【ガーデニングダイアリー】11月・12月の庭仕事

冬が近づき気温が下がってくる11月。そして一年で最も日が短くなる12月。晩秋まで咲いてくれていた花も終わり、ちょっと庭も寂しくなってくる季節です。本格的な寒さがやってくる前にやっておきたい庭仕事や、冬越しの準備、室内で育てる植物の管理などをご紹介します。

11月・12月は冬越し準備を始める時期

寒さに弱い植物は室内へ

寒さに弱い植物は室内へ移動させます。植物によって、早めに室内へ移動させたほうが良いものや、12月まで屋外で大丈夫なものがあります。
室内に移動させた後も、天気が良い日は外に出したり窓を開けたり。気温に気をつけながら外気にも触れさせてあげるといいですね。

室内に取り込む際は、害虫に注意。暖かい室内では、アブラムシなどが一気に増えることもあります。虫がついているようだったら、まず駆除してから取り込みましょう。

宿根草にマルチングをしよう

地植えで冬を越す宿根草に腐葉土などでマルチングを行います。マルチングの素材には、バークチップや水苔などがありますが、腐葉土は春になったらそのまま土にすき込めるのでおすすめです。
何かとあわただしい12月に入る前に済ませておくといいですね。

外で冬越しする鉢植えの寒さ対策と水やり

外で冬越しする鉢植えも、霜が降りるような寒さは要注意。
寒さ除けに不織布などで覆うか、軒下に避難させましょう。発砲スチロールの箱や大きなプランターの中に鉢を集めておくと、寒さの影響も減らせます。地面に直接鉢を置かず、鉢台の上に乗せたり、大きめの鉢の中に入れて鉢を2重にしたりするのもおすすめです。

冬は空気が乾燥しているため、土も乾燥しがち。つい水やりを忘れがちな時期ですが、土の様子をみながら与えましょう。
水やりの時間帯にも注意が必要です。冷え込む夜の間、土が湿っていると土の中の水分が凍って根がダメージを受けやすくなります。夕方以降の水やりは避け、午前中に済ませましょう。

種まきと草花・球根の植え付け

秋まき一年草の種まき

温暖地では11月初旬頃まで、スイートピーやカンパニュラなどの秋まき一年草の種まきができます。できるだけ早めにまいて、本格的な寒さがくる前にある程度しっかりした苗に育てましょう。
定植後は霜があたらないように保温して育てます。苗が小さい場合は、暖かくなるまでポットで育てると安心です。

花壇への植え付け

シロタエギクやハボタン、パンジー、ビオラなどの植え付けは12月頃まで可能です。

春咲き球根の植え付け

チューリップやスイセンなどの春咲き球根の植え付けは、12月初め頃までに終わらせます。

チューリップやムスカリなどの球根はそのまま植え付けますが、ラナンキュラスなど乾燥して干からびたような球根の場合は、せっかく植え付けたものの芽が出ないことがあります。これは、土の中で球根が腐ってしまったため。植え付け前に、湿らせたバーミキュライトなどの中に埋めてゆっくり吸水させてから植え付けると失敗がありません。

春に咲く耐寒性の球根の多くは、冬の寒さに合うことで花芽を作ります。鉢植えにする場合も屋外で管理し、時々水をあげましょう。チューリップをパンジーなどと一緒に寄せ植えにすれば、春に花があふれるように咲く姿を楽しめます。

宿根草

耐寒性のある宿根草

冬の間地上部が枯れても、根はしっかり生きています。植物によっては、新しい芽が顔を出しているものもあるはず。腐葉土などのマルチングで保温してあげましょう。

鉢植えの宿根草は、地上部が枯れていると水やりを忘れがち。完全に枯れないように、時々水やりをして春を待ちます。

寒さに弱い宿根草の鉢上げ

寒さに弱い宿根草は、掘り上げて鉢に植え替えると翌年も楽しめます。
掘り上げる際は、地上部を短くカットし、新しい芽だけ残します。小さめの鉢に、鉢底石と培養土(あるいは花壇の土)を入れて植え替えましょう。日当たりの良い軒下など、霜の当たらない場所で管理するか、室内に取り込みます。
■耐寒性がやや弱い屋外管理できる宿根草

マーガレット、サルビア・レウカンサ、ブルーサルビア(サルビア・ファリナセア)、イソトマなど
■耐寒性の弱い室内管理の宿根草

ゼラニューム、ペラルゴニューム、ベゴニア、トレニア、アメリカンブルー、コリウス、ペンタス、ランタナ、フクシア、チョコレートコスモスなど

バラのお手入れ

肥料

12月~1月頃に元肥を与えます。株元から30cmほど離れた場所に数カ所穴を掘り、配合肥料を与えましょう。置き肥でもかまいません。

鉢植えのバラの植え替え

12月中旬頃~2月の間に、鉢植えのバラの植え替えを行います。植え替えの際は、土の中にコガネムシの幼虫などがいないかチェックしておきましょう。

①葉を全部落とし、弱い枝や老朽化した枝を基部から切り取り、全体のバランスをみながら剪定をします。

②鉢から抜き、根が回っているようだったら根をほぐして切り詰めましょう。古い根や腐っている根は取り除き、半分程度まで切り詰めてかまいません。古い土も落としておきます。

③新しい培養土に植え替えます。根鉢を崩している苗は、培養土を山型に盛り上げた上に根を広げるようにして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えて完了です。

大苗の植え付け

バラの大苗の植え付けも、12月中旬頃~2月の間に行います。

①大苗は土がついていない状態で出回ります。植え付け前に根に巻いてある資材を取り外したら、水につけておきましょう。不要な枝があったら剪定しておきます。

②植え場所に深さ40cmほどの穴を掘ります。掘り上げた土は埋め戻しに使うので、腐葉土などを混ぜておきましょう。以前バラを植えていた場所に新しい苗を植える場合は枯れることがあるので、新しい土に交換したほうが安全です。

③穴の中に山形に土を盛り上げ、苗の根を広げて植え付けます。

④土がダブダブになるくらい水をたっぷりと流し入れ、土が沈んだ部分に残りの土を追加します。

⑤完全に根付くまで、支柱を立てて固定しておきましょう。

つるバラの誘引

12月~2月にかけて、つるバラの誘引を行えます。
不要な枝を取り除いて整理し、花を咲かせたい場所に向かって、枝が混みあわないように誘引しましょう。

ハーブ

耐寒性のあるハーブは地上部を刈り込み、腐葉土などでマルチングして冬越ししましょう。

この時期、気をつけたいのは水やりです。寒い時期の過湿は厳禁。11月になったら乾燥気味に管理しましょう。土が多少カラカラに乾いても大丈夫。そのほうが冬の寒さにも強くなります。

寒さに弱いハーブは室内で管理します。挿し木で冬越しをするのもおすすめです。

観葉植物と鉢花

室内での置き場所

室内で管理する観葉植物は、冬の間の置き場所に注意が必要です。
窓辺は夜になるとぐっと冷え込みます。昼間はレース越しの日が当たる窓辺に置いているという場合、夜は部屋の中央に移すなどの手間が必要です。
また、エアコンの風が当たる場所も要注意。暖房の風があたらない場所に置きましょう。

冬の室内はかなり乾燥しています。観葉植物は湿度の高い環境で育つものが多いので、霧吹きで葉の周りの湿度を高めてあげましょう。

開花中の植物は、日当たりの良い場所に置きます。ただ、室内で日当たりの良い場所というのは限られてしまいますよね。鉢がたくさんある場合は、時々置き場所を交代させてあげましょう。

水やり

シクラメンやシンビジュームなど開花中の植物は水切れに注意。

一方、休眠期にあたる観葉植物は乾かし気味に育てます。夏とは異なり、一度水を与えるとしばらく鉢土が湿った状態になっているはず。気温の低い時期に水のやりすぎで過湿になると、根腐れしてしまうこともあります。
ただ、暖かい室内で日当たりが良い場所に置いてある鉢は土が乾きやすいので、置き場所によって、土の状態をみながら水を与えてください。

芝生のお手入れ

via Kaoru Sakamoto
高麗芝は枯れて茶色くなってきます。
西洋芝は12月頃まで生育するので、芝刈りや散水を行います。

冬の間は芝生の間に生えている雑草を一掃するチャンス。今のうちに、雑草の根もしっかりと取り除きましょう。

庭木のお手入れ

落葉樹の剪定

落葉樹はそろそろ剪定の時期に入ります。葉が落ちていると枝ぶりがよくわかるので、木の形を整えるのに向いています。

ただ、春に花が咲くウメやハナミズキなどの花木は、花芽を切ってしまうと花が咲かなくなってしまうので注意して剪定しましょう。徒長枝などは軽く剪定します。

アジサイなどは、枯れた枝や伸びすぎた部分を切る剪定をします。本格的に剪定するのは花後にしましょう。

落葉樹の植え付け

落葉樹の植え付けは、葉が落ちている間に行います。鉢植えの落葉樹も、この時期に植え替えをしましょう。
2月頃になると落葉していても木の中では生育が始まるので、植え付けは12月頃までに終わらせます。
ブルーベリーなどの果樹も植え付け時。バラの大苗の植え付けと同様、深めの穴を掘り、腐葉土やたい肥を混ぜ込んだ土に植え付けましょう。根はできるだけ広げて植え、添え木をしておきます。

家庭菜園

冬の寒さに備えて、マルチングやトンネルで保温すると葉物野菜なども育てることができます。寒くなると家庭菜園の手入れもおっくうになりがち。収穫が終わった野菜は早めに片付けましょう。

11月に種をまける野菜

コマツナ、水菜、絹さやエンドウ、春菊、ルッコラなどの葉物野菜の種をまけます。トンネル栽培にすれば、冬の間も収穫可能。プランターでも育てやすく、虫も少ない時期なのでおすすめです。

ソラマメなどの豆類やタマネギの苗の植え付けを行いましょう。収穫は春なので、スペースを考えて植え付けます。

アスパラガスの苗の植え付けは11月が適期。一度植えると何年も収穫できるので、場所をよく考えて植え付けましょう。鉢植えも可能です。

収穫期の野菜

春菊や白菜など葉物野菜や、夏に種をまいたダイコンなどが収穫期を迎えます。種まきが遅れたダイコンはもう少し収穫を待ちましょう。