適期を逃さずに植え付けよう!夏野菜から秋冬野菜への衣替え

まだ夏真っ盛りの8月、そろそろ秋冬野菜の種まきや植え付けが始まります。収量の落ちてきた夏野菜は早めに片づけ、秋冬野菜に菜園を衣替え。早めの準備と適期の植え付けが、秋冬野菜の収穫を左右します。時期を逃さないで種まきや植え付けをしましょう。

秋冬野菜の作付計画は早めが正解

8月になったら秋冬野菜の計画を

8月中旬になると夏野菜の収穫もそろそろピークを過ぎてきます。ナスやピーマン、シシトウのように、まだまだ勢いがあり収穫が続く野菜がある一方で、トマトやキュウリなど収量が減ってフェードアウトする野菜もでてきます。

収量が減り実が小さくなったり葉が黄色くなってきた野菜は、「もう少し採れるかも…」といつまでも置いておくのはNG。いつまでもそのままにしておくと秋冬野菜の準備が遅れてしまい、弱ってきた植物には病害虫も発生しやすくなってしまいます。次に備えて早めに片づけ、秋冬野菜を植え付ける準備を始めましょう。

秋から冬にかけて収穫できる野菜は、種まきや植え付けが1週間遅れると、収穫が1カ月遅れるともいわれます。場合によっては十分成長せずに収穫できなくなることも。
秋から冬にかけてはどんどん気温が下がっていくため、気候の良い時期にどれだけ大きく育つかが勝負!種まきと定植の適期を逃さないようにしましょう。

家庭菜園の土作りをしておきましょう

夏野菜を栽培していた土に、そのまま次の野菜を植えると育ちが悪くなってしまいます。苦土石灰や肥料散布の期間を考え、植え付けの2週間前までに夏野菜を片付けましょう。
夏野菜を片付けた後、土の中に太い根が残っていれば掘り起こして処分します。1㎡当たり100g~200gの苦土石灰をまき、よく混ざるように深さ30cm程度まで耕すとフカフカの良い土になります。

苦土石灰散布後、1週間ほどおいて化成肥料をまき再び耕しましょう。1週間程度経てば種まきや植え付けをすることができます。

プランター栽培の場合は新しい土を買ってきて使用すればOK。こちらは手軽に夏野菜から秋冬野菜にチェンジできますね。

暑い時期の種まきと定植で注意することは?

気温の高い時期の種まきと定植。気をつけることは、暑さと乾燥、そして害虫です。
特に、秋冬野菜に多いアブラナ科の植物は青虫の大好物。害虫対策を怠ると、小さい苗はあっという間に丸坊主になってしまいます。

虫を防ぐには初期対策が大切です。種まきや定植をしたらすぐに防虫ネットをかけ、害虫が入らないように予防しましょう。たまに、ネットの中で虫の卵がかえってしまうことがあるので、ネットの中に虫がいないか時々チェックしておくのも忘れずに。

防虫ネットや寒冷紗は夏の直射日光と暑さ対策にも有効です。

ダイコン

ダイコンの種まき時期は?

冬野菜の代表といえばダイコン。家庭菜園では青首ダイコン、プランダーではミニダイコンがおすすめです。ダイコンは発芽後に植え替えはできないため、ポット苗は売られていません。育てたい場所に直に種をまいて育てます。

種まきの適期は、8月下旬から9月いっぱい。早めにまけば10月下旬には収穫できます。低温に強い野菜ですが、種まき時期が遅れると十分育たないうちに気温が低くなってしまうので、時期を逃さずに種をまきましょう。

品種の選び方

病気に強く育ちやすい品種も多く販売されています。園芸店で好みの品種を選びましょう。できるだけ早く収穫したい!という人は、種まきから収穫までの期間が短い品種を選ぶとよいでしょう。

プランター栽培できる?

ミニダイコンはプランターでも栽培可能。大型で深めのプランターが栽培に適しています。培養土の袋などでも栽培できるので、置き場所に合わせて選ぶとよいでしょう。

家庭菜園では、土を深めに耕しておきます。土中に小石などの障害物があると根が二股に分かれてしまうので取り除いておきます。

育て方

種は筋蒔きにします。種をまいた後は覆土1cmほどで軽く押さえ、発芽まで土の表面が乾かないように管理します。

発芽したら間引きしながら育てます。間引きの際に、残す株の根を傷つけたり一緒に抜いてしまったりということを防ぐため、間引きする株を根元からハサミでカットするとよいでしょう。残す株は生育の良いものを選び、本葉4~5枚で1本立ちになるようにします。
ダイコンは葉が大きく広がって育つため、通常サイズのダイコンの場合、最終的に20cm以上株間があくようにしましょう。

ダイコンは肥料を多く必要とする野菜。そのため肥料切れには注意が必要です。立派なダイコンを収穫するために、2回目の間引き以降、間引きごとに追肥を行います。肥料は固形の化成肥料を使用します。

収穫時期はダイコンの首で判断。成長するにつれダイコンの首の部分が土の上に出てくるので、首の太さを見て収穫します。太くなりすぎるとすが入ってしまうので、ほどほどで収穫するのがポイントです。

病気に強い品種を選べば、病気はある程度予防できます。害虫による食害は防虫ネットで予防しましょう。

白菜

白菜の種まき時期、植え付けは?

8月下旬になったら種をまきます。目安は8月20日頃。冷涼地では8月上旬、中間地で8月中旬、暖地では8月下旬頃から種まきができます。
苗の植え付けは9月上旬以降に行います。冷涼地では遅くても9月中に、それ以外の地域でも10月上旬には植え付けを終わらせましょう。早めに植え付けをすれば11月頃から収穫できますよ。

家庭菜園などでたくさん栽培するという時は種から育てるとよいですが、ベランダや庭先でプランター栽培をする場合は苗を買ってくるのがおすすめ。虫や虫の卵がついていないかよくチェックして、良い苗を購入しましょう。
大きく育った苗のほうがお得な感じがしますが、本葉が多すぎる場合は苗の根付きがあまりよくありません。本葉4~5枚の苗がベストです。

品種の選び方

初心者におすすめの白菜は、プランターでも手軽に育てられるミニタイプの品種です。ミニサイズなら普通の大きさのプランターに3~4株植えることができ、植え付けてから40日ほどで収穫できます。

育て方のポイント

白菜は結球するまでば大きく葉を広げた状態なので、株間は広めにとっておくことをおすすめします。

栽培時に気をつけたいのは虫の被害です。虫害を防ぐために、種まきや植え付けと同時に防虫ネットを忘れないようにしましょう。もし虫を見つけた場合はすぐに駆除することも大切です。

ジャガイモ

ジャガイモの植え付け時期は?

春に収穫するイメージの強いジャガイモですが、秋植えすると冬前に収穫することができます。

種イモの植え付け適期は8月下旬~9月上旬の2週間ほど。この時期を逃さずに植え付けると11月~12月頃にはジャガイモ掘りが楽しめます。

ジャガイモは種イモから

ジャガイモは種や苗ではなく、種イモを植え付けて育てます。食用に購入したジャガイモも種イモになりますが、時期になるとホームセンターなどでウイルス病などの検査に合格した種イモが売られているので、それを購入して育てるほうがよいでしょう。
早めに購入したイモをよく日光に当て芽を育てておくと発芽が良くなります。

プランターでも栽培できる?

プランターでも栽培できるので、ジャガイモ栽培未経験という人もチャレンジしてみるとよいでしょう。
ジャガイモ栽培に向いているプランターは、深めの大型サイズ。培養土の袋などでも栽培できます。

家庭菜園の場合はよく耕して土作りを終わらせておきます。

育て方のポイント

春植えの場合は芽がついた種イモを切り分けて植えますが、秋植えの種イモは腐りやすいのでそのまま植え付けます。小さめサイズの種イモのほうが成長が良いようです。

植え付けの際はイモの間隔を20~30cmほどとりましょう。植え付け後は水やりを行います。その後は、土が乾いたら水やりを行いますが、どちらかというと乾燥気味のほうがイモが腐りにくくなります。

1つの種イモから芽がたくさん出ますが、芽が多いと小さな実がたくさんついてしまいます。大きなジャガイモを収穫したい場合は、植え付け後1カ月ほど経ったら、勢いの良い芽を2本ほど残して残りを引っ張って取りましょう。
この時に追肥も行い、新しい土を足します(まし土)。これは、実が日光の影響で緑色になってしまうのを防ぐためにも必要な作業です。

花が咲いた後、葉が黄色くなってきたらいよいよ収穫です。晴れた日が続き土が乾燥している時に収穫しましょう。

フダンソウ(スイスチャード)

フダンソウの種まき時は?

真冬以外であれば時期を選ばずに栽培できるフダンソウ。別名をスイスチャードとも言います。見た目も鮮やかなスイスチャードはプランターにも庭にもおすすめ。赤や黄色のカラフルな葉は、色味の少ない家庭菜園を鮮やかに彩ってくれます。

フダンソウの生育適温は15~20℃なのですが、夏の高温時もよく育つ貴重な葉物。乾燥や病害虫にも強く、ベランダ栽培にも向いています。多少日当たりが悪いベランダでもよく育つ野菜です。
たくさん育てる場合は種から、少しだけ育てたい場合は園芸店などで苗を買ってくるとよいでしょう。

育て方のポイント

フダンソウは育つとかなり大きくなる葉物野菜なので、プランターは標準サイズか大型サイズがおすすめです。

フダンソウの種は、一晩水に浸してからまくと発芽がそろいます。種は筋蒔きか点蒔きにします。プランターでは筋蒔きがよいでしょう。種まき後は発芽まで土が乾かないように管理します。

発芽したら、適宜間引きをして丈夫に育てます。追肥はそれほど必要ありませんが、プランター栽培では1週間に1回程度、液肥を与えると良いようです。

収穫は種まきから30~45日程度。外側の大きい葉から使うたびに収穫していくと長く収穫が楽しめますよ。

小松菜

小松菜の種まき、植え付けは?

ほぼ1年中栽培できる小松菜。種からまけば、間引きしながらベビーサラダにも利用できるおすすめ野菜です。初心者さんは、作りやすい秋まきで挑戦しましょう。
プランターでも育てやすいのでベランダ菜園にも向いています。

少しずつ時期をずらして種をまくと、収穫時期がずれて長く楽しめます。
小松菜の発芽適温は15~35℃。夏の暑い時期でも容易に発芽します。生育適温は20~25℃なので、少し涼しくなってきた頃が生育に最適。種をまいてから約1カ月ほどで収穫できますよ。

育て方のポイント

プランターは普通のサイズでも、小型サイズでも大丈夫です。少量の場合は植木鉢でも栽培できるので、スペースに合わせて選びましょう。
種はすじまきすると間引きしやすくなります。種をまいたあとは薄く覆土して、芽が出るまで乾燥させないように注意しましょう。

発芽がそろったら1回目の間引き、本葉3~4枚で2回目の間引きをします。追肥は液体肥料で十分です。固形肥料の場合は、2回目の間引き後に追肥します。

虫害を防ぐために、防虫ネットで覆って育てましょう。病気を防ぐために、風通しの良い軒下など雨の当たらない場所の栽培が向いています。ベランダ栽培にぴったりですね。
夏野菜から秋冬野菜へのチェンジは8月頃から始まります。適期を逃すと極端に生育が悪くなり収穫できないこともあるため、時期を逃さず種まきや植え付けをしましょう。