宿根草と多年草の違いとは。宿根草の種類や育て方

春が近づくと、今年こそ花をいっぱい咲かせたいと思う方も多いのではないでしょうか。でも、お手入れをする時間があまりないし、できれば手入れが少ない方がいいという方もいるでしょう。今回ご紹介する宿根草は、あまり手がかからないだけでなく、そのまま植えておくと翌年も育つとても便利な植物です。常に庭を植物でいっぱいにしたいという方のために宿根草についてご紹介していきます。

宿根草と多年草の違いとは?

植物には、大きく分けて「宿根草」と「一年草」に分かれています。今回紹介する「宿根草」と「多年草」はどちらも同じ仲間で、多年草は宿根草の一部と呼ばれることもあります。それでは宿根草と多年草、また一年草についてもご紹介していきます。

宿根草

宿根草は冬になると、地上から出ている部分が枯れ休眠状態になります。寒い時期は、成長が止まりますが、春になると再び芽を出し成長し始めます。暖かくなると植物が大きく育ち、夏・秋が過ぎて冬になると、また休眠状態に戻ります。一般的にあまり手のかからない植物が多く、うまく育てることができれば毎年株が大きく育ち成長していきます。

多年草

多年草は宿根草の一種で、冬の間でも地上から出ている部分は枯れません。宿根草は、冬になると地上から出ている部分が枯れてしまうので、多年草と一緒に植えると一年中植物を楽しむことができます。ただし、冬になると寒さによって枯れてしまう植物もあるので、一部の多年草は一年草に分けられることもあります。

一年草

一年草は名前の通り、一年で成長が終わる植物で、種を土に植えたあと芽を出し花が咲き、最後には枯れていきます。一年草は短い期間しか育ちませんが、種をつけるので翌年も植物を育てることができます。宿根草に比べて、たくさんの花をつける植物が多いので、鮮やかな色を楽しむことができます。

宿根草を上手に育てるポイント

宿根草は園芸店でもっとも多く販売されている植物です。宿根草を楽しむには、いくつかのポイントがあります。

色の配色を考える

宿根草は葉の色ひとつをとっても、いろいろな色の植物があり、花の色の種類もさまざまです。最初はいろいろな花を植えたくなると思いますが、できるだけ同系色を植えるようにしましょう。例えば、青色でそろえたい場合は、薄い紫色のラベンダーや色の濃いデルフィニウム、背丈の低いアジュガなども一緒に植えてもいいでしょう。花が咲く植物の割合は、全体の2割程度にすると落ち着いた庭を演出することができます。

成長したあとのことも考える

最初は背の低い植物を植えても、気温が上がってくると急に成長が早くなり背が高くなる植物もあります。また、花の咲く時期も植物によってさまざまなので、春・夏・秋などその時期に合わせて花が咲くものを選んでもいいでしょう。宿根草だけでは、花が楽しめない時期があるので、一年草を合わせて植えていくのもいいでしょう。

環境にあった植物を植える

植物には、日光や日陰を好むもの、暖かい場所・温度が低い場所を好むものなどさまざまです。例えば、日当たりのよい場所でも、日光が当たる長さによって植物の成長はことなります。このような場合は、日光を好む植物よりも、日陰で育つヒューケラやアジュガなど葉の色を楽しむ植物を一緒に植えるようにしましょう。

宿根草の主な植物

手に入れやすい宿根草の主な植物を紹介します。

日当たりのよい場所に向いている植物

・キャットミント
ハーブとしても人気の高い植物で、かわいらしい明るいブルーの花を咲かせます。日当たりを好み、耐寒性もあるので冬でも枯れることが少ない植物です。

・ツワブキ
丸くて分厚い葉をつける植物です。斑入りや変わった葉の形をつけるなどいろいろな品種があります。菊のような黄色い花を咲かせ、大きな株になりとても存在感のある植物です。

・ウスベニアオイ
春から夏にかけてピンクや青色など花を咲かせる植物で、1m近く育つものもあります。花が大きく育ちますが短い期間しか育ちません。種をたくさんつけるので簡単に育てることができます。

日かげに向いている植物

・ヒューケラ
葉の色が緑・赤などさまざまな色を楽しめます。春になると小さな花を咲かせるので、とても見ごたえがあります。どんどん株が大きくなるので、大きくなり過ぎたら株分けをするといいでしょう。

・ギボウシ
葉の色の種類があり。葉の美しさが特徴の植物です。この植物は夏になると小さな花を咲かせます。グランドカバーにもよく使われます。

・アスチルベ
ピンクや白のふわふわと風になびく様子が美しい花をつける植物です。半日蔭を好みますが、直射日光に当たって枯れても翌年にはまた芽を出します。

宿根草を使ったガーデンづくりの方法

それぞれの場所に合わせた宿根草の選び方をご紹介します。宿根草を育てる環境や手をかけずに長く育てられるものなどその場所に合わせたものを紹介します。

エントランスガーデン

家のエントランスは一番目立つ場所です。できるだけ手のかからない植物を植えておき、少し鮮やかさが足りない場合は、一年草を一緒に植えておくといいでしょう。できれば、背の高いシンボルツリーを中心に植え、グランドカバーになる宿根草を植えておきましょう。葉の色を楽しめるヒューケラやクリスマスローズなどもおすすめです。玄関を広くみせるためには、奥に背の高い植物、手前に背の低い植物を植えるといいでしょう。

フロントガーデン

フロントガーデンはエントランスガーデンと同じく、道路に面している場所なので特に目立ちやすい場所です。いろんな人が家の前の庭を見るので、少し華やかにしてみてもいいでしょう。冬になると宿根草は枯れてしまうので、グランドカバーにもなる多年草や一年草などを一緒に植えておきます。また、場所ごとに色のテーマを決めておくとメリハリがつきます。人目に付きやすい場所なので、グランドカバーになる植物を植えておくようにしましょう。

シェード(日陰)ガーデン

あまり人目のつかない日陰の庭でも、少しの日光で育つ植物もたくさんあります。できるだけ庭を明るくみせるためにも、斑入りや鮮やかな色の葉を選ぶといいでしょう。大きな葉の持ち見ごたえのあるツワブキや緑の葉の色がきれいなギボウシなどもおすすめです。また、他の人が見ることが少ない場所ので、見た目だけでなく自分の好きな花を集めてみてもいいでしょう。日陰は育ちにくい植物も多いので、日かげを好む植物も一緒に植えましょう。

宿根草を植えて一年中植物を楽しもう

宿根草は、庭の緑を欠かさないためにも必要な植物だということがわかっていただけたでしょうか。花を咲かす植物も多いですが、もうひとつ鮮やかさが足りないという場合は、一年草も取り入れていきましょう。冬は、地上部分が枯れてしまう植物おありますが、そこは多年草をうまく利用していきましょう。