手入れも簡単!グラウンドカバーにおすすめの植物は?

土が見えている部分を覆ってくれるグラウンドカバー。庭のおしゃれな演出にも役立ちます。グラウンドカバーの役割や向いている植物、お手入れ方法、おすすめのグラウンドカバープランツなどをご紹介します。

グラウンドカバーとは?

グラウンドカバーとは?

庭やエントランスで土がむき出しのままの状態、気になりますよね。見た目が悪いだけでなく、そのままにしておくと雑草が生えてきてしまうのも問題です。
そのような場所におすすめなのが、グラウンドカバーになる植物。ほとんど手入れをしなくても自然に広がり、地面を覆ってくれます。

「グラウンドカバー」とは、地面を覆って広がる植物のこと。地下茎やつるを伸ばして這うようにして広がる、草丈が高くならないものがグラウンドカバーと呼ばれています。

グラウンドカバーの役割

グラウンドカバーには、美しく見せるというだけではなく、土の乾燥を防ぐ働きもあり、春先に気になる土ぼこりを抑えるのにも役立ちます。
雨が跳ね上がるのを防ぐため、バラの足元に植えれば病気を防ぐこともできます。

カラーリーフを組み合わせれば、庭やエントランスに変化をつけながら、自然でおしゃれに見せることもできるんです。

また、植物で地面を覆ってしまうことで、ある程度雑草を抑えるのにも効果的。レンガなどと組み合わせて植えると、雑草を防ぎながら自然な風情を楽しめます。
例えば、レンガや枕木のアプローチの間に植えれば、ナチュラルで優しい雰囲気の小路が出来上がります。駐車場や自転車置き場などに利用できる丈夫な植物もあるので、使う場所に合わせて選びましょう。

グラウンドカバーはガーデンだけでなく、道路沿いの斜面や空き地などにも利用されています。いずれも、手入れの手間をあまりかけずに景観を美しく保ち、雑草を抑えて、土の飛散を抑えたり土砂流出を防いだりする効果があります。

いろいろな働きをしてくれるグラウンドカバー、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

どのような植物がグラウンドカバーに向いている?

常緑の多年草がグラウンドカバーとして向いています。草丈が低く、手入れをしなくても雑草っぽく見えないということも大切です。
植える場所によって花の美しさで選ぶのもよいですが、人が歩くような場所に植える場合は踏まれても枯れにくい丈夫な植物であることが求められます。

グラウンドカバーを宿根草の周りに植えるのもおすすめです。グラウンドカバーとしてカラーリーフなどを植えることで宿根草が引き立ち、花のない時期もナチュラルな雰囲気の庭を保ってくれます。

美しい花が咲くグラウンドカバープランツを選んで花を楽しむのもいいですね。人が歩く場所でなければ、多少背が高くなる種類でもかまいません。

以前はグラウンドカバーと言えば芝生が一般的でした。きれいに広がる芝生は美しいのですが、定期的な芝刈りや施肥などメンテナンスも大変です。そのため、最近はメンテナンスの手間があまりかからず、狭い場所でも楽しめる、さまざまなグラウンドカバー向きの植物が手に入るようになってきました。

植える場所の日当たりやスペース、まわりの植栽との兼ね合いも考えて、あまり手入れをしなくても美しく見える状態を維持できるグラウンドカバーを選びましょう。

グラウンドカバーの手入れ

基本的に、グラウンドカバーとして植える植物はほとんどお手入れの必要がありません。広がりすぎたり背が高くなりすぎた時に、適度に剪定などを行います。グラウンドカバーはもともと丈夫な植物が多いため、思い切って剪定してしまっても大丈夫。リシマキアなど、地面を這って広がる植物が他のエリアに進出してしまったら、地面からはがしてカットしましょう。

地下茎で広がる植物の場合は、絨毯のように覆いつくすという状態にはなりませんが、やはり予定外の場所に出てきてしまうと雑草のように見えてしまいます。この場合も、地下茎ごと引っ張って抜きましょう。

逆に、踏みつけ頻度が高く剥げてしまった部分には、新たに株を植えるか、よく茂った部分から株分けして移植するようにします。

枯れた部分をそのままにしておくとどうしても庭が荒れて見えてしまうので、冬の寒さや夏の暑さで枯れてしまった部分はそのままにせず、取り除くようにします。

また、水がたまりやすい場所などに植えてしまうと枯れることも。水はけの悪い場所には湿った土を好む植物を植えるか、水はけがよくなるように土を盛るなど工夫しましょう。

グラウンドカバー向きの植物

タイム

グラウンドカバーとしておすすめの植物のひとつがタイムです。ハーブの一種で、常緑性多年草。歩くときに触れるとよい香りがします。
繊細な雰囲気もありますが、グラウンドカバー向きの品種を選べば、人が歩く場所に植えても大丈夫。生育旺盛で、踏んで歩いても枯れることはありません。見た目もナチュラルで美しく、自然な雰囲気の庭にぴったりです。

耐寒性、耐暑性ともに強く丈夫ですが、乾燥を好むので水はけの悪い場所はあまり向いていません。雨があまり当たらない場所に植え、蒸れないように育てるとよいでしょう。

・クリーピング・タイム
グラウンドカバーにおすすめなのがほふく性のクリーピングタイム。ワイルドタイムとも言われます。6月頃に開花する花は赤系や白など。伸びてきた場合は夏に刈り込みをすると、秋に新葉を楽しめます。

・タイム・ロンギカウルス
グラウンドカバーとして利用しやすい、丈夫で成長の早いタイム。4月頃に紫色の花が咲きます。密集して茂って地面を覆います。

リシマキア・ヌンムラリア

リシマキアは北半球を中心として広い範囲に多くの種が分布し、日本でも15種が自生しています。その中でもグラウンドカバーとして向いているのは、明るいライムグリーンの葉が魅力的なリシマキア・ヌンムラリア”オーレア”。黄色い小さな花が咲くと一段と明るい雰囲気になるグラウンドカバープランツです。

リシマキア・ヌンムラリアは、乾いた場所よりもやや湿った場所を好む常緑の多年草です。ほふく性で生育旺盛。耐暑性、耐寒性ともに強いですが、地域によっては冬に落葉します。

半日陰~日なたで育ちますが、花を楽しみたい場合は日当たりの良い場所のほうがよいでしょう。
半日陰の場所に植えると黄緑色の葉が空間を明るくしてくれるので、暗くなりがちな北側の玄関前などにもおすすめです。
ところどころにカラーリーフとして取り入れて、庭のポイントにするとよいでしょう。

アジュガ

アジュガは止血作用や鎮痛作用があると言われるシソ科のハーブ。常緑で、春に青紫色やピンクの花を咲かせます。
日本でも道ばたや野原などでよく見られるジュウニヒトエがこの仲間。一般によく出回っているのがアジュガ・レプタンスで、さまざまな品種があります。

生育が旺盛で盛大に茂ってくれるので、雑草を効果的に抑えることが可能。植える場所によっては広がりすぎて困るということもあるようです。植える前にある程度範囲を区切っておくとよいでしょう。

アジュガは日陰に強いため、常緑樹や落葉樹の足元やシェードガーデンにもおすすめです。耐寒性、耐暑性ともに強く、冬も美しい葉を楽しめます。

・アジュガ・マホガニー
冬になると葉が深紫色に紅葉する美しい品種。丈夫です。

・アジュガ・チョコレートチップ
濃い茶色~紫色の葉が特徴のチョコレートチップ。小さな丸みのある葉を持つ小型品種で背が低く人気があります。カラーリーフとしても使いやすい品種です。

・アジュガ・バーガンディグロー
白やピンク、紫色の斑入りの葉が明るい印象を与えるアジュガです。庭に変化をつけたいときにもおすすめ。

ヒメイワダレソウ

グラウンドカバーとして人気が高いイワダレソウ。踏んでも枯れず、丈夫で育てやすいのが魅力です。根が深く、一度植えたら全部撤去するのは難しいほど。繁殖力が旺盛で広がるのも早いため、雑草が生えるのを防いでくれます。
芝生は手入れが大変で・・・という時に、芝生の代わりに植える植物としても注目されています。

ヒメイワダレソウは耐寒性、耐暑性ともに強いですが、冬は枯れた茶色い状態になり、春になるとまた新芽が伸びて緑色になります。
日当たり、水はけともに良い場所を選んで植えると、初夏に可愛い小さな花をたくさんつけます。

あっという間に広がるので、花壇の縁などに植えるのは避けたほうがよいでしょう。芝生の代わりに庭一面を覆いたい場合や、レンガやインターロッキング敷きのアプローチの隙間などに植える使い方がおすすめです。

ハツユキカズラ

白やピンク色の斑入りの葉がかわいらしいハツユキカズラ。寒さで紅葉するため、一年を通していろいろな姿を楽しめます。
耐寒性、耐暑性ともに強く、丈夫でどのような環境にもなじむため、初心者さんでも育てやすいのではないでしょうか。半日陰の場所に植えると、空間を明るく彩ってくれる便利な植物です。

踏んで歩くような場所向きではなく、どちらかというと鑑賞する場所向き。地面が見えてしまう植え込みの縁などに植えるとよいでしょう。茂りすぎたら適宜切り戻しを行います。

タマリュウ

和の雰囲気のある庭にぴったりなのが、細長い葉を持つ多年草のタマリュウ。成長はあまり早くありませんが、草丈が高くならず、ほとんど手入れもいらない優秀なグラウンドカバープランツです。

よく似たものにリュウノヒゲという植物がありますが、タマリュウはその小型種。リュウノヒゲよりも葉の長さが短く、草丈10cm前後なのでグラウンドカバーとして使いやすい品種です。

ただ、人が踏む場所には向いていないので、花壇の縁取りやエントランス周りの植栽などに上手く使うとよいでしょう。和風の庭だけでなく、シンプルモダンな家にもおすすめです。

植える場所は、乾燥しやすい場所以外であれば、日陰~日なたまでどんな場所でもよく育ちます。耐寒性、耐暑性ともに強く、冬でも美しい緑色の葉を楽しむことができます。

何年かするとだんだん盛り上がってくるので、その際は刈り込みを行って高さを調整しましょう。
ここにあげた植物以外にも、アイビーやクローバー、ハーブ類など、グラウンドカバーにおすすめの植物は多くあります。植えたい場所に合わせて、いろいろ選んでみてくださいね。