可憐な椿の花にひと目惚れ!世界に6000種類のオンリーワンを育てよう♪

どこか古風で可憐な椿。椿の花は世界に6000種類あるといわれ、バラのように華やかなものもあります。古くから日本人に愛されている椿ですが、初心者でも簡単に育てられるのでしょうか?今回は、椿の開花時期の紹介、育て方や剪定のコツなどを徹底解説します!

椿(つばき)ってどんな花?

古くから日本人に愛され続けている可憐な花、椿。庭木として楽しむだけでなく、盆栽としても多くのファンに親しまれています。そんな可憐で美しい椿には、いったいどんな特徴があるのでしょうか。

椿の種類

椿は、シンプルな一重咲きのものから。華やかな八重咲のものまで、さまざまな種類があります。椿の花は、世界におよそ6000種類以上、日本には2000種類以上もあると言われています。

国内でよく知られている椿の種類は「藪椿(やぶつばき)」で、ヨーロッパではカメリアと呼ばれています。種を収穫すれば油が取れることから、観賞用としてだけでなく、生活に必要な花木として大切に育てられてきました。観賞用では、香りが良いツバキ科ツバキ属の「山茶花(サザンカ)」なども人気があります。

開花時期

椿の開花時期は、種類によってそれぞれ違います。

・寒椿(かんつばき) 11~2月頃
・藪椿(やぶつばき) 2~4月頃
・侘助椿(わびすけつばき) 2~4月頃
・雪椿(ゆきつばき) 4~6月頃
・夏椿(なつつばき) 6~7月頃

・山茶花(サザンカ) 10~1月頃

サザンカと椿の違いって?

ガーデニング初心者だけでなく、花のプロでも見間違えてしまうほど椿とよく似ている山茶花。椿と山茶花は、見た目はとても良く似ていますが違うところもあります。見分けるポイントは3つです。

葉の特徴が違う

椿と山茶花の違いが一番わかりやすいのは葉っぱです。花が咲いていない時期でも、葉っぱを見れば違いがわかります。

【椿の葉】
・葉のふちがつるんとして丸い
・葉の中心の葉脈が透けて見える
・葉の裏側にほとんど毛がない

【山茶花の葉】
・葉のふちにギザギザがある
・葉の中心の葉脈が黒く見える
・葉の裏側に毛が生えている

寒椿より開花時期が早い

山茶花は、寒椿よりも開花時期が1ヵ月ほど早いです。椿といえば、冬~春に咲くというイメージですが、山茶花は秋ごろから開花し始めます。

椿よりも花が平面的

(山茶花)

(椿)

椿の花が立体的でラッパ状に咲くのに対して、山茶花の花は平面的でひらひらと咲くのが特徴です。どちらか片方だけで見ると、なかなか見分けがつきにくいかもしれませんが、特徴がわかれば違いに気付くようになります。

花の散り方が違う

椿の花が咲き終わると、花ごとボトッと落ちますが、山茶花の花は、花びらが1枚ずつパラパラと散ります。開花時期が重なることから、寒椿とよく間違えられることが多いようですが、寒椿には山茶花のような強い香りはありません。

椿の育て方のポイント

椿を育てるためには、まず基本的な育て方をマスターする必要があります。初歩的な育て方のポイントを5つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

すくすく育つ土づくり

椿を植える土は、水はけのいいものを選びます。アルカリ性だと育ちが悪くなるため、有機質な弱酸性の土だと好ましいです。地植えの場合は、腐葉土5に対して赤玉土5を混ぜるといいでしょう。鉢植えの場合は、市販されている培養土でも特に問題ありません。

環境に合わせた鉢選び

椿は、年々大きく成長する花木です。鉢植えをする場合は、少し余裕がある大きさのプラ鉢を選ぶようにします。陶器の鉢に植えると、冬の寒さと根の成長に負けて割れてしまうことがあります。あまり大きく育てたくない場合は、植え替えの時に、少し根っこをカットしてあげるといいでしょう。この時、太い根は切らないように注意します。

日当りの良い場所に植える

椿は日当りの良い場所を好みます。地植えをする場合は、日当たりの良い場所に植えるようにしましょう。鉢植えの場合は、できるだけ日当たりの良い場所に鉢を置くようにしてください。

水やりしすぎない

椿は湿気が苦手ですので、水やりしすぎないようにします。地植えの場合、夏の暑い時期など、何日も雨が降らない場合以外は基本的に水やりの必要がありません。鉢植えの場合、夏の暑い時期には、朝晩2回は水やりをしましょう。冬の寒い時期には、土の表面が乾燥したら水やりをする程度で問題ありません。

成長に合わせて肥料を施す

地植えの椿に肥料を施す場合は、苗木を植えるときに、緩効性肥料を元肥として土に混ぜましょう。追肥をするなら、1~2月頃に緩効性肥料を施します。鉢植えの椿に肥料を施す場合は、花芽が付き始める頃と、花が咲き終わった頃に油かすを与えましょう。追肥をするときは、生育不良を起こさないよう、毎回同じ場所ではなく別の場所に与えます。

椿を育てるには剪定が必要

椿の木をバランスよく育てるためには、選定をする必要があります。植えっぱなしにしてしまい、全体の見た目が悪くならないよう、できるだけ剪定の時期にはお手入れをしてあげましょう。病気や害虫予防にもなります。

椿の剪定方法

椿の剪定は、開花時期が終わった頃に行う場合と、枝が混み合ったときに透きこむ場合に行います。椿の花が咲き終わってから選定をするのは、剪定後に伸びた新梢に花芽が付き、花をたくさん咲かせるためです。また、椿の枝が混み合った場合に選定をすると、風通しもよく日光も当たりやすくなります。

庭木 つばき 透かし剪定のコツ

病気や害虫の対処法

椿を育てていると、病気や害虫の被害を受けることがあります。見つけた場合は、手遅れになる前にできるだけ早めの対処が必要です。それぞれ正しい対処法を参考にしてください。
椿は、基本的にどんな場所に植えても丈夫な花木ですが、あまり水はけの良くない場所は避けるようにします。どうしても植える場所がない場合は、赤玉土か腐葉土を混ぜ込んでから植えるといいでしょう。また、できるだけ日当りの良い場所が好ましいので、あまり西日がガンガン当たらない場所や、暗い場所は選ばないようにします。

病気の予防策と対処法

椿がかかりやすい病気は、「花腐菌核病(はなぐされきんかくびょう)」と「すす病」です。「花腐菌核病」は、椿の花が咲く時期に、長雨が続くと発生しやすい病気で、花弁が茶色に変色し枯れてしまいます。病気になった花はそのままにしておかず、早めに摘み取ってしまいましょう。アフェットフロアブルなどの殺菌剤を使用します。

「すす病」は、枝や葉っぱにカイガラムシなどの害虫の排せつ物が蓄積し、そこから黒いすす状のカビが発生する病気です。そのままにしておくと、うまく光合成ができなくなるので、見つけたら早めに薬剤を散布しましょう。ベンレート中和剤などの殺菌剤を使用します。

害虫の予防策と駆除方法

椿に発生しやすい害虫は、「カイガラムシ」と「チャドクガ」です。「カイガラムシ」は、椿の樹液を吸う厄介な害虫で、被害が進むと木が弱ってしまいます。排泄物から「すす病」を誘発することからも、見つけたら殺虫剤を使用するなど早めの駆除が必要です。

「チャドクガ」は、幼虫のときに椿の葉っぱを食害します。卵から孵化すると、いっせいに葉を食害するので、できるだけ早く駆除する必要があります。ただし、「チャドクガ」の毛には毒があり、触ると発疹が広がるため、駆除するときには素手で触らないようじゅうぶん注意しましょう。殺虫剤を使用するのが効果的です。

地植えするときの注意点

椿は、基本的にどんな場所に植えても丈夫な花木ですが、あまり水はけの良くない場所は避けるようにします。どうしても植える場所がない場合は、赤玉土か腐葉土を混ぜ込んでから植えるといいでしょう。また、できるだけ日当りの良い場所が好ましいので、あまり西日がガンガン当たらない場所や、暗い場所は選ばないようにします。

鉢植えするときの注意点

椿を鉢植えするときは、大きめの鉢に植えるのが基本です。でも、あまりにも大きすぎる鉢に苗木を植えてしまうと、根っこを伸ばすほうにエネルギーを使ってしまい、花が咲きにくくなります。鉢は、苗よりひと回り程度大きめの鉢を選ぶようにしましょう。

鉢植えの場合、限られたスペースで成長しなければならないため、肥料を適切に施す必要があります。また、乾燥させて枯らすことのないよう、水やりは忘れないように注意しましょう。

世界に1つだけのオンリーワンを育てよう♪

種類が豊富な椿ですが、彩りも形もバラエティーに富んでいて、持っている魅力もそれぞれ違います。世界に6000種類もある椿の中から、たった1つだけのオンリーワンを、あなたも大切に育ててみませんか?