冬にすべきこと ー ガーデニングの1年計画

冬の間に行う、翌春からのガーデニング1年計画

冬は花の手入れや草むしりなど、忙しかったガーデニングから少し離れて、ガーデナーもほっとひと息つける穏やかなシーズン。
でもきっとガーデニングが好きな方なら、次に来る春を考えて、心がワクワクしてくる季節でもありますよね。
この静かな時間を利用して、次のシーズンの計画を立ててみませんか?
既に経験のあるガーデナーなら庭仕事の季節が始まると、慌ただしい日々がやって来るのをきっと知っているはず。

たくさんの時間がある冬の季節に、1年のガーデニング計画を立てておけば、慌てずに仕事に取り掛かれるに違いありません。
今年初めてガーデニングデビューする方も、この季節に翌春からのガーデン1年計画を立てておけば、きっと必ず役に立つはず!

ガーデンのイメージ作り

熟練したガーデナーでも、初心者のガーデナーでも庭造りを始める前にするべき事はきっと一緒。一番最初は、どんなガーデンにしたいのかを明確にしておく事です。
初めは、どんな雰囲気が好みなのかを知るだけでも良いのです。
「クールでスタイリッシュなガーデンにしたい」、「暖かな雰囲気を持つ田舎風ガーデンに」、「可愛らしい花であふれた庭にしたい」、「バラをメインにゴージャスな雰囲気で」等。

インスピレーションを得るにはTVや映画、ネットや雑誌などを参考に、自分らしい、最も好きなガーデンをイメージしましょう。
おおまかなイメージが固まって来たら、それがどのようなスタイルのかが分かって来るはず。ガーデンのスタイルはさまざまで種類も非常に豊富ですが、代表的なものをご紹介します。

モダンガーデン

近年イギリスでは非常に流行しているモダンガーデン。大ぶりの個性的な花や植物と、スタイリッシュなガーデンファニチャーやポット、モダンなエクステリアと組み合わせ、シャープな印象を庭にもたらしてくれるスタイルです。
このガーデンはクールな印象もさることながら、土や芝生の部分を減らしているので、草むしりなどガーデニングには欠かせない労働が少ないところも魅力で、忙しいワーキングカップルなどに大人気のスタイル。
また、モダンガーデンは庭が小さくても、あるいはマンションのベランダでも気軽に取り入れられるところが嬉しいところ。
初めてガーデニングにチャレンジする方にもおすすめです。

コンテナガーデン

色やフォルム、デザインやマテリアルの異なる鉢植えやハンギング・バスケットをふんだんに取り入れ、高さや大きさなどに変化を付けて楽しむ事が出来るガーデンスタイルが、コンテナ・ガーデンです。
玄関のちょっとしたスペースに、あるいは庭がなくてもバルコニーなど、ほんの僅かなスペースでもガーデニングを楽しむ事が出来るところが魅力的。
また、色々な品種の花や、さまざまなカラーを組み合わせたり、花の成長が思わしく無い時もすぐに移動が出来るところも見逃せないポイントです。
エクステリアや鉢植えに凝って、好みのテイストで揃えれば、他に例を見ない個性的なガーデンスペースを作り上げる事も出来るはず!

コテッジガーデン

ガーデナーの中でも圧倒的な人気を誇るのがコテッジガーデンです。
イギリスの田舎にある、古い石畳の村の中に点在する長い歴史を持つ石造りの家に合わせ、野趣溢れる草花が咲き誇る庭は自然の魅力たっぷりでナチュラルな雰囲気。
イングリッシュガーデンという言葉を聞くと、イメージとして浮かぶのはこのコテッジガーデンではないでしょうか。
四季折々にたくさんの、色とりどりの花が咲き乱れ、またグリーンが美しく映える庭。とても表情豊かで魅力的なガーデンですが、維持するのはなかなかハードルが高いとも言えます。
四季を通じて花を途切れさす事もなく、そのケアも大変。
また一見野放図に咲く花たちは非常に優れたバランス感覚を用いてプランニングされています。
でも難易度が高いからこそ、自分の庭にコテッジガーデンを作り上げた時の感動はひとしおに違いありません。
どの時代でも、どの国でも人気が高いのがコテッジガーデンと言えるでしょう。

ローズガーデン

いつの時代でも人を魅了してやまない、花の代表格とも言える存在のバラ。
圧倒的な美しさと存在感を誇り、またその香しい匂いでガーデナーを虜にさせるバラを中心に庭を作り上げたスタイルがローズガーデンです。
バラは種類も豊富であり、また大きさや高さもさまざま。コンテナで楽しむ事も出来ますし、シュラブやブッシュ、クライミングと言ったバラの樹型を好みに合わせて選ぶ事も出来ます。
また花の開花時も春だけ咲く一季咲きや、春から秋にかけて繰り返しその美しさを楽しませてくれる四季咲きなど、花の咲き方も色々選べるところが嬉しいですね。
色合いも豊富な種類から選べ、他の花との相性も良いので、組み合わせ次第でシックでエレガントな雰囲気や、淡いフェミニンなムード、シンプルでシャープな印象とさまざまな顔を作り上げる事が出来るのが魅力的なガーデンスタイルです。

庭のサイズや日当たり、風の強さを知る

目指したい好みのガーデンスタイルが決まったら、次は自分の庭をじっくりと考慮しましょう。
翌春から初めて庭造りにチャレンジする方なら、花を植える場所のサイズを縦、横、奥行きとしっかりチェック。
もし既に庭造りを始めている人ならば、やはり花壇のサイズを測り、今植えてある植物はどれぐらいのサイズなのか、またどのスペースに空きがどれくらいあるのか確認を忘れずに。
また、一日のうちでどれぐらい日が当たるのかも注意が必要です。
たくさんの日差しが必要な植物もあれば、半日蔭を好む種類もあるので、花を植えると決めた場所の全ての日当たり具合を知る必要があります。
また風が吹いた時はどれぐらいの強度になるのかも確認しておきましょう。
風が強い場合は支柱や風よけが必要になりますし、まったく風が来ない場所ではカビが発生する事もあります。その場合は水はけが上手くいくよう、注意が必要です。

植物をセレクト!そしてその特徴を知ろう

via photo by h.akiyoshi
好きなスタイルが分かり、自分の庭の状況を詳しく知ったら、いよいよ植物選びです。
どんな花を植えたいか、庭造りのプランニングでも一番楽しいところ。好みのガーデンスタイルに合う、自分好みの花を探していきましょう。
どんな花を植えて良いかよく分からない、という人は、最初に本や雑誌、ネットなどを見て、『この花が可愛い!ガーデンに欲しい』というものからピックアップ。見つけた植物は忘れないよう、花の名前やカラーなどを全て書き出しておきましょう。
選んだ花は、購入前に徹底チェック!
大きさや高さはもちろん、いつの季節に植えれば良いか、いつ花が咲くのか、来年もまた花が咲く宿根草なのか、その年だけの花を楽しむ一年草なのか。
花によってはいつの季節に剪定するのか、株分けはいつなのかを知るのも重要です。
ちょっぴり面倒かも、と感じてしまう作業ですが、この下調べが次の季節の庭を美しくする、重要なキーポイント。
出来る限り時間をかけて丁寧に調べて行けば、どの花を庭のどこへ植えれば良いかが分かって来るでしょう。
事前のプランニングをしっかりしておけば、次のガーデニングシーズンには後悔する事もなく、きっと庭を前に笑顔になるはず!

ガーデニング・スケジュール表を作る

好みのスタイルが明確になり、翌春に植える花も決まったら、それらを全て書き出しておきましょう。
メモにとっておいても、1年に渡る予定では忘れてしまう事もしばしばあるのがガーデニング。
ガーデニング専用のスケジュール帖を用意し、毎月しなくてはならない事をしっかり明記しておきましょう。
こうしておけば、その花に必要な作業を忘れる事もありません。また、このスケジュール帖はガーデニング日記として、その年の花の様子も書き込めば、来年にきっと参考になるはず。
スケジュール帖にはその時々の写真を残せるスペースがあると便利。また、雑誌などで見つけた気になるアイデアや次の年にチャレンジしたいスタイルなどを差し込んでおくのも良いですね。
年々増えて行くガーデニング専用のスケジュール帖は、ガーデナーにとってきっと大切な記録。自分自身の宝物になるに違いありません。

冬の季節こそ楽しみたい! 翌春のガーデン計画

冬の季節は毎日の庭仕事がなくなり静かな日々が続きますが、ベテランガーデナーも、この春からいよいよガーデニングにチャレンジする初心者の方も、今が一番時間をかけて、翌春からのガーデン・プランニングが出来る大切なとき。
外は寒くても暖かな部屋の中で、大好きなガーデン雑誌や本を読みながら、次の季節の美しい庭を想像しつつ、じっくりと時間をかけて次の庭を考えてみませんか?

今回ご紹介した、冬の間に行うガーデンの1年計画はとても大事な事ですが、それでもガーデニングをするのに忘れてはならない事は、『全ての事を一度にしようとしない』。
雑誌や本、ネットなどで素敵な庭を見ると、自分もあんな庭にしたい!と1年で完成させようと躍起になってしまいがち。
でも植物は、実際に植えてみなくてはその状態が分かりません。花によっては大きくなるまで数年かかる品種も多くあり、また植物によっては自分の庭との相性が良くない場合も出て来ます。
全てをその年にしようとはせず、焦らずにじっくりと時間をかけて、自分の大切な庭を作り上げていきたいですね。
もうすぐ春も間近です。ガーデナーの皆さん、素敵な庭造りの1年にしていきましょう!