【ガーデニングダイアリー】7月の庭仕事

梅雨末期~梅雨明けにあたる7月は、思うように庭仕事ができない日も多い時期。梅雨後半と梅雨明け後の気候の変化も大きく、気をつけなければならないことも変わってきます。この時期に逃さずやっておきたい庭仕事や7月の植物のお手入れのポイント、ベランダガーデンで気をつけたいことなども知っておきましょう。

7月のガーデニングのポイントは?

とにかく風通し良く!

この時期に特に意識したいのは、風通しを良くすること。
梅雨時は蒸れによって植物が傷みやすく、梅雨明け後はさらに暑さも加わります。葉や枝が密集している植物は枝透かしをしたり、さっぱりと刈り込んだりして、株まわりを風通しの良い状態に保ちましょう。

梅雨時に気をつけたいこと

7月前半は、まだ梅雨真っ最中。特に、梅雨後半は大雨が降ることがあるため、植物の管理にも注意が必要です。
雨が土に当たって跳ね上がると、土壌感染による病気を引き起こしやすくなります。一方、ラベンダーなど乾燥を好む植物の場合は、梅雨時に枯れてしまうことも。ペチュニアなどの花は雨があたると色があせたり溶けたようになることもあります。
土が跳ね上がらないようにマルチングをしたり、植物によっては雨があたらないところに鉢を移動させたりして、梅雨の時期を乗り切りましょう。

梅雨明け後に気をつけたいこと

梅雨が明けたら一気に夏がやってきます。暑い日差しと乾燥で、植物も傷みがち。
この時期は、特に水やりを忘れないようにしましょう。1回水やりを忘れただけで、植物によっては萎れて回復しないことも。比較的丈夫な植物でも、繰り返し水不足で萎れることがあると相当なダメージを受けてしまいます。

天気にもよりますが、夏は朝夕の2回、たっぷりと水を与えましょう。
表面が湿る程度では根までしっかりと水が届きません。鉢植えの場合は、底から水が流れ出る量を目安にします。地植えの草花の中でも根の浅い植物は、乾燥に弱いため注意が必要です。

意外と忘れがちですが、根の浅い芝生にも水やりは欠かせません。ホースで水をまいておきましょう。

庭木は基本的には水やりをしなくても大丈夫ですが、植え替えて間もないものや、乾燥が続いて地面がひび割れたようになっている時などは、様子を見て水をやってください。

水やりの時間帯は朝と夕方。
夏の晴れた日の昼間、炎天下で鉢植えの植物に水をあげると、与えた水が土中で熱くなり根が傷んでしまいます。また、葉についた水滴がレンズのような役目を果たして葉が焼けたり、水蒸気で蒸れたりする原因にもなります。このため、真夏の炎天下での水やりはできるだけ避けましょう。

朝水やりを忘れてぐったりしてしまった!という鉢植えは、夕方まで水やりを待つ必要はありません。すぐに鉢を日陰に移動させ、水をたっぷり与えてください。日なたに出すのは、植物が回復してからにします。

毎日の水やりが面倒という人は、タイマー式の自動灌水システムの導入も検討するといいですね。

草花の手入れ

切り戻し

高温多湿による蒸れを防ぐために、夏前にさっぱりと切り戻しをしましょう。秋まで繰り返し花が咲く植物の中には、特に気温が高い7月~8月にかけて花が少なくなるものも。無理に花をつけさせずに、株を休めて秋になってから花を楽しみましょう。

ベゴニアやペチュニアなども、そろそろ徒長してくる頃。夏前にいったん切り戻しをしましょう。秋には再び多くの花をつけてくれます。

摘心

摘心とは、植物の頂芽(先端にある中心となる茎)を摘むこと。
植物をよく観察すると、頂芽より下に出ている葉の付け根にわき芽がついているのがわかると思います。それを伸ばして枝数を増やすために行うのが摘心です。

中途半端な位置で切ると、そこから枯れ込んでくることがあるため、摘心を行う際は節の上、わき芽の上ぎりぎりで切りましょう。
摘心を繰り返すことで、株もボリュームアップ。こんもりとした姿に育ちます。

花がらを摘むときも、下から伸びてきた蕾のついたわき芽の上ぎりぎりで切るようにします。

日よけ

真夏の直射日光が苦手な植物には、強い日差しを遮るための日よけがあるとよいでしょう。と言っても、1日中日陰にする必要はありません。強い西日を遮るようによしずやすだれ、寒冷紗などで簡単な日よけを作ったり、真昼の直射日光だけ遮ったり。木漏れ日のような光がちょうど良いと思います。

太陽の光が大好きな植物でも、鉢植えの場合はあまりに強い日差しで乾燥しすぎたり、鉢の中が高温になって根が傷んだりすることも。半日程度日が当たるような場所や落葉樹の下などに移動させるとよいでしょう。

水やり

梅が明けて夏が到来すると毎日の水やりが忙しくなります。鉢植えの植物が多い場合は、朝夕の水やりだけでも大仕事。

雨が降ったから大丈夫だと思っていても、降水量が少ないと土の中まで水が染み込んでいきません。表面だけ湿っている場合もあるので、様子を見ながら水やりを調整してください。
そして「水を与える時はたっぷりと」と覚えておきましょう。

旅行中の水やりは?

旅行で留守にする場合は、植物の水やりをどうするかが問題です。

タイマー式の給水装置を使うと決まった時間に水やりができますが、それ以外にも工夫次第でなんとかなることも。
鉢を全て家の北側の直射日光が当たらない土の上などに移動させて鉢とその周辺にたっぷりと水をまいておいたり、ペットボトルに小さな穴をあけて土に乗せておいたり、旅行前に実際に大丈夫かどうか実験してみるといいですね。

日陰にたらいや子供用ビニールプールなどを置いて水をたっぷり入れ、移動させた鉢をその中にまとめて入れておくという方法もあります。

また、底面吸水型の鉢に植えて水受け皿にたっぷりと水を入れておけば2~3日の旅行は大丈夫。これは自作も可能です。リボン状の不織布などを鉢の底から出し、反対側の端をたっぷりと水を入れた容器に垂らしておくと毛細管現象によって水を吸い上げてくれます。

ハンギングバスケットは、観葉植物栽培用の水を含ませて使うゼリーを土に混ぜておくという方法も。100円ショップなどでも売っているようです。さらに日の当たらない場所に移動させておくことも大切です。

マルチング

高温で土が乾燥するのを防ぐために、マルチングをするのも良い方法です。乾燥に弱い植物や日当たりが良い場所に置いてある鉢植えは、腐葉土やバークチップなどで土の表面を覆っておきましょう。腐葉土は、秋になってからそのまま土に混ぜてしまえば後片付けの必要もありません。

種まき

7月上旬頃までプリムラの種まきができます。7月中旬以降、梅雨明け頃からはハボタンなど秋~冬にかけて咲く花の種まきをしましょう。
サルビアやコスモス、ケイトウなども、この時期に種をまくと秋に花を楽しめます。梅雨明け前に種をまいてしまいましょう。

球根

春咲き球根の掘り上げ

植えっぱなしにしない春咲き球根は7月上旬までに掘り上げます。梅雨の合間の晴れた日に作業を行いましょう。
掘り上げた球根は、風通しの良いところで乾かしながら保管します。

植え付け

7月~8月上旬にかけて、リコリスなど秋咲き球根の植え付けを行えます。日当たり・水はけのよい場所に植えますが、直射日光が当たって乾燥しすぎるのも問題です。ほどよく木陰になる落葉樹の下などがおすすめです。落葉樹の下は他の植物で混みあっている…、落葉樹がない…、という場合は、午前中日が当たる場所や移動しやすい鉢などに植えてもいいですね。

バラ

葉が込み入っているところがあれば、通風をよくするために間引きます。つるバラのシュートは誘引しておきましょう。
お礼肥を月1回行います。バラ用の配合肥料を使うと簡単です。一季咲のつるバラ成木には追肥を行いません。
黒点病やうどんこ病などが発生しやすくなります。4月から引き続き、2週間に1回程度の薬剤散布をして予防しましょう。病気になってしまった葉があれば切り取り、薬剤散布を続けて病気が広がらないようにします。

観葉植物

夏は観葉植物が成長する時期ですね。栄養分も多く必要になるので、観葉植物用の液肥を与えます。よく成長するということは、挿し木や取り木で株を更新するのにも向いているということ。株分けや植え替えも行えます。

室内で育てている観葉植物は、窓越しの直射日光による高温と冷房の風に注意しましょう。窓辺の鉢はレースのカーテンをひいて鉢の中が高温にならないようにします。冷房の風が直接当たる場所も避けます。

ハーブ

夏が大好きなバジルやレモングラスなどのハーブの生育期。バジルは収穫を兼ねて摘心を行いましょう。
一方、ラベンダーなどの高温多湿が苦手なハーブは成長が鈍ります。気温が高くなる前に収穫を兼ねて刈り込みを行い、風通しの良いすっきりした姿で夏を迎えましょう。思い切って地面から2~3節のところで切ってしまってかまいません。鉢植えの場合は、雨の当たらない場所に移動させましょう。

芝生のお手入れ

刈り込み

西洋芝、高麗芝共によく成長する時期なので、伸びてきたら刈り込みを行います。成長にもよりますが、だいたい月に2~3回程度です。
刈り取った芝(サッチ)は熊手などを使って取り除きます。ついでに雑草も抜きましょう。

エアレーション

芝を張ってから2年以上経つと根が詰まった状態になってしまいます。そこで行いたいのがエアレーション。
地面のところどころにだいたい10cm間隔で穴をあけ、通気性を確保しましょう。専用のローンスパイクという道具を使うと簡単です。
エアレーションの目的は、芝の茎と根を切って成長を促すこと。穴をあけたところには目土を入れなくてもかまいませんが、目土を入れたほうが成長は良いようです。
6月~8月初旬頃までに行っておきたい作業です。

庭木のお手入れ

via Kaoru Sakamoto

剪定作業

春咲きの花木の多くは7月~8月にかけて、翌年の花芽を作ります。
そのため、剪定はその前に終わらせるのがベスト。剪定の時期が遅れると翌年の花を楽しめません。徒長枝や伸びすぎた枝の剪定、混み入った部分の枝透かし程度にしておきます。

主に葉を楽しむ庭木は、枝が茂りすぎた部分を剪定して風通しをよくしておきましょう。

アジサイは秋に花芽形成をするので、花後の7月中に花がらを切って剪定を行います。花が咲いた枝は、花から3節下でカットします。全体の大きさを抑えたい場合は、半分程の高さに剪定してしまってかまいません。剪定後に伸びた新芽に翌年の花が咲きます。

害虫防除

この時期は害虫の発生にも注意が必要。毛虫類が発生すると、あっという間に木が丸坊主になってしまうこともありますし、何よりも気持ち悪いですよね。早めに見つけて駆除しましょう。
毎年毛虫がつく木もあると思います。その場合は、早めに消毒したり剪定して予防しておくと安心です。

梅雨明け後はハダニに注意。夕方の水やりの際に葉の裏側にも水をかけて予防しましょう。

家庭菜園

トマトやキュウリ、シシトウなど夏野菜の収穫全盛期を迎え、家庭菜園も一段と楽しくなる時期ではないでしょうか。ただ、夏の作業は熱中症に注意。早朝の収穫やお手入れがおすすめです。

トマトは雨に当たると実が割れてしまいます。収穫できそうな実があれば雨が降る前に収穫してしまいましょう。
キュウリやオクラは、収穫時期を逃すとあっという間に大きくなってしまいます。キュウリやゴーヤは繁った葉の裏に隠れていて、かなり大きくなるまで気がつかないこともあるので、時々見る角度を変えてチェックするとよいでしょう。

夏の野菜栽培は水やりを忘れずに。特にプランター栽培では水切れに注意しましょう。地植えでも水を多く必要とするキュウリやトマトなどは水やりをしたほうが良く育ちます。

ベランダガーデン

暑さ対策

夏のベランダガーデンでやっておきたいのが暑さ対策です。特に、南や西向きのベランダでは、床面がかなり高温になって植物にとっては過酷な状態。いかに鉢に熱を伝わらせずに、快適な状態に持っていくかが問題です。

そこで役に立つのが、ウッドデッキなどベランダの床の上に敷いて高さを出せる床材。ジョイント式のウッドパネルは設置も簡単なのでおすすめです。
鉢を台の上に乗せて直接床面におかない工夫もしてみましょう。
直射日光が当たりすぎる場合は寒冷紗やすだれ、オーニングなどで遮ります。オーニングを設置できると室内の気温上昇を防ぐのにも役立ちます。
夏の庭仕事は日差しと暑さと蚊との戦いでもありますよね。日焼け止めと帽子、虫よけスプレーに蚊取り線香必須です。ガーデニングには何かと大変な季節ですが、熱中症に注意して植物のお手入れをしましょう。