花壇の寄せ植えを始める前に。カラーリングについて学ぼう!

寄せ植えの花を選ぶ時、どんな花の色を合わせれば良いのでしょう? ガーデナーとして知っておきたいカラーリングのテクニックについてご説明します。

数多い庭仕事の中で、最も楽しいのはガーデニングの計画を練っている時ではないでしょうか。
お気に入りの本や雑誌を眺め、美しい庭の写真に見とれながら、翌春に向けて自分の庭に何を植えるのかを考えるのは、わくわくとする心躍ること。

でも草花の種類はとても豊富で、どんな品種の花をいつ、どこに植えるのかはとても悩むところです。
四季を通じて花の絶えないガーデンにしたい、バランスよく草花を配置したい、お気に入りの植物で揃えたい…。
自分好みのガーデンにするために、たくさんの希望が出て来るものですが、草花を選ぶ前に学んでおきたい事があります。それはカラーリングのテクニック。

ひとつの鉢植えだけを育てるのではなく、花壇にさまざまな種類の植物を植える場合には、カラーリングはガーデナーにとって欠かせない大切な基本となります。
どんなに美しい花を選んでも、色彩について無頓着に植物を植えると、庭にごちゃごちゃとした乱雑な印象を与えがち。

お気に入りの植物たちがより美しく映えるように、ガーデナーの必須条件、カラーリングのテクニックを学んでみませんか?

色の三原色を中心とした、カラーリングの基本を覚えよう

色の基礎を学ぶ時に大切なポイントが赤・青・緑の三原色。
このカラーは、お互いに混ぜ合わす事で、さまざまな色を作り出すことが出来、かつ、このうちの2色を組み合わせても、もう1色は作る事が出来ないと言われている色彩です。

この三原色を基本として生まれたものが上記の写真の図。こちらは円形カラーチャートと呼ばれており、美術の時間に見た事がある、という方も多いのではないでしょうか。

世の中には色の組み合わせのバランス感覚に優れている人がいます。
たとえば、いつもハッとするような色遣いの洋服を着こなしている方や、魅力的な色のミックスをインテリアに取り入れている方。そんな人たちはこのカラーチャートの仕組みについて、きっとよく知っているはず。

こちらの円形カラーチャートは美術や色彩感覚を学ぶ時だけでなく、美しい庭造りにとっても、非常に役立つものになります。
庭の記録や次に欲しい花を書き込める、ガーデニングのスケジュール帖を持っている方は、この円形カラーチャートを最初のページに貼っておくと、植物を選ぶ時にすぐに見る事が出来て、きっと参考になるでしょう。

円形カラーチャートを庭造りに利用する方法

ではこの円形カラーチャートを、どのように庭造りに利用したら良いのでしょうか。

まず円形カラーチャートの役割で覚えておきたいのは、この中からひとつのカラーを選び出すとすると、その両隣りに隣接したカラーの花は、一緒に植えてもしっくりと馴染んでくれ、その逆に、反対側に位置するカラーはハッキリとしたコントラストを生み出す効果を持っているということ。

花壇の中で最も多く使われるカラーは緑色ですが、ガーデナーの方なら理由はもちろんお分かりのはず。
殆どの植物が緑の葉を持つことから、この色をメインにして考えると花壇のカラーリングは美しく調和します。

美しい花だから、あるいはお気に入りの花だから、という理由だけで、色のコンビネーションを考えずに、たくさんの色を花壇の中で無秩序に使ってしまうと、庭の中で色彩の調和が崩れてしまいます。

円形カラーチャートはガーデニングに初めて挑戦する人こそ、しっかりと利用してみましょう。
たとえば黄色・オレンジ・赤の組み合わせ、藤色・紫・すみれ色の組み合わせは失敗がなく、グリーンとのコントラストとともに美しいグラデーションを描いた庭になってくれるでしょう。

色の特色を知ろう

自然が作り上げた植物が持つ色合いは、どれもが全て美しいと言えますが、その色が持つ特性をご存知でしょうか。

色によって気持ちを落ち着かせる効果が合ったり、華やかさを与えてくれたり、暖かみのある雰囲気を演出してくれたり…。

カラーリングの特性を知る事は、庭のイメージを確固としたものにする大切なこと。
自分が作り上げたい庭の雰囲気が決まっていたら、その効果を存分に発揮してくれる色の草花を選んで、ワンランク上のガーデンを作り上げてみましょう。

庭における青、もしくは紫色の花の影響力は?

ガーデンの中で大人びた清楚な雰囲気をかもし出す、ブルーや紫色の花。シックな大人の色遣いとして、多くの人たちのお気に入りになっているカラーではないでしょうか。

青や紫色の花が与えてくれるのは、心を落ち着かせてくれ、時が経つのを忘れさせるような雰囲気。
また、とても目に優しいカラーなので、一人静かな時間を庭で過ごしたい時にぴったりな色合いです。

ただし日が暮れて、辺りが薄暗くなってくると目立たないカラーでもあるので、この時間に花を際立たせたい場合は、ハッキリとした白い花や、薄いピンク色の花と合わせるのがおすすめです。

赤とオレンジ色の花は、どんな効果を持っている?

パッと気持ちを明るくさせてくれるカラー、赤とオレンジ。華やかなこの色合いの花を花壇に植えれば、たとえ小さなものでも視線を集めずにはいられない存在になるでしょう。
ちょっぴり落ち込んだ時でも、庭に咲く赤やオレンジカラーの花を見れば、きっと気持ちもアップしてくるはず。

ひと目を惹く色の花であるからこそ、その分注意が必要な時もあります。赤とオレンジ色の花を植える時には適度に分散すること。

また、反対色であるブルーの花と一緒に植える時、淡く儚げな青色を使うとごちゃごちゃとした印象になりがちです。
強い印象を与える青い花との組み合わせであれば、メリハリの効いたコントラストが生まれ、個性的な雰囲気を作り上げてくれるでしょう。

永遠のガールズカラー、ピンク色の花を使いこなす

たとえ幾つになっても、いつまでも女子の憧れのカラーであるピンク色。その優しい色合いを持つ花の魅力に取りつかれている人も多いはず。

クリーム色が入ったピンク色の花は、他の色合いと相性がとても良く、花壇の後方に植えると手前の植物が引き立ちます。
また、青みがかったピンク色は、強い色彩を生み出す力が。白が強いピンク色は、暖かく、豊潤な印象を与えてくれます。

そして濃いピンク色は正に主役のような色。花壇の目立つ場所に植えると、庭に女性らしい華やぎをもたらしてくれるでしょう。
ピンクは他の色との組み合わせに向くカラーなので、他の色とのコンビネーションに迷った時におすすめしたいカラーです。

黄色い花はどんなカラーと組み合わせるのがいい?

鮮やかでグリーンとの相性が良いカラーである黄色い花。寄せ植え花壇などに利用している人も多く、夏には日差しをいっぱい浴びて、きらきらと光り輝く姿を見せてくれる黄色い花は、いつも心を元気付けてくれるはず。

でも目立つ色合いであるために、他のどの色と組み合わせれば良いのか悩んでいる方はいませんか?
黄色い花はピンク色と組み合わせると、その色合いによって静謐な雰囲気にも、あるいは明るくも見せてくれ、ブルーもしくは紫色と組み合わせると、大胆、個性的。キリリとしたコントラストを描いてくれます。

でもなんと言っても黄色い花と相性が良いのは、赤、あるいはオレンジ色の花。庭を明るく見せてくれる事間違いなしの組み合わせです。

最も愛される花の色、白を主役に

ガーデナーの中でも人気が高く、ホワイトガーデンという独自のスタイルをも持つ、庭の主役ともなるカラーである白。

優しく暖かく、そして儚げで涼し気…。単色でありながら、さまざまな顔を持つホワイトカラーの花は、朝の神秘的な時間も、太陽の光を浴びる真昼の時も、青さと橙色が溶け合う夕暮れの時間でも美しく映え、いつ見ても絵になる花の色と言えるでしょう。

また、他の色とも相性が良く、サブカラーとしても立派に役目を果たしてくれる色。無敵のようなカラーですが、白い花を使う時の注意点は、バックグラウンドとの相性です。

家の壁や垣根の色が白いと、せっかくの花が目立たなくなってしまう事も。白い花を後方に植える時や、背丈の高い花は得に、バックグラウンドのカラーとの組み合わせに注意して下さいね。

カラーリングのコツを知れば、調和のとれたガーデンに

庭に植える草花を選ぶことは嬉しく楽しいことであり、逆に手間がかかるとも言えます。
宿根草なのか一年草なのか、背丈や大きさはどれぐらいになるのか、土や日当たりなど、どんな環境を好むのか、どこへ植えてあげれば良いのか…。

草花を自宅に迎えてあげる前に、チェックしなくてはならない項目はたくさんありますが、他の花とのカラーバランスを考えるのは、イメージどおりの庭を作っていく上で大切なこと。

庭は自分で作り上げる夢のような場所。他の色合いを持つ草花と調和がとれる花を選べば、見る人を幸せにしてくれる美しいガーデンにきっとなるはず。

もし、どの色を選べば良いのか分からないという方は、1色メインカラーを選び、同色で淡いカラーの花や強い色彩を持つ花など、色のトーンに変化を付けたり、同じ種類の色でフォルムの違う花を増やしていくことがおすすめ。

逆にたくさんのカラーを使いたいという方は、庭を小さなエリアに分け、円形カラーチャートに従って、グラデーションをつけながら色分けすると、バランスの良い庭になります。
素敵なガーデン造りのために、ぜひカラーリングのコツを覚えておいてくださいね。