初心者必見! 榊流『観葉植物入門』

植物の中でも比較的栽培が簡単とされている観葉植物。インターネット上には、沢山のWebサイトに指南書があります。そこで、ここでは、観葉植物以外でも、野菜類など様々な植物の栽培経験のある当方、榊流『観葉植物』という視点から、見ていきたいと思います。過去の数多くの失敗経験も踏まえたうえで、『観葉植物とは何か?』という原点に立ち返ってみることによって、さらにどこよりも分かりやすく紹介致します。

『観葉植物』とは? 

とりあえず、水揚げしてみました

画像は、タイトルにある通り、『とりあえず、水揚げ』してみたものです。大きく長く垂れ下がった親鉢の先端部をこの大きさに切って水に差しただけです。でもすでに大木だったため、根も長く伸びており、このまま鉢上げ(土に移植すること)も可能です。
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まず、観葉植物とは何でしょうか? 文字通り一般的には「葉を観賞する植物」のことを指しています。しかし、もう少しジャンルとして、分類してみると、「中南米や砂漠に近い場所=植物に過酷な条件でも育つ=ガーテニングのジャンルとしては、初心者向けに開発された植物」のことが当てはまるそうです。

『観葉植物』選び方のポイント

神代植物公園の温室にて

鹿の角のような形が特徴的です。最近人気のでてきた観葉植物です。
観葉植物が、いくら、「初心者向けの植物」とはいえ、種類によって育てかたの難しさも変わります。もちろん、気に入ったものを育てたいのは、やまやまですが、私がまず、お勧めする方法は、「育てるのが楽」な種類を選ぶことをお勧めします。

たとえば、ガーデニングには限りませんが、何事も最初に失敗してしまうと、大きな挫折感を味わってしまって、なかなか、先に続いていかないものです。でも、徐々にステップアップしてゆく・・・という発想から始められれば、それは趣味としても、長く続けていけるという、自信につながってゆくのではないでしょうか?そういったことをポイントとして、踏まえていくつか見ていきましょう。

代表的な観葉植物の紹介

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「榊流」としましては、やはり、その植物の特性、自生していた地域の気候、またはどんな系統(何科であるかなど)から育てやすさについて考えてみたいと思います。そういった視点で昔から愛されているもの、あるいは最近人気のでてきたものなど、代表的な観葉植物をいくつか見てみましょう。

繊細な葉は、非常に魅力的だけれど・・・アジアンタム

細かい葉が特徴的で繊細でさわやかな印象の観葉植物です。オーストラリアやブラジルが原産のシダの仲間です。そのため、強い日差しに弱く、また水切れにも弱い傾向があります。「アジアンタム」という名前は「水をはじく」という意味だそうです。

その見た目の繊細さのとおり、葉を直射日光に当てると、一度で、チリチリになって枯れてしまいます。あるいは、水切れでも同様になってしまうことがあります。枯れた葉は、切れば再生します(生えてきます)が、株が弱ってしまうことは間違いありません。

そんな失敗を何回か繰り返し、気が付くと、何も再生しなくなっていた・・・という苦い経験が何回もあります。『観葉』という意味では、個性的であり、非常に魅力的な観葉植物ですが、この『アジアンタム』は、植物初心者にはちょっとハードルが高いかも知れません。

花が特徴的な観葉植物・・・スパティフィラム

スパティフィラム

特徴的な花を持つ観葉植物
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スパティフィラムは、非常に特徴的な白い花が印象的な観葉植物です。仏炎苞(ぶつえんほう)という花の種類で、熱帯のアメリカや、東南アジアが原産で、サトイモ科の植物です。こちらも、育成には、コツがいるタイプです。

たとえば、水を好むので、切らせてしまうとすぐにしおれてしまいます。また、強い日差しや低温にも弱く、8度以上の部屋で育てるのが原則です。また、根はりがよく、植え替えも2,3年に一度は必要なため、育成にはそれらも考慮する必要があります。

多肉質な葉が特徴・・・サンセベリア

サンセベリア

神代植物公園の温室で見つけた『サンセベリア』です。他の草の間を縫ってにょきにょきと出てきている感じが、家庭では考えられない感じで、なんともユーモラスですね。
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サンセベリアは、アフリカやマダガスカル、南アジアに自生する植物で、スズラン亜科、リュウゼツラン科の植物です。十年位前に、某情報番組で『空気の清浄機能が極めて高い観葉植物』として紹介され、突然人気に火がつき、売り切れ続発・・・となったのですが・・・。

その後、情報番組自体が、怪しいとされ、このサンセベリアを始め、番組で取り上げてきた、数々の生活情報に対し、信憑性を問われることとなりました。そのため、この『サンセベリア空気の清浄機能が極めて高い観葉植物』情報も結局、本当か嘘かすら分からないまま、現在に至っています。

別名、「虎の尾」という名称で親しまれており、一時の(某情報番組に端を発する)バブル的な人気は一巡したようですが、未だ、育てやすさなどもあり、一定の人気は保っているようです。こちらは、気密性が高く、一年を通して温かいマンションなど気温の高い場所がある方にはお勧めです。

理由は、寒さには弱いのですが、乾燥に強いためです。冬場は、乾燥させてしまえば、数度で越冬できます。水遣りは夏場でも数日に一回で十分で、むしろ水の与えすぎで枯れてしまうことがあります。すっと伸びた鉢植えの姿勢は洋風の部屋とよくマッチします。

何とも強い生命力・・・『ポトス』

増やした株のうち、お風呂場で育成しているもの。水気を失わずにいるのが最大の特徴。
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特に、お勧めしたいものの一つが、こちら、『ポトス』。何といっても生命力が強いのが特徴です。TOPの写真も、昨日、親株から、適当な大きさに切って水揚げしたものですが、この写真のものは、もう、十年近くも前に、やはりTOPの写真と同じ様に親株から水耕栽培にして、ふやしたものです。
この写真はお風呂場で育成しているものです。TOPの写真の要領で、沢山鉢を増やしましたが、あまりそれだけだと能がないので、以降、増やすのを辞めてしまいました。「お部屋を緑の楽園にしたい」という人には、短期間で安価にふやせるので、お勧めです。

何とも、堅牢・・・。『パキラ』

パキラ

我が家の27年選手です。
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丈夫という意味で、お勧めしたいのが、こちらの『パキラ』です。我が家の『パキラ』は、まさにぬし・・・。27年前に380円で親指の太さ位のものを購入したのですが、さきほど、幹回りを計ったところ・・・。なんと、26cm!・・・ついでに自分の腕周りも計ったら、23cmで、なんと、私の親指大だったこの樹は、自分の腕の太さも超えてしまった・・・。

幹回り26cmのパキラ

私の親指の太さだったのに、今は腕より太い! 乱暴な育て方にも関わらず、27年間も生き抜いてくれた・・・。まさに自分の生き字引!(太さ検証用にペンを立ててみました)
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パキラは熱帯アメリカにある樹木で、アオイ科だそうです。特徴は、手のひらにのるサイズでも、立派な樹形で、まるで、日本の盆栽を連想させます。ただし、「水をやらなくても、全然枯れない」(著者経験の話ですが・・・)など管理が楽な反面、樹形の維持などはとても難しいです。

なので、三つ編みにしたり、根元近くから大胆に切ってしまって、ユーモラスな形にして楽しむことも多いようです。

最後に

庭先の観葉植物

とあるお店の前にある観葉植物たち。おそらく、お店の店主のお気に入りでしょう。
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まず、最初に「何か植物を育てたいな」と思った時、一番手軽なのが、この『観葉植物』ではないでしょうか。なら、さらに手軽=育てやすいものを、まずはターゲットとして選ぶのも一つの手だと、私は考えます。

たとえば、新たに一軒家をご購入されたとして、「庭をどうしたいか?」と思ったときでも、まずはこの、室内で簡単に育てられるお手軽な「観葉植物」から入るというのも、一つのやり方かと思います。

その理由は、「植物にも様々な種類があり、特性がある」ということを、まずは理解してほしいということです。直射日光に当てると、たちまち、やけど(葉焼け)してしまうものもあれば、半日陰だけだとうまく育たないものもあります。

また、水けを切らせてしまうとすぐに枯れてしまう、コケ類のような植物もあれば、水の与えすぎで枯らせてしまうサボテン類の様な植物もあります。でも、それらを恐れずに、植物たちと対話しながら、お互いに成長してゆく・・・。生き物、植物との対話を楽しむ『ガーテニング』とは、手軽に始められて、かつ、あるいみ崇高な趣味だと私は常に感じています。