まるでリビング?それとも庭?ベランダガーデニングのすすめ

庭がなくてもガーデニングを楽しみたい…、アウトドアリビングで優雅なひと時を過ごしたい…そんな願いをかなえてくれるのがベランダガーデニングです。賃貸の集合住宅だって、ベランダがあればガーデニングを楽しめます。ベランダガーデニングを楽しむためのポイントとおしゃれに見せるコツ、注意しなければならないことなどを知っておきましょう。

ベランダガーデニングとは

ベランダでも楽しめるのがベランダガーデニング。その楽しみ方も、リビングの延長としてなのか、あるいはガーデニングをやりたいからベランダを庭代わりにするのかなど、目的によって多少異なります。いずれにしても、窓からグリーンが見えていると心安らぐもの。たとえマンションのベランダでも、植物にガーデンファニチャーやウッドパネルなどさまざまなものを組み合わせることで、ベランダを庭のように見せることができます。

ベランダは限られた比較的狭い空間なので、イメージ通りに作りやすいという面も。高級感を出すか、ナチュラルな雰囲気にするのか、あるいはカフェのような空間にしたいのか、具体的なイメージを決めたら、その雰囲気に合うガーデン資材や植物を選びましょう。高級リゾート、ナチュラルガーデン、シャービーなど、イメージを言葉にしてそれに合うものを集めるとセンス良い空間を作りやすくなります。
興味があるという方は、さっそくやってみてくださいね。

アウトドアリビングとして使う!

ベランダをアウトドアリビングにしたいときは、色調を統一したウッドデッキやラティスで演出を。ラグジュアリーな空間にしたい場合は高級感のある大きめの鉢にある程度高さのある植物をいくつか配置。ランタンやガーデンライトで光の演出をすれば夜も雰囲気満点です。

デザインのポイントはすっきりと見せること。エアコンの室外機などはおしゃれな室外機カバーで隠してしまうとよいでしょう。また、ベランダを倉庫代わりにしていろいろな物を置いているという家もあるかもしれません。その場合は、荷物をしまえる棚やウッディな箱型ファニチャーなどを置いて整理するとよいでしょう。

リビングのように見せるには床材を工夫

ベランダがリビングの延長のようになっているなんて素敵ですよね。実際の部屋よりも広く見えるうえに、気候がいい時期はベランダでのんびりお茶を飲んだり、夜になったらちょっとお酒を傾けたり、なんてこともできてしまいます。

ベランダとリビングをつなぐのは、違和感のない床材。ジョイント式のウッドパネルなどをうまく使って、室内と室外をつないでみましょう。
一面に敷いてしまうだけでなく、一部に隙間をあけて玉石やウッドチップなどを敷くこともできます。いろいろ試してみてください。

ガーデンファニチャーを置いてカフェのテラス席のように

ある程度広さのあるベランダにガーデン用のテーブルや椅子を置くと、それだけでもぐっとリビングの延長らしくなるものです。木製やアイアン製、プラスチック素材などさまざまなタイプが出ているので、雰囲気のあうものを選びましょう。

壁面には、ラティスやフェンス、枕木などを使うことも可能です。ただ、このような構造物を置く際は、避難経路や隣への配慮も忘れずに。避難経路をふさいでしまうと、もしもの場合に命にもかかわります。そのようなことを考慮して、ベランダガーデンを楽しみましょう。

ランタンの光なども効果的に取り入れてみよう

ベランダガーデンにガーデンライトやランタン、キャンドルなどを取り入れると、たちまちムーディな雰囲気に。アジアンリゾートやシャービー、北欧調などどんなスタイルにも合うので、夕暮れ時や夜のひとときを素敵に演出してみませんか。

大きめの鉢に背の高い植物を植えライトアップして、夜もベランダガーデンを楽しむのもおすすめです。ベランダに置く植物は、オリーブやミモザなど、葉影を楽しめ繊細さも感じられる木やヤシ類が人気です。

キャンドルを使う際は火事にご注意を。風の強いときは使わない、キャンドルをつけたままその場を離れないなど、隣近所にも迷惑がかからないように気をつけましょう。

最近は蓄電タイプのガーデンライトや、キャンドルのように見えるLEDの照明器具、持ち運びのできる充電式ライトなども発売されています。ガーデン用品の売り場だけでなくインテリアショップでも見つけることができるので、まめにチェックしてみるといいですね。

ベランダをおしゃれに見せるには?

ボーダーフェンスやラティスなどを立てて、ベランダの手すりや壁面を見せないようにすると部屋らしい雰囲気にすることができます。DIYが得意な人はすのこで手作りすることもできますよ。

ナチュラルで優しい雰囲気にしたければユーズド風のペイントをした白いタイプを選んだり、アジアンリゾート風には濃い目のブラウンで統一してラタン風のチェアを置いてみたり。落ち着いた大人の雰囲気にしたいときには、ダークな色調でまとめるとよいでしょう。

このようなところに凝ると、ベランダがたちまちおしゃれなアウトドアリビングに変わります。
ところどころに棚や台を置いてグッズを飾ったり多肉植物の小さな鉢を並べたり。センスの良い雑貨屋さんやカフェの演出を真似してみるのもよいですね。

ベランダに家具を出しっぱなしにする場合は、雨風や日差しの影響を考えるとガーデン用の家具がおすすめです。ラタン風の家具やアウトドア用の塗装をしてある家具、軽くて動かしやすいものなどを選ぶとよいでしょう。クッション類は使う時に部屋から持って出た方が無難です。

庭がなくても楽しめる!ベランダガーデン

鉢は軽いものを選ぼう

アウトドアリビングではなく、ベランダを庭として使いたい!という方も多いでしょう。
鉢を少しだけ置くという場合は一般的な植物用の培養土で構いませんが、たくさん鉢を並べたい場合や大きな鉢を置きたいという場合は、土を入れたときのことを考えると軽量タイプがおすすめです。

使用する鉢は大きめのテラコッタなども素敵ですが、鉢の移動や植え替えなどを考えるとちょっと大変。鉢の材質は木製やプラスチック製など、できるだけ軽量なものを選ぶとその後の管理が楽です。

軽量の鉢に植えておしゃれな鉢カバーで覆ってしまうというのもひとつの手。見た目を重視したい場合は少し工夫してみるとよいでしょう。

鉢には統一感を持たせて

鉢を置くときは材質や色など、どれかひとつ、統一感を持たせるのがセンス良く見せるポイントです。
例えば、色を白で統一してみたり、ブリキ素材の鉢カバーで統一したり。見た目もすっきりしてまとまりがでます。色を統一してあれば、プラスチック素材でもおしゃれに見えるので、ぜひやってみてくださいね。

高低差をつける

ベランダに鉢を並べるときは、ベランダの低い位置に一列に並べてしまうと、ただ育てているだけになりがちです。見ていても楽しめるベランダガーデンにするには、高低差をつけてみましょう。高さに変化があると部屋の中から見渡したときにも素敵です。植物にとってもまんべんなく日が当たり、元気に成長できるので一石二鳥。

同じような大きさの鉢でも高低差をつけることで高さを演出することができ、わざわざ背の高い植物を置く必要もありません。おしゃれなフラワースタンドなどを選べば、あっという間に立体的なベランダガーデンが出来上がります。

隠せるものは隠すとおしゃれに見える

ベランダガーデニングを楽しむときに、隠したいものの筆頭がエアコンの室外機ではないでしょうか。室外機が見えているだけで、せっかくおしゃれに作ったベランダガーデンの雰囲気が変わってしまいますよね。

そんなときは、室外機用のカバーを使ってみましょう。室外機に直射日光が当たってエアコン効率が下がるのも防ぐことができ、排気も妨げずにベランダの見た目もおしゃれになります。上部に小物を置けるタイプを選べば、ガーデングッズを飾ったり小さな鉢を並べてベランダの雰囲気アップにも。
排気が当たる室外機のすぐ前には植物を置かないようにしてください。

ベランダガーデンに向いている花

ベランダで育てやすい花は、冬~春だとパンジーやビオラ、ノースポールなど、春はロベリアやネモフィラ、スイートアリッサムなども。春~夏だとペチュニアやブルーサルビア、フレンチマリーゴールド、ベゴニアなどです。

ベランダでいつも花を見ていたいという場合は、花の時期が長い一年草を選びましょう。花の時期が終わったら植え替えることで、常に花のあふれるベランダガーデンを維持できます。

花の時期が短い宿根草を選ぶと、葉だけの時期や地上に何もない時期も長くなるため、スペースに限りがあり室内からもよく見えるベランダにはあまり向いていません。宿根草を選ぶ場合は、クリスマスローズなど一年を通じて葉があるタイプがよいでしょう。

ラベンダーなどの花も楽しむハーブ類は、葉だけになっても香りを楽しむことができるのでおすすめです。

初心者でも簡単!ベランダ菜園

ベランダで花を楽しむのもよいけれど、野菜や果物、ハーブなど収穫できる植物を育てるのもおすすめです。
大きめのプランターと野菜用の培養土を用意して買ってきた苗を植えるか、葉物野菜だったら種を直播すれば大丈夫。日当たりの良いベランダだからこそよく成長します。

育てやすいのは、ミニトマトやきゅうり、ししとうなど。スイスチャードやレタス、ルッコラ、水菜などの葉物もおすすめです。ベビーリーフ用の葉物野菜をミックスした種を使うと、ベランダで収穫したばかりのサラダを楽しめます。

バジルやシソ、ミントなどのハーブ類も育てておくと、ちょっと使いたいという時に便利。こちらは小さな鉢を並べておいてもいいですね。

ベランダガーデニングの注意点

落下の問題

ベランダガーデニングで最も注意したいのが、ベランダからの鉢の落下。もし下に人がいたら、大けがをしてしまいます。鉢はベランダの外にぶら下げない、落下しそうな場所には置かない、風の強い日は高い位置の鉢を下ろしておくなどの注意が必要です。

また、小さい子どもがいる場合は、ベランダに置いたガーデングッズなどによじ登って転落する事故も防がなくてはなりません。フェンスを高くしたり、よじ登れないようにする工夫をしましょう。

水やりの問題

落下に次いで気をつけたいのが、水やりの問題です。下の階や隣に水やりの水が流れていないか、床の防水層に傷をつけていないかなど常に気をつけておきましょう。
もし、隣のベランダに水が流れていくような構造のベランダの場合は、鉢の下に鉢皿などを置いておき、ひと声かけておくことも大切です。

水やりの際はベランダの外に水がはねないように気をつけてください。下の階で布団や洗濯物を干している日中は、特に注意が必要です。

非常口や避難経路の問題

マンションの非常口前に鉢などを置いてしまうと、いざという時に非常口が使えなくなり非常に危険です。マンションの規約を守り、避難経路には物を置かないようにしましょう。

植物の問題

育てている植物が隣や上下の階に伸びてしまわないように気をつけましょう。大きくなりすぎるような植物は植えないようにします。手すりの外に大きく枝が伸びてしまう植物もおすすめできません。

また、枯葉や花がらが落ちたままで排水溝を詰まらせることがないように、まめに掃除をすることも大切です。虫が発生したときは、すぐに駆除して周りに迷惑がかからないようにしましょう。殺虫剤など薬剤散布を行う時は、注意の家に洗濯物がない、風が弱い日を選びます。

肥料の種類によっては臭いが気になることもあるため、そのような場合は密閉して他の場所にしまっておきましょう。

また、植物の植え替えの際は土が排水溝に流れたりしないよう、ビニールシートの上やトレイの中で作業をするようにします。

まとめ

一度に完成させようとすると、大掛かりになって途中で挫折してしまうことも。まずは、好きな植物一つからでも、立派なベランダガーデニングです。好きな植物やグッズを少しずつ増やしているうちに、だんだんイメージがはっきりしてくることもあります。

おしゃれにこだわらなくても、植物を身近で育てるということはとてもリラックスできるものですよね。日々、植物に水をあげながら、小さなつぼみに喜んだり、花の香りに癒されたり。ベランダで摘んだ花をテーブルに一輪飾ったり、収穫した野菜を食したり。そんな、暮らしに寄り添ったベランダガーデニング、おすすめです。