庭に1本は欲しいヤマザクラ!四季を楽しめる優等生シンボルツリー

お庭にシンボルツリーとして人気があるのは、オリーブやハナミズキなどが定番。でも、四季折々の美しさを魅せてくれるヤマザクラも、多くのガーデナーに愛されています。季節を感じられる癒やしの空間を、ご自宅で楽しめるヤマザクラ。その魅力を徹底紹介します。

ヤマザクラの魅力といえば

ヤマザクラは、私たち日本人にとって古くから親しまれている花木です。

厳しい冬が終わると、春を待ちわびたように咲き乱れるヤマザクラ。野生の逞しさを見せつけるような美しさで、見る者の心を魅了します。お花見の時期になれば、お子さまからご年配の方までが楽しめる、春のイベントの一つにカウントされます。

古い花木ともなれば、樹齢1000年以上になる貴重なものも存在し、年輪を増すごとに味わい深い姿を見せてくれるのが魅力です。ヤマザクラは、時代を超えて今もなお多くのファンに愛され続けています。

四季を感じる人気のシンボルツリー

ヤマザクラは季節によって装いが違うため、ご自宅にいながら四季を楽しめるシンボルツリーの一つです。ほとんどお手入れをしなくても丈夫に生育するので、初めて花木を植樹するガーデナーさんにも難易度は低めです。

とは言え「手間がかかる」と言う人もいるようですが、注意しなければならない点は、主に3つ。

1、むやみに剪定しない
2、害虫がつくため、薬剤散布が必要
3、苗木の霜よけ

ちなみに筆者の場合は東北在住ですが、日当たりの良い場所に植えっぱなしでも、特に問題はありませんでした。それほど神経質になって管理する必要もないのでは…と思います。そもそもヤマザクラは、山に咲く野生のサクラですから。

常緑樹にはない楽しみ方ができる

お庭のシンボルツリーとして、オリーブやコニファーなどの常緑樹を好まれ植樹する方も少なくありません。もちろん、季節を問わず緑の葉を楽しめる樹木も魅力的です。一方、ヤマザクラは、お庭に1本あるだけで四季を楽しませてくれる花木として人気があります。

ご自宅のお庭に少し余裕があるようなら、季節を感じられる木を植樹するのもガーデニングの楽しみ方の一つです。

特に、私たちが住む日本の四季は、自然から与えられた素晴らしいご褒美です。こんなにも美しい景観をご自宅で味わえるのなら、お庭に1本は欲しいシンボルツリーと言えるのではないでしょうか。

春はサクラの花を楽しめる

ヤマザクラの魅力の一つは、やはり春に咲く花の美しさでしょう。寒い冬を乗り越え、春の日差しが暖かくなる頃。ご自宅のお庭に咲くヤマザクラでお花見なんて、とても贅沢な時間です。

お手製のお花見弁当をお庭に広げ、ご家族やガーデニング仲間とお花見会も出来ます。遠方に出掛けなくとも、ゆっくりとヤマザクラの花を満喫できるので、場所取りのストレスもありません。

この時期は、サクラの花以外にも多くの花々が咲き始めます。春はオープンガーデンで賑わう季節でもあるので、いつもお手入れしているお庭を、ガーデニング好きな人に見てもらえるチャンスです。

風にそよぐ夏の葉は爽やかで涼しげ

ヤマザクラは、花を咲かせると同時に葉も付きます。

春の葉の色は少しピンクがかっていますが、サクラの花が散りはじめた後には、みずみずしく涼しげな新緑になります。初夏のサクラの葉は、太陽の光に反射するかのようにキラキラ輝き眩い美しさです。春の風情とは全く別の楽しみ方が出来ます。

夏につれて日差しも強くなってきますが、風にそよぐ新緑の葉の音色はとても爽やか。木漏れ日の下、読みたかった本を読んだり、お気に入りの音楽を聴きながらお昼寝をしたりするのも心地良いでしょう。

リフレッシュできるお庭を作っておくと、心が豊かになりそうです。

秋はお庭で紅葉をひとり占め

秋になると、紅葉を満喫できる季節になります。

ヤマザクラが紅葉すると、オレンジ、赤、茶など、微妙に変化していく葉の彩りも楽しめます。また、モミジやイチョウの木も植樹しておけば、ご自宅のお庭だけでも紅葉狩りを充分楽しめるでしょう。

紅葉の時期は、花を咲かせる時期と同じように、それほど長くはありません。その貴重なタイミングを逃さず堪能できるのは、ご自宅のお庭ならではのこと。ありのままの自然を、誰にも邪魔されることなくひとり占めできるなんて、とても贅沢です。

冬の木はモノトーンなコントラストが美しい

冬になるにつれて、徐々に落葉してきます。木枯らしと一緒に舞う落ち葉も、この時期ならではの季節の味わいです。

落葉してしまうと、木のシルエットがより鮮明になります。他の植物も冬の装いになり、霜が降り、雪が降る頃には、周囲の彩りもすっかりモノトーン。まるで墨絵のように、シックでオリエンタルな雰囲気を醸し出します。

寒くて外に出たくない日も、ご自宅の窓から見える、絵画のような冬のお庭を楽しめます。厳しい冬の寒さに耐えるヤマザクラは、とても逞しく美しい姿を魅せてくれるでしょう。

サトザクラとの違いは

ヤマザクラがあるなら、サトザクラと呼ばれるものもあります。シンプルに考えて、咲く場所の違いから呼び名が違うと思いがちですが、一概にそうとも言えません。

サクラの種類は600種以上もあると言われているのですが、ヤマザクラを原種とし、品種改良された種類(サトザクラ)が多く出まわっています。サトザクラは、ヤマザクラと比べて花弁が多く華やかな八重咲のイメージが強いです。また、色合いについても鮮やかなピンク色のものから、ほのかにピンク色のものまで様々あります。

玄関まわりに植えても大丈夫なのか

これまでにも解説した通り、ヤマザクラは成長スピードがとても早い花木です。玄関まわりに植樹を考えているなら、注意すべき点は最低限抑えておく必要があります。

どうしてもヤマザクラを玄関まわりに植樹したいのならば、十分なスペースを確保した状況での地植えに、スペースがない場合は鉢植えにするのがベストでしょう。

植え込むときのポイント

シンボルツリーとしてヤマザクラを植えるなら、地植えと鉢植えの2パターンがあります。育てる環境、または管理がしやすい環境を考えて苗木を植えるのがベストです。

ヤマザクラは、風通しが良く日当たりが良い場所を好みます。どちらの場合も、水はけの良い環境を好みますので、水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと与えましょう。苗木を植えるときにしっかりと水を与えておけば、根っこが付かないうちに枯れてしまうという失敗は少ないです。

地植えの場合

ヤマザクラは成長するスピードが早いため、植える位置が悪いと、後々厄介なことになりかねません。徐々に高さも増し、枝が伸びるため横幅も取ります。最初から狭い位置に植えると、塀などに当たり、それによって痛んでしまった枝にはなかなか花がつきにくくなります。

苗木を植えるときは、ある程度余裕のある位置を見つけてから植樹するようにしましょう。

鉢植えの場合

成長するスピードが早く、樹齢も長くなるため、小さな鉢での管理は難しくなってきます。どうしても地植えできるスペースがない場合は、2~3年を目安に、大きめの鉢へ植え替えをしながらお手入れする必要があります。

地植えの場合と違い、限られたスペースで成長しなければならないため、開花時期が終わる頃には肥料を与えます。また、成長過程を見ながら選定をすると、あまり大きくならずに済みます。

ヤマザクラの鉢植えは大変かもしれませんが、7~8号サイズの鉢で育てられるようであれば、それほど問題はありません。

シンボルツリー選びに迷ったら

住宅展示場のモデルガーデンにも植樹されているシンボルツリー。ガーデニング愛好者でなくとも、憧れの景観です。ガーデニングを楽しんでいると、やはり自分のお庭に1本は、お気に入りのシンボルツリーが欲しくなりますよね。

もしも、シンボルツリー選びに迷っているなら、日本の四季をご自宅で楽しめるヤマザクラを1本植えてみませんか?花だけでなく、秋の紅葉も美しい手間いらずのヤマザクラなら、味わい深い景観を楽しめますよ。