ラズベリーやブラックベリーを育ててみよう!使い方もご紹介

北欧の庭でよく見られるベリー類。育てて収穫できる植物って楽しみも倍増しますよね。そんなベリーの中でも、庭やプランターでも育てやすく、ジャムなどに使いやすいラズベリーやブラックベリーの育て方、使い方などをご紹介します。

北欧気分!育てて使えるラズベリーやブラックベリーがおすすめ

食べられる実がなる植物を育てたい!という人におすすめなのがベリー。イチゴやブルーベリーを育てているという人も多いのではないでしょうか。収穫してそのまま食べるだけでなく、お菓子やジャムなどに使えるのが嬉しいですよね。

ベリーの中でも、ラズベリーやブラックベリーなどのいわゆる「木苺」は、丈夫で育て方が簡単なのが魅力!庭がなくても大丈夫。鉢植えで育てられるので、ベランダでも手軽に栽培できます。病害虫にも強くほぼ無農薬で簡単に育てられるので、ガーデニング初心者さんにもおすすめです。

ラズベリーの基礎知識

ラズベリーとは?

ラズベリーは、バラ科キイチゴ属の落葉低木。フランス語のフランボワーズとはラズベリーのこと。スイーツでよく耳にしますよね。赤く熟した実は甘酸っぱく、そのまま食べてもジャムやお菓子にしてもOK。

ラズベリーの原産地はヨーロッパや北アメリカなど。日本にもラズベリーの仲間は自生していて、世界中に数多くの原生種があるのだとか。

ホームセンターや園芸店で、品種改良されたさまざまな品種が手に入ります。一季なり性と二季なり性があり、二季なりの品種は6月頃と10月頃の2回収穫できます。

基本的な性質

毎年トゲのある枝(シュート)を伸ばし、白い花の後で赤い実ができます。樹高は1mほどですが、それほど高くならないことも。直立するというよりは、枝が少ししなるようなカーブを描いて伸びます。

耐寒性・耐暑性ともに強く、病害虫の被害もほとんどないので、あまり手をかけずに育てられるのが魅力。地下茎で拡がり次々と枝を伸ばすので、気がついたら花壇一面からラズベリーが生えているということも。
生垣のように仕立てることも可能です。日当たりの良いベランダでも栽培できます。

ハーブとしてのラズベリー

ラズベリーは、ヨーロッパでは古くから家庭薬として使われてきました。ハーブが薬として用いられていた中世には、すでに広く栽培されていたようです。

ハーブとして使用されるのは、ラズベリーの葉の部分。乾燥させてハーブティーとして用いられます。妊娠中に穏やかな気持ちになるハーブとして使われ、「妊婦のハーブティー」とも呼ばれるそう。母乳の出をよくする働きもはるのだとか。ただ、妊娠中の使用には、飲みすぎないように気をつける必要もあります。
ラズベリーリーフのハーブティーには収れん作用もあり、濃い目のハーブティーでうがいをするとのどの痛みが和らぐと言われています。

食品としての効用

ラズベリーの実には、ビタミンEやポリフェノールなどの成分がたっぷり含まれています。ビタミンCやカリウム、鉄分も豊富。さらに、ラズベリーに含まれているラズベリーケトンという成分には、脂肪燃焼効果も期待できるのだそうです。美容によさそうですね。
そのまま食べるほか、スイーツやジャム、ワイン、ビネガー、料理にも使われます。

ラズベリーの育て方

苗の入手

まずはホームセンターや園芸店、通販などで苗を入手しましょう。6月頃に収穫できる一季なり性と、6月頃と10~11月頃の2回収穫できる二季なり性の品種があります。

植え付け時期

苗の植え付けは9月~3月頃に行えます。株分けの適期は12月~2月頃です。鉢植えの株を植え替える場合も新芽が出る前に行いましょう。ただ、幼苗は寒さで弱ることもあるので3月頃の植え付けが安全です。購入したポット苗は根鉢を崩さずに植え替えましょう。

栽培に適した場所

日当たり・水はけの良い肥沃な場所を好みますが、やせ地でも育ちます。耐寒性・耐暑性ともに強いのですが、どちらかというと涼しい気候の方が得意。関東より西の地域では、夏の直射日光や西日があたらない場所で育てるとよいでしょう。

肥料

新芽が出る前、2月~3月頃に施肥します。夏と秋の収穫後にも肥料を与えましょう。有機質肥料を11月~12月頃、寒肥として与えます。

収穫時期と収穫方法

実が赤く熟してきたら収穫時期。品種によって多少異なりますが、一季なりで6月~7月頃。二季なりで6月頃と10~11月頃に収穫できます。

ラズベリーは熟すのが早く、収穫時期になるとほぼ毎日のように収穫可能。気温が高いとあっという間に熟しすぎて柔らかくなってしまうので、手でつぶさないようにそっと収穫しましょう。茎からハサミでカットしてもいいですが、手でそっと引っ張るとポロっと実だけ取ることができます。

スイーツに使う時は、少し硬めのうちに収穫するのがおすすめ。収穫後は軽く水洗いし、そのまま食べたりお菓子に使ったりするか、ジャムなどに加工しましょう。

剪定方法

一季なりと二季なりで、剪定方法が多少異なります。
■一季なり

6月頃に実がついた枝は枯れて、新しく伸びた枝に翌年の実がつくので、収穫後に収穫した枝を根元から切り取りましょう。冬になって地上部が枯れたら、今年伸びた枝を残し、前年に伸びた枝を基部から剪定します。
■二季なり

秋に実がついた枝から伸びた側枝に翌年夏の実がつきます。冬に基部からすべて剪定すると株元から新しい芽がたくさん出てコンパクトな姿に育てられます。

病害虫

病害虫の心配はあまりありません。毛虫などがついたら捕殺しましょう。

ブラックベリーの基礎知識

ブラックベリーとは?

ブラックベリーは、ラズベリーと同じバラ科キイチゴ属の落葉低木。原産地はアメリカ中部だと言われています。
つぶつぶとした黒い果実の見た目は桑の実(マルベリー)とそっくり。赤い実をつけるタイプや赤い実をつけるタイプ、トゲあり、トゲなし、直立性、つる性などさまざまな品種があります。そのままでも食べられますが、酸味の強い品種はジャムなどに加工するのがおすすめ。

基本的な性質

毎年新しい枝(シュート)を伸ばし、そこに房なりの実をつけます。直立性とつる性があり、樹高は1m~3mほど。

ラズベリーと同様に耐寒性・耐暑性が強く病害虫にも強いため、無農薬で育てられます。
ただ、ラズベリーよりは寒さに弱く、北海道では地植えでの栽培は難しいでしょう。ラズベリーが涼しい気候向きなのに対し、ブラックベリーは乾燥や暑さにも強く南の地域での栽培向き。

食品としての効用

ブラックベリーは、ラズベリーよりもポリフェノールが豊富。ビタミンEも含まれているため、アンチエイジングにもよさそうですね。ペクチンという食物繊維も多く含まれています。

ブラックベリーの育て方

植え付け時期

植え付けに最も適した時期は落葉期の12月~2月頃ですが、9月~3月頃まで可能です。

栽培に適した場所

日当たり・水はけの良い場所を好みます。ラズベリーよりも暑さに強く、真夏の日差しがあたっても大丈夫です。ある程度乾燥にも耐えるので、ベランダなどの栽培にもおすすめ。

肥料

ラズベリーと同様に、新芽が出る前の2月~3月頃に肥料を与えます。6月と9月にも追肥を行いましょう。11月~12月頃に寒肥として有機肥料を与えます。

収穫時期と収穫方法

ブラックベリーの収穫時期は7月~8月頃です。ラズベリーよりも酸味があり、小さな硬い種があります。実が黒く熟してから収穫しましょう。
熟しすぎてやわらかくなると実が下に落ちてタイルなどに着色してしまうこともあります。ベランダなどで鉢植えにして育てている場合は熟したらすぐに収穫を。

剪定方法

実がついた枝はその年の冬に枯れるため、早めに切り取ります。次の年に実をつけるシュートが勢いよく伸びてくるので切らないで誘引して育てましょう。
12月~2月頃の落葉期に、1/2~1/3程度の高さに剪定します。

とり木

伸びたつるの一部が地面につくとそこから発根します。根をつけて掘り取って増やすことができます。

病害虫

病害虫の被害はほとんどありません。ガーデニング初心者さんでも簡単に育てることができます。

収穫した実の保存方法

冷凍する

ラズベリーは、収穫後そのままにしておくとすぐにカビがはえてしまいます。すぐ食べない場合は、冷蔵庫で保存しましょう。その場合も、2~3日で食べたほうがよいでしょう。

たくさん収穫できた場合や、ある程度ためてからジャムなどに加工する場合は、冷凍保存がおすすめです。柔らかくて汁がでるような実を冷凍するとくっつきやすいので、さっと洗ってから水気を取り、バラバラになるように少し広げて冷凍してからジッパー付きポリ袋などに入れるとよいです。

ブラックベリーも同様に、すぐに食べない場合は冷凍してしまいましょう。必要な分だけその都度取り出してジャムなどに加工します。

収穫した実を使おう!

フレッシュのまま使う

そのまま食べてもおいしいですが、マフィンなど簡単に作れるお菓子に入れてもいいですね。生クリームとも相性ばっちり。ケーキやアイスクリームなどのトッピングに使うとおしゃれです。
ラズベリーよりもブラックベリーのほうがやや酸味があります。
傷みやすいので、冷蔵庫で保存する場合も早めに使いましょう。

ジャムを作る

長期保存もできておすすめなのが、収穫したラズベリーやブラックベリーで作るジャム。甘さ控えめにする場合は、冷凍保存にするとよいでしょう。収穫したばかりのものでも、冷凍したものでも同様に作れます。

■材料
ラズベリー
砂糖(ラズベリーの分量の1/3~1/2程度)
レモン汁 少々

■作り方
①ラズベリーに砂糖、レモン汁をまぶしてしばらくおく。
②汁が出てきたら、鍋で煮る。
③少しとろみがついてきたら出来上がり。

※ブラックベリージャムも同様に作れます。ブラックベリーは種が硬くて口に残るので、気になる場合はつぶして濾すとよいでしょう。

※収穫量が少ない場合は、深めの耐熱容器に入れて電子レンジで加熱してもOK。噴き出すことがあるので様子をみながら慎重に加熱してください。

暮らす楽しみのある庭を!

美しい花を育てる眺める庭も素敵ですが、野菜や果実などを収穫できる庭は暮らしに密着した楽しみ方があります。
収穫して使う楽しみのあるブラックベリーやラズベリー。丈夫で誰でも簡単に育てることができるので、興味のある方はぜひ取り入れてみてください。