寄せ植えのお手入れ方法~植物の植え替えとメンテナンス

寄せ植えを作った後のお手入れ、どうしていますか?花がたくさん咲いている見頃を過ぎて、1種類、また1種類と枯れる植物が出てくると必要なのが植え替えです。そのまま残しておきたい葉物などは残し、部分的に植え替える必要も。寄せ植えを長持ちさせるメンテナンスと植え替え方法をご紹介します。

一年草?多年草?寄せ植えに使っている植物

何種類かの植物を合わせて作る寄せ植え、最近は初めから見栄えが良いように隙間なく植物を植える方法が主流です。

寄せ植えに使う植物は一年草がメイン。例えば、ビオラだけで花色を変えて作る寄せ植えや、2~3種類の一年草を組み合わせた寄せ植えは作りやすく、初心者さんにも向いています。

一年草の花とグリーンを組み合わせる寄せ植えも人気。定番はアイビーやプミラなど小さな葉を持つグリーン。さらに、カラーリーフやグラス類を組み合わせるとおしゃれな寄せ植えになりますよね。これらのグリーン類のほとんどは多年草なので、寄せ植えを植え替える時に処分してしまってはもったいない。花が枯れた後もそのまま次の寄せ植えに使えます。

多年草を寄せ植えで楽しむのもいいものです。これはちょっと上級者さん向き。山野草の寄せ植えなどは、花のない時期も一年を通して風情を楽しみながら栽培するという感じでしょうか。

観葉植物の寄せ植えも、何年もそのままの状態で育てることが可能です。こちらは生育条件の似た植物を合わせれば、誰でも簡単に楽しむことができます。

だんだん形が崩れてくる寄せ植え、どうする?

花が終わって伸び放題。雑草まで生えてきた寄せ植え
via Kaoru Sakamoto
しばらくの間はバランスよく育っていた寄せ植えも、植物ごとの成長の違いや植物同士の縄張り争い(?)などにより、だんだん形が崩れてきてしまうということ、ありますよね。
始めは素敵だった寄せ植えがなんだかぼさぼさになってきたり、花が終わって枯れるものが出てきたりしたら、そろそろメンテナンスが必要です。

切り戻しで再び花が咲く植物は全体的に切り戻し、しばらく養生させましょう。切り戻した部分から新芽が伸びて再び花をつけるようになるのを待ちます。

枯れた植物はその部分だけ抜いて植え替えましょう。バランスによっては、全体に植え替える必要も出てきます。

寄せ植えのメンテナンス時期

夏になる前

ひとつの鉢にたくさんの植物を植えこんだ寄せ植えは、どうしても鉢の中が蒸れやすくなり、夏越しで失敗することも。切り戻しで夏を越せる場合もありますが、枯れてきたら早めに抜き取り、暑さに強い植物に植え替えましょう。

冬になる前

多年草を寄せ植えした場合、寒さに弱い植物は掘り上げて室内などで管理すれば翌年も楽しめます。寒さに強い多年草は、そのままで大丈夫。簡単な防寒対策で春を待ちましょう。

寒さに強いグリーンと一年草を組み合わせた寄せ植えは、多年草の部分だけ残して、一年草をビオラやガーデンシクラメン、スイートアリッサムなどに植え替えれば冬の間も花を楽しめます。
ガーデンスペースが少ない場合や、ベランダで育てているという場合は特に、季節によって花を植え替えながら寄せ植えを楽しみましょう。

寄せ植えした植物の植え替え方法

全部植え替える

寄せ植えを作り直す場合は、植えてある植物を全部取り出して植え替えてしまいましょう。他の寄せ植えに使えるリーフ類は、再び出番がやってくるまで小さな鉢などに植え替えて育てておくといいですね。

鉢から植物を抜くか掘り上げて、いったん土を全部出します。鉢底石も取り出しましょう。
鉢底石をネットに入れている場合は、取り出して水洗いし、再び鉢植えに使えます。そのまま入れてある場合は、ふるいにかけて根や土を取り除き、よく洗って乾かしておきます。
土を取り出した鉢も良く洗い、乾かします。

新しく寄せ植えする植物を用意したら、配置を決めて植えていきましょう。使う土は新しい培養土にします。植物をたくさん植える寄せ植えは、元肥をしっかり入れておくのがポイントです。

古い土はふるいにかけて古い根や虫などを取り除き、土壌改良剤(再生材)や腐葉土などの再生材などを混ぜておけばまた使えます。

一部分だけ植え替える

グリーンや宿根草の花と一緒に植えこんだ寄せ植えは、一部分だけ植え替える場合も多いと思います。花期の長い花と短い花を組み合わせて植えた場合も、見苦しくなってきた部分を植え替えましょう。

実際に、一部分を残しながら植え替える方法を挙げてみます。参考にしてください。
1.4月初めの状態。
宿根草の小輪咲きクリスマスローズ・プチドールと、同じく宿根草のマーガレット、新たに植えたネメシアの3種類。ピンク系の寄せ植えです。
最初はクリスマスローズの花が目立っていましたが、1カ月ほどで他の花がだいぶ育ってきて鉢を覆うサイズになってきています。

via Kaoru Sakamoto
2.5月末の状態。
クリスマスローズは花を切り葉だけに。マーガレットが一段と大きくなり、ネメシアもかなり背が高くなりました。切り戻しをするとこんもりした姿を保てますが、野原のような感じにしたかったのでこのままで。
だんだん花が小さくなってきていますが、それも良い感じ。肥料をたくさん与えると濃い色の花がたくさん咲くようになります。

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3.6月末の状態。
早い時期から高温が続き、蒸れて傷みが出てきました。マーガレットをばっさりと剪定しています。
切り戻すときは枯れないように、地際から新芽が育っているのを確認してから行いましょう。このあと、マーガレットは移植して別の小さな鉢で養生生活に入ります。

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4.ネメシアの後にトレニア・カタリーナブルーを植えて涼し気に。這うようにどんどん育ち、花がたくさん咲く丈夫な品種です。

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5.9月初めの状態。
マーガレットとともに、土も取り除いた状態です。植えたままにするクリスマスローズの根の根を傷めないように注意して作業を行います。

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5.新しい培養土を追加。ふわふわとしたカスミソウのような花、ユーフォルビア・ダイアモンドフロストを植えます。
高さを確かめて新しい苗を置いてみましょう。元の鉢土の高さと合うように、入れる土の量を微調整します。

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8.ポットから抜いた苗を置きます。
根が回りすぎているようだったら少し根鉢を崩します。この苗はそれほど根が回っていないので、そのまま植え付けます。

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9.培養土を入れ、割りばしなどでつついて隙間ができないようにします。水をたっぷりと与えたら完成です。

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10.植えこんですぐの状態。

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11.植えこんでから10日後。もうすっかりなじんできています。

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12.植えこんでから1カ月後の状態です。
生育旺盛な品種を選ぶと、あっという間に鉢を覆うサイズに育ちます。花の間からハナニラの芽が出てきました。せっかくなのでこのままに。

via Kaoru Sakamoto

寄せ植えを長く楽しむためのお手入れ

水やり

寄せ植えを作るときに考えておきたいのが、性質が似たもの同士を植えること。乾燥気味な環境が好きな植物同士、水が好きな植物同士というように、好む土壌環境が同じものを一緒に植えることが大切です。
特に乾燥が好きという植物でなければ、だいたいの草花は一緒に植えて大丈夫。過湿気味にならないように、水の与え方を注意して育てましょう。

水やりは鉢の土が乾いてから与えるのが基本。
春~夏はすぐに乾いていしまう土も、8月下旬頃からは乾きが遅くなってきます。雨が降りそうな天気の悪い日は、水やりをもう一日待ってみましょう。

使っている土の種類や鉢の材質によっても水やり頻度は変わってきます。
通気性の良い素焼きの鉢に乾きやすい土を使っている場合は、水やり頻度も高くなります。普通の草花を植える場合は、プラスチック製の鉢には水はけのよい土を使い、素焼きの鉢には水持ちの良い土を使うとバランスが良いようです。

肥料

同じ時期に生育する植物同士の寄せ植えは、肥料切れしないように液体肥料や緩効性化成肥料を与えます。寄せ植えはたくさんの植物を少ない土で育てるわけですから、生育旺盛な一年草は特に肥料切れに注意。

問題は、宿根草と一緒に植えている場合。ベランダなど限られたスペースを有効活用するために寄せ植えにすることもあるかと思います。
その場合、休眠期の宿根草には肥料が行かないように、エリアを分けて肥料を与えましょう。液体肥料も鉢全体ではなく、水やりの後に成長中の株だけに与えます。

日当たり

日当たりを好む花は、よく日に当たる場所で育てると花がたくさん咲きます。でも、ベランダなど季節によって日当たりが変わる場所で育てる場合は、常に日当たりの良い場所ばかりとは限りません。
日光大好きな植物も、半日程度日が当たればそれなりに育つもの。他の花やグリーンが一緒に育ってカバーしてくれるのも寄せ植えならでは。それはそれで野趣ある趣になることもあります。

花がら摘み

花が咲いた後の花がら、そのままにしておくと種がついてその後の花付きが悪くなります。
寄せ植えは特に、できるだけ長い期間花を楽しみたいですよね。花の咲く期間が長い品種を選び、まめに花がらを摘むと、より長く花を楽しめます。

ただ、小さい花や鉢が多いと花がら摘みは意外と時間がかかるもの。品種によっては、花がらをそのままにしておいても種がつかないものもあります。寄せ植えを気軽に楽しむために、そのような品種を選ぶのもおすすめです。

摘芯と切り戻し

こんもりと茂る花を楽しみたければ、苗が小さいうちに切り戻しをしながら育てましょう。
節の上で切ると、そこから枝が分岐してボリュームが出ます。花もそれだけ多くなるので、花いっぱいにしたいときに欠かせないテクニックです。
多くの花苗は花が咲いた状態で店頭に並びます。せっかくの花を切り落とすのはもったいないのですが、ボリュームある寄せ植えにしたいときには試してみてください。

そして、花が咲いて一段落した後に行いたいのが切り戻し。
花の種類にもよりますが、株の半分程度の高さまで切り戻すことで、再び葉が茂り花がたくさん咲くようになります。ペチュニアなど花期が長い花は特に、切り戻し作業は欠かせません。

自由な発想で植物を組み合わせよう

まずは2~3種類の植物を組み合わせた寄せ植えから始めてみましょう。寄せ植えは、スペースがあまりない場所でいろいろな植物を育てられるというのも魅力です。季節によって好きな植物を組み合わせて、自分だけの寄せ植えを作ってみてください。