オリーブに実をつける方法。せん定や挿し木のコツとは

オリーブといえば、オリーブ油など毎日料理に使っているという方も多いのではないでしょうか。オリーブはヨーロッパの地中海地方のように、温暖で日当たりのよい場所を好みます。また、オリーブは枯れることが少ない丈夫な植物です。庭や家の中でも育てられるので、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

オリーブを育てるのは難しい?

オリーブとはどんなイメージがありますか?園芸店などでよく見かけますが、大きいものは値段も高く購入を迷ってしまう方もいるかもしれません。しかし、オリーブを育てるには大きく育ったものを買う必要はありません。小さな苗からでも簡単に育てることができます。

特にオリーブは頻繁に手入れをしないと枯れてしまうということはありません。とても丈夫な植物です。ただし、ほどほどに手入れをしないと大きく育たなくなったり、実がつかなくなったりすることもあります。この機会に、オリーブの木を育ててみませんか?お庭や、家の中にあるだけでとても存在感があります。

オリーブの品種はどれくらいあるの?

オリーブの品種は、とても数が多く1000種類以上あるといわれています。黒くてコロンとしたオリーブを想像する方も多いかもしれませんが、若い緑色のもの赤色のものなどさまざまです。オリーブの中でも実のつきやすいもの、育てやすいものなどがあります。

日本でよくみかける代表的なオリーブの種類

・ルッカ
原産国はイタリアで、小粒タイプのオリーブです。日本では主に小豆島で多く作られており、オイルをとるのにもっとも適している品種です。オリーブは2本同時に育てないと実がつきにくいものもありますが、このオリーブは1本でも実をつけやすい品種です。

・カヨンヌ
原産国はフランスで、中型サイズのオリーブです。他のオリーブに比べて早く花がつき、実をつけます。実がたくさんできやすく、やわらかいため実を加工して食べる「テーブルオリーブ」に向いています。

・エル グレコ
原産国はギリシャで、小粒タイプのオリーブです。オリーブの木は育てていくといびつな形になるものも多いのですが、このエル グレコはまっすぐに育つ直立型でまとまりやすいオリーブです。実が小さくたくさんつくので、観賞用に向いています。

季節ごとの手入れ方法

オリーブはそれほど手がかからない植物ですが、手入れをしているとさらに良く育ち実がつきやすくなります。季節ごとの手入れ方法を紹介しますので、これからオリーブを育てようと思っている方は参考にしてみてください。

春は小さな花をたくさん咲かせ、見た目も自然でかわいらしい様子を楽しめます。3月から4月に苗を植えたあとは、地面が乾いたらたっぷりと水をあげるようにしましょう。5月から6月の間は花を咲くのと同時に、新芽が増えていきます。肥料は花芽が育ちやすいように、液体肥料を1ヶ月に1度は与えるようにします。

花が咲き始めると授粉の時期になります。1本でも実がなるオリーブもありますが、できれば違う品種のオリーブを育てるとさらに実がつきやすくなります。

6月を過ぎると、緑色の実をつけはじめます。6月にはまた肥料を与え、水やりも土が乾いたらたっぷりと与えるようにしましょう。この実は、6月から9月頃までつき少しずつ大きくなっていきます。8月には緑色から少しずつ赤い色に近づきだします。梅雨から夏の間は虫がつきやすい季節なので、害虫対策もしっかりとしておきましょう。特に7月から11月までは水をたっぷりと毎日与えるようにします。

9月を過ぎると育っていた実が徐々に赤くなりはじめ、11月を過ぎると赤くなります。11月から12月は収穫時期です。観賞用であれば、そのままにしておくと実が少しずつ落ちていきます。秋にも、粒状の緩やかに栄養を与える肥料を与えておきましょう。

冬の間はオリーブにとって休眠期で特に手入れは必要ありません。水やりも週に一度程度あげます。冬の寒い時期や雪などが降っている時期は避け、昼間の暖かい時期に水をあげるようにしましょう。特に寒くなりすぎると、枯れてしまうこともあります。温度が低い場所に住んでいる方は、鉢植えで育て家の中にいれておくという方法も考えておきましょう。

また、木のせん定は一年中行えますが、特に1から3月の間におこなうといいでしょう。適切に行っておくと、新たな芽や実が育ちやすくなります。

知っておきたいオリーブを育てるときの注意点

水はけのよい土を選ぶ

オリーブは水やりが大切ですが、湿気が苦手なため水はけのよい土に植えることが大切です。
鉢植えの場合
まず鉢底石を入れたあとに、培養土に赤玉土などの小粒を入れ、土に隙間を与えるようにします。
地植えの場合
土に空気をいれるようにしっかりと混ぜ、堆肥をいれます。地植えの場合も、土が固くなりだしたら赤玉土などを入れるようにします。腐葉土や石灰なども混ぜておくとよいでしょう。

葉が黄色になったら、栄養が不足している可能性があります。オリーブ専用の肥料などをいれておくようにしましょう。

花が咲いている時期は水やりを忘れない

オリーブは手入れをしなくても枯れにくい植物ですが、水やりは必要です。特に花が咲き始めたころから実がつきはじめるころは、水をしっかりと与えておきましょう。鉢植えの場合、乾燥しやすいので、春から秋にかけては土の表面が乾いたら水をしっかりと与えるようにします。

日当たりのよい場所で育てる

暖かい場所で育つ植物なので、日当たりがよい場所に植えるようにします。夏の直射日光は強すぎるので、適度に日当たりがよく風通しのよい場所で育てるようにしましょう。

オリーブに実をつける方法

比較的育てやすいオリーブですが、手入れをしていないと実がつきにくいことがあります。実をたくさんつけるにはどのような点を注意すればいいのか紹介していきます。

2つ以上の品種を近くで育てる

オリーブは1本でも実をつける品種もありますが、できるだけたくさん実をつけたい場合、2種類以上のオリーブを近くで育てるようにしましょう。風や虫が自然授粉させてくれることもありますが、自分で2つのオリーブの花を近づけて授粉するとさらに実が多くつきます。

新しく出た芽がついた枝はせん定しない

せん定は年中可能ですが、春から夏にかけての時期は注意が必要です。特に芽が出て花が咲いた後は小さな実をつけます。この時期にせん定してしまうと、せっかく実になろうとしている枝が減ってしまいます。せん定をおこなうのであれば、できるだけ冬の間におこなうようにしましょう。

花がつく時期は雨に注意する

オリーブの花が咲きはじめる時期は、梅雨に入り雨の日が続くことが考えられます。せっかく咲いた花が雨や風により散ってしまうと実がつきにくくなります。もし雨が降ったら鉢植えの場合、家の中に移動したり、地植えの場合はビニールや小さな網目の網などで保護したりするようにしましょう。ただし、オリーブは過湿を嫌うので長い間かぶせないようにすることも大切です。

オリーブは食べるだけでなく見て楽しむこともできる

オリーブを育てるときの注意点や実をたくさんつける方法についても紹介しました。想像していたよりは、育てられそうと思った方もいるのではないでしょうか。特に毎日手入れが必要という訳ではなく、花や実がつく時期以外は頻繁に手入れの必要もありません。

オリーブを収穫したら、塩漬けやハチミツ漬けなども楽しむことができます。また大きく育てばシンボルツリーとしても楽しめるので、観賞用として育ててみてもいいでしょう。毎年花や実をつけるには、ちょっとした手入れが大切になるので、季節ごとにどのような手入れが必要なのかチェックしておきましょう。