図なのか横構図なのかによって、写真の雰囲気は変わります。
普段、人間の目が見ているのは横構図に近いもの。広さを強調したいときや風景写真におすすめです。それに対して、縦構図は見慣れないため、フォトジェニックに見える効果があると言われています。高さのある被写体を撮りたいときにも向いていますよね。

どの花を撮るか主役を決める

via Kaoru Sakamoto

主役の花はどれにする?

よくあることなのですが、たくさん咲いている花を撮るときは、多くの花をなんとなく写真に収めてしまいがち。それはそれで美しいのですが、もう一歩目を引く写真にしたいときには、主役を決めてシャッターを切るのがおすすめです。

似たような花がたくさんあっても、ひとつひとつじっくり見てみると、こちらを向いている花やそっぽを向いている花、散りかけの花などさまざまなはず。この中から主役になる花を選んであげるのです。

花の前後にも注意!

一番美しく見える角度、開き具合、位置、光の当たり具合などでベストの花を選んでみましょう。花を選ぶときは、その前後に写る花にも注意してみてください。
すぐ前に枯れた花があったり、他の花の茎が入って線がごちゃごちゃして見えたりする場所は残念ながらメインにするには向いていません。花がきれいで前後がうるさくないような場所を、撮影場所やカメラの角度をいろいろ変えて探してみましょう。

主役の花を中心にして撮ると、同じように全体が写っている写真でも一味違うものになるはずです。もちろん、ピントは主役の花に合わせてくださいね。

強すぎない光を選ぼう

フラッシュはオフ!直射日光は避けたほうが無難

花の写真を撮るには、晴れた日の昼間の強い光はちょっと強烈。南国風の花の写真を撮るには向いていますが、多くの花は光の強さに負けて微妙なニュアンスが出なかったり、フラッシュをたいたような影ができて堅い印象の写真になってしまうことがあります。

花をできるだけ自然に近い優しい感じで撮りたければ、フラッシュはオフにしておきましょう。昼間の直射日光や朝の強い光で撮るよりも、背景が日なたで花だけ少し影になるような場所や、うす曇りの日のほうがきれいな写真を撮りやすいのです。

光が当たる角度や時間帯を意識しよう

被写体の正面から光が当たっている状態を順光と言います。順光では花の色が鮮やかに写ります。
一方、斜め横から光が当たっている斜光の状態だと、被写体に立体感が出て印象深い写真になるのが魅力です。花も一枚の肖像画のように撮れるのが斜光。夕方の少し黄金色がかった光で紫やオレンジの花を撮ると、想像以上に素敵な仕上がりになりますよ。

被写体の後ろから光が当たっている状態、つまりカメラの正面に光源があるのが逆光です。写真は順光でとも言われますが、逆光でうまく撮るとふんわりソフトな写真が撮れるんです。
次にあげる、「逆光できれいに撮影する方法」を参考にして、流行りのソフトな写真を撮るのもおすすめです。

逆光できれいに撮影する方法

スマホで露出補正をして撮影。近付いて背景をぼかすときれいに撮れます。
via Kaoru Sakamoto

露出補正で明るくする

逆光でそのまま撮ると、背景が明るく写りますが肝心の花が暗くなってしまいます。最近のカメラは高性能で逆光でも自動で露出補正をしてくれる機種もありますが、いつでもきれいに撮るには逆光での撮影テクニックを知っていると安心です。

逆光の場合は露出補正をプラスにしてみましょう。露出補正とは、写真の明るさを変えるためのもの。撮りたい被写体が暗く写る場合には、ブラス側に補正します。
カメラにある+-の印が露出補正のボタン。コンパクトデジカメやスマホの場合は、メニュー画面から露出補正を選んで+1くらいにしておくとよいでしょう。

レフ板を使ってさらに美しく

これだけでもかなりきれいな写真が撮れますが、もうひと手間かけられる人は、レフ板を使ってみましょう。レフ板というのは被写体に光を反射させて明るくするためのもの。白い画用紙やノート、近くから撮影する場合は白い服を着るだけでもレフ板効果はバッチリです。

うまく光を反射させると、花がふわっと明るくなるのがわかります。その位置でシャッターを切れば、ふわっとソフトな写真の出来上がりです。

背景をぼかしてプロっぽい写真に!

一眼レフカメラならプロ並みの仕上がりに

一眼レフカメラで背景をぼかしたような写真を撮るには、絞りを開放気味にして撮ります。
絞り優先モードにして、カメラにある「F」という記号が書かれた部分を操作してみましょう。Fの値が小さいほど背景がぼけやすくなります。反対にFの値が大きくなると、遠くまでくっきりとピントの合った写真が撮れるというわけです。

絞りの値が小さくなるとレンズから取り込む光の量が増えます。写真は絞りとシャッタースピードの組み合わせで明るさが決まるので、暗いところでシャッタースピードを上げて撮りたいという場合にも便利です。

また、花撮影用モードにすると花をクローズアップして撮影でき、背景がぼけます。接写したい場合に利用してみてくださいね。

コンパクトデジタルカメラで背景をぼかしたいときは?

コンパクトデジタルカメラで背景をぼかしたいときには、マクロモードにして被写体に近付くか、ズームを望遠側(遠くが大きく写る側)にして少し離れて撮ると素敵に撮影できます。
望遠側にすると手ぶれしやすいので、三脚や台の上にカメラを乗せるか手でしっかり支えて手ぶれを防ぎましょう。

スマホでも背景をぼかして撮れる!

スマホでよりきれいに撮りたい場合は、単焦点モード(花モードなど)にするか、マニュアル設定にして撮影しましょう。撮りたい花にできるだけ近づいてシャッターを押すと、背景がぼけやすくなって花が引き立ちます。撮った後に一部分だけピントがあったように見せて他をぼかすことができるアプリもあります。
自分のスマホにどのようなモードがあるか、一度チェックしておきましょう。

背景がすっきり見える場所を探す

撮った写真を後から見たら、背景に車やごみ箱など余計なものが写っていたり、なんだかごちゃごちゃして見えたり。出来栄えがいまいちということはありませんか?
花の写真を撮るときには、できるだけ背景がすっきりとした場所を選んでみましょう。

といっても、すっきりした場所を見つけるのはなかなか難しいものです。そんなときは、自分が動いてみるのが一番。後ろがすっきり見える位置に移動したり、花の後ろに布などを置いてみたり。いろいろ工夫してみてくださいね。
他の花を背景に入れてぼかすという手法は、写真を撮るときにプロがよくやること。背景に青空を入れるのも素敵ですよ。

明るいファンタジックな写真ってどう撮るの?

via Kaoru Sakamoto
最近流行りの、ちょっと色が飛んだような明るくファンタジックな写真、どうやって撮っているかご存知ですか?
ポイントは露出補正。色が飛ぶギリギリ、+1.7~+2くらいまで露出補正して撮影することで、あの独特の雰囲気になっているのです。スマホでは「ハイキー」という効果を使うと簡単です。

このような写真を撮る際は、被写体やその背景も少し意識して選んでみましょう。花を見下ろして撮るよりも、下から見上げるようなアングルで背景に空を入れると雰囲気アップ。たくさんの花が咲いている花畑風の写真になります。

この方法で撮影すると、いつも見ている花が全く違う世界のものに見えてくるから不思議です。面白いので、興味ある方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
花は動かすことはできないので、写真を撮るときは立ったりしゃがんだり、自分が動いてその花が一番素敵に見える位置や角度を探してみましょう。

すっきりした背景を選んでぼかす、主役を決める、フラッシュは使わない、逆光の時はレフ板を使ってみるなど、すぐに実践できることばかりなので、ぜひ撮影の際に取り入れてみてください。
スマホでも一眼レフ並みのすてきな写真を撮ることができますよ。