ベランダで、苗から苺(いちご)を育ててみよう!

ベランダ菜園で、何かフルーツ系を・・・と考え、「苗からの苺(いちご)」に挑戦してみました。これも他の野菜類と同様に本当は種からやりたいのですが・・・。その真意はどこにあるか明らかではありませんが、園芸店では、苺のたね、あまり販売されていないのが実情のようです。

まずは、苗の購入

<苗購入:3/2>

園芸店で2株購入しました。ちなみに、苺に限らず、苗の選び方は「元気なもの」を選ぶとよいそうです。具体的には、茎が太くがっちりしている、葉の色が鮮やかで大きい、カビなどが出ていない・・・などかなり直感的でもいいそうです。

今回は、春から冬まで何度も実をつける「四季なり」サントリーの「ドルチェベリー」という品種と、春に一度だけ実をつける一般的な「一季なり」の「宝交早生(ほうこうわせ)」という品種を選んでみました。

ベランダ栽培だと、冬場など室内にとりこんでの栽培も可能なので、「四季なり」が特にお勧めです。また、この時に「四季なり」はこれひとつしかありませんでした。しかし、苺苗は、2品種以上、同時購入することにしています。

これは過去の経験から、突然、結実前に枯れてしまうなどトラブルも過去に何回かあり、こんなトラブルを少しでもすくなくする対策として、できるだけ多品種を同時に試されることをお勧めします。ちなみに、当時の枯死の原因はまだ全く分かっていません(ベランダガ-ディナーの私としては、残念ながら、これは、よくあることです(笑))。

いちごの基礎知識

5/2:宝幸早生の一番乗り

日本で苺(いちご)と言われ作られているものは、南米チリが原産でバラ科フラガリア属の多年草という内訳になります(南米原産だったんですね)。これがオランダで品種改良され、「オランダイチゴ属」というグループの多年草がさらに日本で色々な品種改良を行い、今に至っています。

ざっくり品種紹介をします。いちごの場合は、日本国内だけで数十種類あり、それぞれの産地を持ち、味や大きさ、それにまつわる価格など実に様々で、消費者はその個性を楽しむことができます。お米もそうですが、そのバリエーションの多さから、「日本人は、苺、すきなんだなぁ~」と実感します。

そんな中で園芸店でも苗で入手しやすいものは、私が実際に購入したもの以外では、「女峰(にょほう)」「とよのか」「とちおとめ」など、よく店頭では見かけたりします。

3/25「宝交早生(ほうこうわせ)」

購入して間もない時期に花が咲きだした
・女峰(にょほう)
 女峰は、「麗紅」、「はるのか」、「ダナー」との交配によって生まれた栃木の苺の品種です。
 関東以西の特質があり、春に長期間実をつけるのが特徴です。味は甘味と酸味のバランスがよく、現在でも「西のとよのか、東の女峰」と呼ばれるほどで、日本の代表的な苺のひとつです。

・とよのか
他に比べ、やや丸みを帯びた外観が特徴の大粒のイチゴです。酸味と甘みのバランスがよく、その豊かな香りも人気のひとつです。とよのかは、次世代の交配で主流となったものの中においても、今でも、高い人気の優れた苺の品種です。

・とちおとめ
「とちおとめ」は、「とよのか」、「女峰(にょほう)」、「栃の峰」を交配させて作られた苺です。生産量も国産の苺の中では一位であり、味の特徴は女峰よりも大きく、甘味が強い特徴を持っています。

栽培を始めよう!

・植え替え
ポットから外し、苗を鉢に入れ、あらかじめ、水でもどしておいた「水で膨らむ土」を入れます。
ポイントは、バケツ等で多めに水を入れて、「水で膨らむ土」をもどし、ざるのようなもので軽く水分を切り、土を救うようにして、鉢に入れます。これは、使用する鉢を園芸用ではなく何処にも穴のない、普通の収納用のケースにしたいためです。

「水で膨らむ土」については、
『「水で膨らむ土」を使って、大根作りに挑戦!』の記事
https://gardening-news.net/media/works/v2/articles/F0APC
でも紹介していますので、参照ください。

その鉢として今回使用したのは、普通の園芸用のプランターのものではなく、100円ショップで買った色鮮やかな普通の「小物入れ」です(写真の取っ手つきは機能というより、デザイン重視なため、苺はもっと色気ない四角い箱(下記参照)ですが)。それは水耕栽培のノウハウがあるので、その延長という考えに基づいています。

通常は、普通の水で栽培すると思います。その場合は、当然、水はけを気にしなければなりません(水が切れる穴がある等普通のプランタが必要)。でも、今日までの「完全水耕栽培(最初から最後まで水耕栽培で育てる方法)」に習い、通常、水を供給するところをハイポネックスの養液にするなどによって、水切り機能のないただの箱でも、利用可能と考えました。

これなら室内からベランダへ移動するときや、ベランダでも、大きくなってきて、鉢同士の並び替えをしたりする場合でも非常に便利です。さらにあまり、お金を掛けたくないという観点と、並べても綺麗な雰囲気を出したかったので、100円ショップで見つけたもので色とデザインが気に入ったものを並べて使っています。

今回の苺では比較的シンプルなミニ・プランタの様な形の「箱型」のものをそれぞれ、ひとつづつ、使いました。もちろん、あくまで「小物ケース」なので穴は開いていません。

5/6:「ドルチェベリー」

■水やり
これまでの説明のとおり、水耕栽培で使っているものと同じものを利用しました。「水耕栽培」では、水に根を浸し切った状態にするので、根腐れを防ぐのが最大のポイントとなります。つまりプランタや鉢に穴が開いているのはそうやって水分調節をする必要があるためです。

なので、当方は、水耕栽培用の「カリ」の含有率が多い、6.5-6-19(チッソーリンサンーカリ)の配合のハイポネックスを1000倍に薄めて使いました。これにより、水耕栽培と同じ条件になるので、鉢の中をひたひたに近い状態にしてもまず、根腐れの心配は、ほぼ、なくなります(なので水を抜く穴の開いた鉢を使わなくても済むわけです)。
 (水耕栽培関連の詳細は「水耕栽培を始めよう! (ミニトマト編)」
https://gardening-news.net/articles/K0tyA
で解説していますので、ご参照ください)

結果報告

<5/7:収穫>

「四季なり」サントリーの「ドルチェベリー」は、写真の様に赤くなったもの約10個、まだ青いもの15個程度と、ほぼ、大成功といっていい感じです。一方、春に一度だけ実をつける一般的な「一季なり」の「宝交早生(ほうこうわせ)」の方は赤く熟したものが3つほどで、その後は、実が大きくなる前に(実が)枯れてしまいました。新しい葉もでてきつつあるようなのですが、もう、気候の関係等で、実は着けないのかもしれません(立ち枯れ?してしまった実が実証している?)。

<5/8:熟したものを収穫した後>

左:「宝交早生(ほうこうわせ)」
右:「ドルチェベリー」
宝幸早生は、今年は諦めて、株を充実させ(これから、ランナー(分岐枝)とか出るのかな?)、来年の準備といったところでしょうか。ドルチェベリーは、四季なりなので、今、まだ青い実以外(以降?)にも期待できるのかもしれません。