冬の間に考えておこう!春からの花壇・菜園計画

寒い冬の時期はガーデニングも一時お休み。ゆっくりできるこの時期に、春からの花壇や菜園計画を立てておきましょう。種まきまで時間があるので、珍しい種を取り寄せたりするのもおすすめです。

どんな庭にする?イメージを膨らまそう

あなたの庭のイメージは?

ナチュラルな庭、和風の庭、イングリッシュガーデン風、バラが咲きこぼれる庭、ハーブを楽しむ庭など、具体的なイメージを作ると植える植物も選びやすくなります。

ただ、庭のイメージというのは、いったん作るとそう大きくは変えられませんよね。ガーデンファニチャーなどを置いている場合は、自然と庭のイメージも決まってくると思います。その中でも、このエリアは今年はナチュラルな雰囲気の花で野原のようにするなど、毎年同じ庭を作り続けるのではなく少し変えることで新鮮さも加わり、ワクワクした気持ちも味わえるのではないでしょうか。

庭というのはなかなか「これで完成!」とはならないものです。以前はこれが好みだったけれど、今はもう少しラフなほうが好き、など好みのテイストも少しずつ変わっていきます。

自分で少しずつ理想の庭を作り上げていくのは、大変でも楽しいもの。今年はこの壁につるバラを這わせよう、などやりたいことを少しずつ実現していきましょう。

コーナーごとにテーマを決める

コーナーごとにテーマを決めてもいいですね。
例えば、玄関脇のコーナーは季節の一年草とシンボルツリーの組み合わせでナチュラルにする、家の裏側は林の中の小道のように、など定番スタイルを確立すると、季節ごとの植物も選びやすくなります。

テーマカラーを考えよう

毎年花壇に花を植えるという人は、ぜひその年のテーマカラーを考えてましょう。
今年はホワイトガーデンで、あるいはパープル~ピンク系で華やかになど、毎年テーマカラーを変えてみるのも楽しいものです。春はピンク系、夏は黄色やオレンジでというように、季節によってメインの花の色を変えてもいいですね。

植えたい植物は?

イメージやテーマカラーを決めたら、植えたい植物を選びます。あるいは、植えたい植物からイメージや色を広げていくのも良いと思います。

初心者さんはあちこちにまばらに植えるよりも、バラが咲く時期に満開になるような宿根草をバラの近くに集める、秋の花が咲くエリアを作るなど、ある程度まとめたほうがよいかもしれませんね。

庭作りの本や洋書なども参考に

庭作りの本やインターネットでさまざまな庭を見るとイメージが広がります。ため息が出るほど美しい庭が満載の洋書は眺めているだけでも楽しめます。同じような庭を作ることは無理でも、ちょっとだけテイストを取り入れてみたいものです。

どこに何を植える?

イメージが固まったら、どこに何を植えるか考えましょう。

植える場所を決める際は、日当たり・土の状態などを考えて、植物の性質と相性の良い場所を選びます。
例えば、塀の脇の日当たりが悪い場所には日陰に強いシダ植物などを植えたほうが美しく見えるものです。周りを囲まれて風通しが悪いジメジメした場所にラベンダーなどを植えてしまうとよく育ちません。
大切なのは適材適所。庭の条件を考えて植える植物を選びましょう。

移植するものはある?

宿根草は一度植えるとなかなか動かせないものですが、生育が悪い場合は植えた場所が植物に合っていないことも考えられます。その場合は、思い切って移植しましょう。例えば日陰に強い植物でも、あまりに日が当たらないと大きく育ちません。どこに植えたらいいか、日の当たり具合を日ごろから観察しておくといいですね。

宿根草には、年々株が大きくなっていくものやこぼれ種で増えていくもの、地下茎で増えていくものなど、さまざまな性質を持つものがあり、場合によっては増えすぎてしまって困るということも。植物ごとに「増えてもここまで」というエリアを決めておくと管理しやすくなります。

いろいろな庭

花いっぱいの庭

花いっぱいの庭にしたいという場合、広い面積を一年草の花だけで埋め尽くすのは大変です。時期をずらして咲く宿根草をうまく組み合わせて花壇計画を立てましょう。

春に咲く一年草は夏前に植え替えることになりますが、ボーダー花壇の場合、花壇の奥、手の届きにくい場所に一年草を植えてしまうと植え替え作業が大変なことになります。ボーダー花壇では、手前に一年草、中央から奥に背の高い宿根草を植えましょう。背の低いカラーリーフなどは、手前から中央にかけてバランスを見ながら配置し、その間に一年草を植えるスペースを作っておけば植え替えも簡単です。背の高い一年草は、手前にグラウンドカバーになるグリーンを植えたり一年草の奥に植えたりすると、植え替えも楽になります。どのスペースを一年草用にするか決めておくといいですね。

少量だったら、鉢植えにして花壇に置いてしまうという方法もあります。夏の花に植え替える時は、鉢ごと撤去し、新しい苗に植え替えて再び置くだけ。手入れが簡単になるのでおすすめです。

宿根草が多いローメンテナンスの庭

植えたい植物が宿根草ばかりの場合は少し慎重に。長く育てることになるため、植える場所をよく考えなくてはなりません。宿根草ばかり集めているとそのうち植える場所がなくなってしまうということも!

また、宿根草が多いということは、花がない時期も長くなるということ。花を楽しみたいという人には少し物足りないかもしれませんね。手間のかからない庭作りに宿根草は大いに役立ちますが、次から次へと主役が交代するように花が咲き続ける庭を作るためには、植物の組みあわせをよく考える必要があります。

毎年同じ時期に花が咲く宿根草は、季節の訪れを感じさせてくれるもの。花の後に姿を消す球根植物や一年草とうまく組み合わせて、できるだけローメンテナンスの庭を作りましょう。

雑木林のような庭

落葉樹や常緑樹を植えた雑木林のような雰囲気の庭。暮らしながら自然を感じられるのが魅力ですよね。
ただ、木はどんどん成長して大きくなるので、ある程度の大きさまで育ったら、あとは計画的に剪定しないと「うっそうとした森」のような庭になってしまいます。また、樹勢が弱ってくると虫がつきやすいので、消毒が必要になることもあります。

木の足元は、林の中の小道のようなイメージで、半日陰でもよく育つ植物を植えましょう。和の雰囲気がある植物は半日陰でもよく育つものが多いので取り入れてみてください。

春からの菜園計画

家庭菜園で野菜を育てている場合は、春になったら植える野菜の計画を立てておきましょう。プランター栽培の場合も同様です。

決まったスペースで野菜を育てる場合、どの野菜をいつ頃植え付けるか、いつ収穫するのか、よく考えて植えなくてはなりません。そろそろ夏野菜を植えたいけれど、まだ収穫時期にならない野菜があって植える場所がない・・・なんてことにならないように、次の1年間に育てる野菜をどこにいつ頃植えるのか、冬の間におおまかな計画を立てましょう。

ナス科やアブラナ科の植物を育てる時は、連作障害を避けるために、植える場所を少しずつずらしていきます。それほどスペースがないという場合は、太陽熱を利用して土の殺菌消毒を行いましょう。また、冬の間の天地返しや堆肥をたくさん入れる、接ぎ木苗を使うなどの方法も有効です。

冬の間、玉ねぎや大根など冬野菜を育てている場合は、空いているスペースの土作りを行い、次の野菜の種まきを行えるように準備します。

収穫までの期間が短いのは、カブや葉物野菜など。ジャガイモの植え付けは3月中に行います。5月のゴールデンウィーク頃にはトマトやナスなどの夏野菜の植え付けをするので、それも考慮してどこに何を植えるか考えましょう。

夏野菜を植え付ける前に収穫できる野菜

■二十日大根

その名の通り、約20日で収穫できる二十日大根。夏野菜を植える前に少しスペースがあればぜひ植えておきたい野菜です。育てるのも簡単で、サラダやピクルスなどに使えます。
■ベビーリーフ

プランター栽培にもおすすめのベビーリーフ。水菜や春菊、レタス、ルッコラなどの種をミックスしたもので、1カ月ほどで収穫できます。要は、大きく育つ前に収穫して食べてしまうということなのですが、まだ小さいうちに収穫するので生育期間も短く、夏野菜を植える前にちょこっと育てるのに最適です。3月頃にまく場合、気温が低ければトンネルにして保温しながら育てます。
■レタスやルッコラなどの葉物野菜

春菊や小松菜、ルッコラなどの葉物野菜は収穫までの時期が短く、空いたスペースで手軽に栽培できるのでおすすめです。ただ、春になると虫がつきやすくなるので、気付いたら虫だらけで全滅!ということも。早めにネットをかけるなどの対策をして育てましょう。

土作りをしておこう

1.冬の間に天地返し

30cm程の深さまで土を耕し、上下の土をひっくり返して、下の方の土を上に持ってきます。太陽光や寒さにさらすことで、土の消毒や害虫駆除などができます。

2.苦土石灰をまく

日本の土は酸性に傾きがち。植物の生育を良くするために、苦土石灰で中和します。冬の間に行っておきましょう。

3.堆肥や腐葉土を加える

苦土石灰をまいたあと、土の様子を見て堆肥や腐葉土を加えて耕しておきます。植物が育ちやすいふかふかの土を作っておきましょう。

4.有機質肥料などを加える

冬の間に有機質肥料を加えて軽く耕しておきます。

春に植える植物の準備

種まき

少量だったら苗を買ったほうがよいかもしれませんが、たくさん苗が必要な場合や珍しい品種を植えたい場合は、種をまいて育てましょう。種はホームセンターや園芸ショップなどで購入できますが、珍しい品種はインターネットなどで取り寄せます。時間がかかることもあるので、早めに手配すると安心です。

屋外で種まきをするのはまだ早いのですが、春に咲く花の苗を室内で種まきして育てることは可能です。少量だったら培養土を入れた卵パックやジフィーセブンなどに種をまいて育てるとよいでしょう。発芽したら温かい窓辺などでよく日に当て、夜は温度が下がりすぎないように段ボール箱や発砲スチロール箱などの中に入れると保温効果があります。苗をたくさん育てたい場合は、ピート板などを使用しましょう。室内に置いても土がこぼれることもなく清潔に保てます。

苗の準備

バラの大苗は、遅くともまだ葉のない2月初め頃までに植え付けを済ませましょう。休眠中に植え付けると苗へのダメージが少なく、その後の成長も順調になります。お気に入りのバラを植える予定があれば、苗の取り寄せはお早めに。新苗の場合は4月中旬~5月中旬頃に植え付けます。

春になるとさまざまな宿根草や春咲きの一年草などが店頭に並び始めます。どこに何を植えるかよく考え、カタログなどから予約して取り寄せたいものがあれば早めに注文をしておきましょう。

株分け

大きくなりすぎた宿根草は、株分けをして他の場所に植え付けましょう。株分けは2月中旬以降に行えます。寒さに弱い植物は、3月になってからが安心です。今年はどれを株分けするか、今のうちに予定を立てておきましょう。
今年はどんな植物を植えようか・・・考えている時が一番楽しいかもしれませんね。ガーデニングシーズンになる前におおまかな植栽計画を立てることは、イメージ通りの庭を作ることにもつながります。