【ガーデニングダイアリー】5月の庭仕事

一年で最も忙しいガーデニングシーズン到来!バラをはじめ、多くの花が咲くこの季節。苗の植え付けや種まき、草花や庭木のお手入れ、家庭菜園など、この時期にやっておきたい庭仕事をご紹介します。

苗の植え付け

春まき一年草の植え付け

5月中旬頃になると、3月~4月に種をまいた春まき一年草もそろそろ定植できる大きさに育っているはず。5月中に定植してしまいましょう。

植え付ける場所には、あらかじめ堆肥や緩効性化成肥料などをすき込んでおきます。もし、前もって準備をしておく時間が取れなければ、植え付けの時に肥料を施すことも可能です。この場合は、根に直接肥料が触れないように植える穴の底に緩効性化成肥料を少量入れて軽く土を埋め戻し、その上に苗を植え付けます。
根鉢は崩さずに植え付けますが、根が回りすぎている場合はハサミで根鉢の底面を十字にカットし、根を少し広げて植え付けて大丈夫です。
植え付け後はたっぷりと水をあげてください。

宿根草の植え付けは?

この時期、ガーデニングショップなどの店頭には花が咲いている宿根草も多く並びます。そのまま庭に植え付けるよりも、花の咲いている間は鉢で楽しんで、花が終わってから庭に植え付けるか大きめの鉢に植え替えるほうがよいでしょう。10月頃か3月頃の植え付け適期まで鉢で育てる方法もおすすめです。

夏~秋に咲く宿根草の苗は、そのまま植え付けてかまいません。

挿し芽・挿し木

植物がよく成長するということは、挿し芽で発根しやすい時期でもあるということ。ローズマリーやゼラニウム、アジサイなどは、挿し芽や挿し木で増やすことができます。

挿し芽を行う時は、まず清潔な挿し木用の土や赤玉土、鹿沼土、バーミキュライトなどの土を用意します。挿し穂はよく切れるカッターなどで切り、2時間ほど水を吸わせてから、1~2節埋まるように土に挿します。発根促進剤をつけると発根しやすくなります。根が出るまで半日陰に置いて乾かさないようにしましょう。

挿し穂は長さ10cm程度で葉が2~3枚付くように調整します。余分な葉は根元から切り落とします。これは、根がない状態なので、葉がたくさんついていると枯れやすくなってしまうため。葉が大きなツバキやアジサイは、葉を半分にカットして蒸散を抑えましょう。ローズマリーのように葉が密集して生えている植物は、挿し穂の下半分程度の葉を全部落とします。

根が出ているかどうか土の上からは見えませんが、根が出てくると新芽が伸び始めるのでわかります。しばらくそのまま育てて、しっかりと根が張ってから鉢上げしましょう。

種まき

5月になると、バジルやアサガオ、ナスタチウム、コリウスなど高温を好む植物の種まきを行えます。夏に元気よく成長するこれらの植物の発芽温度は、25℃~30℃前後。5月初旬はまだ気温がそれほど上がらない日もあるため、屋外での種まきは5月中旬以降がよいでしょう。

とはいっても、すでにゴールデンウィーク頃には、バジルのポット苗などが店頭に並びますよね。夏になる前にある程度育っていたほうが、大きな株になり長く楽しめます。そのため、早い時期から収穫したり楽しんだりするために、室内やフレームで種をまいている方も多いのではないでしょうか。

もう霜が降りることはないと思いますが、室内で育てた苗やゴールデンウィーク頃に店頭に並ぶ苗は、気温をみながらプランターや花壇などに植え付けましょう。

草花の手入れ

春花壇の片付け

パンジーやビオラなど、冬から春にかけて庭を彩ってくれた花もそろそろおしまい。春花壇の一年草の片付けをして、初夏の植物に植え替えましょう。

寄せ植えの花の一部分だけ植え替えるという場合は、他の植物の根と絡まっていることも多く、掘り上げるのが大変です。無理に引っ張らず、スコップやハサミで根をカットしながら掘り上げましょう。

花がら摘み

次から次へと花が咲く植物は、花がら摘みを欠かさないようにします。花がらをそのままにしておくと、種ができてしまい花を楽しめる期間が短くなってしまいます。また、花びらが下に落ちて病気などが発生しやすくなることも。摘んだ花がらも下に落とさないようにしましょう。
種を取る場合はそのまま残しておき、種が熟すのを待ちます。

切り戻し

夏越しをする植物は、春の花後にいったん切り戻します。全体を思い切って半分程度の高さに切り戻すと、再び新芽が伸びてきます。

徒長してきた植物も切り戻しを行いましょう。ペチュニアなどの苗は、何度か切り戻しを行うとボリュームある株に成長します。

バラ

5月はバラのシーズン。バラ栽培をしている人にとっては、一年で最も楽しみな季節なのではないでしょうか。

新苗の植え付け

バラの新苗が流通する時期。新苗(春苗)の植え付けができます。
この時期に苗を購入するメリットは、すでに鉢に植えられて成長しているため大苗に比べて育てやすいこと。鉢底から根が見えているような成長が良い苗を選びましょう。

一方、いわゆるポット苗と言われる苗は一年中出回っています。こちらのメリットは、花や葉を確認してから購入できること。花が咲いている姿がわかりやすいので庭や鉢に植えたときのイメージもはっきりするのではないでしょうか。初心者さんにもおすすめです。花の色には個体差もあり、濃い緑色や明るい黄緑色など葉の色によっても雰囲気はかなり変わります。

施肥

月1回程度、樹冠の下あたりに肥料を与えましょう。固形の有機肥料がおすすめです。

病害虫防除

気温が高くなってくると、害虫の活動も活発に。注意したいのは、チュウレンジバチの食害です。茎が傷ついて割れたようになっているのが卵を産み付けられた場所。幼虫が小さいうちは一枚の葉に集まっているので、早めに駆除しましょう。

黒点病などの予防に、2週間に1回程度の薬剤散布をします。本数が少ない時は、扱いが簡単で病気や害虫に効果があるスプレータイプがおすすめです。

ハーブ

5月~6月にかけて、ラベンダーやオレガノなど多くのハーブが花を咲かせます。葉を使用するものは、花が咲く前に葉を収穫しましょう。カモミールなど花を使うハーブは、花を傷めないように注意して収穫します。収穫は、晴れが続いた日の午前中がベスト。ドライにして使用するものは、陰干しで乾燥させます。

花後は、梅雨前にさっぱりと刈り込んでおくと蒸れにくく、秋にまたきれいな葉を楽しめます。

ハーブの植え替えにも向いている時期です。根詰まりしがちな鉢植えのハーブは、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
ローズマリーなどは、挿し木で株を更新することができます。

観葉植物

管理

寒さに弱い観葉植物も成長期に入ります。植物の生育には水が必要。冬の間水やりを控えめにしていた植物にも、水を十分与えます。といっても常に湿った状態が良いわけではありません。土の表面が乾いたら水やりのサイン。鉢底から水が流れ出るように、一度にたっぷりと与えましょう。

施肥

新芽が出てきたら、成長に必要な肥料を与えます。観葉植物に向いている肥料は、葉を育てるチッソ(N)が多めに配合されているもの。観葉植物用の液体肥料などを利用するとよいでしょう。

植え替え

気候の良い5月は観葉植物の植え替えにも適した時期。鉢の裏を見て根が鉢穴から出てきている場合は根詰まりを起こしている可能性も。鉢の中で根でいっぱいになっている株は、株分けをしたり大きめの鉢に植え替えたりしましょう。

この時期は、シンビジウムなどの洋蘭の株分けや植え替えにも最適です。鉢の縁の方まで成長してしまった株は、新しい用土に植え替えましょう。植え替える際は、水苔や洋蘭用の用土を使うと楽です。

大きくなりすぎてしまったドラセナなどは、取り木をして増やすこともできます。5月~6月が適期です。

庭木のお手入れ

6月頃まで、常緑樹の植え替えや植え付けを行えます。
春に花が咲いた花木には、お礼肥を与えましょう。花が終わった落葉樹は花後の剪定をします。

ツツジ類の花後の剪定

生垣の足元や庭木にもよく使われるツツジ。5月の花後すぐに剪定しましょう。剪定時期が遅れると、翌年の開花にも影響します。多少強めに刈り込んでも大丈夫。不要な枝や枯れた葉を取り除きながら剪定します。

生垣の刈り込み

新芽が少し伸びたら、生垣の刈り込みを行いましょう。この時期の刈り込みをサボると、あっという間にぼさぼさになってしまいます。樹高が高くなってしまうと手入れが難しくなるだけでなく、幅が広くなって道路にはみ出し交通の妨げになることも。また、枝が込み入っていると風通しが悪く、病害虫が発生しやすくなってしまいます。5月にさっぱりと刈り込んでおけば、次の剪定は夏頃あるいは秋で大丈夫。

芝生のお手入れ

刈り込み

気候が良くなってくると芝生もよく成長します。伸びてきたと感じたら、定期的に刈り込みましょう。5月頃の刈り込みは月1回程度。刈り込むことで美しい芝生をキープできます。

芝刈りをした後は、芝の芽の隙間に刈り取った芝のクズや枯葉が残りがち。熊手などでかき出しておきましょう。広い面積では芝刈り機などが便利ですが、狭い場所やレンガブロックの間などはハサミでカットしてもいいですね。

雑草取り

植物がよく育つ時期は、雑草も同じくよく育ちます。ちょっと油断すると雑草だらけになってしまうことも。種がついて飛び散る前、できるだけ小さいうちに抜き取るのが省力化のポイントです。

家庭菜園

夏野菜の植え付け

ゴールデンウィーク前、店頭には家庭菜園用の夏野菜が並びます。この時期、家庭菜園は大忙し。
5月中に、トマトやナス、ピーマン、シシトウ、キュウリ、枝豆、ゴーヤなど夏に収穫できる野菜苗の植え付けをしましょう。チンゲンサイやツルムラサキ、モロヘイヤ、ミズナなどの葉物野菜も植え付け適期です。
5月中旬からは、サツマイモの植え付けができます。

植え付け後しばらくは、水切れしないように水をたっぷりと与えましょう。

苗の選び方

葉や茎がしっかりしているものを選びましょう。連作障害を起こしやすいナスやトマト、キュウリなどは接ぎ木苗がおすすめです。

種まき

4月から引き続き、カブやトウモロコシ、エダマメ、バジル、スイスチャード、小松菜、空心菜などの種まきができます。豆類は鳥に食べられないよう、発芽までネットを張っておくと安心。

保温

ゴールデンウィーク頃はまだ最低気温が低い日もあるため、防風・保温効果がある簡単なカバーをすると苗の成長も良いようです。

腐葉土などが入っていた袋を洗い上下を開いて筒状にし、園芸用ポールを苗の周りに4本立てて被せると簡単なカバーの出来上がり。透明のビニール袋(ゴミ袋など)でも作れます。苗の本数が少ない時の一時的な保温に利用してみてください。

本格的な家庭菜園では、保温や乾燥防止、雑草抑制効果のあるポリエチレンフィルムによるマルチングもおすすめです。安価で地温上昇効果がある”黒マルチ”と呼ばれる黒色のシートや、アブラムシを防ぐ銀色のシート、保温効果の高い透明シートなどさまざまな種類があります。黒マルチは夏場には向きません。気温が高くなってきたらはずします。一方、銀色や白色のシートは地温が上がりすぎないので夏でも使用できます。用途によって選びましょう。

病害虫を防ぐには?

病害虫を防ぐには薬の散布も有効ですが、まずは植物を風通しのよい状態にしておくことが大切です。特に、生育期で枝葉がよく茂る植物は、「蒸れ」に注意して管理しましょう。
気温・湿度共に高くなっていく5月下旬頃~梅雨前に、混み入っている枝を間引いたり、株全体を刈り込んだり。暑さに弱い植物は、株全体を刈り込んでさっぱりした姿にしておくと病気や虫害が発生しにくくなり、上手に夏を越せます。