「家ガーデニング」秋冬編

ベランダや屋内など、適材適所を選びながら一年を通じて様々な植物を育てていこうという「家ガーデニング」。今回は秋冬に必要な作業などを中心に、いくつかご紹介します。

この時期、栽培可能な植物は・・・。

「家ガーデニング」式で育てた「キャベツ」

今年、この時期、特に力を入れているのがこの「キャベツ」のような「葉物野菜」(撮影用にベランダの端に置いていますが、通常はベランダの中でも花壇になっている部分で栽培しています。念のため・・・)
野菜類に限らず、ハーブや花などでも一年草などの場合、大きく分けると、たねを「春に蒔く」ものと「秋に蒔く」ものがあります。その大きな理由の一つが、その植物の「原産国」にあります。たとえば、種袋を眺めているとその「原産国」、むしろ日本である場合の方が少ないくらいです。

つまり、日本原産の植物であれば、春先に種を蒔き、季節とともに成長し、秋に収穫となりますが、日本と違った場所、ヨーロッパの地中海や中央アジアなどの場合、日本の湿度の高い、熱い夏に耐えられなかったり、梅雨時期をしのげなかったりするものもあります。

そういった植物が生育する環境を少しでも原産地に近い条件にするために、秋に蒔いて冬や春に栽培しようという訳です。

今回、まず取り上げるのは

葉物野菜(中心)の種まき

まずは種まきの様子から、白菜、キャベツ、カリフラワーなどの「秋冬」期にも栽培可能なものを選んで蒔いてみました。
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もっと具体的に見てゆくために、今回は「四季蒔きキャベツ」を取り上げてていきましょう。

<科・属名>アブラナ科アブラナ属
<原産地>ヨーロッパ
<特徴>中早生二号という名称の種です。その名のとおり、「やや早め」に収穫できる品種です。蒔き時期も広く、春まきだと約81日、夏蒔きだと65-75日、秋まきだと長くなりますが、170日で収穫できます。

同じアブラナ科アブラナ属には沢山の野菜があります。たとえば、写真にある「白菜」などは、別名「チャイニーズレタス」と言われ、中国原産のものが多いようです。同様に写真にある「早やどりカリフラワー」は地中海沿岸の原産とあり、いわゆる「地中海性気候」で育つもののようです。

「四季まきキャベツ」と種まきセット

上・・・育苗用のケース、左・・・たね、右・・・ロックウールブロックX3
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<種まき>
種袋での奨励は、128穴タイプのセルトレーにふた粒程度蒔く方法や、育苗箱に10cm間隔で筋蒔きする方法が紹介されています。

ここでは、写真にある「ロックウールブロックの小(3x3x3)」を使います。これに、やはり同様に種2,3粒を蒔いて、それがすっぽり入る大きさの蓋つきケース(これは、ロックウールブロックのオプションではなく、100円ショップで別途購入しました)に入れ、水をひたひたになるくらい入れます。

蓋をしてタンスなどの暗い場所に置きます。この方法で野菜に限らず、ほとんどのものは発芽するという実績があります。

キャベツの植え付け

プラスティックの器にココヤシ土を入れ、ロックウールブロックごと、発芽したキャベツを植えつけたところ。あまり深く埋めないのがポイント。
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<植え付け>
種袋の解説では、本葉1,2枚でポットに植え替えし、さらに本葉5,6枚で畝間65cm、株間35cmで畑に植えるとあります。

「家ガーデン」の場合は、発芽したら、ロックウールブロックごと、鉢ではなく、器に「ココヤシ土」を入れ、植えつけます。ポイントは、ロックウールブロックを完全に沈めてしまうのではなく、やや浮かせる・・・というよりは、ちょっとだけ沈める程度に植えつけます。

これにより、根は露出するのを嫌がり、また、少しでも、より深いところまで伸びようとするため、根がしっかり伸長し、それに伴い、株もしっかりしたものになります。

キャベツ画像(アップ)

アブラナ属アブラナ科の芽はこんな双葉です
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<栽培管理>
畑の場合は、土壌改良のための石灰や肥料などを施します。この四季まきキャベツの場合は、苦土石灰1平方メートルあたり100g、完熟堆肥2kg、有機配合肥料100gを施します。さらに本葉10枚程度の頃に耕しながら除草をかね実施します。ただし、秋まきは元肥を半分以下にします。

当方、家ガーデニングの場合は、こういった肥料の代わりとして、葉物用液肥(1.5-6-6:チッソ-リンサン-カリ)を与えています。
「ロックウールブロック」とは・・・育苗マットの一種です。育苗マットとは種まき時に利用する専用のツールです。素材は「高炉スラグと数種の岩石を高温で焼き綿状にしたもの」からできているそうです。サイズがいくつかあり、私は3X3X3cmのものを使っています。
「ココヤシ土」とは・・・別名パームピートとも呼ばれその名のとおりココヤシの実の繊維を砕いて圧縮したものです。原料がココヤシということもあって、燃えるゴミとして捨てることもでき、扱いやすいのが特徴です。当方「家ガーデニング」としては、穴のあいていない容器を植木鉢代わりにして、室内で育てるのにも使用しています。
今期今シーズンは、なかなか水耕栽培でうまくいかなかった「葉物」系を取り上げてみました。それは、「うまくいかない」という反省のもと、新しい方法や、やり方を思いついたからです。という訳で、まずは、反省ですが、

1.水耕栽培用のハイポネックスを使っていたこと
2.(1.と関連するが)水(水耕栽培養液)だけで栽培しようとしていたこと

に難があったのではないかということです。
ということで、今期今シーズンはその反省を踏まえて、
1.ココヤシ土などの「土もどき」を使う
2.葉物用の養液(たとえば、今使っているのは、1.5-6-6:チッソーリンサンーカリという「葉物用」養液)
という作戦に切り替えてみました。

キャベツと白菜

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この「葉物」用戦略(根もの用ハイポネックスの水耕栽培を、ココヤシ土+葉物用液肥に変える)が当たったのか、とりあえず、上記の写真(キャベツと白菜の混載)など栽培に成功しました。

・・・とはいえ、このやり方で、同時期に種まきしたカリフラワーや他の白菜類は、芽だしはほぼ成功したものの、半分くらい、鉢上げの時点で枯れてしまいました。原因はわかっていませんが、まだまだ改良の余地はありそうです。

マメ科の植物の栽培

絹さやエンドウ

発芽したものを100円均一で買ったオシャレ?な、プラスティックの透明なケースにいれてみました。
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葉物野菜で全く実績のなかった「カリの多いハイポネックス」を使った水耕栽培。マメ科の植物とは相性がいいらしく、ほとんど成功しています。今回は食べるものというよりも、観葉植物のように観賞用として見栄えするように育てることに挑戦してみました。
絹さやエンドウや、そら豆、インゲンなどの豆類は、「根粒菌」の働きなどもあるためか、水耕栽培でも案外大きく育てることができます。ただし、写真の絹さやエンドウなど、つる植物の場合、高さを取るため、部屋のインテリアとしてはやや不向きかもしれません。
種まき時(上の写真)からわずか9日後、この大きさ(下の写真)に成長しました。

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さらに上の写真から16日後、下の写真の大きさになりました。高さ換算だと70~80cm位です。この時点ではまだ花をつけていません。針金の支柱も立ててみましたが、あっという間においこされてしまいました。まるで「ジャックと豆の木」を連想させる成長の速さです。

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さらにここからわずか4日後にはいくつか開花しました。マメ科の花は虫や風、あるいは人が花粉をつけなくても、勝手に結実します。そのため、花自体は結構地味なものが多いのですが、逆にひっそりと咲く可憐なイメージがあり、観賞用としては、マニアックかもしれません。しかし、育てやすさの点では、室内で育てる「家ガーディナー」向きの植物のひとつです。

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最後に

秋冬期のベランダ

寒々とした空が印象的です。左から鷹の爪+ししとう、キャベツ、カラーパプリカ、大根。太陽の位置が低く日当たりが悪いので、下駄を履かせています。ベランダ菜園(家ガーテニング)だとこういう小細工もできます。
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今回は、秋冬の季節に仕込む、キャベツや白菜などの「葉物」にも挑戦してみました。特にこの時期に栽培するものの特徴として、「直播(じかまき)」がよいとされているキャベツ類は、かなり苦戦しました。たとえば、せっかく成長した白菜は、手狭になってしまったので、植え替えたところ、枯れてしまい(ココヤシ土が合わなかった?)、カリフラワーは、本葉が出始めた頃、なぜか枯れてしまいました。

なんとか、「家ガ-ディナー」として、葉物、秋冬ものも成功させたく、勉強中です。