ばら散策(新宿御苑編)

ガーデニングの花の中でも特に人気の高い「バラ」。新宿御苑を散策して改めて、その種類とバリエーションの多さに圧倒されてしまいました。今回は「独断と偏見」で特に綺麗に咲いていたものを図鑑形式で紹介してみたいと思います。

新宿御苑のばらについて

via オリジナル画像
新宿御苑で「ばら」があるのは、一番西側にあたる「フランス式整形庭園」の中の「バラ花壇」です。ここは、まるで、パリのシャンゼリゼ通りを彷彿させるような、プラタナスの並木が美しい一角です。新宿御苑はここ以外にもその中央に位置する「イギリス風形式庭園」、そして「日本庭園」などが組み合わされた明治を代表する近代西洋庭園としても位置付けられています。

プリンセスチチブ 先端のグラデーションが特徴的

プリンセスチチブ

via オリジナル画像
花弁がオレンジピンク色のバラです。名前の由来は、秩父宮勢津子貴殿下に捧げられたことに起因します。淵のピンクが変化していくタイプで四季咲きという特徴があります。1971年、イギリスのハークネスによってつくられました。花弁数30-35枚で花径は11cmの中輪です。
※ワンポイント解説:バラの咲く時期について・・・バラには一季咲き(5-6月頃が普通)と四季咲き(いわゆる年中・・・60日周期という説もある)があります。もともとのバラの原種は、一季咲きですが、現在のバラはほとんどが四季咲きです。四季咲きがある理由は、「庚申ばら」と呼ばれる60日周期で花をつける原種のバラがあり、これとの交配によって多くの季節に花をつけるバラが作出されたと言われています。

「パスカリ」 蕾のほのかなピンク色と、開花後の真っ白な花が特徴的

via オリジナル画像
際立った白色が特徴のバラです。象牙白という色に例えられるそうです。四季咲きで花径10cm、花弁数30程度の八重咲。品種「クイーンエリザベス」から作出されました。1963年、ベルギーのレンズによって作出されました。世界バラ会議で、7番目に「殿堂入り」した品種です。
※ワンポイント解説:バラの「殿堂入り」とは?・・・37か国からなる世界バラ会で3年に一度会議が開かれ、育てやすく美しいバラとして選出された品種。1976年に始まり、今までに16品種が選ばれています。

「ジーナ ロロブリジーダ」 鮮やかな黄色が特徴

ジーナ ロロブリジーダ

via オリジナル画像
往年のイタリアの名女優から名前をいただいているバラ。インパクトのある黄色が印象的です。四季咲き大輪で花弁数は40枚程度。1988年にフランスで作出されました。樹形が直立性(ブッシュ型)で鉢植えなどにも向いています。花形は半剣弁高芯咲きになります。
※ワンポイント解説:バラの樹形について・・・バラの栽培品種には大きく分けていくつかの樹形があり、それぞれに特徴があります。直立性(ブッシュ型)はつる性との対義語として使われ、形がくずれず誘引がいらないなど、庭植えにも鉢植えに向いているのが直立性(ブッシュ型)、逆に壁などで誘引が必要な反面、自由な形に仕立てられるのが、つる性です。

「マイグラニー」 淡いピンクと、ロゼット咲きが特徴

マイグラニー

via オリジナル画像
何といっても、ロゼット咲きになるのが特徴的です。デンマークのポールセンが1991年に作出しました。系統はシュラブローズ系で四季咲き。

※ワンポイント解説:バラの咲き方について・・・「ロゼット咲き」は花弁が芯から放射状にのびる咲き方で、タンポポの葉のような形になるものを指しています。もともとは「バラの様な(ロゼット)」という意味でオールドローズに多く見られる咲き方です。

「エーデルワイス」 優雅で気品のある白い花が印象的

エーデルワイス

via オリジナル画像
樹形がコンパクトで半直立型なため、どちらかというと、庭植えよりも鉢植えに適しているそうです。デンマークで1969年、ニールス・ダイナス・ポールセンによって作出されました。花径は約8cmでカップ咲き。花付き、花もちがいいのも特徴のひとつです。
※ワンポイント解説:バラの花形について・・・好みのバラを探す方法の一つとして、「花形」を意識するという方法があります。あまりにも多いので、このサイトで写真を掲載しているものを中心にいくつか紹介します。
一つ目は、「花弁の先端の形状」です。とがっているものを「剣弁」といい、丸いものを「丸弁」といいます。ややとがっているものを「半剣弁」と呼び、花形の分類のひとつとしています。

「カウンティフェア」 花弁数がすくないのが逆に魅力

カウンティ-フェア

via オリジナル画像
フロリパンダ系統の栽培品種。バラの中では花弁数が少ない「半八重(8-10枚程度)」が特徴的。鮮烈な色とグラデーションが綺麗ですね。個人的には「桜(桜もバラ科)」を連想させるようで、とても気に入った品種のひとつです。
※ワンポイント解説:バラの花弁数について・・・バラに限らず、花弁数で品種を特定したり、特徴を表すのは一般的です。「一重咲き」・・・花弁数5枚。「半八重咲き」・・・花弁数十数枚。「八重咲き」・・・花弁数20枚以上・・・ざっくりとはこんな感じです。

ラフランス

via オリジナル画像

「フェローシップ」 特徴あるオレンジ色と、花びらのよれよれ感が可愛らしい

フェローシップ

via オリジナル画像
ビタミンオレンジともいうべきか綺麗なオレンジ色と、花弁の先端のよれよれ感がいい雰囲気を醸し出しています。

「クイーンエリザベス」 その名のとおりに優雅なバラ

クイーンエリザベス

via オリジナル画像
1979年に殿堂入りしたバラです。1954年アメリカウオルター、レマーツによって作出されました。花弁は丸弁で、花形は杯状咲き、花径は12cmです。また樹形は直立型で樹勢がよく大きくなりやすく、育てやすい特徴も持っています。ハイブリッドティー系とフロリパンダ系から作出された「グランティフロラ系」となずけられた系統の第一号バラです。
※ワンポイント解説:バラの「系統」とは?・・・数千ともいわれるバラの栽培品種。その中でもととなる原種は10種類程度と言われています。その中で、ハイブリッドティー系とは花形がゴージャスな点が特徴でフロリパンダ系は沢山の花をつける房咲きするのが特徴です。つまり、そのいいとこどりなのが「グランティフロラ系」ということになります。

「トランぺッター」 鮮烈な赤が印象的

トランぺッター

via オリジナル画像
フロリパンダ系のバラで1977年ニュージーランドのマックグレディによって作出されました。こちらも若干花弁の先端がフリル状になっていて、丸弁です。そして、この時期見られる四季咲きです。

パスカリ

via オリジナル画像

フリージア

via オリジナル画像