初心者でも大丈夫!パンジー、ビオラの種まきと育て方

冬から春にかけての花壇や寄せ植えの主役になるのがパンジーやビオラ。育てやすいので初心者さんにもおすすめです。たくさん苗が必要な時は、種をまいて自分で苗を育ててみましょう。種のまき時や育て方、花を長く楽しむためのコツなどをご紹介します。

花壇を花でいっぱいにしたい!という場合は、気に入った品種の種をまいて育てるとよいでしょう。多少手間はかかりますが、種一袋で花いっぱいになります。

パンジー、ビオラの種のまき時はいつ?

パンジー、ビオラの種まき時期は8月下旬~10月頃

パンジーやビオラの発芽適温は20℃前後。8月下旬~10月頃が種まき適期です。
早い時期に種をまけば、寒くなる前に苗も十分大きく育ち、花も早くから楽しめます。

9月上旬頃までに種をまくと、11月~5月末頃まで花を楽しめます。

9月中旬~下旬頃はパンジーやビオラの種まきに最もよい時期。気温もほどよく下がってくるので発芽に最適です。この時期に種をまくと年末頃から少しずつ花が咲き始めますが、株が大きく育つ前に気温が下がってしまいます。真冬はほとんど大きくならないので、株が充実してたくさん花をつけるようになるのは春になってから。3月頃から株が大きくなって花いっぱいの花壇になります。

パンジーやビオラの種は10月頃までまけますが、この場合は年内の開花は難しいでしょう。咲いてもほんの少しだけ。冬を越して春になってから株が大きく育ち始めます。5月頃には見事な大株になり花をたくさんつけますよ。

花を長く楽しみたい場合は、9月上旬と10月頃など、時期をずらしながらまいてもいいですね。

去年の種は使える?

種はその年に買った新しいものを使いましょう。古くなると発芽率もぐんと下がります。まき残していた古い種をまいても、ほとんど発芽しないと思ったほうがよいでしょう。
同様に、来年用に…と種を残しておいても発芽率が下がるので、全部まいてしまうことをおすすめします。

あまり早くまきすぎないように注意

少しでも早くまいた方が花を早くから楽しめるような気もしますが、夜間の気温が25℃以上あると発芽しにくいので注意が必要です。また、気温が高い時期に種をまくと病気が発生しやすいというデメリットもあります。

8月中~9月上旬にまく場合は天気予報で気温をチェックしつつ、残暑が厳しいようだったらまき時を遅らせるか、可能であれば発芽まで冷房を入れた室内に置いておくとよいでしょう。マンションのベランダなど直射日光があたり気温が下がりにくい場所も要注意です。

パンジー、ビオラの種のまき方

種をまく容器は手間やコストを考えて選ぼう

種は箱トレイやプラグトレイ(セルトレイ)、苗用ポットなどにまきます。

ジフィーポットやジフィーセブンを使うとそのまま植えられるので移植の手間を減らせます。
プラグトレイで作ったプラグ苗は根鉢をくずさずにそのまま移植できるので便利です。
移植の手間を減らせるセルトレイなどもあります。
箱トレイにまいた場合は、発芽して本葉が2~3枚出た段階で苗用のポットに移植しましょう。
発芽まで室内で管理する場合は、土を使わないピートバンにまくと場所を取らず清潔感もあり安心です。

種をまく容器はコストや手軽さ、置き場所などを考えて選ぶとよいでしょう。

種まき用土

プラグトレイや育苗箱などで育てる場合は、種まき用土を用意しましょう。
トレイに土を入れたらジョウロでたっぷりと水をやって湿らせておきます。ピートバンやジフィーポットを使う場合も、あらかじめ吸水させておきましょう。

種のまき方

育苗箱の場合は溝を作って筋まきにするか、ばらまきにします。プラグトレイやジフィーポットに種をまく場合は、濡らしたつまようじの先などに種子を一粒ずつつけて、土の上に置いていきましょう。
種をまいたらごく薄く覆土し、種が流れないようにそっと押さえておきます。

種をまいた後の管理

直射日光の当たらない場所に置き、発芽するまで土を乾かさないのがポイントです。といっても、いつも水に浸っているような状態は好ましくありません。適度な湿り気を保つため、発芽まで乾燥しないように新聞紙などを乗せておき、発芽したら取り除きます。

容器は土の上に直に置かず、トレイの上などに置いて虫の侵入や根が地面に伸びてしまうことを防ぎます。あとは、土の表面が乾いたら種が流れないように注意して水やりをしましょう。水切れしにくい底面吸水がおすすめです。

発芽後の管理はどうする?

発芽後の置き場所

発芽して本葉が出てきたら、日当たりと風通しの良い場所で育てます。日陰に置いたままだと徒長した苗になってしまうので注意しましょう。

9月はまだ昼間暑い日が続くことがあるので、直射日光が強すぎると感じる場合は、本葉が出たからいきなり日なたに置くのではなく、少しずつ日に当てる時間を延ばしてください。徐々に日差しに慣らしていくとよいでしょう。

水やり

発芽後は、底面吸水させていた場合もトレイの水は捨て、用土が乾いたら水やりをする方法に切り替えます。水のやりすぎに注意し、土が乾いたら水を与えるようにしましょう。

本葉が出てからは、日当たりの良い場所に置いたプラグトレイなどは水切れしやすいので注意します。気温が高い昼間に水やりをすると根が傷むので、水やりは朝か夕方に行いましょう。

間引き

育苗箱などにまいた種は、芽が重なり合うような込み入った部分があれば、徒長しないように間引きをします。間引きにはピンセットを使うと便利です。
プラグトレイなどにまいた場合は間引きは行いません。

肥料は?

本葉が出てきたころから、週1回程度薄めた液体肥料を与えます。育ち具合をみて調整してください。

虫に注意!

まだ小さな苗は虫の食害に合うとあっという間に全滅してしまいます。もし虫がいるようだったら、見つけ次第捕殺しましょう。

移植して苗を育てる

育苗箱やピートバン、小さめサイズ(3cm角程度)のプラグトレイにまいた種は、本葉が2~3枚まで育ったら2~3号ポットに移植します。大きめサイズのセルトレイに移植してもいいですね。

まだ苗が小さいので、移植には割りばしを使いましょう。苗を何本かまとめて、土のかたまりごと割りばしで用土からつかみ出し、そっと1本ずつわけて草花用培養土に植えつけていきます。

プラグトレイの場合は、容器の側面をそっと指でつまむようにすると苗を押し出すことができます。トレイから取り出した苗は根鉢を崩さないでそのまま移植します。

あとはたっぷりと水をあげておきましょう。

苗が育ったら定植する

定植のタイミング

プラグトレイやポットの底を見て、白い根が少し見えてきたら定植適期。すぐに植えてあげましょう。この頃すでに花が咲いている苗もあるはずです。ポットから苗を抜いて根鉢が崩れなければ定植しても大丈夫です。

定植のタイミングを逃してしまうと根が回りすぎてしまいます。根が回って根鉢が根でガチガチになってしまった場合は、根鉢の下の方だけハサミで十字にカットして少し広げてから植え付けましょう。

もし、まだ植え付ける場所があかない場合や大きく育ててから植えたいという場合などは、一回り大きめの鉢に植え替えておきます。

定植の適期は10月末~12月中旬頃まで。苗が育つ前に気温が低くなってしまった場合は、地植えにしてもほとんど成長しません。そのまま鉢で育て、3月になってから定植したほうが安心です。

植え付け用土

鉢植えの場合は草花の培養土などを使用します。庭植えの場合は、定植をする場所にあらかじめ石灰を施し、腐葉土やたい肥などをすき込んで水はけのよい土にしておきます。元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきましょう。

定植の際に気をつけること

定植の際は、根鉢を崩さないように注意して扱いましょう。崩してしまうと根が傷んで、その後の育ち具合も変わってきます。前日にたっぷりと苗に水をあげておき、定植後もまわりの土を含めて水をたっぷりとあげましょう。

丁寧に植えたつもりでも、苗と土の間に隙間ができてしまうことがあります。特に寄せ植えにする場合は苗と苗の間に隙間ができやすいので、割りばしなどで土をつついて隙間をなくし、土が十分行き渡るようにしましょう。

株間はどれくらいあける?

冬の間花を楽しむ場合の株間は10~15cmほどで大丈夫。
春になって大きく育つことを考えて植える場合は、株間を20cmほどあけておきます。
まだ小さい株だとちょっと寂しく感じるかもしれません。つい間隔を狭くしてしまいそうですが、春になって満開になるとかなり大株になります。それまで我慢しましょう。株と株の間にチューリップの球根などを植え付けてもいいですね。

定植後の水やりや施肥などの管理

水やり

定植後は、徒長を防ぐため水をやりすぎないようにします。水やりのタイミングは表面が乾いたらたっぷりと。
冬は寒くてつい水やりを忘れてしまいがちですが、湿度の低い冬は土も乾燥しがち。気をつけましょう。
ただ、夕方になってから水をあげると凍ってしまうこともあります。パンジーやビオラは寒さには強いですが、水やりは午前中に終わらせるようにしましょう。

肥料

植え付けの際に元肥を入れておきますが、花が咲いている株には追肥として固形肥料を置き肥します。真冬はあまり成長しないので、花が咲いていなければ不要です。

花を長く楽しむために

パンジーやビオラはできるだけ長く花を楽しみたいもの。咲いた後の花がらをつけたままにしておくと種ができ、養分が種を作るほうに回されてしまい、花が少なくなってしまいます。そのため、こまめに花がらを摘み取ることが大切です。茎の付け根から手で簡単に折り取れるので、花がらを見つけたらこまめに取り除いておきましょう。

5月頃になるとだんだん徒長してきます。パンジーやビオラは残念ながら、他の花のように切り戻しをしても脇芽が出てボリュームアップするということはありません。気温が高くなり、徒長してヒョロヒョロしてきたらそろそろ花の時期もおしまい。次の花に植え替える時期です。
冬から春の花壇や寄せ植えを鮮やかに彩ってくれるパンジーやビオラ。たくさん苗が欲しい、花いっぱいにしたというときは、ぜひ種をまいて育ててみてくださいね。