簡単ですぐに使える!キッチンガーデンを始めてみませんか?

庭先やベランダから、ちょっと野菜やハーブを取ってきてお料理に…そんな生活、あこがれませんか?「野菜作り」と思うと大変だと感じるかもしれませんが、薬味用やサラダ用の野菜作りは初心者でも意外と簡単。初めてでもすぐに栽培できる野菜やキッチンハーブの育て方・選び方をご紹介します。

準備と種まき・植え付け方法は?

コンテナで野菜やハーブを育てる時に用意するもの

まずは、コンテナ栽培に向いた野菜やハーブを育ててみましょう。用意するものは、花を育てる時に使用するもので大丈夫。ただ、ミニトマトやししとうなど高さがある野菜を育てる場合は、少し深めの野菜用コンテナを用意しましょう。

■用意するもの
 ・野菜用コンテナまたは大きめの鉢
 ・培養土
 ・鉢底石
 ・肥料
 ・野菜の苗または種
 ・虫がつきやすい野菜の場合は防虫ネットと支柱など
 ・支柱(ミニトマトなどを育てる時)

必要なものを用意したら、さっそく植え付けや種まきを行いましょう。

種まき&植え付け

コンテナ又は鉢の底に鉢底石を敷き、その上に培養土を入れます。全体に平らになるように表面をならし、種をまきます。
筋まきの場合は、割りばしで2~3列、線を引くようにくぼみを作り、そこに種をまいていきましょう。ばらまきの場合は、全体にまんべんなく種をまきます。

種をまき終わったら軽く土をかけ、種が流れないようにじょうろで優しく水をやりましょう。土全体に水が行き渡り、下からきれいな水が流れ出てきたら水やりは十分です。発芽まで乾かさないようにしてくださいね。発芽後は間引きをしながら育てていきます。

買ってきたポット苗やプラグ苗を植え付ける場合は、苗と苗の間隔を十分にあけて植え付けていきます。
苗の土とコンテナの土がしっかりと密着するように上から軽く土を押し付け、隙間があるようだったら割りばしを使って隙間に土を落とし込むようにしましょう。植え付けた後はたっぷりと水をやってくださいね。

置き場所は?

たいていの野菜は日なたを好みますが、シソなどは半日陰のほうが葉が柔らかく育つので食べたときにゴワゴワしません。
日が良くあたる場所には日光を好むトマトやバジル、ハーブ類など、半日陰の場所にはシソや細ネギなどを置くのがおすすめです。

あると便利!おすすめのキッチンハーブ~春・夏~

青紫蘇

キッチンガーデンにあると便利なシソ。ちょっとした薬味にしたり、料理に使ったり。いつでも好きな時にシソを使えるのは嬉しいですよね。

シソをたくさん育てたいときは種から育てるのがおすすめ。初心者がまいてもよく発芽します。一株が大きくなるので、少しあればよいという場合は苗を買ってきて植えるとよいでしょう。
種はばらまき、筋まき、どちらでも大丈夫。間引きながら薬味に使っていく方法であれば、せっかくでた芽も無駄になりません。少し大きくなってきたら半日陰で柔らかい葉を育てましょう。

シソは毎年こぼれ種で育つぐらい丈夫です。ただ、香りには個体差や品種の差もあるので、香りの強いものを残し、あまり香りのしないものは抜いてしまったほうがよいかもしれません。

スイートバジル

夏の定番にもなっているバジル。毎年育てるという人も多いのでは?
バジルは種からでも簡単に育ちます。種はばらまきにして、薄く土をかぶせておきます。発芽気温が高いので、まだ肌寒い時期に種をまくときは、室内に置いたりペットボトルをカットした簡単温室をかぶせたりして保温してください。

収穫量を増やすために、本葉が何枚か出て少し育ってきた頃、中心の芽の部分をカット(摘芯)してたくさん枝分かれさせましょう。この方法だと、収穫するたびに枝分かれするので収穫量も増えていきますよ。適宜間引きも忘れないようにしてくださいね。

バジルは日当たりの良い場所で、たっぷり水と肥料をあげて育てましょう。
トマトのサラダやパスタ、ピザ、豚肉の炒めものなどにもおすすめです。

パセリ

わざわざ買ってもあまりがち。パセリをちょこっと使いたいときに、庭先やベランダから摘んできて使えるのはとっても便利です。一株か二株あれば、ちょっと使いたいという時には十分。パセリは苗を買ってくるとよいでしょう。

買ってきた苗は大体3号ポットに植えられています。それよりも一回り大きめの鉢に植え替えて育てましょう。収穫は外側の葉から。そうすればどんどん内側から新しい葉が出てきて長く使えます。

ミント

デザートをおしゃれに見せたい…そんな時に添えるだけで一気にカフェのデザートに早変わりする便利なハーブがミントです。さわやかな香りがするので、植えておくだけでも癒されます。
ペパーミントやスペアミント、アップルミントなどいろいろな種類がありますが、どれも湿り気の多い土を好みます。小さめの柔らかい葉にしたいときには、半日陰で育てましょう。

地下茎でどんどん広がるので、地植えすると庭中がミントだらけになってしまう、なんてことにも。コンテナや鉢で栽培するのがおすすめです。
料理だけでなく、一枝摘んできてテーブルや洗面所に飾ってもいいですね。

via Kaoru Sakamoto

チャイブ

ネギのようなハーブ、チャイブ。一株あると、ちょっと薬味が欲しいときに便利です。
チャイブは苗・種ともに育てやすいですが、夏の暑さに弱いので明るい日陰に置いてあげましょう。
紫色のかわいい花は花壇にもおすすめです。

ベランダでも簡単に育てられるサラダ用野菜~春・夏~

ベビーリーフ(ミックス)

ベビーリーフ用の種とは、さまざまな葉物の種が混ざったもの。買ってきてまくだけで、簡単にサラダ用のベビーリーフを栽培できます。コンテナや大きめの鉢にばらまきし、薄く覆土して水をあげれば大丈夫。

春から夏にかけての葉物には虫がすぐに寄ってきます。気になる場合は、種をまいてすぐに防虫ネットをかけておきましょう。アーチ型の支柱を利用して上からネットをかけ、洗濯ばさみで止めておくと簡単です。

発芽したら間引きながら育てます。間引いたものもサラダに利用してくださいね。
ベビーリーフなら短期間で収穫できるので、キッチンガーデンにぴったり!1~2週間時期をずらしてまいておけば、次々と収穫できます。

ルッコラ(ロケット)

サラダにもおひたしにも、パスタやピザにもおすすめのルッコラ。スーパーなどでは手に入りにくい野菜は、自分で育ててしまいましょう。

春先、コンテナに種を筋まきして育てると何日かで発芽します。同じ時期にまいた種はいっせいに収穫適期を迎えてしまうので、1週間ずつずらして3列くらいまいておきましょう。しばらくの間楽しめます。発芽後、混みあったところは生育のよい芽を残して何度が間引きを行います。

ルッコラは日当たりの良い場所に置くとよく育ちますが、葉が固くなりすぎる場合は半日陰で育てるとよいでしょう。虫がつきやすいので、防虫ネットをかけておくと安心です。ネットの中に虫が入ってしまった場合はネットを外してくださいね。

二十日大根(ラディッシュ)

その名の通り、種をまいてから約20日で収穫できる二十日大根。初心者さんでも失敗なく作れるためおすすめです。

二十日大根は、培養土を入れたプランターに買ってきた種をすじ蒔きして育てます。
本葉が出たら間引きを繰り返し、最終的には直径2~3cmほどの二十日大根が無理なく育つ程度の間隔まで広げます。地面から二十日大根が丸く飛び出したように成長するので、ほどよい大きさになったら収穫しましょう。

もっと大きくなあれ!と欲張って収穫が遅れると、二十日大根がひび割れたりすが入ったりして味が落ちてしまうので、ほどほどの大きさで収穫するのがおすすめです。サラダに使うほか、ピクルスにもどうぞ。

スイスチャード(フダンソウ)

あまり気候を選ばずに、真冬以外は簡単に育てることができるスイスチャード、日本名はフダンソウ(不断草)。育てやすく初心者さんにもおすすめの葉野菜です。赤や黄色、緑色のカラフルな葉が見た目にも華やかで、キッチンガーデンを鮮やかに彩ってくれます。

スイスチャードの種まきの時期は4月中旬頃~10月上旬頃。葉物が少ない夏場にもすくすくと育つ便利な野菜なのです。比較的大きめの種なので、一晩濡らしたキッチンペーパーでくるんで吸水させてからまくと発芽がそろいます。

スイスチャードは大きく育つので、筋まきでも点まきでもどちらでも大丈夫。点まきの場合は、一カ所に3~5粒ほど種をまき、1cm程度覆土します。生育がよいものを残して最終的には1本立ちにすると大株に育ちます。
筋まきの場合は、割りばしなどですじをつけたところに種をまき、1cmほど覆土。芽が出てきたら間引きながら育てていきます。間引いた芽はベビーリーフのサラダなどに入れましょう。

収穫できる大きさに育ったら、外側の葉からはがすように収穫していくと長く楽しめますよ。おひたしや油炒め、サラダにも。

リーフレタス

意外と栽培が簡単なのが、結球しないタイプのリーフレタス。種をまいてもいいですが、そんなにたくさん育てないという場合は苗を買ってきましょう。

収穫する際は外側の葉から採っていきましょう。ハサミを使って根元で切り取ります。このように収穫するメリットは、長く楽しめること。毎日、採れたての野菜でサラダを作る贅沢が味わえます。

細ネギ

お店で買ってくる細ネギ、根がついていることが多いですよね。新鮮な細ネギの場合は、これを栽培することができるのでやってみてください。

根の部分から茎を3~4cmつけたままカットして土に植え付けておくと、そこから次の葉が伸びてきます。少しだけ薬味として使いたい…というときには十分利用できるので、プランターの隅にでも植えておくといいですよ。

ミニトマト

ベランダでも栽培できて長く収穫を楽しめるのがミニトマト。真っ赤に熟したものを採ってすぐのおいしさは格別です。
ミニトマトは、種をまくよりも苗を買ってくるほうがよいでしょう。購入するときは、病気にも強い接ぎ木苗がおすすめです。さまざまな品種が出ているので、食べてみたい品種を選んでください。ゴールデンウイーク前後に苗が売り出されます。この頃に植え付ければ、夏前頃からたくさん実をつけ収穫できます。

ミニトマトは根が張るので、深めの野菜用コンテナや鉢を用意します。栽培中はトマト用の肥料も忘れずに。
背が高くなると倒れてしまうので、鉢に支柱をさしておき、成長に合わせて倒れないように結びつけます。自然に寄りかかって倒れないようにできているらせん状の支柱などもあるので、結びつけるのが面倒という場合は利用してみるとよいでしょう。

大玉トマトの場合は脇芽をすべて摘み取りますが、ミニトマトの場合は脇芽を多少残しても大丈夫。神経質になることはありません。勢いのある脇芽は、切り取って株のそばに指しておくと簡単に根付きます。

まとめ

コンテナや鉢でも簡単に育てられるハーブや野菜を挙げてみました。レタスやスイスチャードなどの葉物は根元から株ごと切り取ってしまう収穫方法もありますが(お店で売っているものはこのように収穫しています)、葉の外側から1枚ずつ切り取って収穫すると長く楽しめます。

他にも、ハーブだったらタイムやローズマリーなども料理に使いやすく便利です。野菜はスペースがあればいろいろ挑戦してみてください。初心者でも育てやすく虫がつきにくいししとうやモロヘイヤなどもおすすめです。
キッチンでスプラウトを育てたり、買ってきたハーブが余ったら水に挿したり、自分なりの楽しみ方でハーブや野菜を育ててみてくださいね。