植木鉢の号数や種類を知っておこう!植物に合った鉢の選び方

鉢の号数や大きさ、よくわからずに困ることはありませんか?買ってきた植物を植え替える際の鉢の大きさの選び方や必要な土の量がわかれば、もう鉢のサイズで悩むことはありません。植木鉢の素材ごとの特徴やメリット・デメリット、植える植物に合わせた鉢の選び方もご紹介します。

植木鉢の号数って?

3号鉢って何cm?植木鉢の号数による大きさ

植木鉢の大きさは号数で表されます。1号の大きさは直径3cm。号数が1つ上がるごとに3cmずつ直径が大きくなります。園芸店などで売られている黒いビニールポットの鉢のサイズは3号が一般的なので、大きさは9cmということになります。5号サイズだったら15cm、9号サイズだったら27cmということになりますね。

鉢の号数を知っていると、植え替え用の鉢を買う時などに役立ちます。「だいたいこのくらいの大きさかな…?」と感覚で選ぶと、お店で見たときにはちょうどよさそうだったのに家に持って帰ったら大きすぎる、あるいは小さすぎるということも。

インターネットやカタログ通販で購入する際も、号数がわかっていれば、購入してから「思った大きさと違う…」などということもありません。号数がわかっていると鉢のサイズを選ぶときにあまり迷わずにすみ、失敗もなくなりますよ。

例えば、3号サイズの苗を買った時は、植え替え用の鉢には直径9cmよりも大きな鉢、5~6号サイズ程度の鉢を選べばいいのです。

号数別!おすすめの植物

一番小さい植木鉢は1号サイズで直径3cm。1号の素焼き鉢はとても小さくてかわいく、使う予定がなくてもつい欲しくなってしまいます。こんな小さな鉢に植える植物は、成長がゆっくりのミニチュアサイズがぴったりです。例えば、小さな多肉植物やサボテンなど。いくつか並べてインテリアにもおすすめです。

花や野菜の苗が植えられていることの多い3号サイズの鉢。このサイズの鉢に植えるのは、小さめの観葉植物や多肉植物がおすすめです。デスクの上などに置くのに、邪魔にならずちょうどいいサイズです。

5号鉢ぐらいの大きさになると、草花を1株植えられます。浅い5号鉢だったら多肉植物の寄せ植えなどにもいいですね。観葉植物にも向いています。

6号~8号程度の大きさになると、大きめの観葉植物や小さい花木も植えられます。

9号~11号サイズの鉢は、草花の寄せ植えに使いやすい大きさです。果樹や花木にも向いています。

大きめの観葉植物や果樹など、地上部分の背が高い大型植物は、12号以上の鉢を選ぶとよいでしょう。

入る土の量は?

植木鉢の号数によってどれくらいの土が必要かわかっていると、土を購入するときの参考になります。培養土の単位はL(リットル)を使うのが一般的。重さを使わないのは、配合の仕方や土の種類によって量が変わってしまうためです。

入る土の量は、3号鉢で0.3L、5号鉢で約1L、7号鉢で3.5L程度。9号鉢だと約7Lとかなり多くなります。野菜作りなどに使用するプランターの場合は14L程度入ります。

これらは、鉢底石を入れないでウォータースペースを取り植木鉢に土を入れたときの量。実際は苗を植える際に根鉢の分だけ土は少なめになります。
植える植物や土の種類によっても多少変わってくるので、参考として知っておくとよいでしょう。

植木鉢の素材

素焼き・テラコッタ

【特徴】
素焼き鉢とは、いわゆる一般的な植木鉢。粘土を高温で焼いて作られます。素焼き鉢と同じような鉢で、縁の部分に釉薬がかかっている駄温鉢というものも。

テラコッタ鉢も素焼き鉢とほぼ同じ方法で作られますが、素焼き鉢よりも高い温度で焼かれます。素焼き鉢と比べるとややオレンジがかった色をしていてデザイン性が高いのが特徴です。ストロベリーポットなどの特殊な鉢や華やかな装飾が施された鉢もあり、ガーデンデザインに合わせて選ぶのも楽しいものです。

いずれの鉢も、表面に目に見えない細かい穴が無数に開いています。そのため、通気性や排水性、吸水性がよく、植物の根が張りやすいためよく育つのです。
【メリット】
熱を伝えにくいので、真夏でも鉢の中の温度が高くならず根が元気に育つ。
通気性がよく根腐れしにくい。
吸水性がある。
ナチュラルな雰囲気でデザイン性が良いものが多く、何にでも合う。

【デメリット】
重い。サイズが大きい鉢の場合、土を入れるとかなりの重さになる。
割れやすい。
土が乾きやすい。特に小さいサイズの鉢は真夏の水切れに注意。

プラスチック

【特徴】
お店で売られている植物はプラスチック鉢に植えられています。苗は黒いポリポット、見ごろの花や観葉植物などはそのまま飾れるプラスチック鉢に入っています。

プラスチック鉢の特徴は、安価で色や形が豊富なこと。軽いため持ち運びにも便利です。最近はおしゃれなプラスチック鉢も売られているので、デザイン性を重視したいベランダガーデニングや、室内で育てる観葉植物などにも向いています。
【メリット】
軽いため移動が簡単。ベランダに大型の鉢を置きたいという時にも使いやすい。
室内の使用でも衛生的。
さまざまな色や形がある。
保湿性が高く乾きにくいので、乾燥に弱い植物にも使える。
価格が安い。

【デメリット】
通気性、吸水性がないため、鉢の形状によっては根腐れすることも。
鉢の中の環境が周りの温度に左右されやすく、真夏の直射日光があたる場所では根が傷むことがある。
長期間屋外で使用していると自然に劣化してしまう。

木製

【特徴】
木製の鉢の特徴は、吸水性や通気性があり、自然素材なので庭になじみやすくナチュラルな演出ができること。樽型やボックス型など形もいろいろです。
直接土を入れずに、プラスチック鉢の鉢カバーとしてもよく使われます。

【メリット】
通気性や吸水性がある。
自然な印象でおしゃれ感がある。

【デメリット】
防腐処理されていないものに直接土を入れると腐りやすい。

陶器製

化粧鉢ともいわれる、釉薬を塗って焼いた鉢はおしゃれなインテリアにしたいときに活躍します。大型の観葉植物などを植えて部屋に置くと存在感があり、リゾート風の演出にもおすすめ。小型のものは盆栽の栽培用としても使われます。

大きなものは鉢自体が重いので、あまり移動しない場合に向いています。鉢の通気性はあまりよくないので、軽くて通気性のよい土を使うとよいでしょう。
やや価格が高いですが、さまざまな色・形の鉢があります。白いスクエア型の鉢などはスタイリッシュなインテリアにもぴったりです。

ブリキなど雑貨風の鉢

最近はブリキ製など雑貨風の鉢も増えてきました。多肉植物などを植えるのにぴったり。インテリアとしても楽しめます。豊富なデザインからお気に入りのものを探すとよいでしょう。センス次第でどんなものでも鉢として使えます。
ただ、見た目重視になりがちで、通気性がなく排水性も良くないものなど栽培用としてはあまり向いていないものもあるようです。

植物のサイズに合わせた鉢の選び方

植物のサイズに合わせて選ぶことが大切

「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、鉢選びには当てはまらないこともあります。
植物のサイズによってちょうどいい大きさの鉢は異なり、小さな苗に大きすぎる鉢を選んでしまうと逆に生育が悪くなるということも。バランスもあまりよくないですよね。
逆に、生育旺盛な植物に小さめの鉢を選んでしまうと、すぐに根詰まりしてしまってやはり育ちが悪くなってしまいます。

例えば盆栽。小さな鉢に樹齢10年や20年の木が植えられていても、地植えの木のように大きくなりません。これは剪定による技術もありますが、そもそも鉢が小さいため地上部もあまり大きく育たないのです。

同様に、野菜などを育てる時も小さすぎる鉢に植えてしまうとあまり大きく育ちません。植物のサイズに合わせてほどほどの大きさの鉢を選ぶことが大切です。

植物の成長を見て植え替えをしよう

成長の早い植物には少し大きめの鉢を選ぶと、しばらく同じ鉢で育てることができるので植え替えの手間を減らせます。

長く同じ鉢で育てている植物がちょっと元気がなくなってきた…という場合は、根詰まりしていることが考えられます。鉢の裏を見て水抜き穴から根が出ていたら、一回り大きい鉢に植え替えましょう。根が回ってかちかちになってしまっている場合は、植え替えの際に根鉢を少し崩して土をほぐし、新しい土になじませるように植え替えましょう。

植木鉢の深さによる選び方

植木鉢の号数だけでなく、深さによっても向いている植物が異なります。

浅い鉢

号数のわりに浅い鉢は、ペチュニアなどの寄せ植えやアイビーやポトスなど垂れ下がる植物を足付きの台に乗せて楽しむのに向いています。背が高くなる植物には不向きです。

標準的な深さの鉢

一般に、植木鉢と言えば標準的な深さの鉢を指します。どんな植物にも向いています。

深い鉢

スタイリッシュでおしゃれな雰囲気にもなる高さのある鉢は、背の高い観葉植物や直根性の植物に向いています。深めのプランターは深く根を張る野菜にも。

目的による鉢の選び方

栽培に適した鉢

植物の栽培に力を入れたいときは、ラン専用の鉢やバラ用の鉢など専用の鉢があればそれを使いましょう。迷ったら素焼きの植木鉢を選ぶと間違いがありません。
ただ、鉢のサイズによっては水切れを起こしやすいので、水の管理はしっかり行いましょう。野菜などは大きめのプランターを使うと水切れしにくく良く育ちます。

草花におすすめの鉢

乾燥気味の環境を好む植物には、素焼きやテラコッタの鉢がよいでしょう。特に、地中海原産のハーブなどは素焼きやテラコッタの鉢に植えるとよく育ちます。見た目もナチュラルでおしゃれな雰囲気になります。

反対に、乾燥が苦手な植物や湿り気を好むものはプラスチック鉢なども向いています。こまめに水やりをする手間が省けてよく育ちますが、水のやりすぎや夏の高温による根の傷みには注意しましょう。陶器製などの鉢カバーの中に入れておくと熱が伝わるのをある程度防げます。

ベランダなど乾燥しやすい環境に置く場合は、大型のプラスチック鉢などを使うとよいでしょう。

観葉植物におすすめの鉢

ナチュラルでおしゃれな雰囲気のある素焼きやテラコッタの鉢は、水を吸う性質があるためカビが生えやすいという問題も。
室内で観葉植物を植えるのは、衛生的なプラスチックや陶器の鉢のほうが向いているようです。
鉢の号数や素材を知っておくと、通販などでもサイズの合った最適な鉢を選ぶことができます。ぜひ植物が育ちやすく魅力的に見える鉢を選んでくださいね。