コテッジガーデンにぴったりなのは、どんな花? 初心者にもおすすめの多年草

イングリッシュ・ガーデンと聞いて、最初に頭に思い浮かぶのはコテッジガーデンの方も多いのではないでしょうか。 そんなイングリッシュ・ガーデンの象徴とも言える、長い年月をかけて愛され続けて来たコテッジガーデンには、どんな花が向いているか、ご存じですか? ここでは初心者の方にも簡単に育てられる、コテッジガーデンにぴったりな、おすすめ多年草をご紹介します。

イングリッシュ・ガーデンの代表的なスタイルである、コテッジガーデン。長い歴史を持ち、今もなお人々の心を捉えて離さない、魅力にあふれたガーデンスタイルです。

ナチュラルな雰囲気がいっぱいで、庭に出る度、優しい気持ちになれるコテッジガーデンのスタイルを、自宅の庭に取り入れたいと思っている人も、数多くいるのではないでしょうか。

ではまず、どんな花がコテッジガーデンにぴったりな花なのでしょうか? そして一年草や多年草、どんなタイプの花を混ぜていけば、美しいコテッジガーデンが出来上がるのでしょうか。

今回はコテッジガーデンにおすすめの多年草をご紹介します。丈夫で育てやすく、初心者の方も安心してトライ出来る花を集めました。
自宅の庭にコテッジガーデン・スタイルを取り入れようと考えている方は、ヒントをもらって下さいね。

花を選ぶ前に、注意したいポイント

自宅の庭に、自分がイメージするガーデンの花を選ぶのは、ガーデナーにとって一番の楽しみであるかもしれません。

雑誌や本で得た情報をもとに、ガーデンショップで花を選ぶのは至福のひと時ですよね。それでも購入前には気を付けなくてはならないポイントがたくさんあります。

その中のひとつ、もしガーデナー初心者の方であれば、どれぐらいガーデニングに時間をかける事が出来るのか、おおよそ分かっておく事が大切です。

ガーデニングをし始めて分かる事が、実はとても手間のかかる作業だという事。季節を通して、花を植えたり、水をやったり、花がら摘みや切り戻し、草むしりなど、数え切れないほどしなくてはならない仕事がたくさん!

あまり庭仕事に時間がかけられないのであれば、多年草で花の植え替えを減らしたり、あまり大きくならない樹木を選んだり、花期の長い一年草を取り入れたりと、手間のかからない植物を選ぶよう、心がけましょう。

見た目が美しく、気に入った花だから、という理由で集めると、手入れの大変さに息切れしてしまう事も。
ガーデンのメンテナンスは毎日続く、終わりのない作業。だからこそ、自分の生活スタイルにあった花を選びたいですね。

コテッジガーデン・スタイルの花の選び方

コテッジガーデンは、その歴史の中でも触れたように、そもそもは人々の生活の手段として、庭に野菜を植えたところからスタートし、やがて薬草としての特性を持つハーブ、そして花が植えられた事から始まりました。

よって、コテッジガーデンのスタイルは少々乱雑な方がぴったりとも言えるでしょう。
バランスは少々ラフでも問題がないのがコテッジガーデンですが、気にして欲しいのが、植える場所の大きさです。

もし花壇をコテッジガーデン・スタイルにしたい場合、花壇が小さいのなら背の高い花はあまりおすすめ出来ません。

背の高い花や、スペースを取る花は、小さい場所に植えると、実際よりも大きく見え、花壇のバランスが崩れてしまいます。
小さい花壇であれば、背はそれほど高くないものを選びましょう。

また、初めてコテッジガーデンのスタイルにチャレンジするのであれば、最初は花の種類や色、かたちや雰囲気などのグループに分けて植えるのがおすすめ。

植えてみたい花があったら、その高さや大きさ、花期のシーズンや、どんな場所を好むなのかを良く調べる事を忘れずに。
また、花の咲くシーズンが少しずつ異なるものを植えると、季節を通して花の絶えない庭となるでしょう。

コテッジガーデン、おすすめの多年草

ガーデニングを始めると、作業の時間の多さにもびっくりされた事があるかもしれませんが、新たな植物を購入したり、ガーデングッズを買ったりと、案外出費がかさんでしまう事に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

コテッジガーデンは元々農民の人々がお金をかけずに始めたもので、植えられていたものは毎年繰り返し咲いてくれるハーブなどの多年草がメインでした。

今でも、株分けなどで増やす事が出来る多年草はやっぱり人気。
また、毎年花を植え替えたり、買い替えたりしなくても良いので、ガーデナー初心者さんにおすすめの種類と言えるでしょう。

ここではコテッジガーデンにぴったりな人気の多年草をご紹介します。自宅のガーデンの日照状態に合わせて、お気に入りを探して下さいね。

日当たりの良い場所に向く多年草

ダイアンサス

可愛らしい花のかたちと、鮮やかな優しい色彩が特徴のダイアンサス。
植え付け期は3月~5月、開花期は4月~8月。背丈は30~60センチほどが目安です。

寒さ、暑さにも強く、さし芽や株分けで増やす事が出来ます。日当たりが良く、水はけの良い場所に植え、土が乾いたら水をたっぷり与えてあげて下さい。
近くに植える花は、同色系のタイプを合わせると、美しくまとまります。

エキノプス

ポンポンとした丸いかたちが非常に可愛らしく、かつ個性的なフォルムで、ガーデンの中でも目立つ存在であるエキノプス。
スッキリとした爽やかな青いカラーが特徴で、優しく、そして涼し気な雰囲気をもたらしてくれる花になります。

植え付けは3月~、開花期は6月~8月。寒さ、暑さに強く、また開花期も長く、初夏から夏にかけて楽しませてくれるでしょう。
また、切り花として他の花に合わせたり、ドライフラワーとしても活躍してくれる、用途がたくさんある花です。

ニオイイリス

しなやかで美しい姿は思わず見惚れてしまうほど。またとても良い香りを放つのがニオイイリスです。

その凛とした形状は、数多くの花が咲き乱れるコテッジガーデンにおいても特別なもの。
他の花と合わせてバランス良く植えれば、柔らかな花が多いコテッジガーデンの中で素敵なアクセントになってくれるでしょう。

開花期は4月~5月で、背丈は50センチ前後。暑さ、寒さに強いのですが、湿気に弱く、乾燥気味な土を好みます。

トリトマ

非常にインパクトのある色とかたちを持った花、トリトマ。
大きく育つと120センチを超える事もありますので、ボーダーガーデンの後方に植えるとパッと目を惹く存在に。

植え付けは3~4月、開花期は6月から10月まで。寒さ、暑さに強く、害虫にも負けない、手のかからない植物です。
株分けによって増やす事が出来、花が咲き終わり、花がら摘みをすれば、次々に咲いてくる花を長く楽しむ事が出来るでしょう。

キャットミント

淡く優しい水色の花を咲かせるキャットミント。小さな花が房となって咲き、ボリュームを出してくれるので地植えだけでなく、鉢植えで育てるのも素敵です。

植え付けは春と秋、開花期も同じく春と秋。
水やりさえいらないほど丈夫な花で、寒さにも暑さにも強く、数年が植えたままで良いので、ローメンテナンスの庭にしたい方にはぴったりな花と言えるでしょう。

背丈は種類や育ち方によって20~80センチと幅広いので、庭に植えて状態を見てから植え替える事も出来ます。

半日蔭、日陰に向いた多年草

アカンサス・モリス

非常に大きな葉、またその上にスッと伸びる長い茎、そして小さな白い花びらといったコンビネーションが視線を集めずにはいられない、アカンサス・モリス。

150センチと非常に背丈の高い花であり、葉も大きく実るため、ガーデンではとても目立つ存在に。
主にボーダーガーデンの後方に植えられる事が多く、非常に丈夫なため、初めてガーデニングにトライする方でも簡単に育てられるはず。

植え付け期は3月~5月、開花期は6月~8月。咲き終わった花や萎れた葉を取り除く以外、放っておいても大丈夫なほど、手間のかからない花と言えるでしょう。

アルケミラ・モリス

ソフトで優しい葉のグリーン、小粒の柔らかい黄色い花が可憐で美しいアルケミラ・モリス。
背丈が30~60センチと丁度良いサイズなので、花壇の縁取りに植えると優しい雰囲気に。

また、繊細な花や色合いが他の花と相性が良いのも魅力的なポイントです。寒さに強く、寒冷地に向く花で、株分けで増やす事が出来ます。

植え付け期は11月~3月、開花期は5月から7月、寒冷地では8月頃まで。ハーブとしても活用出来ます。

ジギタリス・ルテア

背丈の高い花としては柔らかい雰囲気を持つジギタリス・ルテア。
その鈴のようなかたちをした花びらと、エレガントに伸びる茎のバランスが可憐で、コテッジガーデンには欠かせない存在です。

寒さには強いですが、暑さに弱い花となるので、半日蔭のエリアで美しく咲いてくれるでしょう。多年草として知られていますが、品種や環境によってはそのまま枯れてしまうものもあり、一年草や二年草として取り扱われている場合もあります。

植え付け期は3月、開花期は初夏の5月~6月。花が咲き終わった後、種を取って夏の終わりに蒔けば、また翌年も花を楽しむ事が出来るでしょう。

アマドコロ

緩やかな曲線を描く繊細な葉、そしてスズランのようにうつむき加減に咲く花をつけるアマドコロ。
寒さに強く、背丈も50センチ前後と花壇の中央に植えるのに丁度良いサイズ。また、株分けで増やす事が出来るので、幾つか庭の中に植えるのも素敵です。

開花期は5月と非常に短いですが、その美しい葉が生い茂るので、他の花と合わせれば花壇を鮮やかなグリーンで彩ってくれるはず。

地植えでは水やりは殆ど必要がないほど丈夫で、植えっぱなしでもOK。ビギナーさんにもおすすめの品種です。

多年草を生かしたコテッジガーデンを目指して

初めて庭を作る時、どんな花を選ぶのかは非常に楽しく、また大切な作業です。特にコテッジガーデンというたくさんの花を用いたスタイルでは、どんな花を選べば良いのか、迷ってしまう事もありますよね。

コテッジガーデンは、元々は働く人々が日々の暮らしに必要なものをチョイスしてスタートしたガーデン・スタイル。
毎年繰り返し咲いてくれる多年草は、コテッジガーデンの長い歴史の中で愛され続けて来た品種です。

また来年も、美しい姿を見たいから。何度でも咲き誇る花を見る事が出来るのは、ガーデナーの喜びでもあります。
コテッジガーデンを彩る多年草を探している時は、是非今回の記事を参考にして下さいね。