「水で膨らむ土」で大根作りに挑戦!

最近、「ココヤシ」を原料にした「水で膨らむ土」というのがひそかな流行となっているようです。軽量で衛生的、かつ『もえるゴミ』としても出せる等、ベランダガーディナーとしては、注目の「土」に変わる新素材です。今回は、種の状態から、これを使って『水耕栽培』では扱いにくい「根もの」である大根に挑戦してみました。

「水で膨らむ土」とは?

実は、いくつかの大型園芸店を巡って調べたところ、数社の園芸メーカや、そこの園芸店オリジナル(ケーヨーデイツーなど)としてなど、出ているようです。いずれも「ココヤシ」を原料にした吸水性の高いもので、言い換えれば、日本に古来からあるミズゴケのようなものでしょうか。単純に考えると、土の代わりを果たす新素材(?)です。自分が入手できた3製品を試しましたが、目のこまかさには製品ごとにかなり差異はあるのですが、結果的には、どれも、大体同様に使えるようです。基本的には、水を吸収して6倍の容積になるというのがその特徴です。

水耕栽培と水で膨らむ土の比較

私は、ここ数年間、沢山の植物を「ベランダ・ガーデニング」として育ててきました。そのほとんどは、いわゆる「水耕栽培」と呼ばれるスタイルのものです。結論から言うと、通常の土とプランタによる栽培より、利点が多いからです。

では、今回この「水耕栽培」と取り上げることになった「水で膨らむ土」と2者について、比較整理してみましょう。水耕栽培と比べて、そのすべてではありませんが、この「水で膨らむ土」もかつての普通の「土」による栽培と比べると、非常に優れた点も多いことが分かりました。

まずは、今まで、定石として利用してきた、利点の多い水耕栽培です。まず、広い面積と、大量の土を使う・・・ということが難しい、ベランダ・ガーデニングを考えた場合、「水耕栽培」だと、多くの利点もありますが、欠点も、いくつかあります。何年かトライしてみた経験から、以下のようなことがわかりました。

まず、水耕栽培の欠点の一つ目は、「アオコ(藻のたぐい)」の発生です。当然、植物は日当たりのいい場所で、育てます。また根腐れ防止のため、与えるのは、水ではなく、栄養豊富な、ハイポネックス溶液なので、すぐに「アオコ」が発生します。通常の「土」での栽培であれば、これは考えられません。

さらに、2つ目は、すでに"水分"が豊富であることによって、「アオコ」だけでなく、蚊の幼虫である「ボウフラ」を始めとする、その類の虫が発生しやすくなります。もう、こうなると、見た目的にも「オシャレ」でなくなるどころか、とても「衛生的」とはいえない状況になってしまいます。

そんな「アオコ」対策としては、毎日、鉢(と根?)を綺麗に水洗いして、水(ハイポネックス溶液)を交換するという手があります。「ボウフラ」類の発生もこの方法で対処することは可能です。しかし鉢数(私の場合、最盛期は40鉢位ありました)が増えると、手間としてもかなりのものになり、結局、全てを管理できず、失敗しました。

<12/12 大根の葉>

下記調理のフェーズで、でてきます。案外綺麗でしょ? つまり、やがて、出てきて、本体?以上に、大活躍します。

「水で膨らむ土」の特徴

1.水耕でも冶具がいらない

そんな、私が「ベランダガ-デニング」として標準的に実施してきた従来の「水耕栽培」を踏まえて、この「膨らむ土」を使った場合について考えてみました。まず「土に出来て、水耕ではなかなか難しいこと」として、一番に考えてきたことは、植物全体を支えることです。特に、今回の大根の様な「根もの」だと、まさに、水面下をどうしたらいいのかは、一番の悩みの元です。Webでチェックした、水耕で(大根を)やっている方は、それを支えるいわゆる「冶具(押える装置)」を考案している方もいるようです。

でも、これは、非常に手間暇がかかります。私が参照させていただいた方は、大根の太さに併せ、冶具が動くよう(太くなった時に圧迫しない・・・など)、複雑なメカを作っていました。正直、ちょっと引いてしまいましたが・・・。

さらにいうなら、それらを思惑どおりにいかせるのも、至難の業でしょう。私の場合は、そんな理由から、大根、ニンジン、ゴボウ、カブなどの根菜類の「水耕栽培」は今まで、避けてきました。それが、今回出会った、この「水で膨らむ土」だと普通の土と同様に扱えることが分かり、その心配がなくなることに気づきました。

<枠止めした様子(えだまめ)>

大きな鉢に移植した際、茎をささえきれないので、針金で枠を中心に鉢の中心に浮かぶような形で支えを作ってみました。
2.使用後は可燃ごみでOK

ベランダガ-ディナーとして、今まで、普通の土での栽培を嫌がる理由の一つに、「ベランダに大量の土を運び」込まなくてはいけないというのがあります。そして、さらに、そういった土のリサイクルは難しく、使用後処分しなければなりません。

水耕栽培だと器だけあれば、水は植物が吸い上げてくれますので、最終的に処分するのは、収穫が終わって枯れた植物だけです。これは、結構「ベランダガ-デナー」としては、大きな利点です。

でも、この「水で膨らむ土」は使用後、収穫後、枯れた植物と乾燥させれば、そのまま一緒に「燃えるゴミ」で処分できます。水耕の時と同様に器もそのままリサイクルできるのです。別の言い方をすると、毎回捨ててしまうので、輪作障害も気にすることなく、ざっくり回避してくれます。

大根の基礎知識

まずは、ざっくり「大根」について調べてみましょう
<大根の品種>

大きく分けると、葉の付け根辺りが日に当たり青くなっている「青首大根(あおくびだいこん)」や、(全然、日に当たっていない?)白首大根などがあります。その中で、真ん中が太くなっている三浦大根、形が丸く、丸大根と言われる、まるでカブを連想させるような聖護院大根をルーツに持つものなどが大根の代表的な品種です。いずれも園芸店で簡単に入手可能です。

今回はベランダ、室内どちらでも対応できるようにということを考慮して、秋蒔き、早春蒔きの二期蒔きに対応したいわゆる「時なし大根」と言われるタイプのものを選んだ結果、品種としては白首大根を選びました。

<発芽までの日数、地温の発芽適温>
発芽までは3-5日とありますが、いきなり野外で育てたこともあり、発芽まで一週間掛かりました。地温の発芽適温は25度とありますので、冬場に育てる場合は室内で発芽させるにしても何らかの暖房がいりそうです。

<生育適温>
25-28度。あまり寒いと育ちにくく、寒い時期にも育てたいという室内派は、部屋の暖房等に頼るのもいいかと思います。また、夏場なら、野外のベランダガーデニング派にとっても栽培しやすい温度だと思います。

時なし大根、地まき時の基本情報

<種まき植え付け>
まず、秋まきの情報から。寒地、寒冷地(北海道から東北と山岳)は秋まきは適さないようです。温暖地(関東以南)では9月中旬から10月中頃、暖地(山間部を除く四国、九州)では9月末から11末が蒔き時です。
春まきの場合は、いずれも地温の発芽適温は25度という条件から、トンネルをつくることが前提となります。寒地、寒冷地では3月中旬から5月下旬、温暖地では、2月下旬から3月下旬、暖地では2月中旬から3月中旬となります。いずれの場合も、畑にじかに畝間50-60cm,株間25-30cmで5-6粒を点まきします。本葉5枚まで保温に努め、本葉7枚までに徐々に間引きをし、一本立ちにします。

<栽培管理>
畑づくりは、1 平方メートルあたり、苦土石灰を100g,有機配合肥料80g施します。完熟堆肥はたねまきの2週間まえまでにほどこし、窒素なども含め多用すると根が裂ける原因になるので注意します。トンネルの温度管理は急激な変化がないよう、調整します(これは難しそう!)水耕の場合だと、トンネルは室内での管理に置き換えられ、完熟肥料も不要かと思われます。

<収穫>
春まきの場合、種まき後65-90日、長さ35cm,太さ6cm,重さ0.8-1kgが収穫の目安となります。

育成方法

・使用する鉢

園芸用のプランターを用意するのが普通の栽培だと思いますが、私は、水耕栽培の延長という考えから水はけは気にせずいけるので、持ち運ぶのにも便利な箱型のケースを使いました。あまり、お金を掛けたくないという観点と、並べても綺麗な雰囲気を出したかったので、100円ショップで色とデザインが 気に入ったものを並べて使っています。

・水やり

水耕栽培で使っているものと同じものを利用しています。「水耕栽培」では、水に根を浸し切った状態にするので、根腐れを防ぐのが最大のポイントとなります。なので、「カリ」の含有率が多い、6.5-6-19(チッソーリンサンーカリ)の配合のハイポネックスを1000倍に薄めて使います。これにより、水耕栽培と同じ条件になるので、ひたひたにしても根腐れの心配がなくなります(なので水を抜く穴の開いた鉢を使わなくても済むわけです)。

(水やり用の養液の詳細は「水耕栽培を始めよう! (ミニトマト編)」
https://gardening-news.net/articles/K0tyA
で細かく解説していますので、そちらも併せ、ご参照ください)

・途中経過
12月の段階である程度の大きさになったので試食してみました。ひとつは、レンジでチン、そして、もう一つは、薬味として「大根おろし」です。レンチンは、マヨネーズをつけて食した(写真下)のですが、時間が長すぎたのか、ふにゃふにゃとなり、味もなんだか分からないといった惨憺たる状況でした。

でもさらに驚いたのは、「大根おろし」です。その、苦いこと、苦いこと・・・。まぁ、薬味として使うので、失敗ではないのだと思います(負け惜しみ?)。

で、さらに思いついたのは、その色艶美しい葉っぱ。こちらもせっかくだから食べてみよう・・・と(写真下)。調理方法は、食べやすい大きさに切りそろえ、最近はやりの中華風ペーストと軽くあえて、ゴマを沢山振りかけてみました。見た目もなんだか普通の料理っぽい(料理系ブログもいけるか?!)ですが、こちらは、見掛け倒しとならず、味もかなりイケてました。野菜類、見た目はうそをつきませんね(笑)。

収穫時期

種まきから約100日程度で、収穫できるレヴェルになりました。今回は、大成功と言っていいかと思います。ただし、「大根」自体を美味しくいただけた訳ではないので、それが、唯一にして、最大の反省点です。大きさに味が比例するのか、あるいは他の要素があるのか・・・今後の研究課題の一つとなりそうです。