春から初夏のガーデンに植えたい!おすすめの花15選

ガーデニング愛好家にとって、一年で最も楽しみなのが春の庭なのではないでしょうか。育てやすい花ばかりだとちょっと物足りない…という方には、手頃な一年草ではなくじっくり育てる花もいいですね。春から初夏のガーデンに植えたい宿根草と一年草の中でも、見た目重視!の特におすすめの花をご紹介します。

クレマチス

壁面を飾ってくれるのがつる性の植物。中でも、品種や花の色も豊富なクレマチスは、ナチュラルな草花やバラとも相性ぴったり。キンボウゲ科のつる植物で、葉柄という葉がついている茎のような部分を近くにあるものに絡ませて成長します。トレリスやフェンスなどに絡ませて楽しみたい宿根草です。

クレマチスの自生種は300種ほどあるそうですが、テッセンは中国原産の原種の一つ。日本にもカザグルマやハンショウヅルなどの自生種があります。

花の形は風車型のフロリダ系、ベル型のインテグリフォリア系などさまざまな種類があり、さらにピンク、紫、青、白など花色も豊富。濃い紫色や白色の一重の品種は和風の庭にも違和感なく溶け込みます。さらに、一季咲きと四季咲きがあり、春先に園芸店でよく目にする大輪のフロリダ系は四季咲きです。

クレマチスは直根性のため移植を嫌います。場所をよく考えて植え付けましょう。植え付けたばかりの頃は頼りない雰囲気で花数も少ないですが、何年か経つうちに株も大きくなり壁面いっぱいの花を楽しめるようになります。特にモンタナ系はボリュームが出やすいので、壁面を花で覆いたいときなどにおすすめです。

ハゴロモジャスミン

やはりつる性のハゴロモジャスミン。モクセイ科の半常緑のつる植物で、4月~5月頃にかけて、強い甘い香りの白い花を咲かせます。つる植物なのですが、フェンスなどに勝手に絡まって育つわけではありません。他の植物などになんとなく絡まってもたれかかるように成長します。壁面をしっかり飾りたい場合は、誘引が必要です。

ハゴロモジャスミンは、0℃以上あれば屋外で越冬可能。氷点下になると枯れてしまうようですが、冬は度々氷点下になる茨城県でも地植えで元気に育っていました。ちょうど上に屋根があったので霜にやられなかったのかもしれません。寒さにはやや弱いのですが、寒さにあたらないと花芽をつけないという性質も。鉢植えの場合は霜が降りないほどほどの寒さ(3℃前後)に1カ月程あてて花芽形成を促しましょう。

ハゴロモジャスミンの魅力は何と言ってもその香り。葉もきれいなので、庭やエントランスのアプローチ沿いなどに植えるのがおすすめです。

シャクヤク(ピオニー)

低木のようにも見えるシャクヤク(ピオニー)はボタン科の多年草。冬の間は地上部が枯れますが、春になると新芽が出てぐんぐん育ち、大きな華やかな花を咲かせます。バラのような華やかさがあり、手入れも簡単。丈夫なうえ耐寒性も強いので、1株庭に植えておくと毎年花を楽しめます。

花色は、白や濃いピンク~淡いピンクまでさまざま。品種も多く、西洋シャクヤクはルノワールの絵に出てくるようなふんわり幾重にも重なった花びらが美しいものも多くゴージャス。

葉が大きく展開するので、育てるスペースには余裕が必要です。花のない時期も美しい葉がこんもり茂る姿は見ごたえがあります。水はけ、日当たりのよい場所に植えましょう。

ペラルゴニウム

春から初夏にかけて、鉢植えにすると華やかでおすすなのがペラルゴニウム。ゼラニウムの仲間で、フウロソウ科の多年草です。花も葉もゼラニウムとよく似ていますが、花は一季咲きでゼラニウムより華やかさがあり色合いも豊富。1種類だけでこんもりとボリュームのある姿を楽しめるので、寂しくなりがちな玄関先などに置いてもいいですね。

育て方はゼラニウムとほぼ同じ。日当たりのよい場所を好みます。乾燥気味の環境が適していて、高温多湿や真夏の直射日光がやや苦手。雨の当たらない場所で育てましょう。

オダマキ(アキレギア)

決して派手で目立つ花ではないけれど、複雑な色合いが魅力のオダマキ。大人っぽい色合いの花が、ガーデンや寄せ植えに深みを与えてくれる脇役です。

オダマキはキンポウゲ科の多年草で、色や咲き方の異なる多くの品種があります。八重のオダマキは華やかさがある一方で、一重のオダマキは茶花にも似合う凛とした雰囲気。うつむき加減に咲く姿は、和風の庭にも洋風の庭にもすんなりと溶け込みます。

日本の気候に合っていて半日陰でもよく育つので、落葉樹の下やシェードガーデンに植えるといいですね。

アスチルベ

穂のような形の花を咲かせるアスチルベ。ユキノシタ科の多年草で、5月~7月頃に開花します。花色はピンクや白、赤など。高さがあるので、なかなか見ごたえがあります。

和風、洋風どちらにも合い、半日陰でも日当たりの良い場所でも元気に育つ便利な植物。華やかさもあるので、背の低い植物の後ろ側に植えたり、アジサイなどと組み合わせてボリュームを出すのもおすすめ。切り花としても楽しめます。

オステオスペルマム

アフリカンデージーとも呼ばれるオステオスペルマム。一般に出回っているのはキク科の多年草です。花色は紫や白、ピンク、黄色など。アフリカンキンセンカとも呼ばれるディモルフォセカとよく似ていますが、ディモルフォセカは一年草です。

アフリカ原産なので暑さには強そうですが、実は耐寒性が強く高温多湿が苦手。庭植えの場合は落葉樹の下に植え、梅雨前にすっきりと刈り込んで風通しをよくします。鉢植えの場合は夏に半日陰に移動させるとよいでしょう。大きめの鉢植えにすればエントランスを華やかにしてくれます。

ミヤコワスレ

ミヤコワスレ(都忘れ)は、毎年花を咲かせるキク科の多年草。植えっぱなしでも元気に育つので、ガーデニング初心者さんにもおすすめです。

茶花として用いられていることや名前のイメージから「和風の花?」と思われがちですが、洋風の庭にも溶け込みます。花色は、濃い紫やピンク、淡いブルー、白など。開花期は4月~6月頃。野原に咲く草花のような風情が魅力です。

日当たりの良い場所でも半日陰の場所でもよく育つので、アプローチ沿いや玄関脇などに植えてもいいですね。真夏は日陰になる広葉樹の下もおすすめです。

ネモフィラ

ネモフィラは北アメリカ原産、ムラサキ科(ハゼリンソウ科)の一年草。国営ひたち海浜公園の丘を青いカーペットのように埋め尽くすネモフィラの姿を目にしたことがある方も多いのでは?

青空のような水色の花をつける”インシグニス”がよく知られていますが、黒っぽい紫色の花をつける”ペニーブラック”や白い花をつける”スノーストーム”など、シックな寄せ植えなどにも使いやすい品種もあります。

開花期は4月中旬~5月頃。こんもりと育つので、花壇の縁やアプローチ沿いに植えるほか、ハンギングバスケットや寄せ植えにもおすすめです。

イベリス(キャンディタフト)

白のほか、淡いピンクや濃いピンク色などの花色があるイベリス(キャンディタフト)。小さな花が集まって大きな花房になるアブラナ科の草花です。優しい雰囲気で、ナチュラルガーデンによく似合います。

切り花にも使われる一年草のイベリス・ウンベラータは花色も豊富。草丈も60cm程度になるので、背の低い草花と組み合わせるとよいでしょう。多年草のイベリス・センペルビレンスは耐寒性が強く、白花のほか藤色も。さまざまな品種があります。

ロベリア

春から初夏にかけて、小さな花を密集させて咲かせるロベリア。キキョウ科の一年草です。紫やブルーの花色がよく知られていますが、白、ピンク色などの花を咲かせる品種もあります。

こんもりと茂って花期も長いので、花壇の縁取りやハンギングバスケット、寄せ植えに欠かせません。高温多湿に弱く、暖地では梅雨の頃に枯れてしまいますが、冷涼な気候だと夏越しして秋にまた花を楽しめます。

ジギタリス

イングリッシュガーデンでおなじみのジギタリス。ベルのような花の形からキツネノテブクロ、フォックスグローブという別名も。葉だけの間は葉物野菜のような見た目ですが、花穂が伸びてくるとぐんぐん背が高くなります。紫系や白、ピンク、アプリコット色など優しい色合いの花は庭に植えるととても華やかです。

ゴマノハグサ科の多年草ですが、暑さに弱く夏越しが難しいため、春に種をまいて翌春に開花する2年草として扱います。東北や北陸地方、北海道など冷涼な気候では秋まきで大株に育つようです。環境が合えばこぼれ種でもよく増えます。

ジャーマンアイリス

黒っぽい紫色や淡いアプリコット色、ラベンダー色の複色など、華やかでおしゃれな色合いの花が多いジャーマンアイリス。花色が豊富でレインボーアイリスとも呼ばれます。アヤメ科の球根植物で、ヨーロッパで品種改良により作られた園芸品種。あまり手間もかからず丈夫なのでおすすめです。

紫色の花をつけるカキツバタや花菖蒲などもアイリスの仲間ですが、これらが湿地で生育するのに対し、ジャーマンアイリスは乾燥した環境を好みます。

花の時期は5月頃。庭に植える際は、水はけと日当たりの良い場所に植えましょう。植え付けは9月~10月頃。根茎が見えるくらい浅く植え付け、数年に一度株分けします。

マーガレット

白やピンクの花びらに中央が黄色のマーガレット。かわいらしい草花のようですが、実はカナリア諸島原産のキク科の常緑低木です。開花期は4月~5月頃。日当たりの良い場所で、やや乾燥気味に育てるとよいでしょう。

剪定せずに育てると、だんだん茎が木質化してきます。花後は半分程度の高さまで切り戻して新しい芽を伸ばします。根詰まりしやすいので、鉢植えは毎年植え替えるのがベスト。見ごたえのある大株に育てることも可能です。

ペチュニア

春から夏のコンテナやハンギングバスケットに欠かせないペチュニア。初心者さんでも丈夫で育てやすいナス科の一年草です。

ペチュニアは、鮮やかな色からシックな色まで花色が多いのが魅力。切り戻しをしながら育てるとこんもりとよく茂ってボリュームが出るのも嬉しいですよね。特に大輪八重咲きの品種はバラのようでとても華やか。毎年多くの新品種が出るのも楽しみです。
春から初夏にかけて庭やコンテナで楽しみたい花は、他にもまだまだたくさんあります。スペースがあればいろいろ植えたいところですが、そうもいきません。多年草の花が咲く時期に合わせて一年草の色をコーディネートすると、雰囲気もガラッと変わります。お気に入りの多年草と組み合わせつつ、一年草で庭のイメチェンをするのも楽しいですね。