【夏の家庭菜園】おすすめ野菜の収穫方法と栄養素・調理方法は?

夏野菜の収穫真っ盛りの7月~8月。家庭菜園におすすめの野菜を長く楽しむための収穫方法や、お手入れ方法を知っておきましょう。さらに、それぞれの野菜の持つ栄養素とその効能、おすすめの調理方法などもご紹介します。

採れたて野菜の楽しみ

via Kaoru Sakamoto
梅雨が明けたら暑い夏の到来!それとともに、夏野菜収穫のピークもやってきます。
今は一年中スーパーでさまざまな野菜が手に入りますが、健康のためには、旬の野菜を食べるのが一番良いそうです。なぜかというと、同じ野菜でも旬の野菜は一番栄養価が高いから。

暑い日中は熱中症予防のためにも庭仕事は避け、収穫はできるだけ早朝に。朝採れ野菜のおいしさを味わいましょう。もぎたてのキュウリなんて、みずみずしくて絶品です。

さて、野菜を育てていると、収穫のピークというのがいっせいにやってきます。収穫が多いのは嬉しいのですが、同じ野菜が毎日食卓に上ることになって飽きてしまうこともありますよね。
そんなときにのために、育てている野菜のレシピをいくつか用意していると助かります。食べ方もいろいろ工夫して楽しみましょう。

ミニトマト

育て方

大玉や中玉トマトに比べて育てやすいミニトマト。ベランダで育てているという方も多いのでは?大きさや形が異なるさまざまな品種がありますが、もともと乾燥気味の気候で育つ野菜なので、水やりをやや控えめにすると甘くておいしいトマトを収穫できます。

トマト栽培で気をつけたいのが脇芽。油断すると、どれが主枝だったのがわからないほど立派に成長してしまうことも。ミニトマトは最初の花房のすぐ下の脇芽を1本伸ばし、それ以外の脇芽が出てきたらすぐに脇芽かきを行いましょう。手でポキっと折り取ることができます。

そのまま育てていると、主枝がどんどん伸びていきます。トマトは自分から何かに絡まって育つわけではないので、伸びたらその都度誘引します。ほどほどの高さになったら、花の上の葉2枚を残して主枝をカットしましょう。

大きくなるにつれ下の方から葉が枯れてきます。枯れた葉は切り取って風通し良く株元をさっぱりさせ、病気などを防ぎましょう。葉が多すぎる場合は整枝を行います。

収穫

野菜全般に言えることですが、収穫は、実に栄養分をたくさん蓄えている朝がおすすめです。
採ってすぐに食べられる家庭菜園だからこそ、真赤に熟してから収穫するという贅沢を味わえます。ただ、トマトは雨に当たると実が割れやすいという欠点が。
雨があたらないように軒下に置くか、天気予報を見ながら雨の前に早めに収穫するなど、工夫してください。

トマトの栄養素

トマトの赤い色はリコピンという栄養素の色。抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、β-カロテンやビタミンEよりも優れた抗酸化作用があるのだとか。
さらに、ビタミンCやカリウムなども含んでいるため、美肌や老化抑制効果も期待できる野菜だと言われています。

おすすめ調理法

リコピンは油を使った加熱料理で吸収がよくなります。生食だけでなく、たくさん採れた時はトマトソースや炒めものなどに利用するといいですね。

使いきれない時は冷凍保存しましょう。水気をふいてジッパー付きポリ袋に入れて冷凍室へ。使う際に解凍すれば皮がつるっとむけるので、スープなどにも使いやすくなります。

ゴーヤ(ニガウリ/ツルレイシ)

育て方

グリーンカーテンとしても人気の高いゴーヤ。小学校の理科の授業で育てるなど、今やメジャーな野菜のひとつ。大きく育って壁面を覆い、実がたくさんなるのも嬉しいですよね。

熱帯アジア原産のウリ科の野菜で、高温でよく育ちます。そのままでも、ある程度伸びたら親づるを摘芯しても、どちらでもよく茂ります。
葉が多くなるにつれ、暑さと乾燥で萎れやすくなるので、朝夕たっぷり水を与えましょう。

収穫

ゴーヤは気温が低いとなかなか実が大きくならず、収穫まで時間がかかります。一方、高温の晴れた日が続くとあっという間に大きくなります。葉の陰に隠れていて見落とし、黄色く割れてから気付くことも。
ちょっと早めかな、という段階で収穫してしまってもよいでしょう。

ゴーヤの栄養素

ゴーヤの苦みはモモルデシンという成分。胃の粘膜を保護して食欲を増進させる効果があるとされています。
ビタミンCが豊富なので、夏の疲労回復にぴったり。ゴーヤに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいので、炒めものなどにしてもビタミンCをしっかり取れるのが嬉しいですね。
そのほか、粘膜や皮膚の健康を保ち抗酸化作用もあるβ-カロテンや、身体に必須のミネラルのひとつであるカリウムも含まれています。

おすすめ調理法

栽培では人気のゴーヤですが、その苦みがちょっと苦手という人もいるのでは?
ゴーヤの苦みは、スプーンでワタを取り除いて薄切りにした後、塩もみにするか水にさらす、あるいはさっと熱湯に通すと少し和らぎます。
うまみ成分のひとつであるイノシン酸を多く含む食材(例えば鰹節)と合わせると苦みを感じにくくなるので、だしを効かせた調理方法で楽しみましょう。

ゴーヤチャンプルー以外にも、天ぷらや素揚げ、和え物などいろいろな食べ方があります。
水にさらした薄切りのゴーヤを耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジで1分ほど加熱。熱いうちにピザ用チーズを混ぜてめんつゆで味付けするのも簡単でおすすめです。

食べきれない場合は、ワタを取って薄くスライスした状態で冷凍保存できます。

モロヘイヤ

育て方

アフリカ北部~中近東にかけてが原産地、アオイ科の緑黄色野菜であるモロヘイヤ。「王様の野菜」とも呼ばれ、古代エジプトではクレオパトラも好んで食べていたのだとか。

気温が高い時期に成長するので、1~2株植えておけば葉物野菜が少ない夏の間中楽しめて重宝します。

育て方のポイントは、摘芯を繰り返すこと。摘芯しないと脇芽が伸びず、草丈だけが高くなります。日当たりの良い場所で育てましょう。

収穫

収穫は摘芯を兼ねて行いましょう。こまめに収穫すればするほど、どんどん脇芽が出て株が大きくなります。
秋になって黄色い花が咲いた後にできる実には毒があるので、絶対に食べないでください。

モロヘイヤの栄養素

モロヘイヤの魅力は、何と言ってもその栄養価の高さ!鉄分やカルシウム、カロテンなどのほか、ビタミンBやC、ミネラルも豊富に含みます。
葉を刻むと出てくるネバネバ成分はムチンというもの。納豆やオクラ、山芋などにも含まれる成分で、胃の粘膜を保護し夏バテ回復効果も期待できます。

おすすめ調理法

硬い茎は取り除き、さっとゆでて細かく刻んでおひたしで食べるのが一般的。スープにするのもおすすめです。その他、天ぷらや炒めものなどにも使えます。味に癖がないので、誰にでも食べやすいのではないでしょうか。

シシトウ

育て方

ナス科の野菜、シシトウ。原産地は熱帯アメリカです。ピーマンやトウガラシの仲間ですが、辛みが少なく食べやすいのが魅力。
家庭菜園で育てやすく暑い時期に次から次へと実がつくので、ミニトマト同様、収穫の楽しみを味わいやすい野菜です。

脇芽2本ほどを残し、他の脇芽は摘み取るとバランスよい株になります。伸びすぎたり茂りすぎたりした場合は、適宜剪定しましょう。
伸びた枝は、枝1本ずつに支柱を立てて結び付け、折れないようにしておくと安心です。

よく茂るので、水切れに注意。特に、プランター栽培の場合は朝夕2回しっかりと水をあげましょう。次から次へと実がつくので、肥料切れにも注意します。

収穫

つやつやとして大きくなってきたら収穫します。収穫は晴れた日の午前中がベスト。
枝につけたままにしておくと、そのうち熟して赤くなってしまいます。
実をよく見て小さな穴が開いていたり、黒い粒々がついているものは中に虫が入っているので処分しましょう。

たまに辛みの強いものがあるからシシトウは苦手という人もいるのでは?
シシトウは、水や肥料の不足、熱帯夜など、ストレスが強いと辛みが強くなるのではないかと言われていますが、はっきりとした理由はわかっていません。できるだけストレスを与えないように育てるとよいようです。

夜間気温が下がる秋になると、小さく硬い実がつきやすくなります。このようになったら、そろそろ収穫終了です。

シシトウの栄養素

シシトウはβ-カロテンが多く、他にビタミンC、Kなどのビタミン類、カリウムなどの栄養素も含む緑黄色野菜。唐辛子の辛み成分であるカプサイシンも若干ながら含まれています。疲労回復効果も期待できる、夏におすすめの野菜です。

おすすめ調理法

炒めものや焼き物、天ぷら、煮物などにも利用しやすいシシトウ。そのまま調理すると破裂することがあるので、竹串で小さな穴を開けたり、ヘタと一緒に実の頭の部分を切り落としたりするとよいようです。

家庭菜園の場合は、一応虫が入っていないかチェックしがてら、半分に切って調理してもいいですね。
辛さが気になる場合は種を取って調理しましょう。

栄養素を減らさないために短時間調理で。油を使うとカロテンの吸収が良くなります。

バジル

via Kaoru Sakamoto

育て方

夏のハーブでまず頭に浮かぶのが、バジル。家庭菜園のトマトの足元やプランターなどで、気負わず簡単に育てられるのも魅力です。

バジルは摘芯を繰り返し、脇芽をたくさん出させることで収穫量が各段にアップします。1本立ちでヒョロヒョロしてしまったものは、ぜひ収穫を兼ねて思い切って切り戻し、脇芽を育てましょう。気温が高い時期なら、あっという間に脇芽が育ってすぐに収穫できるようになります。

乾燥を嫌うので、水切れに注意しましょう。葉が黄色くなるのは肥料切れのサイン、追肥してください。

摘芯した枝を利用して挿し木で増やすことができます。

収穫

茎から葉だけをつまみ取らずに、摘芯を兼ねて、葉のついた茎を切って収穫します。
早いものは7月半ばから花芽が出てきますが、花芽がつくとそちらに養分を取られ葉が固くなってしまいます。収穫時期をできるだけ延ばしたいので、花芽がつく前に摘芯してしまいましょう。大きく茂っている場合は、ざっくりと剪定してもかまいません。

バジルの栄養素

バジルにはβ-カロテンやビタミンE、Cなどが豊富。
さらに、ハーブならではの効能も期待できます。特に、バジルに含まれるリナロールなどの成分にはリラックス効果が。その他、バジルの香りには食欲を増進させる働きもあるのです。
ちょっと食欲がないというときに、バジルの香りを取り入れてみるのもいいですね。

おすすめ調理法

バジルとトマトは相性ピッタリ!ピザやパスタでもお馴染みの組み合わせです。たくさん収穫できた時は、オリーブオイルで炒めた豚肉にトマトとバジルを合わせてさっとからめ、塩コショウで味付けするのもおすすめです。

長期保存する場合は、バジルソースにして冷凍しましょう。パスタをはじめ肉料理やスープなど、さまざまな料理に利用できます。

おいしく食べて家庭菜園を楽しもう!

夏の家庭菜園におすすめの野菜たち。こうして見てみると、どれも夏バテや疲労回復効果が高い野菜が多いようです。旬の野菜には、その時期に必要な栄養素がたっぷり含まれているのかもしれませんね。
ぜひ調理法をあれこれ工夫して、たくさん採れた野菜をおいしく食べましょう。