秋植えで楽しみたい。秋~冬におすすめの花9選

夏の花が終わったら秋の花に植え替えたい。でも、秋から冬にかけて咲く花で、秋になってから植えられるものは、春・夏の花ほどたくさんあるわけではありません。その中でも、できるだけ長い期間楽しめる花や、秋の風情を感じることのできる花などを集めてみました。

パンジー、ビオラ

花が少なくなる秋から冬、そして春までガーデンを明るく彩ってくれるパンジーとビオラ。品種が多くさまざまな色があるため、他の植物とのカラーコーディネートも楽しめますよね。
寄せ植えやハンギングバスケットにも便利で、冬のガーデニングには欠かせない植物です。育てやすく害虫もほとんどつかないので初心者にも簡単に育てられます。毎年苗を購入して育てているという人も多いのではないでしょうか。

花のついた苗は10月頃になるといっせいに店頭に並びます。種をまいて育てる場合は、9月頃に種まきを行い、10月に定植するとよいでしょう。
パンジーやビオラは、水はけがよく日当たりの良い場所を好みます。冬の間はあまり成長せず花も少なめになりますが、3月頃暖かくなってくると株が大きくなり5月初め頃まで花をたくさん咲かせてくれます。
花の時期が長いので、花が咲いている間は緩効性肥料を与え、花がらをまめに切り取ることが大切です。種をつけさせないことで株の老化を防ぎ、長く花を楽しむことができます。

苗の植え時:10月~1月頃
開花時期:11~5月

ノースポール(クリサンセマム)

開花期が長く、パンジーやビオラと並んで冬から春にかけての花壇に欠かせないノースポール(クリサンセマム)。マーガレットのような黄色い芯のある白い花を咲かせます。一株植えただけでボリュームが出るので、何株かまとめて植えて寂しくなりがちな冬の花壇を華やかに演出するのにも役立ちます。

ノースポールは低温には強いのですが、高温多湿は苦手です。そのため、株が混みあってきたら適宜切り戻しを行い、風通しを良くして蒸れを防ぎましょう。
ノースポールは種から育てるのも簡単です。たくさん育てたいという場合は、種から育ててもいいですね。

店頭に苗が並ぶのは10月頃から。10~12月にかけて植え付けを行いましょう。3月頃暖かくなり始めてから植え付けてもいいでしょう。華やかな春の花壇を楽しめます。

ノースポールは花の時期が長いので肥料切れにならないようにしなければなりません。あらかじめ土に緩効性肥料を混ぜてから植え付け、様子を見ながら2週間に1回程度、液肥を与えるとよいでしょう。

種まきの適期:9月中旬~10月頃
発芽気温:15~20℃
苗の植え時:10~12月
開花時期:12~6月

ガーデンシクラメン

ガーデンシクラメンとは、一般的なシクラメンよりも花が小さいミニ系のシクラメンで、地植えができる品種です。
冬に室内で育てるシクラメンとは異なり、秋から春にかけて寄せ植えや花壇で楽しむことができます。背が高くならない品種なので、寄せ植えの際は背の高い植物と組み合わせるとよいでしょう。コニファーの足元にもよく似合います。

植える場所は屋外の日当たりの良いところが適しています。病気や害虫の被害も少ないので、初心者でも育てるのは簡単。10月頃に苗が店頭に並ぶので、ぜひ取り入れてみましょう。
ガーデンシクラメンは寒さには強いのですが、霜に当たると弱ります。できれば霜の当たらない軒下などにおくとよいでしょう。-5℃以下になると枯れてしまうので、寒波がくるようなときは保温に努めてください。
通常の手入れはシクラメンと同様です。乾燥には強いですが、その反面、過湿には弱いので、土が乾いてからたっぷりと水をあげるようにしましょう。

苗の植え時:10~12月(気温が下がってから)
開花時期:10~3月

ウインターコスモス

黄色いコスモスによく似た小さな花を咲かせるウインターコスモス。名前に「コスモス」とついていますが、コスモスの仲間ではありません。キク科の植物でとても丈夫なため、初心者でも簡単に育てられます。

ウインターコスモスは乾燥気味の環境を好むため、屋外の日当たりが良く水はけのよい場所に植えます。日当たりの悪い場所に植えてしまうと花があまり咲きません。真冬は太陽の位置も低くなるため、秋に植えた頃は日当たりが良いと思っていた場所も冬には日陰になることがあります。落葉樹の下など、できるだけ真冬でも日の当たる場所に植えましょう。

ウインターコスモスは寒さに強く、冬の花壇を明るくしてくれる貴重な植物。真冬の霜が降りるような時期には花がなくなりますが、植えたままにしておけば3月頃にまた花をつけるようになります。
移植を嫌うため、いったん植え付けたら植え替えせずに育てましょう。
摘芯をして脇芽を伸ばすとこんもりとした姿になり、花がたくさん咲きます。花を長く楽しむに、花がらをまめに摘むとよいでしょう。

苗の植え時:9~10月
開花時期:7~11月、2~3月

スイートアリッサム

香りのあるかわいらしい小花が丸く集まって咲くスイートアリッサム。白やピンク、紫、オレンジ、赤紫などさまざまな色の花があり、ビオラ、パンジー、ガーデンシクラメンとの寄せ植えや花壇の縁取りなどにもおすすめの植物です。

日本では夏越しが難しいため一年草として扱いますが、本来は多年草です。開花期は秋から冬にかけて、そして春先から6月初めころまで。真冬の寒い時期は花が咲きません。

スイートアリッサムはやや寒さに弱いため、日当たりが良く霜の降りない場所に植えましょう。鉢に寄せ植えしたものは、霜が降りそうなときは軒下や玄関のポーチなどに入れておけば大丈夫です。
花壇に植える際は、苦土石灰をあらかじめ混ぜて酸度調整をしておきます。
花がらを摘みながら切り戻しをすると、脇芽が伸びて再び花が咲きます。

苗の植え時:9月下旬~11月上旬、2月下旬~3月
開花時期:9月下旬~12月上旬、2月下旬~6月上旬

コスモス

秋と言えば一面に咲いたコスモス畑を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?そよそよと風にゆれるピンクや白のコスモスは、秋を代表する草花です。

夏前に種をまいておくと夏の終わりごろから晩秋まで花を楽しめますが、秋に種をまいて育てても遅くありません。
開花期は秋だけになってしまいますが、とても丈夫で育てやすいため、初心者さんにもおすすめです。風通しと日当たり、水はけの良い場所に植えて育てましょう。

早い時期に種をまくと草丈1m以上にもなります。背丈を低く育てたい場合は摘芯を繰り返したり、種まきの時期を遅くしたりすると良いようです。矮性の品種を選ぶという方法もあります。9月頃に種をまくと大きくなりすぎません。

地植えのコスモスは少ない肥料でもよく育ちますが、鉢植えの場合は緩効性肥料や液体肥料を与えましょう。
風通しが悪くて株が蒸れてしまうと、うどんこ病が発生しやすくなります。予防するには、日当たりの良い場所で風通しよく育てるのがポイントです。

苗の植え時:4~9月
開花時期:6~11月
種まき時期:4~9月

ユリオプスデージー

シルバーリーフに黄色いマーガレットのような花が咲くユリオプスデージー。寒さに強く、花が少ない秋から春まで花壇や鉢植えで活躍してくれる多年草です。

春と秋に苗が出回りますが、冬の間も開花している苗を購入することができます。地植えする場合は、日当たりと水はけのよい場所に植えましょう。植え付けの際は根鉢を崩さないように気をつけます。

ボリュームのある株に育てるには、摘芯で脇芽を増やすのがポイント。花が増えて大株になると見ごたえも十分です。成長のスピードが速く、鉢植えの場合は1~2年で根詰まりを起こすため、一回り大きな鉢に植え替える必要があります。下のほうが枯れあがってきたら適宜切り戻しを行い、新しい脇芽を伸ばしましょう。

苗の植え時:10~4月
開花時期:11~5月
植え替え時期:3~5月、9~10月

プリムラ・ジュリアン、プリムラ・ポリアンサ

サクラソウ科の多年草でヨーロッパ原産のプリムラ。非常に品種が多く、その中でもよく知られているのがプリムラ・ポリアンサとプリムラ・ジュリアンではないでしょうか。
品種改良により作られたプリムラ・ポリアンサに、小型種を交配させたのがプリムラ・ジュリアン。通常は、大輪のものをポリアンサ、小輪の花をジュリアンと呼んでいます。

常緑性で屋外での越冬も可能ですが、霜に当てないようにしましょう。冬の間は、できれば軒下などで育てるとよいでしょう。地植えの場合、夏は日陰になり冬は日当たりが良い落葉樹の足元が、生育場所として適しています。

植え付け適期は9月。水はけと水もちの良い土に植えましょう。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと。また、花が咲いている間は緩効性肥料や液体肥料を与えて、肥料切れを起こさないように管理します。

苗の植え時:9月
開花時期:11~4月
種まき時期:6~7月

キンギョソウ

鮮やかな赤やピンク、黄色などの花が咲くキンギョソウ。ストックのようにまっすぐ立ち上がる花形が一般的ですが、クリーピングタイプの品種もあります。品種により草丈はさまざまで、花壇には1m前後になる高性種が、寄せ植えには高さ20~30cmほどの矮性種が使いやすいでしょう。1本だけ植えるよりも、何本かまとめて植えるのがおすすめ。何色かまとめて植えると華やかです。

本来は春に咲く花ですが、現在は品種改良により開花時期は周年にわたるようになりました。そのため、秋に咲くキンギョソウも売られています。

植えるのは日当たりと水はけがよい場所に。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題ありません。表面が乾いたらたっぷり水をやり、過湿にならないように注意して育てましょう。

苗の植え時:9~10月、3~4月
開花時期:10~11月、3~7月
秋だけ楽しめる花は多いですが、秋に植えて、秋~冬、そして春にかけて咲く花は種類も限られてきます。寄せ植えや花壇にうまく利用してみてください。
秋に咲く花はこのほかにも、キキョウやホトトギス、菊、シュウメイギクなどさまざまなものがあります。ただ、秋に咲く宿根草は春に植える場合が多く、秋になってから植えられるのは一年草がほとんど。春になったら秋に咲く宿根草を植えてみてもいいですね。