タネから育てるハーブ栽培 パクチーを育ててみよう

今、人気のパクチーをご家庭で育ててみませんか?ちょっとしたコツさえおさえればタネから簡単に育ちます。パクチーの栽培法と利用法をご紹介します。

パクチーとはどんなハーブ?

今や人気のハーブとなったパクチー。独特な香りで好き嫌いが別れるハーブですが、好きな人にとってはたまりませんよね。エスニック料理や中華料理、地中海料理に使うととても風味がよくなります。ところがこのパクチー、買うとけっこう高いんです。しかも売っていない場合も多くて、思いついた時にすぐ食べることができなかったという経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方におすすめしたいのが自宅でパクチーを育てること。自宅にパクチーがあればお好きな時にお好きなだけ使えますよ。育て方も簡単なので、ぜひタネから育ててみませんか?

パクチー・コリアンダー・シャンツァイ・・・3つの名前を持つハーブ

セリ科の一年草であるパクチーは、地中海東部原産の植物で古くから世界各地で食用にされてきました。学名のCoriandrum sativum L.から英語ではコリアンダーと呼ばれています。パクチーの名は、タイ料理を中心とするエスニック料理に用いるコリアンダーをタイ語でパクチーと呼んだのが元となっているんです。これらの料理では主に生の葉を用います。また中華料理にも使い香菜(シャンツァイ)とも呼ばれます。

パクチー、コリアンダー、シャンツァイ、どれも同じ植物の呼び名なんです。

パクチーの効能

パクチーには消化促進や整腸作用があるほか、発汗を促し体内の毒素を排出するデトックス効果、また強い抗酸化作用によるアンチエイジング効果が期待されると言われています。

栄養価的には生葉はビタミンCが豊富で、そのほかにもβカロテン、ビタミンB1、B2、Eのほか、鉄やカルシウムも含んでいます。

パクチーのタネをまいてみよう

それでは早速パクチーのタネを蒔いてみましょう。室内で育てる場合はプランター栽培かペットボトルで水耕栽培が簡単でおすすめです。また栽培キットなども売ってますのでそれを使うのもいいでしょう。

プランター栽培の場合は、用土はハーブ専用土を用いるといいですよ。

ペットボトルで水耕栽培

ペットボトルで水耕栽培

場所を取らないペットボトルで水耕栽培ができます。用意するのはペットボトルとスポンジだけ。

まず、写真のようにペットボトルの上から1/3くらいのところをカットします。
次にスポンジをカットしてキャップの部分に入れます。

ペットボトルで水耕栽培

このようにセットしてできあがりです。スポンジ部分が常に湿っている状態になるように水量を調整してください。

タネの発芽率をあげるためにすること

実はパクチーのタネは硬い殻に覆われているため、そのまま蒔くと発芽率が非常に低いんです。発芽率を上げるために殻を取り除いてあげましょう。指で押すと簡単に割れますよ。1つの殻の中には2つのタネが入ってます。

プランター栽培なら土の上に数粒まとめて蒔き薄く土をかぶせ、水耕栽培なら数粒をスポンジの上に蒔きます。数粒を一緒に蒔くのは、タネを取り出して蒔いても他の野菜と比べると発芽率が低いから。発芽するまでに長い場合2週間ほどかかります。その間は土やスポンジを湿った状態に保ちましょう。

発芽温度は15℃~30℃。半日陰でもよく育つので窓辺などでの室内栽培に最適です。

双葉が出てきました。この後、本葉が出るのを待って、良い状態の株を残してあとは間引きます。

他の野菜やハーブと違ってパクチーの根は直根性。1本の太い根が伸びています。もしこの根を傷つけたらうまく成長しません。そのためタネは直播きをします。

パクチーの育て方のポイントは?

無事に芽が出たらよく育つように次のことに気を付けましょう。

日光 ・・・ 日当たりがいい場所が望ましいですが、強い直射日光がずっと当たる場所で栽培すると葉が固くなります。特に夏場は室内の明るい場所か半日陰くらいで管理しましょう。

水やり ・・・ プランター栽培は、土の表面が乾いたらたっぷりと。水耕栽培は、水の減り具合に注意し週に1回水替えをします。

通風 ・・・ 蒸し暑い時は蒸れに注意。株が混み合ってきたら剪定するか間引くなどして通風を心がけましょう。

肥料 ・・・ 2週間に1度くらいのペースで液体肥料を与えましょう。

もう一つ注意しなければならないのが花芽です。パクチーは花芽がつくと枯れてしまいます。

太くて赤い縞の入った茎が伸びてきたら、それは花芽となる茎です。この茎につく葉は他の茎の葉と比べると細かく切れ込みが入っているので見分けがつきやすいと思います。もしそういう茎を見つけたら早めに下の方からカットしてしまいましょう。

もしタネを収穫したいのなら花芽はそのままにしておきます。ただし株は枯れてしまいますよ。

コンパニオンプランツとしてのパクチー

パクチーにはコンパニオンプランツとしても有名です。コンパニオンプランツとは、他の植物と一緒に植えると、病害虫を防いでくれたり成長が促進されたりその植物に良い影響を与える植物のことです。

パクチーの最大の特徴といえば、あの匂いですよね。あれを嫌いな人も多いと思いますが、実は植物につくハダニやアブラムシといった害虫も嫌うのです。なのでこれらの害虫がつきやすい野菜や花の横に植えると被害が少なくなるかもしれません。

またハチを誘うので受粉が必要な植物の横に植えても効果があるでしょう。

パクチーを収穫しよう

タネを蒔いてから2ヶ月ほど、パクチの草丈が20cmを超えてくれば収穫ができます。生葉はその都度、必要な分量だけハサミを使って上の方から切っていきましょう。また上の方から収穫していけば花芽を伸ばすことも無いので長く収穫できます。

タネも食用にできます。もしタネも収穫したいのなら下の方の葉から収穫するといいですよ。

収穫したパクチーを使ってみよう

最後に収穫したパクチーを使ったレシピをいくつかご紹介しますね。

パクチーのせクラッカー

オードブルにおすすめです。

用意するもの
・クリームチーズ
・クラッカー
・パクチーの葉
・レモンの絞り汁
・ブラックペッパー (お好みで)

下準備
・パクチーの葉 ・・・ みじん切り
・クリームチーズ ・・・ レモンの絞り汁を混ぜお好みでブラックペッパーを加える

作り方
クラッカーにクリームチーズを塗り、上からみじん切りにしたパクチーをかける

クラッカーの代わりにトーストを使っても美味しいですよ。

マサラチャイ

インドのスパイシーなミルクティー「マサラチャイ」をパクチーシード(タネ)を使って作ってみましょう。

用意するもの
・紅茶 (ティーバッグ) 1パック
・牛乳または豆乳 200cc
・シナモンスティック 5mm
・生姜 一切れ
・パクチーシード 少量
・水 50cc
・蜂蜜 適量

作り方
・鍋に水、シナモンスティック、生姜、パクチーシードを入れ沸騰させ、弱火にして香りが立つまで煮る
・牛乳を加えて弱火で煮る
・再度沸騰したらティーバッグと蜂蜜を入れさらに弱火で2分ほど煮る
・茶こしを使ってこしながらカップに注ぐ

デトックス効果抜群、体が温まりますよ。

ショプスカサラダ

ブルガリアの健康サラダ「ショプスカサラダ」はとても簡単に作れますよ。

用意するもの
・トマト 2個
・キュウリ 1本
・玉ねぎ 1/4個
・パクチーの葉 適量
・カッテージチーズ 100g
・オリーブオイル 大さじ3杯
・酢 大さじ3杯
・塩 小さじ1/2杯

下準備
・トマト ・・・ 1cm幅で輪切りにし、半分にカット
・キュウリ ・・・ 1cmの角切り
・玉ねぎ ・・・ 薄切りにし、水にさらす
・パクチーの葉 ・・・ 適当な大きさに切る

作り方
・ボウルにトマト、キュウリ、玉ねぎを入れ、オリーブオイルを入れてひと混ぜ
・酢を加えてひと混ぜ
・塩を加え、カッテージチーズを加えて混ぜ合わす
・器に盛り、上からパクチーの葉を散らす

カッテージチーズは最後に上にのせてもいいですよ。

トムヤムクン

有名なタイ料理「トムヤムクン」を簡単に作ってみましょう。

用意するもの
・トムヤムペースト
・海老
・マッシュルーム
・長ネギ
・水
・パクチーの葉

下準備
・海老 ・・・ よく洗い、殻のまま背中に切れ目を入れて背わたを取る
・マッシュルーム ・・・ 適当な大きさにスライスする
・長ネギ ・・・ 斜め切りにする

作り方
・鍋にトムヤムペーストと水を入れてよく混ぜ海老を入れて火にかける
・沸騰したら中火にしてマッシュルーム、長ネギを加え火を通す
・器に盛って、上からパクチーを添える

トムヤムペーストを使えばいつでも簡単に作れますよ。

海老とアボガドの生春巻き

パクチーのシャキシャキ感が楽しめる生春巻きです。

用意するもの
・海老 4尾
・アボガド 1/4個
・パクチーの葉 適量
・レタス 適量
・人参 適量
・キュウリ 適量
・ライスペーパー 4枚

下準備
・海老 ・・・ 殻をむいて背わたを取り、片栗粉を溶いた水で洗い、湯にお酒を少々入れて茹でる
・アボガド ・・・ 一口サイズに切る
・パクチーと野菜 ・・・ 食べやすいサイズに切る
・ライスペーパー ・・・ ボウルに水を入れてライスペーパーを浸し、少し柔らかくなったら(ちょっと固め)引き上げる

作り方
・平らなバットやまな板の上にライスペーパーを広げ、手前側に先ずは野菜を横長に並べ一周巻く
・海老とアボガドを並べ、最後まで巻く
・生春巻きを一口大にカットする

見た目も綺麗な生春巻きは、みんなの視線を釘付けにしますよ。

パクチーを自分で育てればさらに美味しい

いかがでしたか?
パクチーの栽培は思ったほど難しくありません。タネとペットボトルがあれば、場所を取らない水耕栽培もできるんです。

今がちょうどパクチーのタネの発芽温度。ぜひお家で栽培にチャレンジしてみてくださいね。