ガーデンを彩る「青い花」の魅力。色合わせのヒントやおすすめは?

涼し気な印象のある青い花。繊細で優しい雰囲気のナチュラルガーデンにもおすすめです。また、寒色の青い花は、淡い色の花でまとめたガーデンを引き締める効果も。おすすめの青い花や合わせたい植物をご紹介します。

青い花のイメージは?

「青い色」ってどのようなイメージがありますか?
青色は海や空の色でもあり、大自然の神秘的な印象を与えます。また、寒色であるブルーは心を落ち着けるカラー。悲しみや寂しさを表現するときに青という色を使うことも。一方で、花嫁さんの「サムシング・ブルー」のように幸せをもたらす色というイメージもあります。

このように色自体が穏やかなイメージを持っている「青い花」には、優しい雰囲気のものが多いように思います。同じ花でも赤い色だったらかなり雰囲気が変わりますよね。

青い花の中には、色違いでピンクや濃い紫などの花が咲くものも。色が違うとかなりイメージも変わります。
ピンクだったらちょっと甘くなりすぎるというときに、青い花を選ぶと、甘くなりすぎずにロマンチックな演出をすることも可能。
合わせる植物によって、優しい雰囲気にも爽やかな雰囲気にもできるのが青い花の魅力です。

青い花と合わせたいのはこんな植物!

繊細な雰囲気の花

青い花には繊細な雰囲気のものも多いので、合わせる植物もそのイメージで合わせてみましょう。水彩画のような、優し気な庭が出来上がります。

野原のような素朴な花

自然界には、雑草として扱われがちなオオイヌフグリやツユクサ、スミレのような青い花が見られます。花壇に植える花として人気の忘れな草なども素朴な雰囲気。そんな小さな青い花だからこそ、野原に咲いているようなイメージが似合います。いかにも園芸品種、という印象でない植物を合わせてみましょう。

涼し気な白い花

寒色である青。海のイメージもありますよね。白い花や紫色の花、きれいなグリーンと合わせると涼し気な雰囲気に。爽やかな高原のイメージで色合わせしてみるとよいでしょう。

パステルカラーの花

青い花の中でも水色の花はパステルカラーとも相性抜群!ラベンダーカラーや紫、ピンク、クリーム色など似たようなトーンのパステルカラーで合わせると、ふわっとした柔らかい印象の庭になります。パステルカラーの花ばかり集めると、どうしても印象が弱くなってしまいますが、青い花はそれを引き締めるスパイス的存在としても役立ちます。同様に、紫色の花もおすすめです。

シルバーリーフ

青い花とシルバーリーフもよく似合います。全体を青とシルバーでまとめるよりも、この2色をポイントとして使ったほうが効果的。ボーダー花壇のところどころに配置してもいいですね。

ハーブ

ハーブには、セージ類やボリジ、ラベンダー、ローズマリーなど、青系の花の咲くものが多くあります。ハーブを植えると自然と青い花が集まるということも。環境が合えば丈夫に育つハーブで青い花を楽しみましょう。

ワスレナグサ(勿忘草)

ワスレナグサは、3月下旬~6月頃にかけて小さな青い花が咲くかわいらしい植物。ムラサキ科の一年草として扱われますが、原産地では多年草です。
淡い水色やはっきりとした青、紫系の花色のほか、ピンクや白の品種もあります。

背丈が低く、青い花がふわふわのカーペットのように地面を覆うので、アプローチ沿いなどにおすすめです。一度植えると、こぼれ種でよく増え育ちます。
水切れを起こすと株が弱るので、鉢植えにする場合は気をつけましょう。

ネモフィラ

一面に咲くと青いカーペットのようになるネモフィラ。北アメリカ原産のムラサキ科(ハゼリンソウ科)の一年草で、花期は4月~5月です。

草丈が低く青い花が咲くという点ではワスレナグサと似ていますが、ネモフィラの方がこんもりとした株全体に、花が溢れるように咲く印象。そのため、ハンギングバスケットや寄せ植えにぴったりです。花壇に植える場合は、アプローチ沿いやボーダー花壇の最前列などに植えましょう。

ニゲラ

ニゲラはキンボウゲ科の一年草。黒い種ができるのでクロタネソウとも呼ばれます。毎年こぼれ種でも育つほど丈夫で耐寒性が強いため、ほぼ放置で育てられます。移植を嫌うので、育てたい場所に直まきをするとよいでしょう。

5月~7月頃に咲く花は濃い青や水色のほか、白やピンク色などがあり、花の周りにあるふわふわとした羽のような細い葉(苞)が特徴です。花が終わった後のクラウンのような形や、種が入った風船のような実はドライフラワーとしても楽しめます。
ナチュラルガーデンにおすすめです。

ルピナス

ルピナスは北アメリカ原産のマメ科の一年草または二年草。大型のラッセルルピナスは本来宿根草ですが、暖地では耐暑性が低いため一年草として扱われます。ノボリフジとも呼ばれるように、フジの花を逆さまにしたような花姿が印象的な植物です。

青色のほか、赤やピンク、黄色の花が咲く品種も。草丈30cmほどに育つルピナス・テキネンシスの”ブルーボンネット”という青い花が咲く品種は切り花としても知られています。

デルフィニウム

美しく繊細な青い花が咲くデルフィニウム。キンポウゲ科の多年草ですが、耐暑性が弱いので暖地では一年草として扱います。豪華な長い花穂の品種や、細い茎に飛ぶように花がつくタイプなどがあり、切り花としてもよく使われます。

バラの咲く時期に開花するので、一緒に植えるととても華やか。エラータム系は1mほどの草丈に育ち豪華な花が咲くので、つるバラなどを引き立てます。ナチュラルガーデンには、茎が細く繊細な雰囲気のベラドンナ系が似合います。

ロベリア

ロベリアはキキョウ科の植物。蝶が飛んでいるような花の形から、ルリチョウソウとも呼ばれます。ロベリアというと、一般的に流通している一年草のロベリア・エリヌスを指すことが多いですが、日本原産のサワギキョウもロベリアの一種。こちらは宿根草です。

青や紫色の花がふんわりと溢れるように咲くロベリア・エリヌスは、ハンギングバスケットや寄せ植えにするのがおすすめ。ロベリア一種類だけで鉢植えにしても涼し気で素敵です。

アメリカンブルー(エボルブルス)

よく見るとアサガオによく似た小さな青い花が咲くエボルブルス(アメリカンブルー)。ヒルガオ科の多年草ですが、寒さに弱いので一年草としても扱われます。

耐暑性が強く、乾燥にも耐えるため、夏の間よく育って花を咲かせてくれます。葉の色はやや暗めのグリーン。草丈が低くほふくするように広がるため、アプローチ沿いなどに植えるほか、夏のハンギングバスケットなどにも向いています。

ムスカリ

春になると青い花を咲かせるムスカリ。グレープヒヤシンスとも呼ばれる、地中海沿岸や西アジア原産のキジカクシ科の球根植物です。植えっぱなしでも毎年花を楽しめるため、ムスカリが芽を出すと春の訪れを感じるという方もいるのでは?

ムスカリには淡い水色や青紫色、白色などの花が咲く品種があります。主役というよりは、他の花を引き立ててくれるかわいらしい植物です。3月~4月に咲くチューリップやピオラなどと一緒に植えて楽しむのがおすすめ。

ブルーデージー

青い花、黄色い目のブルーデージー。小型の青いマーガレットのような印象の花です。半耐寒性のキク科の多年草で、密集した葉の中から伸びる長い花茎の先に花が咲きます。

終わった花を摘み取ると、次々とつぼみをつけて長い間楽しめます。斑入りの葉を持つ品種は、カラーリーフとして植えてもいいですね。冬は霜に当たらなければ越冬可能。やや乾燥気味に育てるとよいでしょう。

オキシペタラム(ブルースター)

青い花と毛が生えた葉、花後の莢の中にはふわふわした綿毛付きの種ができます。キョウチクトウ科(又はガガイモ科)トゥイーディア属の多年草でブラジル原産。ブルースターという名前の切り花でよく知られているのではないでしょうか。和名はルリトウワタ(瑠璃唐綿)です。

耐暑性が強く、半つる性で高さ40cm~1mほどに伸びます。高温期によく成長するため、春まきで育てると夏頃から花を楽しめます。

茎や葉が折れたときに出るベタベタした白い汁は有毒でかぶれることがあるため、手についたらすぐに洗い流しましょう。

ボリジ

小さな水色の星型の花が咲くボリジはハーブの一種。ヨーロッパ原産のムラサキ科の一年草または多年草です。古代ギリシャ時代には薬草として使われていたとか。憂鬱な気分を明るくし、勇気を与えてくれるとされています。
青い花はエディブルフラワーとして、飲み物に浮かべたり砂糖漬けにしてケーキの飾りに使われたり。
コンパニオンプランツとしてイチゴのそばに植えるとミツバチを呼び、イチゴがよく受粉するという説もあります。

サルビア・ウリギノーサ(ボッグセージ)

スカイブルーの花が咲くサルビア・ウリギノーサ(ボッグセージ)。地下茎で増えるシソ科の半耐寒多年草です。花期は8月~10月頃。草丈1m以上に育つので、ボーダー花壇の後方に植えるとよいでしょう。

風にそよそよとなびく姿が涼し気で繊細そうですが、実はとても丈夫で放任でもよく育ちます。鉢植えの場合は根詰まりに注意。もともと沼地になどの湿地に生えていたサルビアなので、乾燥しすぎないように育てましょう。

あじさい

青い花と言えば、あじさい。梅雨時の庭をしっとりと彩ってくれる、和にも洋にも合う植物です。アジサイ科(又はユキノシタ科)の低木で、学名はハイドランジア。いわゆるアジサイのほかに、ガクアジサイや西洋アジサイなどさまざまな品種があります。

アジサイの花色は、土壌のPHによって左右されます。青い花になるのは酸性土壌。一方、弱アルカリ性土壌だと赤系の花が咲きます。同じ品種でも、土壌のPHによって鮮やかな青に発色したり、紫色になったりするのはこのためです。

アジサイの花の魅力は、咲き始めの淡い水色からやがて濃い青に変わっていくように、咲き始めから咲き終わるまで色が変化していくことではないでしょうか。これは、花の中の色素の変化によるもの。どの色のアジサイでも楽しめます。
紫がかった青や、青に近い紫、ラベンダー色に近い青など、青色にもさまざまな色合いがありますよね。ここに挙げた花以外にも、青い花にはゲラニウムやヒヤシンス、アイリス、アサガオなどさまざまなものがあります。
ぜひ青い花を楽しんでみてください。